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TANTOさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 901
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 最近になってまた映画を観る習慣が出来ました。
前はほとんど観なかった邦画をたくさん観るようになり
新しい映画ライフが充実しています。

昔ほど数はこなせませんが
趣味と生活のバランスをうまく保ちながら
なるべくたくさんの映画を観て、
なるべく読み応えのあるレビューを続けていきたいと思います。

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141.  チチを撮りに 《ネタバレ》 
おすすめで出てきたので何となく観てしまった映画。でも観てみたらとても良かったです。  昔、外に女を作って出て行った父が危篤状態と聞き、母親から半ば強引に送り出され「写真を撮ってきて」というミッションまで任される姉妹。しかもその途上で、危篤と聞いていた父が既に亡くなったとの報。途方に暮れながらもお見舞いの流れのまま父の元に向かい、そこで父の家族とともに葬儀に出席し、、、というストーリー。これがおすすめで出てしまうということは、最近この手の映画ばかり観ているということで、何となく免疫ついてしまったかなーと思っていたんですが、良い意味で思いの外面白かったので良かった。父の火葬後、妹はお骨を写真に撮り、姉はお骨をこっそりポケットに入れるという(笑)しかもその後の妹のセリフ「お姉ちゃん!お父さん万引きしたの!?」には笑った。 妹は平気で学校サボるし、姉は水商売で、母親は男に言い寄られてて、父の弟家族も何だかゴタゴタしてそうで、これからもいっぱいゴタゴタがありそうな家族だけど、なんだかそこまで負の雰囲気を感じない、芯のある家族の画を見せてもらえた気がしました。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-08-28 02:52:34)
142.  さよならくちびる 《ネタバレ》 
歌詞を噛みしめながら曲を聴くのが好きです。とりわけこの映画の歌はなんだか歌詞に心を奪われてしまいました。観賞後Amazon musicで検索したら登録されていて、喜び2倍! ハルレオの最後のツアーとして日本全国を回るのですが、色んなところで色んなドラマを観ながら歌う、「誰にだって訳がある」はストレートに刺さりました。みんな何かしらあんだろうけど私たちもそれでもギター弾いてんだよ、歌を歌ってんだよということをあんな風にライブで聴けたら嬉しいですね。聴きながら、その歌声がとても心地よいけど、彼女らと自分を重ね合わせて考えさせられる、良い歌でした。  「たちまち嵐」も気に入りました。解散したはずのハルレオが「とりあえず」メシに行くために乗った車の中で、レオがゆっくりと口ずさみ始めたこの歌。〜 きっとこの先も 嵐は 必ず 来るがきっと大丈夫さ 〜 この歌詞から想像するとやっぱりハルレオ続投を決めたのだろうか。個人的には続けることになっていて欲しいと思いますが、このメンツだとなかなか難しいかもしれませんね。  ハル→レオ、レオ→シマ、シマ→ハルという三角関係も、三人組のユニットでこの関係性って、もうわざととしか(笑)好きな人が自分ではない誰かを見ていて、それを終始自分が見てないといけないってどういう気持ちなんだろうか。恋敵と自分を比べてしまったり、誰かにそれを比べられたり、好きな相手が恋敵のために自分に優しくしてくれることに耐えられなかったり、気持ちが揺さぶられすぎて自分ならもう耐えられないかもしれない。誰かが幸せになれば誰かが幸せになれないこの構図が、見ていて苦しかった。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-08-22 21:06:28)
143.  新聞記者 《ネタバレ》 
