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 > にじばぶ さんの口コミ一覧。75ページ目
にじばぶさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3239
性別 男性
自己紹介 監督別鑑賞作品数

成瀨巳喜男 69
溝口健二 34
川島雄三 41
小津安二郎 37
石井輝男 24
豊田四郎 19
石井岳龍 18
矢崎仁司 12
西川美和 8
山下敦弘 15
今泉力哉 21
フェデリコ・フェリーニ 24
ミケランジェロ・アントニオーニ 14
ピエル・パオロ・パゾリーニ 16
ルキノ・ヴィスコンティ 17
ジャン=リュック・ゴダール 36
フランソワ・トリュフォー 24
ルイ・マル 17
ジャン・ルノワール 15
ジャック・ベッケル 13
ジャン=ピエール・メルヴィル 11
ロベール・ブレッソン 12
イングマール・ベルイマン 27
アルフレッド・ヒッチコック 53
ジム・ジャームッシュ 15
ホウ・シャオシェン 19
ウォン・カーウァイ 14
ジャ・ジャンクー 9

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1481.  儀式
“ATG×大島渚”という組み合わせによる個性が、爆発しまくった作品。 この頃の大島渚監督の映画に共通する「密閉感」「風変り」「モノクロの寒々しい映像」などの特徴が、本作にも十分感じられる。  そういう個性を感じられたの良かったのだが、理屈抜きにつまらない! なんというか、尺が長い上に、表現している内容が同じことの繰り返しというか。 血筋による因果、悪しき風習など、テーマは面白いが、全体的に平坦な内容で、正直なところ、後半は飽き飽きしてしまった。  それにしても、大島渚監督の作品における、戸浦六宏、小松方正、渡辺文雄の3人は、本作でも「大島3兄弟」として異彩を放っていた。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-08-15 23:12:46)
1482.  真夜中のカーボーイ
女を相手に売春して都会で儲けようと田舎から出てきた青年。 この甘い考えは、すぐに夢と消える。 都会で待っていたものは、孤独であった。  都会に向かうバスの中で、青年はラジオに耳を傾けながら、甘い夢を見ている。 この時に流れる音楽もそれを盛り立て、観ているこちらもわくわくしてくる。 だが、都会で待っていたものは、これ以上なく辛い現実だった。 その描写があまりに現実的で、こちらも気分が滅入ってくる。  そんな孤独な都会で、一人の男と知り合い、そこに友情が生まれる。 しかし、その友人も病に倒れてしまう。 なんとも救いようのない話で、ハッピーな気持ちになれないのが難だが、肉体労働で地道に稼ぐことを決心した青年が、最後でちょっとした希望を見せてくれた。  都会を目指した青年の孤独と希望を描いた、ロードムービー的要素を併せ持つ、ほろ苦い青春ドラマの名作。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-08-15 19:01:39)
1483.  不安 《ネタバレ》 
不倫に関わる、ややもすると単純になりそうな話を、見事なまでにサスペンス風味満載に仕上げた作品で、いつ殺人が起るとも分からない雰囲気が全編に渡り漂っていて、緊張感を持ったまま最後まで観ることができた。  ロベルト・ロッセリーニとイングリッド・バーグマンは実生活でも不倫関係にあったが、本作はその不倫関係をまるで鏡の様に映しこんだ内容である。 結果、ロッセリーニは、不倫というものを深くリアルに追究し過ぎ、本作をもってバーグマンとの不倫仲も終りを遂げる。  ロッセリーニが、自身のプライベートをさらけ出してでも撮ろうとしたその意気込みを評価したいが、その一方で、単にロッセリーニの女グセの悪さを見せられているだけの様な気がしなくもない。  不倫とはいかに不誠実で、リスクが高いか。 単純に言えば、そんなことを訴えている作品である。 そんな単純な題材を、ロッセリーニは独自のセンスで、サスペンス劇としても十分に楽しめる作品に仕上げてみせた。  ロッセリーニは、イタリア近代映画の草分け的存在の監督だけあって、その完成された演出手腕には、さすがの貫禄を感じた。
