1501. パッション・ダモーレ
《ネタバレ》 特殊メイクでもって作り上げられた醜女フォスカ。容貌以上に醜いのは性格で観るに堪えない聞くに堪えない姿にゲンナリ。窮め付けは列車に乗り込んできた死神のような姿で殺意が湧き上がる。ベルナール・ジロドーとジャン・ルイ・トランティニャン(お目当て)が霞んでしまったヴァレリア・ドビチの熱演が特筆もの。後味悪過ぎる結末に「ヘンなもの観てしまった」感でグッタリ。 [DVD(字幕)] 3点(2018-09-15 12:41:08) |
1502. 王子と乞食(1977)
《ネタバレ》 初見、原作未読。リチャード・フライシャー監督による児童文学の実写化作品。童話としては超一流のスタッフ・キャストを起用した贅沢極まりないもの。 「わが命つきるとも」のエピローグが浮かんだイングランド王室が舞台であり、主人公エドワード6世が父であるヘンリー8世からどのような帝王学を施されたのか描かれておらず、トムと入れ替わった後に「私は王だ」とひたすらに連呼するだけなのに白けてしまう。ジョージ・C・スコットをはじめ名優達は存在感たっぷりなものの誰にも惹かれなく残念。トムの目を通して民の事など頭の隅にもない王室の有り様が印象深い。架空の国の物語であれば素直に楽しめた気がする惜しい一品。 [DVD(字幕)] 6点(2018-09-15 01:38:11) |
1503. キャット・ピープル(1942)
展開がじれったくて退屈。モノクロ映像は美しいものの控えめに過ぎる描写に全く盛り上がれず。シモーヌ・シモンの心理の葛藤が子犬チャウチャウのような風貌が邪魔をしてこれまた盛り上がれず。いい題材なのにマーク・ロブソンの編集をもってしても名作にならなかったのが残念。 [DVD(字幕)] 3点(2018-09-12 13:02:37) |
1504. ボーダーライン(2015)
《ネタバレ》 アレハンドロの存在からアメリカ司法当局のご都合主義正義感臭を感じて辟易。妻子惨殺を受けて検事から暗殺者へというキャラクターだけど、生粋のゴロツキにしか見えず、古谷一行似のベニチオ・デル・トロが発する陰鬱さに白けてしまう。3点を決定づけたのがケイトが泣きながら書類にサインするシーンで後味の悪さが堪らない。譲れないものは譲れない気概で死んでも拒否して欲しかった。そもそもサインを強要するのがマットではないというのがダメですわ。あと、目くじらたてる事はないけれどボス宅殴り込みシーンで易々と事を遂げる(手下はあれだけ?呑気に食事してる?)あまりにもあっさりした光景に唖然。 [DVD(字幕)] 3点(2018-09-10 14:29:22) |
1505. クリスマス・キャロル(1984)
初見、原作未読。この歳で感じた物語の言わんとするところは、さもありなんといったところ。ジョージ・C・スコットはドンピシャのキャスティング。他作未見だけれど、彼以上に演じきれる者はいないのではないかと思われる絶品ぶりでした。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-08 22:47:08) |
1506. 愛されるために、ここにいる
紹介文中の「タンゴ教室での出会いで」から鑑賞した本作。best of Al Pacino の情熱的なものではなかったものの、ジャン=クロードとフランソワーズが一言も口に出さなかった思いが語られているタンゴシーンは沁み入りました。ラストで彼が彼女の背中に添える一杯一杯に開かれた右手に私の胸も一杯に。同年代の自分には憧れるお伽噺のロマンスでした。一方、絵空事でなかったのは彼の父親で、十数年前の自分と息子が思い返され、現在は口に出せる優しい言葉を何故あの時かけてあげられなかったのか、後悔で胸が抉られます。言わなくても解ってくれる、のではなく、言わなければならなかったのです。 起伏に欠けた物語でありながら一瞬も目が離せなかった逸品。 [DVD(字幕)] 8点(2018-09-08 18:27:02) |
1507. マッキントッシュの男
