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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2398
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1381.  下宿人(1926) 《ネタバレ》 
主人公が初めて下宿屋を訪れてくるシーンは、その不気味さではけっこう有名なカットで今ではいろんなホラーもの記事で使われているの見覚えがある方も多いはず。それだけでも初期のヒッチコックがけっこう映像派だったことが理解できますが、サスペンスの盛り上げ方もなかなかのものかなと思います。“復讐者”と名乗る切り裂きジャックを彷彿させる殺人犯については単なる狂言回しだったというわけですが、そこが早めにわかってしまえばこの映画のサスペンスが台無しになってしまうわけで、そこはさすがヒッチコックだけあってよく判っておいでです。私の眼には、主人公の容貌が内村光良にしか見えなかったのがちょっと難点でしたが(笑)。 あと気が付いたのは主人公が群衆に追いかけられるところなんかはフリッツ・ラングの『M』にかなり似ているなということです。もちろん本作の方が先ですが、ヒッチコックはあのラングにも影響を与えていたのかと思うと、彼の偉大さを改めて認識する次第です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-10-30 23:57:35)
1382.  ハリウッドにくちづけ 《ネタバレ》 
なにこれ、メリル・ストリープ歌上手すぎでしょ。この人はほんとに天才女優としか言いようがありません。シャーリー・マクレーンの太ももチラリサービスつきの歌もすごかったけど、彼女の場合はこれぐらいやって当たり前の人ですから。これがデビー・レイノルズとキャリー・フィッシャーの母娘のお話だと言われてもピンときませんが、オリジナル・ストーリーだととらえた方が愉しめるんじゃないでしょうか。この母娘関係は『愛と追憶の日々』を思い出してしまいましたが、いまやメリルがこのシャーリーのような役どころを演じるような歳頃なんですから、光陰矢の如しです。 さすがにメリルもヤク中演技を見せるのは嫌だったのかもしれませんが、その方面の描写はほとんどなしです。そうなるとこのヒロインは別にヤク中じゃなくてもよくね、ということになるわけでそこがこの映画の弱いところになります。ジーン・ハックマンやらリチャード・ドレイファスなどけっこう贅沢な使い方で撮ってますし、バックステージものとして観ればけっこういい映画かなと思います。
[ビデオ(字幕)] 6点(2016-09-04 23:42:05)
1383.  フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白 《ネタバレ》 
ロバート・マクナマラといえばベトナム戦争を象徴するような人、たしか当時は「冷酷漢」「ファシスト」などさんざんな言われようでしたが、こうやって老いた姿を見ると意外なほど誠実で知的な人物のように見えます。彼の最大の功績(?)は戦争の運営に経営的な手法を導入したことでしょう。「戦争みたいな重要なことは軍人には任せられない」という名言を残したのはたしかクレマンソーだったと記憶していますが、その戦争をフォードの社長に指揮させたのはすごいことです(もっともケネディに請われて国防長官に就任した時点ではまだベトナムはアメリカの戦争とは言えない段階でしたが)。 前半はなんだか自らのサクセスストーリーを語っているだけという印象しかありません。それでもその中にも見逃せないポイントはあります。マクナマラは大戦中あのカーチス・ルメイの幕僚だったんです。口には出しませんでしたが、マクナマラはルメイの冷酷な戦争運営から絶対に影響を受けていますね。「彼は狂人だった」とまで酷評する部下までいるルメイを、さすがに好意的に語ってはいませんが決して否定していないところからも推測できます。ベトナム戦争についてはもう自己弁護のオンパレードです。彼の弁明で腹が立ったのは、東京大空襲やベトナムでの枯葉剤作戦について「一晩で民間人10万人を焼き殺してはいけないと規定している戦争法規は存在しない」「枯葉剤を散布することは戦争法規で禁止されていない」とシレッと開き直ったことで、「もしそういうことが法律的に禁止されていたなら、私は決して実行しなかった」とまですました顔で言うんですから、もう開いた口がふさがりません。