ジャーナリズム、マスメディア、政府による情報操作の可能性、などについて考える機会となりました。もちろんこれは映画なので、やや荒唐無稽に思える設定や状況があるのですが、ある意味そう言うものが映画だと分かっているのでそこはスルー。 大事なことは出てくる情報は必ず誰かの手が入っていて、手が入っているということはそこには必ず何らかの狙いがあって、情報を受け取る側はそこを見極める必要があるということ。現代は超情報化社会と言っても差し支えがないくらい情報に溢れていて、その情報一つひとつも嘘なのか誠なのか、はたまた30%だけ嘘であとは本当だとかグレーなものもあり、文字通り玉石混交。それを「見極める」なんて至難の業だがそれをしていかないといけない。ほんと、大変な時代です。  冒頭、薄暗いオフィスで内閣情報調査室、いわゆる内調が時の内閣の都合の良い内容のつぶやきをSNSで投稿しまくる、というシーンがあります。「そんなアホらしい仕事そんな立場の人達がやるのか」とは思いつつも、あんな黒い仕事はそこらへんのアルバイトとかにはさせられないなとも思う。実際近年の報道ではTwitterやヤフコメの書き込みを記事に引用することはしょっちゅうあり、その影響力の大きさを目の当たりにすると、内調にこんな部署があってもそれほど可笑しい話ではないとも感じました。内調であればどこからどんな記事が出るかとかはある程度わかっていそうですしね。 ただ本当にそんな仕事をする部署があるとして、役中の杉原(=松坂桃李さん)と同じくそこに確かなモチベーションを持って業務に就ける人なんかいるのかな。SNSの誘導書き込み、政敵となる人間(それが一般人でも)の個人攻撃のための情報捏造とその拡散、そして組織を守るためのスケープゴート役… どこかのタイミングで「何やってんだ俺」って神崎さんのように虚しくなってしまって自己嫌悪に陥ってしまいそうなもんだが、そういう仕事が意外にハマったり代わりに甘い汁を吸えたり、何らかの運や巡り合わせで普通の人なら感じる違和感を何の疑問も持たなくなるとか、どんな仕事でもあるんでしょうねきっと。この間も少し知り合いが以前勤めていたブラックな営業をしていた会社の話を聞いた。この映画の話はなんらありえない話では無いと思った。  昔、報道とは事実と客観的事実のみを世間に知らせる完全に中立なものであるべきだと思っていました。今もそれが理想だと思っているしその考え自体はまだあるんですが、誰かが何かを意見したり論じる時、100%全ての人に公平で中立なものなんてあり得ないんだなということも最近思います。何かを報道すればそれで得をする人損をする人は必ず存在して、その数や割合が平等になることなんて無い。同時に、報道をする側もその報道で影響を受ける人たちのことを計算に入れて報道を出す。きっとその記事は誰かにとってメリットになり、他の誰かにとってデメリットになるものなんだろう。最近実感として思います、完全に客観的な記事なんてきっと無いんだろうな。だからこそ、「中立」「中庸」を目指したいと思っているのですが。  色んな社会問題が、この超情報化社会の中で私たちの目の前に簡単に出てきて、「こうあるべき」「こうするべき」と示してきます。多様性を謳いながら一つの解答に誘導する圧を感じます。本当、本当に生きにくい社会になった。この映画を観て、なにかそう強く思ってしまいました。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-08-03 23:53:53)(良:1票)
144.  竜とそばかすの姫 《ネタバレ》 
冒頭で思ったのは、『サマーウォーズ』の既視感。ozがU、アバターがASに。ただ違うのは、『サマー〜』のozはその世界から現実のシステム(道路の信号機や衛星など)につながりまくりの危ういシステムだったのですが、『竜とそばかすの姫』のUはあくまでネット上で自分のアバターで色んなコミュニティと交流したり映像や音楽を楽しむもの。やったことありませんがイメージ的には「セカンドライフ」のようなものなのかな、と。  そんなU世界の中で主人公鈴の作ったアバターBELLがその美声と容姿の美しさから瞬く間に数億フォロワーを抱えるビッグコンテンツとなるわけですが、何点か不可解な点や説明足らずと感じた点が。  ①いくら整った容姿で歌がすごかったとしてもただ一曲披露しただけであんな勢いでフォロワーが増えると思えない。自分はネットチャンネルの運営など一切してませんが、実際フォロワー獲得に四苦八苦してる人達が見たら「そんな簡単にいくか!!」と総ツッコミが入るのでは。 ②そもそも竜があそこまで敵視される理由の説明が不十分。