121. 明日の記憶
《ネタバレ》 映画の作りも丁寧だし、役者たちも熱演していたし、プロットも揃っていたと思うのだが・・。この満足感のなさはなんなんだろう。伝わってこなかったなあ。リアルに迫ってくるものが、まるでなかった。妻役の樋口の献身的な姿も、途中でこらえきれず夫に「あなただって」と言い返す姿も、なんだか嘘っぽく見えた。すべての登場人物がストーリーのために動いている人形のよう。生きた人間は描かれていなかった。決して手を抜いて作られた作品ではない。監督も役者もがんばっている。それはよくわかるのだが。うーん、映画ってむずかしいね。でも、娘の結婚式で謝辞を述べるシーンだけはよかった。ここは泣きました。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2008-10-16 22:19:58) |
122. 下妻物語
《ネタバレ》 よくできています。テンポがよく、映像の撮り方も、とてもセンスが良い。挿入されるアニメやCGも実に効果的。桃子とイチゴの二人のキャラにも厚みがあり、非常に魅力的に描かれています。クスクス笑いながら楽しく見れますが、そこに込められたポジティブなメッセージは、実はなかなか深い。深田恭子と土屋アンナは、まさにベストキャスティング。高評価に納得です! [DVD(邦画)] 8点(2008-10-10 02:42:51) |
123. Love Letter(1995)
《ネタバレ》 僕はこの監督とはセンスが合わないのかなあ。終止イライラしっぱなしでした。テンポは悪いし、人間は薄っぺらいし、ストーリーも、面白くなりそうで、ならない感じ。物語のプロットのアイデアはいいのですが、全く活かせていない。映像的に言うと「光の使い方がきれいだ」というのはありましたが、ずっとそればっかりで、くどく感じます。音楽も、曲自体はきれいなのですが、シーンに全然合ってない。そういうふうにしか、感じられませんでした。期待していたのに残念です。 [DVD(邦画)] 2点(2008-10-10 01:56:29) |
124. 集団殺人クラブ
《ネタバレ》 テンポが良く、無駄なシーンがないので、ストレスなく見れました。また、女子高生たちの描写が非常にリアルです。援助交際も死体遺棄も軽くクリアしてしまう女の子が、実は自分のやってしまったこと(過去)に囚われている、その象徴として登場するタケゾウ。しかしタケゾウはしだいに、その領域から飛び出してきます。ここからが、この映画の特異な部分と言えるでしょう。ヒロエがタケゾウを乗り越えると、タケゾウは、またそこを越えてくる。ヒロエがまたそれを乗り越え…。そのくり返し。「タケゾウ」とは何者? そして「タケゾウの左手」の意味するものは? そんなことを考えながら、まったく飽きずに最後まで見れました。人間の葛藤や逡巡を表現しながらも、それらを軽々と乗り越えていく「人間のたくましさ」を描いている映画で、見た後に、前向きな気持ちになれます。 [DVD(邦画)] 6点(2008-10-01 00:09:21) |
125. 突入せよ!「あさま山荘」事件
面白かったです。人間が大勢あつまって仕事をすると、こんな感じになりますよね。警察なら、なおさらでしょう。すごくリアリティがありました。現場仕事をしていた頃のことを思い出します。身につまされる映画で、見ていて疲れましたが、満足感がありました。役所広司は、やっぱりうまいですね。 [DVD(邦画)] 7点(2008-09-30 23:28:14) |
126. スティング
《ネタバレ》 僕は映画を、作品の出来と、自分が感じた「面白さ」でしか判断しないので、この点数が限界です。確かに、この映画に出てくる様々なアイデアは、いろんな作品でパクられまくってますね。でも「元祖である」ということは、僕にとって大きな意味を持ちません。むしろ、僕はこの映画を大人になってから見たので、逆に「どっかで見たことあるようなパターンばっかだなあ」と思ってしまったのでした。映画史的には、きっと極めて重要な作品なんでしょう。 [ビデオ(字幕)] 5点(2008-09-23 15:27:31) |
127. コン・エアー
《ネタバレ》 最高! 文句無しです。特にマルコヴィッチのやっていたサイラスのキャラがもうかっこよくって!! ただ、テレビで吹き替えでやっているのを見たら、サイラスの吹き替えをした人が、すべてを台無しにしていた。この映画だけは、何が何でも字幕で見るべし!!!! [映画館(字幕)] 9点(2008-09-23 14:34:38) |
128. 俺たちフィギュアスケーター
くだらない・・・。ばかばかしい・・・。ほんとうにくだらない・・・。でも、おもしろい! なんだかんだ言って、よくできてるんじゃないでしょうか。出来の悪い芸術映画より、よく出来たおバカ映画。そう思わせてくれる一品です。とにかくひたすらおバカな映画。徹底してます。あと、結構新しいというか、今まで見たことない感じですね。ちなみに本当は飛行機で見ましたが、選択肢になかったので映画館としました。 [映画館(吹替)] 7点(2008-09-23 01:59:12) |
129. TAKESHIS’
出だしだけは、まあまあいい感じだったのですが、どんどんひどくなっていきます。大むかし流行ったようなコテコテの不条理劇。そこには「新しさ」も「難解さ」もなく、もはや「北野武らしさ」さえも、ありません。北野監督には、今後、「3-4x10月」のような名作を、あと1本でいいから、撮ってほしいものです。 [地上波(邦画)] 1点(2008-09-22 23:54:50) |
130. 催眠
《ネタバレ》 これがあの「感染」と同じ落合監督の作品なのでしょうか。脚本に福田靖が関わっているというのも、本当でしょうか。登場人物の反応の滅茶苦茶さには、もう閉口です。「そんなとこで怒るかよ」「そんなこと言うかよ」の連続。リアリティないにもほどがあります。話もつまらないです。 [DVD(邦画)] 1点(2008-09-22 23:51:23) |
131. 鬼が来た!