《ネタバレ》 ジェームズ・メイソン冒頭に於ける国会でのスピーチに私の期待は急上昇。「貴男が正義感溢れる熱血議員であるわけ、無い、ですよね」 マッキントッシュに向けた後ろ姿が売国奴そのもので、「やっぱりね」 積み上げてきたキャリアが滲み出て惚れ惚れします。 対するポール・ニューマンは何時もながらのクールな魅力を放っており、乾いた風景と音楽が雰囲気を盛り立てて、展開に釘付けに。 裏切者に相応しい最期でありながら、それをポール・ニューマンが傍観していた演出が作品を台無しに。心底ガッカリ。思い返す度に腹が立ちます。 余談ながらクラリッサ・ケイ・メイソンが登場して満面の笑みでツーショットに納まっているのは大スターの威光といったところでしょう、か。 [インターネット(字幕)] 7点(2018-09-08 13:29:07) |
1508. フランケンシュタイン(1931)
「真説フランケンシュタイン/北極に消えた怪奇人間」鑑賞済みであらすじは頭に入っていました。ボリス・カーロフ演じる怪物が子供時分に漫画で見たのとソックリで元祖なのですね。少女に向けた微笑み並びに花びらと同じように浮くと思っての行為が忘れ難いのですが、他は単なる粗暴者であるのが物足りません。フランケンシュタインの葛藤の無い身勝手さに溜まってゆく鬱憤が結末に爆発しました。母が生まれる以前に製作された怪奇映画の金字塔であるだけに残念さがひとしおです。 [DVD(字幕)] 3点(2018-09-07 20:55:22) |
1509. 拳銃王
《ネタバレ》 お目当てカール・マルデンは酒場の主人を彼らしい実直さで好演。モッサリした邦題からグレゴリー・ペックの大暴れを想像していましたが、真逆の静謐な人間ドラマでした。「お前だけ幸せに暮らせると思うなよ」声なき声が聞こえてくる最期が切なくて堪りません。傑作西部劇にして忘れじの逸品。 [DVD(字幕)] 9点(2018-09-07 17:33:06) |
1510. 皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ
無敵の力は ぼくらのために正義の心を パイルダー「オン!」 とばせ 鉄拳! ロケットパンチ今だ だすんだ ブレストファイヤー・・♪♪♪ マジンガーZは 当時日曜日19時のお楽しみ時間でした。本作で初めて知った鋼鉄ジーグがイタリアの人々に愛されているというのが誇らしい。 無敵の力を何に使うのか、主人公の変わりゆく姿が素直に沁み入りました。 敵役ジンガロのキレッキレッのキャラは病的な部分を取り除いたクラウス・キンスキーのようで強烈なインパクト。 ヒーローものの秀作。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-07 00:30:46) |
1511. キングと呼ばれた男
音楽・ストーリー・キャラクターはマカロニウエスタンならではのもので懐かしさに浸りました。(オープニングの主題歌が粗筋を語っているのにはビックリ「アカン事ないのん?」) お目当てクラウス・キンスキーは何時もとは別人のような大人しさで残念でしたが、怒りが沸点に達した時の、殺気及びレフトハンドから繰り出される身のこなしの瞬発力で彼の右に出る者はいないのを確認させられたワンシーンだけで満足出来た作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-06 00:19:19) |
1512. 僕のワンダフル・ライフ
小学生時分の2度の別れ(病死)に、あれほどの辛い思いは金輪際したくないと、子供達の飼いたい願いを申し訳ないと思いつつ聞けずに今に至ります。イーサンの半世紀に亘る生き様に愛犬とのかかわりを絡めた物語が沁み入り、犬ならではの嗅覚でヒトの思いを感じ取る演出に魅入りました。孫と一緒に観たい作品と言いたいものの、彼が飼いたいと言えば私は反対出来ず・・・・複雑です。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-05 16:24:27) |
1513. かくも長き不在
《ネタバレ》 アルベールの失われた記憶が「甦らんのか、何とかならんのかっ!」じれったくてじれったくて。テレーズの思いは私の何千何万倍ものでしょう。両手を上げるアルベールに体に刻み込まれたかのような記憶がどれほど過酷なものであるか目に浮かびます。「何時までも待つ」思いが彼女の生きる糧になるのであろう「冬になったら帰ってくるわ」が深い余韻を残します。 2回寝てしまって3回目で完走。リトライした価値のある秀作。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-05 10:54:04) |