別に弱いものいじめをしたりするわけでもなく、明かされた理由はU内の武術会で「ちょっとやりすぎた」から。それだけであそこまで迫害されるものなのか、その過程で何らかの行き違いやイザコザがあったとも想像されるが、あそこまで竜を迫害する動機は観てる側からははっきり示して欲しいところ。 ③生体認証で自動生成されるアバターを、その情報を元に強制的に本当の姿に戻すunveil〈アンベイル〉ですが、あんな機能この世界にあっていいんですか?冒頭のUのナレーションで「現実の人生ではやり直しはできませんが、Uなら出来ます」という趣旨の内容をしゃべってましたが、この〈アンベイル〉機能はその方向性と真っ向からぶつかるもの。一度姿が晒されればその記録も当然残るし、個人の特定にもつながる。Uの自分どころか現実の自分の生活まで危険に晒すあんな機能が公式に認められていることがあり得ないと思いました。 ④ 映画なので観てる人に分かりやすくするのはまあ当たり前なのですが、ネットの意見があんなに分かりやすく何色かに染まることなんて無いということもどこかで見せて欲しかった。実際はもっとカオスでもっと分かりにくく、何が目的で何が本当か嘘かもわからない、そんな刹那的なものがネットなので。  などかな。あと気になったのは〈アンベイル〉された鈴がその後の学校生活どうなったのか。素顔を晒されたわけだし、多分大騒ぎになって平穏な学校生活は送れないんだろうなとか色々考えてしまった。鈴ちゃんに関しては、これを機に「脱U」「脱ネット」して現実で思いっきり歌って現実で思いっきり恋をする人生を送ってほしいと思いました。 もっと映画に時間かけてもらっても構わないから、そういう気になるところの描写も欲しかったと感じました。  色々書き立てましたが映画はとても面白かったです。歌も綺麗で心地よく聴けて、とても印象に残る気持ち良い曲でした。やはり『サマーウォーズ』で好きだったところと重なってしまうのですが、とてもディープな電脳世界を描きながら、それと共にある田舎の生活とのギャップが何ともいえずマッチしていました。 さすがに細田アニメも六作品目ともなると、段々雰囲気や流れのようなものが読めてしまうところもありますが、これからもこの世界観を楽しんでいきたいと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2021-07-31 19:54:28)
145.  蜜蜂と遠雷 《ネタバレ》 
原作未読です。  幼い頃からピアノの英才教育を受けたサラブレッドの天才、生活者としてのピアノにこだわる努力家、七年前に突如姿を消し今回のコンテストで復活をかける天才少女、そして「ピアノの神」が残した異端児。この四者四様の若きピアニスト達がしのぎをけずる演奏場面を見れるだけでも眼福もの。いや耳福とでも言うべきか。面白い映画でした。私には楽器を奏でる才能はまるでありませんが、ピアノが弾けたらいいな、あんな風に弾いてみたいなと思わせられる作品でした。感情を乗せて表現できる道具があるって素晴らしいですよね。  個人的には最後の本戦の優勝者は栄伝亜夜、準優勝は風間塵、第三位はマサルでした。まあ盛り上がる順番に見せられたそのままの流れで魅せられてしまったというだけかも知れませんが。でも風間と栄伝の、自分の抱えている感情を全てぶつけきって粉々になるまで表現しきったようなあの激しい演奏には心が震えました。 カデンツァや本戦のようにそれぞれがそれぞれの趣の曲を演奏するのも良いんですが、同じ曲を別々のピアニストがどんなふうに表現するのかの違いなんかも見たかったですね。サントラ買おうかな。  映画としての映像の見せ方も良かった。演奏前に曲名紹介の字幕が入ったり、鹿賀丈史さん演じる指揮者の登場で、ちょうど英語で彼のことを「第2の刺客」と呼ばわっていた時にその字幕が彼の真下に出るように演出したり。 ただの音楽映画ではない、映像としての作り込み・奥の深さも感じられました。良作です。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-07-28 19:51:13)
146.  ジョーカー 《ネタバレ》 