《ネタバレ》 設定はまあまあ面白いが、役者の芝居はガチャガチャ騒いでいるばかりだし、映画の進行にも緩急や山がなく、見ていた疲れた。戦時中の雰囲気はリアリティを持って描かれており、そこは評価できるが、人間が描かれていなくて、物語が薄っぺらかった。だから後半、誰が誰に殺されようと、あまり何も感じない。「そういう風に人から人間性を奪い、人間をみんなステレオタイプにしてしまうのが戦争だ」ということを訴えたかったのなら、ある意味成功かもしれない。でも、それは映画として面白いものではなかった。僕は、やはり生きた人間の姿が見たいのだ。 [DVD(字幕)] 4点(2008-09-22 23:39:04) |
132. 富江 tomie
《ネタバレ》 同監督の「うめく排水管」が面白かったので、こちらの作品も見てみました。こっちはダメダメのグダグダホラーでした。残念。ただ、意図したものかは不明ですが、笑えるところがいくつかあって、そこはよかったです。一番面白かったのは、洞口演じる精神医が「催眠療法中に月子が言ったセリフ」を録音したテープを聞きながらメモをとるシーン。紙に「トミエ」とメモした後、「トミエ」と書いた下に「とみえ?」って。仮名なら一緒だろ! 要は、「トミエ 富江?」とか、「富江 登美枝?」のパターンのパロディなんでしょう。いくらなんでもあれは意図的にウケを狙ったんでしょうね。その後のシーンでも月子に、「トミエ とみえ」と大きく書いた紙を見せて「この名前に心当たりは?」とか聞くし。なんでそこでも二つ書くの(笑)。ひらがな読めればカタカナも読めるって。でも、面白いのはそこらへんまで。途中から笑えるシーンがなくなってきて、ただただ苦痛の退屈な時間が続くのでした。 [DVD(邦画)] 2点(2008-09-21 11:54:42) |
133. 最後の猿の惑星
これはもう、作品としてはどうしようもない出来ですね。「シリーズを完結させる」という機能をかろうじて果たしているだけの映画。もうちょっとがんばって作ってもよかったんじゃないでしょうか。 [地上波(邦画)] 1点(2008-09-20 11:36:15) |
134. ドグラ・マグラ(1988)
原作は読んでいませんが、これは映画として非常によくできていて、なんというか、完璧な仕上がり。ストーリー、役者たちの演技、映像の雰囲気、テンポ、など、非の打ちどころがありません。数年に一度見ています。何度見ても面白いです。主役の三人のキャスティングはまさに絶妙。 [ビデオ(邦画)] 9点(2008-09-20 11:23:50) |
135. うめく排水管
《ネタバレ》 語り口が独特です。この時代、ひとつ新しい語り口を作り出すのは至難の技だと思うのですが、ちゃんと成功していたと思います。音楽の使い方が絶妙。あと、挿入されるテロップも、手法としては古典的ですが、この映画では違う意味を持っていて、なかなかドキっとさせられます。「知らなかった」を何度もくり返すところとか、「おっ」と思わせますね。ストーリーも、悲しくせつなく、また、やり過ぎていない感じが好みでした。排水管がどんどん人を飲み込んでいくだけの映画だったら嫌だなあ、と思って見始めたのですが、それは最後に象徴としてちょっと出てくるだけで、前半のドラマ部分がメインで、よかったです。笑えるところも何ケ所かあります。ギャグのセンスもさりげなくて、いいです。令奈のキャラに厚みを持たせていたのもよかったと思います。単なる「いい子ちゃん」にしてないところがよいです。途中で歌い出す演出も、他の多くの作品では邪魔なだけですが、ここでは見事に生きています。歌のところで結構泣けます。タイトルやDVDのパッケージからはB級の匂いがプンプンしましたが、これはもはやB級とは言えません。ところが世間での評価はかなり低いようで、誉めている人が少ないんですよね。なぜ? 確かにホラーを期待しちゃうと、肩透かしを食うかも知れませんが。・・・うーん、こういうの、ウケないんですかねえ。気持ち的には8点あげたいくらいですが、僕が他に8点つけた映画と比べると、やっぱりそこまではないかな、ってことで冷静さを取り戻し、7点です。 [DVD(邦画)] 7点(2008-09-19 22:58:44) |