1514. 死の接吻(1947)
《ネタバレ》 the kiss of death とは命取りの行為を意味するそうで。罪人が官憲に密告して見返りを得るというどんな理由があろうとも許し難い裏切り行為はまさに命取りの行為であって、代償を払わされる物語。デビュー作にしてオスカーノミネートされたリチャード・ウィドマークが放つ死神のような笑い声がサスペンス感を際立たせており(あの階段シーンは正味で女優さんが乗ったまま落とされたのだとか)彼が娘二人に手を出すようであれば怖くて鑑賞リタイヤしたかも。ヴィクター・マチュアの実直な演技にも好感。フィルム・ノワールの傑作。 [DVD(字幕)] 8点(2018-09-03 12:05:15) |
1515. ジュピターズ・ムーン
シリア難民への対応。共に身勝手なシュテルンとラズロの心変わりと対決模様。神を象徴しているかのような宙を浮遊するアリアン。絵的には観るべき点があったものの、ラストシーンを眺めながら結局一番言いたかった事は何だったのか?中途半端さにモヤモヤが残る。再見して考えてみよう、とは思えない残念な作品。 [DVD(字幕)] 6点(2018-09-03 00:37:39) |
1516. 地中海殺人事件
ジェームズ・メイソンの着こなしと立居振舞に、プライベートでの本作のような貴族的な暮らしを思い巡らしてウットリしただけの作品。何の見せ場もない平板な役柄で腕の見せようがありません。謎解きが無理筋なのがいけません。犯行動機がお粗末なのが一番いけません。目を見張ったジェーン・バーキンの変身ぶりに+2点。 [DVD(字幕)] 6点(2018-09-02 00:33:51) |
1517. 地獄の戦場
《ネタバレ》 ガダルカナル島の戦い後のソロモン諸島(詳細な場所は不明)での日米戦が描かれています。最前線の死と隣り合わせの戦闘模様は息を詰めて観るものの、物語としては平板で盛り上がらない。お目当てカール・マルデンの唐突な退場並びに最後の遺言のとってつけた感に違和感を。日本兵の描写も微妙。 [DVD(字幕)] 4点(2018-09-02 00:12:00) |
1518. サイレンサー/殺人部隊
《ネタバレ》 「サマータイムキラー」のカール・マルデン、「大空港」のディーン・マーチン共演という事で鑑賞。やっつけ仕事の極み。中でも特筆すべきはディーン・マーチンの華の無さ。哀れを誘うくたびれたオヤジに「しゃきっとせんかい!」と野次を飛ばす気力も無く。カール・マルデンの最期にも「アナタも それ で死ぬの? 逝ってよし、はよ逝って!」と毒づく気力も無く。 監督は誰? ヘンリー・レヴィン。うっ、「地底探検」を撮った方ではありませんか! 信じられない。製作の顛末を映画化してもらいたいものです。 [DVD(字幕)] 1点(2018-08-30 02:44:38) |
1519. 楽園に帰る
《ネタバレ》 サモア島で6か月のロケが敢行されたという事で作り物でない風景に魅入ります。白人宣教師コベットの独善的な管理に盲従する島民達が、流れ着いたモーガンの活躍で立ち上がる姿と、モーガンとミーヴァのロマンス、モーガンと娘のドラマが描かれています。心変わりしたコベットが印象深いもののその理由が曖昧なのが物足りません。ゲイリー・クーパーの一本調子の台詞回しに気持ちが盛り上がりませんが結末にはさすがにグッときました。ロブソン監督作としては地味な一品。 [DVD(字幕)] 7点(2018-08-30 02:31:05) |
1520. パットン大戦車軍団
《ネタバレ》 「あんたは自分の意地で多くの将兵を危険にさらしている。本当の勇気があるのならやめたまえ。そうでないと一般の兵士が気の毒だ。彼らはあんたの夢とは関係ない。彼らは今も最前線で毎日死と直面してるんだ。あんたと私は一点で違う。私は任務だから戦うが、あんたが戦うのは好きだからだ。」ブラッドリーのパットンへの直言が私の感じた事をズバリ言い表しています。お目当てカール・マルデンは期待通りであっても期待を超える事はありませんでした。ノーマークのジョージ・C・スコットが演じるパットンの喜怒哀楽ぶりは実に見応えあるもので他の出演作も要チェック。 ドイツ軍人はドイツ語だったのに好感。ロンメル役のカール・ミヒャエル・フォーグラーは観た事あると思ったら「ブルーマックス」のハイデマン隊長で大出世しています♪ [DVD(字幕)] 7点(2018-08-30 01:49:47) |