1521. 陸軍中野学校 密命
《ネタバレ》 キャッツ・アイの正体をめぐる物語に惹き付けられたのですが、急展開の元となったのが偶然に小柳の車が前を走っていたというのが都合良過ぎて白けます。清楚な高田美和、欲求不満女の野際陽子共に好印象。雷蔵は野際陽子を色仕掛けで手玉にとる姿に惚れ惚れ。スパイが下劣かどうかは大局観によるのかなぁと考えさせられました。 [DVD(邦画)] 6点(2019-08-22 13:28:46) |
1522. ファースト・キル
《ネタバレ》 ウィルが休暇を取り妻子と帰省した先で銀行強盗犯の仲間割れに巻き込まれる。警察署長ハウエルは悪徳警官と闘うのか、悪の親玉なのか、早い段階で分かってしまうのが残念。犯人リーバイと心通わせてゆく学校でのいじめられっ子ダニーの生気が甦る様子は印象深い。ブルース・ウィリス、独特の拳銃の構えは31年前と同じものだったが、悪になりきれておらずオーラも感じない、こんなキャラクターを演ずるほど老け込んでいない筈なのに、ちょっと淋しい。退屈せずにそこそこには楽しめた一品。 [DVD(字幕)] 6点(2019-08-20 09:27:48) |
1523. 陸軍中野学校 雲一号指令
清張作品を観ているかのような丹念な捜査模様ですが、そこに悲哀や不条理は無く、華も無ければ味わいも無い無味乾燥な一品。もうちょっと何とかならなかったのかと思う爆破シーンのショボさに呆れる。雷蔵の深みのある声での語り口は何時もながらウットリさせられ、今作での芸者遊びの客役でのはんなりとした姿(プライベートはこんな感じなのだろうか?)が絶品であり唯一の収穫。 [DVD(邦画)] 6点(2019-08-12 23:51:35) |
1524. マルタの鷹(1941)
原作未読、初見。念願の鑑賞でオープニングの依頼人女性にパンパンに膨らんだ期待が徐々に抜けて行き最後はペシャンコに。メアリー・アスターの没個性に尽きるかと。推理皆無で喋り倒す探偵ボギーに興醒め(特に度々見せる薄ら笑いに辟易)最後の最後に開陳してくれた探偵の矜持(よく言った!!!)に+3点と落語の落ちの如き〆の台詞に+1点。最後まで観た甲斐はあった作品。 [DVD(字幕)] 6点(2019-07-23 16:54:22) |
1525. 心中天網島
2人を見守る神に見えた黒衣の演出が印象深い。他愛のない物語で登場人物がのべつ幕なしにけたたましく泣き崩れるくどい演出にはウンザリ。ただ、墓地での岩下志麻の艶めかしさは「凄い!」と感じるもので、ご亭主である監督の元での演技は女優冥利に尽きるのだろうと思えました。 [DVD(邦画)] 6点(2019-07-21 01:29:21)(良:1票) |
1526. ザーレンからの脱出
《ネタバレ》 政治犯シャリフ、彼の信奉者アーメド、横領犯ヒューストン、妻殺し、極悪人、ザーレン石油会社看護師ライラが乗り合わせる救急車での国外脱出の逃走劇。砂漠に於ける飲み水不足、ガス欠、呉越同舟の内輪もめ、迫りくる追手といった冒険活劇としての要素はあるのものの、追手の顔が見えなくて緊迫感に欠ける。ユル・ブリンナーは流石の存在感だけど、ターバンのせいなのか精悍さが薄く感じられて残念。突然のベルベットボイスに「エッ?」と思ったらジェームズ・メイソンその人でキチンと座り直したのに3分ぐらいでワクワクする間も無くご退場。嬉し悲し。盛り上がりに欠けた展開で都合よくまとめられた結末に物足りなさが募る作品。 [DVD(字幕)] 6点(2019-07-06 22:18:45) |
1527. 暁に祈れ