期待通りのインパクトがあった。ジョーカーは『ダークナイト』でも出てきますが、アメコミ映画でありながらお決まりの超能力や超常現象は一切起きたりしません。ただの人間がいかにして「ジョーカー」になってゆくのか、それを淡々と描いています。生来持っているものや立場でその人の人生がほぼ決まってしまう街、ゴッサムシティ。その中で障害を持ちながらピエロとして生計を立てる「ハッピー」ことアーサー・フレック。恐怖や緊張、不安を感じると笑い出してしまう障害のため生きにくさを感じながらもコメディアンとしてショーに出て成功を夢見る一人の男。もちろんジョーカーに共感はできませんが、リアルな犯罪者として、冒頭に書いたようにインパクトのあるキャラクターとなっていました。  ジョーカーは、アーサーの抱える他人から認められたいという願望と、にもかかわらず不当に貶められ悪い意味で笑い物にされることに対する怒り、世の中の理不尽への不満などをゴッサムシティやトーマス・ウェインにぶつけようとした結果誕生してしまったんですね。またその過程でたまたまピエロメイクをしている状態でこれまたたまたま銃を持っていて仕事をクビになったところで、ちょっかいを出してきた三人を銃殺してしまったところ、同じように日常や街に不満を持っている貧困者たちのダークヒーローになってしまうという。コメディアンとしてショーに出て成功したかったアーサーには悪名といえど人から称賛されることが快感だったようで、そのまま彼はジョーカーに…  彼と同じように体が小さいことでバカにされてきた職場の仲間には敬意を持って接したりする人間性が垣間見えるところが、余計にリアルでした。ただ無差別に人を殺したりするのではなく、むしろ誰をなぜ殺すのかという理由がわかってしまうところがジョーカーらしい。  思ったことは、真っ当に生きていようとそうでなかろうと、それがショースターであっても寝たきりの老婆であっても、誰しもみんな人に認められたい、愛されたいと思っていて、それが動機になってエネルギーが湧くんだな、湧いてしまうんだな、と思いました。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-07-17 12:28:08)
147.  レナードの朝 《ネタバレ》 
かつて一度鑑賞したことがあったが、職場で人と話題になりDVDを貸してくれるというので久しぶりに二度目の鑑賞。一回目の時にレビューもしていなかったようなので改めて記録も取ることにしました。  やはり少し記憶に残っていたようで、なんとなく全体に既視感を覚えながら鑑賞していました。不器用ながら患者のために尽くす医者役のロビン・ウィリアムズさんと、自分の人生の大半を病で過ごし、薬によって少年期の記憶のまま目覚めたレナード役を、もういい年したおっさんのロバート・デ・ニーロさんが見事に演じていました。おっさん顔なのに少年のような笑顔や泣き顔をするってかなり難しいと思うのですが、怪演でした。  医師のセイヤーは、研究畑で慢性神経症どころか臨床経験がほぼないという医者。あれよあれよという間に慢性神経症患者の臨床医となってしまうが、生来の真面目さからか、患者にしっかりと向き合い、やや向こう見ずに突っ走る傾向はありながらも患者のためにまっすぐ力を注ぎます。今でいうと「研究オタク」とでも揶揄されそうなセイヤー医師ですが、患者のために体を張れる、立派な医師だと感じました。そんな人間味あふれるセイヤー医師を、ロビン・ウィリアムズさんが完璧に演じています。いや、本物のセイヤー医師を知らないので完璧というと語弊があるかもしれませんが、不器用ながらも人としての優しさが滲み出ていて、患者たちに信頼される、そんな医者の役がピッタリはまっていたと感じました。  対してロバート・デ・ニーロさんと彼が演じるレナードについて。デ・ニーロさんは上述のように、あの歳にして少年の顔や表現ができる凄い俳優だと感じました。引き出しいっぱいあるんでしょうね。セイヤー医師によりようやく効く薬が見つかって、一晩で劇的に回復したレナード。これまで何十年も言葉すら交わせなかった相手が話しかけてくれたらそれはもう感動ですよね。ここで終わればただのハッピーエンドだったのですが、映画はその後の展開までしっかり描かれます。レナードはじめ他の回復した嗜眠性脳炎患者たちも、時間の経過や今の自分達の置かれてる立場に戸惑いを覚えるようになり、ついには「ここから出せ」「俺たちに自由を!」とデモを始めます。 久しぶりに鑑賞して、じゃあ自分が嗜眠性脳炎患者だったらということを考えてしまいます。