観ている最中から「マクナマラとアイヒマンはどこが違うんだろう?」と真剣に悩んでしまいました。 この映画は“マクナマラが語る11の教訓”という構成になっていますが、この中で彼は面白いことを言っています。曰く「都合の悪い質問は無視する」。つまりこの映画の中でも彼は不都合な質問には沈黙していたわけで、それを許してしまった監督は厳しく言えば能力不足だったと言わざるを得ません。もし監督かインタヴュアーがマイケル・ムーアかオリヴァー・ストーンだったらと思ったりしましたが、それじゃあきっとマクナマラが拒否したことでしょうね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-08-31 22:40:14)
1384.  炎の戦線エル・アラメイン 《ネタバレ》 
エル・アラメインと聞くとマカロニ・コンバットの大作『砂漠の戦場エル・アラメイン』をすぐ思い起こしてしまいますが(歳がばれます)、あのど派手な映画とは程遠いもう地味なのが本作です。同じ負け戦としてはドイツ版の『スターリングラード』と雰囲気が良く似てます。まあイタリアの第二次大戦映画となるとほぼすべてが負け戦映画になっちゃうのが悲しいところですがね。 エル・アラメイン戦は、両サイドが完全に息切れ・補給切れになってエル・アラメインで陣地を造ってにらみ合い状態におちいってからの英軍の大反撃作戦です。ロンメルが得意とした戦車による機動戦と違って第一次大戦の会戦に近い力押し戦なので、モントゴメリーのような凡将でも勝つことができたと言っちゃうと言いすぎでしょうか。でも所詮イタリア軍はわき役・お荷物状態なので、最前線の状況をリアルに再現するとこういう地味なお話になってしまうんですね。でも自分はこの映画の雰囲気は嫌いじゃないです。『アラビアのロレンス』が砂漠の美しさを映像にとらえたすると、本作ではまさに砂漠の現実・恐ろしさが良く映されていると思います。そういえば主人公の志願兵は、冒頭でオートバイに便乗して登場しラストはオートバイを一人で運転して戦場から去ってゆきます。ここら辺は『アラビアのロレンス』のファーストシーンを意識した撮り方だったのかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-08-29 22:36:10)
1385.  サスペリアPART2 《ネタバレ》 
『サスぺリア』の大ヒットにびっくりした東宝東和が、お蔵入りになっていた同じアルジェントの旧作を引っ張り出してきて無理矢理『PART2』に仕立てたという経緯はもうあまりにも有名。『サスぺリア』のようなオカルト要素は少なくて、伝統的なイタリアン・ジャーロをサイケデリック風味で再構築しましたって感じで、初めは未公開だったと言うのもまあしょうがなかったのかも。完全版は公開時にカットされたデヴィッド・ヘミングスと当時のアルジェントのかみさん(というか、アージアのお母ちゃん)ダリア・ニコルディとのラブコメ的なシークエンスを復活させてるみたいですけど、これはカットしたのは正解だったと思います(笑)。いちおうアルジェントはヒッチコックをイメージしたスリラーのつもりで撮ったみたいですけど、登場キャラが順番に消去されてゆくのだから、犯人は残ったあの人ってぼんやり観る主義の自分でもすぐ判るところはご愛敬。でも有名な機械仕掛けの人形がゴブリンのスコアに乗って迫ってくるシーンは、さすがにアルジェントの才気が迸っていましたね。その他にも随所に非凡なカットが散りばめられていて、まず映像ありきのビジュアル系映画と捉えた方がいいんじゃないでしょうか。あと犠牲者や犯人の死にざまのえぐいところは、『サスぺリア』なんて子供騙しと思えるほどです。この映画を観て勇気づけられて自作で真似した映画監督はうじゃうじゃいますしね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-07-21 22:35:47)
1386.  恋するリベラーチェ 《ネタバレ》 