《ネタバレ》 タイに流れ着いた薬物常習イギリス人ボクサーが収監された刑務所内で自分を取り戻しムエタイに励む。ビリー・ムーアの自伝を元に製作された本作は、刑務所は本物、エキストラ囚人は本物の元受刑者で全身ビッシリ刺青も本物といった具合のリアル志向。陰謀や裏切り要素は皆無でのべつ幕なしの喧嘩三昧は猿山のサルそのもので、ビリーが味わう「地獄」は施設の劣悪さしか感じられない。勝利は予想通りで盛り上がらないものの、その後の展開は意外なもので、将来の自分を見据えているかのようなラストの演出がなかなか感慨深い。 見た事あると思ったのがタイ初の金メダリスト ソムラック・カムシンで懐かしさに+1点 [DVD(字幕)] 6点(2019-06-22 01:35:13) |
1528. ヘンリー/ある連続殺人鬼の記録
《ネタバレ》 実在人物でレクター博士のモデルとなったと言われるヘンリーの殺人記録が描かれています。彼の生い立ち、被害者の人となり、警察捜査模様は一切描かれておらず、殺人模様及び遺体をこれでもかと見せられて、私がこれまでに殺した蚊の数を覚えていないのと同じレベルで人を殺す人物の恐ろしさを味わいました。おどろおどろしい音楽も怖さを後押ししておりました。 [DVD(字幕)] 6点(2019-06-17 16:43:16) |
1529. ラ・ヨローナ ~泣く女~
《ネタバレ》 ホラーともう一つのジャンルは苦手でスルーしている私。不思議な魅力を感じるリンダ・カーデリーニ出演という事で「ゾンビ(1979)」以来40年ぶりの劇場ホラー鑑賞。何時でも退散出来る席にて周りに誰も居ないのを幸いに漏らしそうになる(悲鳴)のを我慢しながら硬直!!!と弛緩~の繰り返し。音がね、いや~、怖かった~。4DXだったらリタイアしてたかなぁ。襲撃がパターン化されて段々と予測出来てしまうのと水の恐怖がそれ程表現されてないのと呪術医の活躍不足と微妙な子役が物足りないところ。きちんとした起承転結でのテンポ良い展開において我が子を守るシングルマザーとしての奮闘ぶりがまずまずの見応え。蛮勇を振るった甲斐のある作品。未見の死霊館シリーズを観てみようか、とは思えませんわ。 [映画館(字幕)] 6点(2019-05-10 19:24:00) |
1530. にんじん(1932)
《ネタバレ》 最後のほうで少し語られるものの、フランソワを忌み嫌う理由がはっきりしない母親が、ただのキ〇〇〇にしか見えなくて辟易する。事なかれ主義の父親が土壇場で頑張ってくれたのにホッとする。あと一歩遅れたら私は今晩眠れないところでした。力だけが正しいと思う母親の末路が浮かぶラストの父子のシーンが印象的。 [DVD(字幕)] 6点(2019-05-09 00:00:22) |
1531. ジャズ・シンガー(1927)
《ネタバレ》 「世界初のトーキー映画」のはずがサイレントでビックリ。いきなり歌いだしたのでビックリ。歌だけトーキーかと思ったらいきなり親子の会話が始まってビックリ。この先はトーキーかと思ったら再び歌だけトーキーでビックリ。高名な歌手だというアル・ジョルソンの歌は私の胸にはそれ程響かず。ストーリーはベタながらもしっかりとした起承転結。ただ、息子の晴れ舞台の日であるにもかかわらず贖罪の日だから歌えと迫る母にイライラが募る。ここまでユダヤ教を前面に押し出した作品は初めてか。黒塗りメイクと併せてヘイズコード以前の作品の自由さにこれまたビックリ。映画史に於いてのみ貴重であって秀作とは思えない一品。 [DVD(字幕)] 6点(2019-05-06 13:07:58) |
1532. ジェーン・ドウの解剖
何がジェーンに起こったか? 「白い巨塔」大河内教授による執刀シーンが浮かんだ丹念な解剖模様に、その答えを知りたいと興味津々。ホラー色が出てきてからは気分は冷めて行き、結末にとどめを刺される。「クルーシブル」じゃあるまいに安易な答えにガックリ。 [DVD(字幕)] 6点(2019-04-29 18:07:29) |
1533. 眠るパリ
SF要素を採り入れた初の作品という点に+1点。他愛のないストーリーに於いてドタバタ動き回る者達より、ピクリとも動かない人々の見事な静止演技に魅入りました。96年前のパリの無法地帯のような道路状況も印象深いものがありました。 [DVD(字幕)] 6点(2019-04-18 14:35:20) |