段々と手がしびれるようになり、ふと全くの不意に自分が眠ってしまう。体のあちこちがカクカクとしか動かせなくなり、次第に全身の自由もきかず、その間何十年のことも記憶に無い。壮絶ですよね。そしてある日突然目覚めたらそこは病院の中。自分の姿や世の中の変化にも驚きながら、しかしそこで恋もする。好きなあの人と二人で出掛けたりと意識が外へ向かうが一人で外出する自由はレナードにはなく、不満が爆発し上述のようなデモに発展させてしまう。デモまで起こすかはわかりませんが、自分でも何か不満をいだいて不平を述べたりするでしょうね、きっと。脳炎患者たちが回復して各々自分の意志の向くままに動いたり喋ったりするのを見て、病棟の黒人医師が「前のほうが良かった」と冗談のようにぼやきますが、何もせずただそこにいるだけの人形のような患者より、自分の意志で動いて自分の意志を表現する人間のほうが相対する人間にとって面倒がかかるのはまあ当たり前ですよね。 やっと手に入れた自由を謳歌したい患者たちと、突然治った患者たちをいきなり単独で外の世界へ出せない病院のジレンマ、あと双方どちらの主張も理解できる自分に歯がゆさを覚えました。どっちの立場もわかる。なのでどっちの味方になることもできない。ましてレナードは症状の揺り戻しが始まっていた。あの状態で一人で外へ出せないという判断は病院として当然だとも思いました。  嗜眠性脳炎そのものや、誰かがそれを発症したときの周囲の人の気持ちに思いを馳せることができた映画でした。今ではほとんど姿を消した病気ということですが、実際にあったストーリーとしてそういうものを現代でも見られるということが映画の醍醐味ですね。
[DVD(字幕)] 8点(2021-07-07 17:46:13)
148.  かもめ食堂 《ネタバレ》 
たとえば日本で、どこの国の人ともわからない人がどこの国のものかもわからない食べ物を出してる食堂を見つけたら……… けっこう面白そうですよね(笑) それと同じで、日本人がフィンランドでおにぎりメインの食堂なんか出したら、まあみんな好奇の目で見ますよね(笑)ある意味あの時点でもうこの店は流行っていたのかもしれない。しかしはじめは閑古鳥。来る日も来る日も来店するのは日本かぶれの豚身くんのみ。しかも来店第一号でずっとコーヒーはタダ。映画のラストにはこの店閉めてしまうのかなとか思ってしまったりして。 しかし日本人同士の奇妙な縁から始まり、段々とお店は流行っていきます。とんかつ定食などを美味しそうに頬張るフィンランドの人たちが、雅子さんが頼んだパリッパリの海苔で巻いたおにぎりを食べるシーンを凝視するのにはまた笑えた。めっちゃ美味しそうですよね。 そこからなのでしょうか、フィンランドの人たちが文字通り老若男女を問わずかもめ食堂におにぎりを食べるために訪れ、食事を楽しんでいきます。けっこうロックないでたちをした女の子たちも食べていましたね。  最初にした例え話ですが、もし日本でよその国の人がたった一人でその国の食べ物を出す食堂をしていたら………やはり最初は好奇の目で眺め、その後徐々に入っていく人たちに紛れ、自分もその店に食べにいくんだろうな。  「おにぎりは日本のソウルフード」  確かに。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-06-17 22:43:06)(良:1票)
149.  永い言い訳 《ネタバレ》 
『永い言い訳』 観た後にストンと落ちた感がある良いタイトルだと思いました。  突然妻を亡くした幸夫(=本木雅弘さん)は、いっときから妻との関係も疎遠になっていて、妻の予定や友人関係も亡くなってようやく知るような状態だった。バス事故の遺族会にて、同じくバス事故で亡くなった妻の学生時代からの友人の夫、大宮陽一(=竹原ピストルさん)と知り合う。トラック運転手の大宮には二人の幼い子どもがいて、ふと幸夫は大宮がいない間の子どもたちの面倒を買ってでる。というストーリー。 まさに「罪悪感の払拭」「言い訳」として始めたんであろうこの子育てが、思いがけなく楽しいものになります。最初はぎこちない関係だった幸夫と子どもたちなのですが、とまどいながらも共に時間を過ごしてくれる幸夫にどんどん気持ちを開いていきます。幸夫は幸夫で妻の夏子(=深津絵里さん)との間にはいなかった子どもに対して、子育て経験のなさが逆に良かったのか、不器用にしかししっかり寄り添って接することで彼らとの関係を築いていきました。 