確かに、ホモという要素を抜いて観ればごくありふれた恋愛痴話に過ぎないのかもしれません。でもまったくその気が無い身としては、その“ホモ”の世界を覗き観れることにちょっと引かれてしまうんです。マイケル・ダグラスとマット・デイモンの接吻やベッド上でのアレなんて正直気持ち悪いだけですが、ハリウッドを代表する(たぶんノーマルな性癖だったはず)両名優のホモ演技は称賛に値するんじゃないでしょうか。ダグラスなんてハゲ姿までみせるんですからねえ。じっさいリベラーチェとマイケル・ダグラスはメイクの力とはいえそっくりです。そして『オーシャンズ13』以来ですけど、ソダーバーグはデイモンの顔をいじるのがほんと好きです。 あと今回で確信するに至ったのは、ソダーバーグという人はやはりゲイだということです。彼はクレジットに別名というかペンネームをよく使いますが、彼が編集でよく使う変名はMary Ann Bernardという女性名ですからねえ。まあハリウッドにはそういう性癖の人はうじゃうじゃいますし、別に気にする様な事でもないですけど。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-07-09 21:48:05)
1387.  デッドガール 《ネタバレ》 
プロットもストーリー展開もかなり鬼畜系なんですけど、撮り方自体はしっかりしていて妙にまともです。ありふれた高校生活に謎のゾンビ女が紛れ込んできて、登場人物たちの人生がくるってゆくと言う感じの雰囲気が良い感じです。ラストはまるで禁断の夢オチみたいな終わり方ですけど、後半になってけっこう騒ぎが大きくなってるのに第三者がまったく登場してこない不自然さも含めて、これはダークファンタジ-だと捉えれば有りでしょう。そう言えばどこかこの映画のタッチがガス・ヴァン・サントの『エレファント』に似ている様な気がしてならなかったんです。一か所だけでしたが夕焼けに染まる鰯雲だけを捉えた短いカットも有り、これは間違いなく『エレファント』に影響されてるな、と確信した次第です。あと主人公が自宅にいるシーンが幾つもあるのに、なぜか母親がまったく登場しないところもなんかヘンですし、良く考えると脚本には色々仕掛けがあった様な気がしてなりません(もっともそれが成功しているかは疑問ですが)。
[DVD(字幕)] 6点(2016-05-29 21:33:44)
1388.  ロシアン・スナイパー 《ネタバレ》 
リュドミラ・パヴリチェンコといえば切手にまでなったソ連の超有名女性スナイパー、その彼女の戦争をフィクションを多々交えながら描いています。考えてみれば、戦場に女性を実戦兵士として送り込んだのはソ連だけ、それだけ独ソ戦のときはスターリンも切羽詰まっていたということでしょう。ドラマとしては戦場から離脱した後使節の一員として米国に送られ、その時のルーズベルト大統領夫人エレノアとの交流がカットバックされる構成になっています。語り口としてはまあオーソドックスで、戦場でも彼女の狙撃活動よりも上官との色恋や女性戦友との交流がメインという印象です。イーストウッドの『アメリカン・スナイパー』との大きな違いは彼女が狙撃という人を殺める行為に対して何の葛藤も持っていないことで、大義の前では意外と女性の方が疑問を持たないという傾向があるんじゃないでしょうか。旧ソ連の国策映画ほどじゃないにしろ、独ソ戦(ソ連の呼び方では『大祖国戦争』)に絡んでは戦争に疑問を挟むような映画の撮り方は、現在のロシアでもまだまだタブーなのかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-05-21 22:01:09)
1389.  殺人地帯USA 《ネタバレ》 
原題の『アンダーワールドUSA』を『殺人地帯USA』とする邦題のつけ方、まるで新東宝ピクチャーみたいなセンスでいかにもB級ノワールっぽくていいですね。 チンピラ少年が組織の幹部に父親が殺されるところを目撃、その後順調に金庫破りを稼業とするワルに成長して刑務所にぶち込まれます。そこで父親殺しの犯人の一人と再会し、この男の病死間際に残りの三人の名前を告白させます。この元チンピラ少年役がクリフ・ロバートソンです。まだ若き日の出演ですが、さすがこの7年後にはオスカー男優になる人だけあってB級ノワールにはもったいない様な迫力ある演技を見せてくれます。ロバートソンは出所後に組織の一員として潜り込み、組織の中ボス的な存在の父親殺しの下手人三人と大ボスに復讐を果たしてゆきます。サミュエル・フラーの演出はタイトかつスピィーディーな物語展開なので、まあ退屈はしませんね。まだFBIもその存在を公に認めていなかった頃なので、この組織は明らかにマフィアなんですけどそんな文言は一言も使われません。証言封じのために証人の子供を轢き殺したりする生々しいシーンもあったり(ヘイズ・コード時代にしては珍しいことです)、公開当時はそれなりにショッキングだったんじゃないでしょうか。そしてラスト・シーンは撃たれたロバートソンが夜の路地を徘徊して息絶えるんですけど、ここはゴダールの『勝手にしやがれ』とそっくりだという指摘も一部にはあるそうです。ご存知のように『気狂いピエロ』に出演させちゃうほどフラーをリスペクトしてますから、ゴダールが真似したということは十分あり得る話です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-05-18 20:58:11)