1534. バリー・リンドン
《ネタバレ》 「善人悪人死んでしまえば皆同じ」 そうではあっても何時の時代に何処でどのように生きたのか、書籍や映像に遺すこと並びにそれを目にして思いを馳せるのは他の動植物にはない人間だけの特権。 レドモンド・バリー成り上がりから没落までの一代記。監督の持ち味は映像にのみ発揮されており、脚本演出は目を惹くものは無かったものの、自身若い頃の不義理・不誠実なシーンが甦り何とも言えない気分に。長尺さも相俟ってグッタリとなった作品。 [DVD(字幕)] 6点(2019-04-08 11:33:08) |
1535. 92歳のパリジェンヌ
ジョスパン仏元首相の母がモデルで脚色された本作。身につまされる内容で考えさせられました。自分が尊厳死を選ぶなら子供達には告げません。 [DVD(字幕)] 6点(2019-03-25 12:34:12) |
1536. 不思議惑星キン・ザ・ザ
色彩に乏しい舞台で小汚い人物達が織りなす生温い物語。ダラダラした語り口も相俟って二度眠りに落ちてどうにかこうにか完走。当時、自由にモノが言えない国の検閲をすり抜けて精一杯の主張がなされているところに敬意を。「見捨てはしない」心意気が最も印象深く胸熱にさせられる。 [DVD(字幕)] 6点(2019-03-23 23:13:35)(良:1票) |
1537. トレイン・ミッション
通勤電車内の限られた舞台でのサスペンスは飽きさせない展開ではあったものの、ドンピシャのタイミングでかかってくる電話、60半ばのリーアム・ニーソンの現実離れ加減が激しいアクションシーンを始めとするつっこみ所が多くて興に乗れなかった。更にこれを言っちゃ身も蓋もないのが、何年間もの通勤ラッシュ経験者として、何時もと違う乗客と言われても・・・・優雅な特急列車通勤じゃあるまいに・・・・ [DVD(字幕)] 6点(2019-03-20 23:30:45) |
1538. 怒りの山河
制作:“B級映画の帝王”ロジャー・コーマン、監督:彼の門下生であるジョナサン・デミ(メジャー作品デビュー作)、主演:コーマンに見出されたピーター・フォンダ。復讐アクションもので『昭和残侠伝』と比較してしまった。悪方の土地開発業者のやり口は単純明快でそれぞれのシーンの迫力もなかなかのもの。受けて立つトム・ハンターは花田秀次郎とは違って直情径行の暴れん坊タイプで攻防を気楽に眺められる。お待ちかね殴り込みシーンの物足りなさが残念。妙に牧歌的な音楽、印象に残らない脇役陣。総じて『昭和残侠伝』には劣るもののそこそこ楽しめた作品。 [DVD(字幕)] 6点(2019-02-24 01:23:03) |
1539. 女神の見えざる手
《ネタバレ》 「ロビー活動は予見すること、敵の動きを予測し対策を考えること、勝者は敵の一歩先を読んで計画し 敵が切り札を使った後自分の札を出す、敵の不意を突くこと、自分が突かれてはいけない」スローンの持論は日常生活にも当てはまる印象深いもの。倫理もへったくれも無い双方の泥仕合を気楽に眺める中で客の秘密を守った売春夫の矜持に唯一胸熱に。法案の可否が示されない結末にズッコケる。この大騒動は何だったのか。 [DVD(字幕)] 6点(2019-02-20 15:49:10) |
1540. ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
スティーヴン・スピルバーグ、トム・ハンクス、メリル・ストリープ揃い踏みのこなれた作品でサクサク感に物足りなさを感じます。「マスコミは社会の木鐸たれ」が浮かぶ新聞の品質を語る、アメリカにとってタイムリーな物語。 [DVD(字幕)] 6点(2019-02-17 23:59:17) |