そんな幸夫と子どもたちの温かいホームドラマのような空気がストーリー全体を包み込みます。長男の受験、長女の世話、大宮の葛藤・苦しみ、そして幸夫の贖罪や偏屈性がそこに散りばめられていますが、どれも共感できたり改めて自分でも考えさせられるものでした。  自分もあまり人と深く共感できる人間ではありません。周囲の人がみんな興奮していたり泣いていたりするような状況でもどこか他人事のようにしか感じられない自分に戸惑うこともよくあります。その度に自分が人として終わってるんじゃないかと思ってしまったりもしますが、何となくそういうところで幸夫に共感してしまいました。  原作の著者と監督が同じ人、ということを人に教えてもらい興味深いと思いまずは映画から鑑賞させていただきました。 次は借りてきた原作を読んでいこうと思います。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-05-28 10:44:31)
150.  嵐電 《ネタバレ》 
まず言いたいのは、嵐電は京都の路面電車で、それ以上でもそれ以下でもないということ。それにまつわる不思議な物語があるわけでもない。 ただ、そんな電車を一つの媒体としてつながりができた、そんな男女三組を描いた物語でした。彼ら同士が話の中で深く交わることもなく、三組三様に流れる物語。でもつながりは全て嵐電。不思議な物語は一切ありませんが、不思議な世界観を与えてくれる、京都という不思議な空間を構成する部分の一つとして、見事に描かれていたと思います。 三組の中で印象に残ったのは俳優×地元の娘の組み合わせかな。自分よりだいぶ若いが、その分ちょうど学生時代を思い出すことができた。嵐電の線路沿いを歩くあの感じ、とても懐かしいです。そしてあの大観光都市京都の中にして、少し裏手に入るととても静かな空間があり落ち着くことができる、そんな描写もとても懐かしく観ることができました。 個人的にもかつて過ごしたことのある街として、少しばかりのノスタルジーを感じながら鑑賞することができた。ちょうど八ミリの映像を眺めるように、昔を懐古しながらの鑑賞はなかなか心に沁みるものがあった。 ところどころ謎なシーン(白塗りのヘンテコな車掌コンビなど)はハッキリ言って不要と感じたが、それ以外は好きな作品でした。 嵐電はただの電車です。ですが人と人、過去から今を不思議につないでくれる、そんな電車だと感じました。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-05-23 12:10:19)
151.  長いお別れ 《ネタバレ》 
認知症。デイサービスで働いていた時に認知症の方とはたくさん関わってきましたが、「家族」として認知症の人と暮らすと言うと全然レベルの違う苦労があるんだろうなと思ってしまった。この映画はとても素敵で、認知症の父との思い出に浸れる感動的な話になっていましたが、実際はもっと地味で、もっと醜いことも起こる、そう言う病気だと思います。父(=山崎努さん)を一時的に一人で面倒を見ることになった次女(=蒼井優さん)が父を寝かしつけた後で、「はー、お母さんすっごいわ。これを毎日やってるなんて」と姉にこぼしたシーンが、実際の家族介護現場の大変さを表せていると思います。絶対大変ですよね。この映画のように、変化していく不安定な認知症の家族をしっかり支え優しく見守る家族には尊敬しかない。みんながみんなこんな風に出来たら理想なんでしょうね。。。  映画の中で、認知症になった父に娘達は自分たちの悩みをぶつけていきます。認知症の父はなんの話かよくわかっていないので、さしてリアクションも、もちろん有益なアドバイスもくれはしないんですが、お構いなく悩み相談室を続ける娘二人。地蔵に悩みを語るように、でもそれはお父さんで、でもお父さんは認知症で、でもそんな状態だから色々語りかけてみたくなる、そんな気持ちもすごく伝わる映画でした。現役のお父さんにはなかなか言えない雰囲気だったんでしょうね。でも認知症になったことで逆に聞いてもらいやすくなる。それが面白いですね。確かに自分も、自分の両親に悩みらしい悩みなんで打ち明けたことありませんが、もし認知症になってしまって会話もままならなくなってしまったら、ふとした時に逆に何かを語りたくなるかもしれません。  次女の恋愛とか、長女(竹内結子さん)の息子の話なんかは少し蛇足だったかな。たかしが不登校になった理由も結局不明で、「あれなんだったん?」感が半端ない。個人的にはタカシもおじいちゃんお見舞いに行ってあげて欲しかったかな。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-05-14 00:47:56)