1390.  長く熱い週末 《ネタバレ》 
“さあ、サッチャー政権も誕生していよいよ狂乱の80年代の幕開けだ!ロンドン・ギャングの親玉である俺(ボブ・ホスキンス)にも一世一代の大儲けのチャンスが巡って来た!と言うわけで、アメリカまで行って出資者を見つけてきたし市会議員も抱き込んでるからロンドン再開発を仕切って欧州一のビッグ・ボスに成り上がってやる!ん、でも帰国してみたらなんかシマの様子が変だぞ、これはいったい…” と言う感じでお話しが進む、ロンドン・ギャングのボスの破滅への2日間です。ボブ・ホスキンス、このエネルギッシュな豆タンク親父はギャングのボスにはピッタリのキャラです。ホスキンスの女房がヘレン・ミレンで、社交力があって仏語がペラペラの堂々たるインテリ姐御ぶりにほれぼれとさせられます。お話しの方は少々複雑で、実はホスキンスを狙っているのは泣く子も黙るIRAでしたという展開になってくると、イマイチ訳が判りませんでした。もはや命運が尽きたホスキンスの表情を長回しで見せるのがラストですが、これはこの人の持ち味が全て出ている様な良い演技でした。 彼自身も本作の次の作品ではイアーゴを演じているんですけど、全体の雰囲気としては『オセロ』の様なシェイクスピア悲劇風のギャング・ストーリーでした。これもお国柄ですかね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-04-29 23:51:15)
1391.  ダーティ・メリー/クレイジー・ラリー 《ネタバレ》 
レーサー崩れとコンビを組んでたメカニックの二人組が強盗をはたらき、そして引っ掛けたビッチな娘を連れてただひたすら車をぶっ飛ばして田舎町を逃げ回る、という実に単純なお話しです。明らかに『イージーライダー』や『バニシング・ポイント』をパクりましたという展開と終わり方なんですが、これはこれで妙に味のある映画かなと思います。『イージーライダー』とは違ってこの三人組に絡む住人たちは彼らに全然敵意を持っていないし、彼ら自身も強盗するにしても銃すら持ってないうえ警察も最後まで発砲しない、という良く考えたらこの手のジャンルにしては珍しい展開なんです。カーチェイスも田舎だからただ直線道路を突っ走るだけみたいな画ですけど、これはアメ車ダッジのエンジン音を愉しむと言うのが正解なのかもしれません。でもヘリコプターとダッジの走りながらのお相撲は、なかなかの迫力でした。 と言うことで、中身が無い割には引き込まれてしまうのは、監督ジョン・ハフの職人技なんでしょうね。でもこの頃のスーザン・ジョージとしては珍しく脱ぎがなかったのはマイナス一点です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-04-28 20:04:12)
1392.  エージェント・マロリー 《ネタバレ》 
はっきり言って凡作の一語につきてしまうんですけど、個人的には好みです。プロットやストーリー展開なぞは最近ゲップが出るほど量産されているジェイソン・ステイサム主演のアクションとなんら変わりはないけれど、主役が美形の女格闘家というところがいいですね。彼女ちょっと顔が角ばり過ぎているのが難点ですが、ガンとばす表情なんかは殺気が感じられて修羅場をくぐって来ただけあります。そこにソダーバーグが顔で集めたけっこう豪華な男優たちを絡ませて一本撮っちゃうんですから、よっぽどソダーバーグは彼女に惚れこんだのかな。冒頭でチャニング・テイタムがいきなりジーナ・カラーノにコーヒーをぶっかけて乱闘が始まるところや、彼女がマイケル・ファスベンダーをねじ伏せて無言で射殺するとか、ソダーバーグらしいハードボイルドを見せてきくれます。 でも買って一週間の車ごと拉致されて延々と彼女の身の上話を聞かされたスコットくん、はたしてこの映画に必要なキャラだったんでしょうか?