[ビデオ(字幕)] 7点(2011-08-14 16:54:51)
1484.  g@me.(2003) 《ネタバレ》 
とにかくドンデン返しの連続。 最後まで飽きさせないとも言えるし、やりすぎとも言える。 でも、ここまでひっくり返しまくれば、結局は元に戻る。 つまり、二人は離れ離れになる。 その締め方が巧い。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-08-14 02:39:18)
1485.  秋菊の物語 《ネタバレ》 
人それぞれには意地とプライドというものがある。 それに強いこだわり持つ人にとっては、曖昧な結論など受容できるはずもない。  夫にケガを負わされた妻は、最初は夫のために抗議活動をしていたとはいえ、いつの間にか自分自身のこだわりとしての活動にエスカレートしていった。  本作は、役人の権力に対して人民がどれだけ対抗し得るか、それを一つのテーマにしている。 民主主義ではなく社会主義としての中国内において、どれだけ人民ひとりひとりの権利が尊重されるのか。 そして、それは尊重されるべきものであるとして、監督のチャン・イーモウは、観る者に訴えたかったに違いない。  人間というものは一度感情的になってしまうと、敵も味方もなく言動を起こしてしまいがちであり、本来仲間である村長や村人たちを巻き込んでいってしまう。 そんな暴走ぶりと、終盤の難産騒ぎで村長がこの妻の為に職務を全うするという下りが、見事に平行して描かれており、実に人情味のある豊かで緻密な作品に仕上がっている。  組織や集団における仲間意識の重要性。 だが、それはちょっとしたことから亀裂が生じ、行き違いが生じてしまう。 そんな人間の絆の重要性と脆さ、そして逆に結束力の強さをも提示してみせた本作は、チャン・イーモウの実力と魅力が存分に発揮されている作品だった。
[ビデオ(字幕)] 7点(2011-08-06 13:21:49)
1486.  ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー 《ネタバレ》 
ハードボイルドな雰囲気が漂い、小道具を使っての金庫破りなど、興味をひく部分はあった。  しかし、音楽はダサさ全開だし、どうにも話がくだらない。 そして主人公をカッコよく見せすぎなのが、観ていて恥ずかしくなる。  独りよがりな勘違い男の映画を観ている感じだった。
[ビデオ(字幕)] 5点(2011-08-06 11:31:36)
1487.  スウィート シンフォニー 《ネタバレ》 
ポップなナンバーが不思議に心地良い、香港発のラブストーリー。  6人の男女が織りなす、くっついては離れのラブストーリーは、スピード感はあるものの、陳腐過ぎる内容。 話の内容も都合が良すぎるし、その演出も恥ずかしくなるくらいありふれたものである。  しかしながら、香港ならではの風景とポップな音楽は、否定しがたく魅力的で、陳腐でありながら嫌いになれない何かを感じる作品だった。 個性あふれる女優陣も捨てがたい。  でも何と言っても、本作の最大の魅力は、その軽快な音楽にあるだろう。 どれもどこかで聴いたことのある曲ばかりだが、香港映画は良い意味で音楽のパクリ方、いや、音楽の引用の仕方が巧い。 オリジナルな楽曲でなくても、それがその映画にマッチしていれば、それはそれで良しと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2011-08-01 23:11:24)
1488.  Dear Pyongyang ディア・ピョンヤン 《ネタバレ》 