136. 子宮の記憶 ここにあなたがいる
《ネタバレ》 いい映画です! とにかく、人物がよく描けています。地味な設定ですが、映画の質が高くて、一瞬たりとも飽きさせません。登場人物ひとりひとりの気持ちや人生が、とてもよく伝わってきます。基本的には「人と人との心のふれあい」というオーソドックスなテーマですが、「親子」「血のつながり」といった無条件に認められがちなものに対する、一種のアンチテーゼも含まれていて、そこらへんも好きです。愛子の役は松雪以外考えられないし、柄本もすばらしい。BSでやっていたのを何の気なしに録画したのですが、まさに掘り出し物でした。意外なところに名作が隠れているモンですねえ。9点に近い8点! [CS・衛星(邦画)] 8点(2008-09-19 06:20:00) |
137. リアル鬼ごっこ(2008)
《ネタバレ》 意外に面白かった。ムチャクチャな設定の割に、ドラマ作りはしっかりしていたほうじゃないかな。佐藤狩りとか王様とか、どうなることかと思ったら、結構リアリティがあってビックリ。まあ6点が限界だけど、スノッブなお芸術映画に比べたら、こういうおとぎ話のほうがずっとマシ。 [DVD(邦画)] 6点(2008-09-18 20:47:22) |
138. L change the WorLd
《ネタバレ》 仮面ライダーみたいな、子供向けのヒーローものだと思って見れば、なかなかの出来。松山の作り出すLのキャラはしかっりしているし、工藤、高嶋、鶴見、福田と、役者陣はがんばっていた。個人的には、佐藤めぐみの殺人鬼っぷりも、ツボだった。南原の学芸会以下の演技も、この映画には、なんか妙にハマっていた。バラエティ番組での南原に比べたら、役に立ってたんじゃないかな(笑)。ストーリーは、どうこう言う以前の出来。デスノートみたいなちゃんとした娯楽作品には、到底なっていないので、期待しないように。暇つぶしとしては、まあ飽きずに最後まで見れたので、5点あげましょう。 [DVD(邦画)] 5点(2008-09-18 17:57:59) |
139. オーディション(2000)
《ネタバレ》 途中まではなかなか面白かった。人物の描き方、物語の展開のさせ方など、すべてがいい感じで、楽しめた。先を読ませずに興味を引く語り口も絶妙。ところがラストの「キリキリキリキリ〜」の部分が拍子抜け。残酷描写が話題だそうだが、もっと残酷な映像をたくさん見てきた自分には普通のスプラッタにしか見えなかった。そうして結局何が何だかわからず映画は終了。「私だけを愛してくれるか」という審査基準で、実は女が男をオーディションしていた、ということみたいだが、スッキリしない。「言葉は信用できないが痛みは信用できる」という言葉と、あの女の行動は合致していない。要は子供がアリの足をもいで遊んでいるのと同じでしょう。残念な結末。 [DVD(邦画)] 5点(2008-09-16 17:06:17)(良:1票) |
140. 自虐の詩
《ネタバレ》 いい要素はたくさんあります。まず、中谷美紀がとてもうまい!ユキエと熊本さんの中学時代のエピソードは心にしみる。細かいギャグにもクスッとできて、コメディとしてもなかなか。町の雰囲気もよい。しかし、映画全体としてのまとまりが今一つで、どうも消化不良です。特にエンドロール後の「幸と不幸は等価値。意味のない人生はない」みたいな着地点は最悪。僕的には、熊本さんが作ってくれたお弁当に入っていた半熟のゆで卵が、一番の感動ポイントでした。 [DVD(邦画)] 6点(2008-09-16 02:32:09)(良:1票) |