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-03-30 21:43:07)
1393.  新幹線大爆破 《ネタバレ》 
昭和の社会派犯罪映画としては屈指の作品なんでしょうね。時代が時代だけにやけに全共闘の価値観みたいなものが鼻につくところは、今の感覚で行くと暑苦しくて堪らんものがあります。とくに高倉健一味の人間関係はちょっとクサくてヤリ過ぎ感は否めないところです。主犯の沖田という男はもう健さんそのものというキャラ設定で、事業に失敗して妻子に逃げられたからと言って健さんがこんな犯罪に走るかよ、と思ってしまいます。対する警察サイドも重厚な布陣ですけど、冷静に考えると捜査の進め方はなんか杜撰で無能さが目立ちます。空港で張るにしても、ふつう沖田の顔写真ぐらい持ってくるでしょう、元嫁と子供の面通しに頼るなんて、さすがにあり得ない話です。ふつうに考えても、爆弾が解除されてないのに身代金の受け渡し現場で逮捕しようとしまうかね?ここら辺も警察権力は横暴で無能だという団塊世代的な価値観なんでしょうね。この脚本では、警察は威信のためには新幹線の乗客の安全よりも、犯人確保を優先させる組織だと言いたかったみたいです。 そして最大のドラマが爆弾が無力化される前に二次災害を防ぐために新幹線を停車させようとするところで、これは9.11のときみたいなハイジャックされた旅客機を撃墜する命令を下す決断みたいなものです。ここでも国鉄の局長を非情の鬼官僚みたいに描いていますが、いくら国有鉄道だったとはいえこれはおかしい。その指令を下すのは政府じゃなきゃおかしいし、責任を負わねばならないのは当然総理大臣のはずです。劇中では官房長官が国鉄に決断させるような展開でしたが、いくらなんでもそれは酷というものですよ。事前に脚本を全部読んだのかは知りませんが、これじゃあ国鉄全面非協力という対応だったのは当然でしょう。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2016-02-16 00:57:48)
1394.  ヒッチコック 《ネタバレ》 
突然モノクロ撮影に戻ったりガチなサイコ・キラーを初めてハリウッド映画に登場させたり、それまでロマンチック・サスペンスの王道を歩んでいたヒッチコックにしては『サイコ』という映画は異質極まりない問題作だったんですね。その辺りの事情を上手く取りこんだバックステージものとして観れば、十分に愉しめると思います。脚本は頑張っているとは思いますけど、エド・ゲインをヒッチコックのダーク・ハーフみたいにして画面に登場させたのは、脚本家の狙いは判るんですけどあんまり上手くいったとは思えんですねえ。この手法を採用するなら、ひたすらヒッチコックの心の闇を追求するシリアス路線でゆくのが正解でしょう。でもこの映画は『サイコ』の撮影エピソードをネタにしたコメディ映画の要素も持っていて、シリアス部分とのさじ加減が中途半端になっているのが辛いところです。 アンソニー・ホプキンスのヒッチコックは悪いけど似ているとは思えなかったし、単なるヒッチコックのパロディみたいな印象ですね。ヘレン・ミレンやスカ・ヨハはなかなか頑張っていたとは思いますけど、あの終わり方じゃあ熟年夫婦の危機を出汁にしたラブコメみたいな感じです。アンソニー・パーキンス役の俳優は実物の雰囲気が良く出ていました、もっともこの俳優はイーライ・ロスだとずっと思ってました、わたくし(笑)
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-02-08 20:52:11)
1395.  フリービーとビーン/大乱戦 《ネタバレ》 