北朝鮮を支持する団体の幹部であった父と、日本で在日として生まれ育った娘。 二人の間には、思想という点で、どうしても埋められない溝があった。 それは、どんなに父娘が愛し合っていても、埋められない溝だ。  日本で北朝鮮の思想活動を人生を賭けて行ってきた父親だが、老齢になり活力も失われつつあった。 そんな父親に、娘が「韓国籍」を取ってもいいか、と質問するシーン。 娘に幸せになってもらいたいという思いが頭をもたげ、韓国籍になることを許す言葉をひねり出す。  北朝鮮の思想を生涯信じ続けてきた男としての父親と、愛する娘の幸せを願う父親とが交錯し、葛藤するシーンだ。 父親は誰だって、娘に幸せになってもらいたいと心の底から願っている。 だけど、どうしても譲歩できない部分がある。 そんな葛藤から意を決してひねり出した言葉が、娘に韓国籍になることを許す言葉だった。 娘を持つ父親なら、感情移入できる部分に違いない。  それと、本作は北朝鮮の風景や人間たちを映像に残しているという部分でも、非常に貴重な作品である。 ピョンヤンの映像を撮った監督の勇気に敬服する。  個々の人間がそれぞれに持つ思想や価値観。 それを上回るものは、親の子供に対する愛情であった。  あらゆる試練や苦難を乗り越えてきた一人の男の、死に瀕するまでの過程を描いたドキュメンタリーで、人間の生き様、人間の業というものを深く考えさせられる作品であった。
[DVD(邦画)] 7点(2011-08-01 01:31:30)
1489.  からみ合い 《ネタバレ》 
さすが小林正樹監督作品、重厚な味わいで内容も面白い。 美術や音楽も独自性に富んでおり、ストーリーとは別に、映画として、画として楽しめるのがまた良い。  小林正樹監督作品の『化石』と似たような設定で、大企業の経営者が不治の病に侵され、今までの人生を反芻し、余生をどうにか全うしようと苦悶する姿が主軸となっている。  その社長の死に臨み、その遺産を狙う人々。 さまざまな欲望と策略、そして嘘が複雑に“からみ合い”、醜悪な人間たちの内面を見せつけられた。  法律の知識を武器に暗躍する企業顧問弁護士、愛人のごとく体を武器にして遺産相続人に名乗りを挙げる社長秘書、必至に自分の立場を守ろうとする若き妻、そしてその妻の元愛人・・・と実に複雑巧みに人間がからみ合う。  ドロドロとした人間ドラマで、もう一度観たいとは思えない内容ながら、これまたハズレのない小林正樹作品に、どっぷり黒々酔いしれることのできた2時間弱だった。
[ビデオ(邦画)] 7点(2011-07-28 23:04:11)
1490.  小さな赤い花 《ネタバレ》 
チャン・ユアン監督の作品ということで鑑賞したが、これまでの作品とは趣がまったく異なり、子供たちが主人公という内容。 全寮制の幼稚園が舞台で、そこに入園した問題児がどうなるかの過程を描いた内容だ。  これが全くつまらない。 起伏がない。 そして、主人公の男のコが、これまた憎たらしい。 ラストにもひねりがない。  ある監督が好きだからと言って、その監督の作品を選ばずに観ると、残念な結果になってしまうという典型になってしまった。
[DVD(字幕)] 3点(2011-07-27 20:16:51)
1491.  ピョンヤン・ダイアリー 1994-1997
オーストラリア人が北朝鮮を旅した際に、手持ちカメラでもって、北朝鮮の実態を映像におさめようと、旅先の日々を綴ったドキュメンタリー映画。  日本のニュース映像で垣間見る北朝鮮の映像は、非常に限定、いや、人為的に偏った映像であり、それが日本人の北朝鮮という国に対する偏見を生んでいる。  アメリカ傘下の日本では、北朝鮮の実態そのままをニュースで報じることは現実的には不可能である。 そんな中で、オーストラリア人が北朝鮮を旅して、監視付きながらも北朝鮮の映像を中立的立場で撮って見せた本作はとても価値があり、有意義なものであると私は感じた。同じ人間である以上、日本人も北朝鮮も平和を願っているという点では共通である。  勿論、できれば戦争は避けたいと北朝鮮人も思っている。 だが、アメリカが世界を牛耳る世の中で、アメリカにおんぶにだっこである日本が、北朝鮮を正しく理解できるはずもない。 それはアメリカに影響を受けた報道規制の中でしか、我々日本人は北朝鮮の思想や実際の姿をニュースで見ることしかできないからだ。  