152.  日日是好日 《ネタバレ》 
取り立てて特徴の無い(と自分で思っている)女子大生が母親のふとした一言からお茶を習い始めるというお話。序盤は茶道に慣れていない若い女性がお茶に対して面白みを感じたり難しさや苛立ちを覚えたりの繰り返し。その繰り返しの中で形にはなっていない何かを感じるようになっていきます。  二十四節気を表しながら、劇中の時間も刻一刻と刻まれていくのが印象的。季節の移り変わりとともに人の時間や環境の移り変わりも同じように進んでいきます。 「立春が一年で一番寒い日なのは、昔の人がもう春はすぐそこだと厳しい冬を乗り越えようとしていたから」 という言葉も心に残る。人間の環境も、季節のように必ず春が訪れてくれればいいのですが、現実はなかなかそうはいかないよね、とも思いながら複雑な気持ちで鑑賞。さらに、  「人生で起きることはいつも突然。昔も今も。心の準備なんかできない。」 これも刺さる。分かってるつもりではいるんですが、当然のように毎日が訪れること、周囲の人がいてくれることが当たり前じゃ無いって気付くのはいつも突然。分かっているはずが、それを大事にできていない自分にも気付かされます。  今はコロナということもあり、余計に最後のメッセージが刺さりますね。お茶会で茶室に大人数で詰めて座ったり、毎年変わらない日々を過ごせることがたまらなく大切に思います。  『日日是好日』 この言葉を作った人もコロナ禍の今のような「日日」は想像してなかったでしょうね、、、
[インターネット(邦画)] 8点(2021-04-29 17:09:27)
153.  人間失格 太宰治と3人の女たち 《ネタバレ》 
「太宰は偉大な作家扱いされているが、実は大変なクズだった」と言うことを歴史に詳しい国語の先生が言っていました。それに影響されたわけではないですがなんとなく引かれて鑑賞してしまった。コトの良し悪しはともかく、強烈なキャラクターですね、太宰は。三次の父で甲斐甲斐しい奥さんに囲まれながらもかなり堂々と不倫して、頼まれたからと子供をこさえて、こさえてしまったら面倒になってその女と距離を置き、夜は出版社の人間と飲んで飲んで飲み歩き、そこでまた違う女を引っ掛け常時に耽り、そうこうするうちに病気に体を蝕まれ、不倫や借金や病でボロボロになった中で書き上げた『人間失格』  『人間失格』自体もきちんと読んだことがないのですが、これを観て俄然読んでみたくなりました。自分も人間失格なところたくさんあるので、参考にさせてもらおう。  元々あまり邦画を観ないタチで、蜷川映画というのも実は初めての体験。ニュースや雑誌などで切り取られて見る蜷川イメージはただただ前衛的でイロモノってイメージでしたが、きちんと映像作品として見るとやはり芸術作品だなと感じました。ハッキリした色調の世界観が記憶に刻まれる映像でした。これを機に蜷川映画をもっと見ようと思いました。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-04-06 23:52:48)(良:1票)
154.  百円の恋 《ネタバレ》 
二時間足らずの映画なのに、なんと言うか、分厚くて濃厚な時間でした。  主役の斎藤一子(=安藤さくらさん)は、「月曜から夜更かし」のフェフ姉さんをイメージしてしまった(笑) 実際のフェフ姉さんの私生活とかもちろん知りませんが、くたくたの格好でタバコ大好きで女を捨てていてでも誰かに抱かれたいって、テレビで見るフェフ姉さんのイメージ過ぎて、つい(笑)  自堕落な男女のヒューマンドラマ、場末のコンビニの労働風景、からのまさかのスポ根映画になるとは思いませんでした。こういうの見ると不覚にも自分も何かやりたくなってしまう。もう32歳もとっくに過ぎてますが、あれくらいのめり込める何かが欲しいという気持ちになります。ボクシングに取り憑かれる一子を見て、少し、うらやましいと思いました。  安藤さくらさんは怪演ですね。