数ある刑事もの映画でも脚本のはっちゃけ具合は屈指です。まあこの映画は刑事もの映画じゃなくて純粋なバディ・ムーヴィーとして愉しむのが正しい観方なのかもしれません。ジェームズ・カーンとアラン・アーキン、この二人の刑事コンビは仲が良いんだか悪いんだか判断に苦しむところですが、現実でどんな職場でも仕事上のコンビというものは大なり小なりこんなものでしょう。この映画はたぶんサンフランシスコが舞台だと思いますけど、この二人の暴れっぷりはご当地の名物刑事ハリー・キャラハンどころではありません。無意味に車を壊し過ぎというのはちょっと気になりましたけど、それがコメディ要素にあまりつながっていないところは個人的には不満でした。フリービーがユダヤ系でビーンがメキシコ系というというキャラ分けも、それが単に二人の喧嘩のタネになっているだけでストーリーにあまり関係が無いというのもどうですかね。実はわたし若いころのアラン・アーキンのコメディ演技がどうも苦手でして、この人抜群に演技が達者だけど笑えないんです。キレた演技をさせるともう最高なんですがね、この人。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-12-16 22:28:57)
1396.  世界殺人公社 《ネタバレ》 
「元来殺人という行為にはムダが多かった、でもこの殺人公社のおかげで効率的なビジネスに生まれ変わった」というナレーションから始まり、もう掴みはOKという感じで期待が膨らみます。この殺人公社(というよりも株式会社)の二代目オーナーがオリヴァー・リードです。彼の部下というか共同経営者たち(まあ簡単に言えば殺し屋ですね)がなかなか豪華な顔ぶれで、テリー・サヴァラスやクルト・ユルゲンスそしてフィリップ・ノワレ等々です。社会正義に燃える女記者がこの組織に連絡をつけ、代表オリヴァーくんに対面して仕事の依頼をします。そのターゲットはなんとオリヴァー・リードその人で、オリヴァーくんもなぜかその依頼を引き受けちゃうんですね。そこからオリヴァーくんと配下の殺し屋たちのヨーロッパ各地を股にかけた死闘が始まるわけです。 この女性記者がダイアナ・リグ、そうジェームズ・ボンドが生涯で唯一伴侶にした女性です。本作はその『女王陛下の007』と同年の製作ですけど、ダイアナ・リグがなかなかチャーミングで良かったですね。また、表の顔はドイツ帝国の将軍、実は殺人公社の腕利き殺し屋のクルト・ユルゲンスがドタバタコメディを熱演するという稀有なシーンもございます。 プロットやすべりだしは頗る好調でブラックな笑いを期待したのですが、中盤以降はどんどんラブコメみたいになってしまって明らかに失速状態になってしまったのが残念でした。ラストには飛行船まで登場して戦争アクションみたいになっちゃって、自分の期待する笑いとはどんどん乖離してしまいました。主題歌がいかにも英国コメディらしいテイストでなかなか良かったのでプラス一点としておきましょう。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-11-29 23:17:25)
1397.  ゾディアック(2007) 《ネタバレ》 
長い、長すぎますよ、実話だし監督があのデヴィッド・フィンチャーだから想像通りだったけど、カタルシス皆無でエンディングですからどっと疲れました。ラストで空港で証言する男なんかもう誰だか判らなくなっていて、観返してみてやっと最初の事件で生き残った被害者だったと判ったぐらいです。ゾディアック事件を追う三人の物語だけど、殺人事件以外は何も起こらなかった様な淡々とした映像の積み重ねで、ここら辺はもろフィンチャー節ですね。でも緊張感の継続はさすがでして、ラスト30分のヒリヒリ感はまた格別です。ジェイク・ギレンホールが謎の男に地下室に招きいれられるシーンなんかはほんとゾッとさせられました。警察の管轄違いから起因する連携の悪さがまた観てる方のイライラを増大させてくれますし、刑事が『ダーティハリー』を観てて現実とのあまりの相違に腹を立てて席を立ってしまうところなんか、いかにもブラックな笑いを誘ってくれます。思ったのはクロエ・セヴィニ―やイライアス・コティーズといった渋い面々が脇やチョイ役を勤めているいるところで、フィンチャーという監督は想像以上にハリウッド俳優たちに支持されているみたいですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-11-26 22:13:29)
1398.  さよならミス・ワイコフ 《ネタバレ》 