北朝鮮は小国ながら、社会主義国としての立場を貫こうと奮闘している。 こういった北朝鮮の真っ直ぐな姿勢を、もっと日本人は客観的に評価すべではないか?  もちろん、北朝鮮の全てを肯定しろという意味ではない(飢餓問題など)。 報道規制されたマスコミの情報だけで、北朝鮮を悪い国だと決め付けている日本人、アメリカにぶら下がり安穏としてアイディンティティを持ち得ない日本人は、北朝鮮のこういった真っ直ぐな姿勢にもっと興味を持ち、理解する努力すべきなのではないかと思う。  アメリカに抑圧され、操作された日本報道文化の中で、どうしたら我々日本人が、同じアジアの国で自国のアイデンティティを貫いている北朝鮮を理解できるのか。 中立的な本作を観ていると、そういった疑問や不満がわいてくる。  念のために書いておくが、本作は決して北朝鮮寄りに創られたドキュメンタリー映画ではない。 オーストラリア人が、極めて中立的な立場で創り上げたドキュメンタリー映画である。  極めて客観的で中立的な本作を観るにつき、アメリカ式資本主義に対立する、社会主義国に関する日本人の理解の低さ、そしてマスコミ報道を丸ごと無意識に信じ込んでいる日本人の愚かさを感じずにはいられない。
[DVD(字幕)] 7点(2011-07-27 20:13:56)
1492.  TAKESHIS’
北野武のイマジネーションが、映像として極めて明瞭に具現化された傑作。 タレントとして、あまりに有名になりすぎた北野武が、「もし自分が垢抜けない凡人だったら」と想いをめぐらし、それを現在の姿と対比させて表現していく。 武の「凡人であったら、さぞかし気楽であろうに・・・」という、ないものねだり的な一種の願望を、スクリーンに映し出したのだ。  そして単純に楽しめる部分として、武のコンビニ店員姿。 これが意外にもサマになっていて、武って結構マジでコンビニ店員に憧れてるのでは?と感じてしまった程だ。 武のいるコンビニに行きたい。 そして武に「弁当温めますか?」と、やる気なさそうに聞かれてみたい。  又、この作品を観て思うに、人はどんなに社会的・経済的に満たされても、どこがで不満を持ってしまう生き物なんだということ。 この社会において、武の様に超有名人である人間は、ごく一握りなわけで、その様な位置にいる人間が持つ、深い部分での心理って、理解しがたいものがある。 それらの人達が持つ矛盾や心の闇、悩み、願望などを、本作を通して体感することができた。
[DVD(邦画)] 7点(2011-07-21 22:54:23)
1493.  イースト/ウエスト 遥かなる祖国
最後どうなるか?ただそれだけにしか興味を見出せない凡作。 だが、主演女優のサンドリーヌ・ボネールは魅力的。 疲れた大人の色気を感じる。
[DVD(字幕)] 3点(2011-07-21 20:32:27)(笑:1票)
1494.  息もできない 《ネタバレ》 
恐るべし韓国映画。 内容はバイオレンス映画。 そこに絡む、あまりに哀しい人々のドラマ。 久しぶりに興奮できたこの作品に、まず感謝したい。  やはり生い立ちというものが、その後の人生に影を落とすものなのか? 主人公は悲惨な幼少期を経て、ヤクザの世界へ足を踏み入れる。 血のかけらもない暴力を繰り返し、あてもなくその日を暮らす毎日。  だが、彼の心の奥底には、あまりに純粋であまりに脆い、人間への愛が存在していた。 高校生の少女や男の子とのふれあい。 言葉は汚いが、彼の心には確かな優しさを感じた。  ラストの壮絶死は、因果応報としてみれば当然の結末だろう。 しかし、そこに更生という救いはなかったのか? 彼は学芸会という場に参加する資格がなかったんだろうか? そもそも彼は不幸を背負い、空虚に生きてきて、ろくに愛情を受けたこともなかった。 そんな彼を学芸会の場に連れていってあげてほしかった。  壮絶死によるラストの結びは、因果応報的に当然の帰結と頭では分かってはいても、主人公の生い立ちを考え、主人公が内面の奥に持っていた優しさをも考えると、やっぱり学芸会を彼に見せてあげたかった。  それはそうと、あの海辺での膝枕シーン。 あれにはやられた。 完全にやられた。 ノックアウト。 涙腺が緩んだ。 男女の心のふれあい。 人間の温もりと癒し。 近年でも稀にみる名シーンだ。
[DVD(字幕)] 8点(2011-07-20 02:10:29)(良:1票)
1495.  愛のむきだし 《ネタバレ》 
あらゆるエログロ要素が詰め込まれた、エログロ百科事典の様な作品。 言わば、エログロ世界の宝石箱。  200分を超える長編だが、その分見応えも十分。 長くは感じたが、話が進むほどに、少しずつ登場人物たちに感情移入していく感覚をおぼえた。 この感覚が案外、新鮮。 この点において、200分を超える長尺も意味があると感じられた。  映像はシャープかつ綺麗。 展開も奇抜で、園子温監督の特性がよく出ている。 『奇妙なサーカス』や『紀子の食卓』などの、この監督の他の作品と同じ色合いを感じた。  個人的には、女装した男に惚れるという、少しメルヘンな内容が好きになれなかった。 突飛な女子高生のアクションシーンもどこか浮いた印象はぬぐえない。  しかーし、やっぱりこの監督は、無意味なエロスが最大の魅力。 「エロければそれで良い」 そう割り切って観れば楽しめるだろう。  幼少期に、父親に性的虐待を受けた女のコ。 それがトラウマとなって、男嫌いになる。 園子温監督は、こういう設定がたまらなく好きらしい。 まさに監督そのものが変態だ。 変態監督だからこそ描くことのできる、めくるめく変態ワールド。 変質に偏執した世界観。  そして、この性的虐待を行う父親役を演じた板尾創路が見事にハマり役。 女子高生となった娘に乗っかる、暴力をふるう・・・極楽の山本でも良かったかもしれないが。  終盤にかけてのたたみかけは気合い十分。 キチガイになってしまった主人公の青年。 その青年を呼び覚まそうと涙する女子高生。 光り輝く素晴らしい最終章だった。
[DVD(邦画)] 6点(2011-07-18 23:19:24)
1496.  接吻 (2006)
社会的に不適合者だと常に感じ、いつも孤独を感じている。 そのような人間が自分をどう見つめているか。 それは、自分のことを不適合者だと思っていない人には知る由もないことであり、そこには大きな溝がある。  不適合者が抱える心の闇。 不適合者同士しか理解し合えないこと。 しかし、不適合者同士とは言え、他人である以上すべてを理解できるとは限らない。 そこにはおのずと限界もある。  「この人なら私を理解してくれる。この人のことなら理解できる」  そう思っても、ちょっとした考え方のズレが、決定的な絶望感と孤独感を創り上げてしまう。  愛し合っている男女の関係にも同様のことが言え得るのではないか? お互いのことを完全に理解し合っていると信じている男女が居たとしても、ちょっとした価値観のずれが深い絶望感をもたらす。  深い絆で結ばれた人間同士でさえも、ひょんなことから深い溝が生まれる。 人間の関係性の難しさ、そして完全に理解し合うということの不可能性を本作を観て、痛烈に感じさせられた。  最後になったが、小池栄子は女優としてのプロ根性を発揮し、迫真の演技で実に素晴らしかった。 ついでに巨乳も相変わらず素晴らしい。
[DVD(邦画)] 7点(2011-07-17 02:42:34)
1497.  ふゆの獣 《ネタバレ》 
全国公開初日、本日映画館で観て来た。 舞台挨拶があったが、監督と出演者たちが皆、初々しく、新鮮な気持ちになれる舞台挨拶だった。  私が一番好きな映画祭「東京フィルメックス」で、去年グランプリを勝ち取った作品。 観る前からハズレは無いと、確信に近い気持ちで映画館に入った。  デジタルビデオで2時間長回し、それを監督が編集し、しかも出演者達は全てをアドリブで演じたという、非常に野心的な作品。 昨今の、有名なテレビタレントが出ているだけのメジャーな邦画とは、明らかに一線を画す作品。  序盤、決して観やすいとは言い難い手ぶれカメラの映像と、聞き取りにくい台詞に一抹の不安を感じた。 しかし、物語が進むにつれ、どんどん作品の中に引き込まれていく感覚をおぼえた。 この感覚が、傑作を予感させた。 