衝撃的な原作小説を過激に映像化しました、感じでしょうか。50年代のアメリカ中西部の田舎町が舞台で、人種問題やフェミニズムを背景にしているのですが、原作の持ち味を活かした人物造形は上手いと思いました。先生を犯す黒人青年が白人からも黒人仲間からも忌み嫌われるクズ野郎と言うのが面白いところです。邦画で良く観られる「社会的弱者=善」という単純極まりない図式じゃないところが気に入ったし、アカ狩りから助けてやった同僚教師(まあこいつは見るからに軟弱な奴だから想像付きましたが)や最初に診察してもらった高校の同級生だった医師まで自己保身にはしってワイコフ先生を見捨てるとところが生々しい。でもこの先生がやったことはさすがに現代の日本でもばれたらクビになってもおかしくないことなので、彼女にもあまり感情移入できないですね。いくらなんでも学校内でヤルのはまずいでしょう。たしかに自殺を思いとどまって薬を投げ捨てるラストはちょっと希望の光が見えましたが、とにかく後味の悪さが残るのは否めないですね。 下宿の女主人を演じているのはマーロン・ブランドの実姉のジョスリン・ブランドなんですが、彼女の前で下宿人の女教師たちが『欲望という名の電車』を観に行く話をして「マーロン・ブランドってセクシー❤」と女子トークするシーンが冒頭にあります。それを聞いて「なんてけがらわしいこと!」と彼女のご主人は怒るのですが、彼女は意に介さず一緒に観に行ってしまいます。この楽屋オチは笑うところでしょ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-11-15 23:57:07)
1399.  ウォー・ゲーム(1983) 《ネタバレ》 
83年と言えば、当時勤めていた会社に初めてパソコンが導入された年だったんですよ。パソコンとは言え一人一台なんて環境になったのはそれから15年は経ってからのことで、当時は課に一台で機能もごく限られたものでしたが恐る恐る使っていたのが懐かしいですね。この映画が製作された当時じゃまだインターネットも開発されていないし、あのレトロな機具を観てると感無量です。20世紀の終わりに初めてパソコンを買ったときもまだ電話回線接続だったことを考えると、今やスマホの時代ですからテクノロジーの進歩は恐るべきものです。 本作は皆さんご指摘の通り『地球爆破作戦』への返歌みたいなものでして、80年代らしい楽観主義に満ちていてジュブナイル小説の映画化かと思ってしまうくらいです。軍人たちも強面ではあるけど危機回避に成功したしたときの喜びよう観てるとみんな善人ばかりで、この種の映画にしては珍しいパターンです。まあ難を言えば、戦争は政治の延長と言われるのに作戦室の架空シミュレーション画面だけであそこまで危機的状況になるのは、ちょっとヤリ過ぎの感があります。まあこの映画の肝は、コンピューター・ジシュアに○×ゲームで学習させるところにあるんですから、しょうがないかもしれませんね。けっきょくジョシュアも善玉だったというわけです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-11-07 21:47:43)
1400.  青空娘 《ネタバレ》 
源氏鶏太が原作の人気ラジオドラマの映画化だそうですが、ストーリーは観ていて恥ずかしくなるほど通俗的でご都合主義です。でも、若き日の若尾文子の魅力を堪能するには、本作はベストに近いと言ってもいいんじゃないかな。妖艶で小悪魔チックな彼女は他の作品に譲って、もお少女漫画も白旗揚げる様なひたすら不幸な境遇にも明るく頑張り抜く彼女の笑顔は癒してくれます、ささくれだった心を。そして、誰が観ても「諸悪の根源はおまえだろ!」と言いたくなるダメな父親に最後に言い放つ口調は柔らかいけどキツイお説教、これは実に爽快でしたね。ここから若尾文子・増村保造の黄金コンビが始まったかと思うと、感無量です。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2015-10-26 22:17:10)
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