そして更に話が進むにつれ、東京フィルメックスでグランプリを獲得した無名監督の実力を、まざまざと見せ付けられることと相成った。  どうしようもない男と女の恋愛観のズレを描いた内容なのだが、それをストレートにリアルに表現している。 無名俳優たちの渾身の演技にも圧倒される。 そして監督の編集も素晴らしい。  「全てを包み込む女性特有の大らかさ」 「若い女性に特有の恋愛観」 「モテナイ男とモテル男の描き分け」 などなどが実に的確、見事。 そしてリアル。  どんなに冷たい男でも、それに一度惚れた女性は、並大抵のことではその男を嫌いにはならない、いや、嫌いになれない。 そんな女性を翻弄し弄ぶ男と、そんな男に敵意を持つモテナイ男。 恋愛における男女の違いや、性格の違いなどを鋭く的確に描いた監督の手腕に、手放しで拍手を送りたい。 
[映画館(邦画)] 8点(2011-07-03 02:15:07)
1498.  何がジェーンに起ったか? 《ネタバレ》 
醜悪な老女が画面いっぱいに暗躍する内容で、終始、気色の悪さとの闘いであった。  姉と妹の恨み辛みを、長めの尺でたっぷりと描く、地獄絵巻。  しかし、途中の展開に無理があり過ぎたのが難。 幽閉された姉だが、半身不随で車椅子なのは分かるが、階段は一度車椅子から降りて、這いつくばって階段を一段ずつ降りれば良いと思うのだが、何故だかそうしない。 手すりにもたれて階段を降りるのは至難の業。 頭が悪いというより、「抜け出せない」という状況を都合よく無理矢理演出しているように感じ、幻滅した。  安っぽいテレビドラマのように、そもそも何事もタイミングが良すぎ! 妹の帰ってくるタイミングが良すぎだ。 そして、姉はもっと早くに警察に助けを求められたハズ。 「逃げ出せない」、「警察に連絡しない」、「妹が帰ってくるタイミングが良すぎる」などなど・・・“姉が幽閉されてこわ~い。逃げられな~い、どーしよー。”という演出が、都合よく展開されすぎて興ざめになってしまった。  そんな序盤から中盤に嫌気が差しつつも、最後まで観た。 そして、あの浜辺でのラストシークエンス! これは衝撃のラストだった。  なんというか、今まで室内劇が中心だっただけに、姉妹が浜辺で過ごすラストは、幻想的なまでの眩しさを感じた。 素晴らしいインパクトを残すラストだ。  終わらせ方も、また格別。 妹は、最後まで自分の幼い頃の幻影を追い続ける。 なんというもの悲しいラストシーンだろうか。  そして又、結果として姉が助かるという落とし方も、微妙にハッピーエンドで、アメリカ映画的であった。 
[ビデオ(字幕)] 6点(2011-07-02 08:17:55)
1499.  部屋 《ネタバレ》 
とってもこわ~い部屋に閉じ込められた主人公。 理不尽でいて、とってもこわ~い部屋。 この部屋の中では、世間の常識は通用しない。 しかも、主人公はいじめられまくる。 いじめられると言っても、人間にではなく、“部屋”にだ。  ヤン・シュヴァンクマイエルが紡ぎ出す一種のホラーで、独特の風合いを持った短篇。 恐怖と孤独を煽り立てる演出はなかなか見事だ。
[インターネット(字幕)] 5点(2011-06-27 23:58:01)
1500.  ざくろの色
色彩と構図だけで勝負したら、この映画の右に出る作品はないだろう。  台詞を排し、時折り入る語りも音声がしぼられており、色彩と構図をひたすら強調した演出も、さりげなく巧みである。  ソフィコ・チアウレリの美しさも鮮烈。 特に、白装束・白塗りの彼女は、神秘的なまでの美しさとオーラを放っている。 目じりが印象的な女優で、もっと沢山の作品で彼女の姿を拝みたかったものだ。  強いて苦言を呈すれば、映像的な美しさと物語としての面白さが両立していないところ。 だがこれは、究極的に色彩と構図に焦点をしぼった結果だとも言える。 それだけ、絵画的美しさに特化した、孤高の作品だった。
[DVD(字幕)] 7点(2011-06-27 00:38:52)
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