映画の最初と最後ではまるで別人のよう。多少はメイク効果もあるんでしょうが、もう体型や顔の形からして変わっていった。カメレオン女優?役作り大変だっただろうなぁ。ボクシングの動きもすごかった。なんかみるみるうちに動きが良くなっていくのを見るのって楽しいですよね。そんなところも楽しめた映画。  何もかもがスッキリするという映画ではないですが、とても楽しめました。鑑賞前はそれこそ「百円」とまでは言わないまでもそんなに期待していなかったんですが、普通に映画館で観てもいいなあと思える価値はあったと思います。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-01-27 01:08:36)(良:1票)
155.  ディア・ドクター 《ネタバレ》 
真っ暗闇を駆ける自転車のヘッドライトから始まる『ディア・ドクター』 暗いし白衣着てるからこの人が主要キャストなのかと思い込んでいたらただの名もなき脇役の人。事件が起きたその後でした。  まず驚いたのは医者の給料。無医村の過疎地域で好条件が出されたにしてもすごいですね。実際もあんなもんなんでしょうか??だとすれば、けっこうなり手は多そうだけどなあ、と思うのは医者の仕事やあそこまでの田舎暮らしを知らない人間としての意見ですが。でもそこまで悪くないように思える。まあそれはこの映画の見せ方のせいもあるでしょうが。  偽医者はあまり聞きませんが、無免許教師とかは実際時々ニュースでも見ますよね。あれも似たようなもんなんでしょうね。けっこう長い間その職の人として働いて、「人当たりも良くて良い先生でした」とか新聞にコメント載ってますもんね。最初にそう言う人として認識してしまったら後からそれを疑うって相当難しいと思う。最後の方で村長さんが刑事に吐いた言葉「あんたらもほんとに警察?手帳なんかあったって信用できねーよ」というセリフは、そのまま詐欺防止のキャンペーンポスターに使ってもいいセリフだと思う。実際水道局やらなんやらが家に来ても、わざわざその事務所にその人が実在してるか電話する人なんかいませんもんね。  とまあなんか詐欺の話になってしまったが、ストーリーは好きです。柔和だけど怪しい村の診療所の医者役に鶴瓶さんって、似合いすぎてる(笑)でも村の人たちとの掛け合いはとても自然で、なんというかただの平和な田舎のワンシーンを見せられているよう。警察の場面以外は、そこに「偽医者」とかそういうダークなものをほとんど感じさせずにストーリーは流れます。いっそただのジャパニーズカントリームービーでも面白かったかもしれない(笑)と思うくらい癒される自然がたくさんでした。  最後の喫煙所から消えるシーンと、病院に現れるシーンだけはいらないなぁ。そんなんは求めてなかったんだが。騙されたと知ったお婆さんの心の葛藤なんかをむしろもっと見たかったけど。  個人的には、田舎暮らし少し憧れるなぁってことと、人の嘘に気づくのって難しいなってことを思った作品でした。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-01-24 02:35:13)
156.  二重生活(2015) 《ネタバレ》 
哲学、というと小難しく聞こえますが、要は自分やほかの人の人生について「こういうもの」と定義するものなのではないでしょうか。なんとなく自分にはそういうイメージです。で、そのために無作為の100人からアンケートを取るのではなく、無作為の一人を尾行する、というストーリー。  「理由のない尾行とは、他人の場所と立場に身を置くこと。すなわち、互いの人生・情熱・意志を知ること。それは人間が人間にとってかけがえのない存在となる唯一の道ではないだろうか」と、作中で白石珠(=門脇麦さん)が定義しています。この映画だけの話ならなんとなく入ってしまう定義ですが、なんとなく自分には違和感でした。まず、「理由のない尾行」なんてそれこそ探偵として仕事でもない限り無いのではないでしょうか。始まりこそ、たまたま目についた自分のアパート前の幸せそうな家庭の旦那さんで興味を持ったかもしれませんが、そこからは他人の人生を覗き見たいという興味本位からの行動にしか見えません。事実、珠さんも尾行を「楽しかった」と認めており、その時点で「理由なき尾行」では無かったように思います。  しかし尾行はともかく、気になる人の生活やその裏を知りたいという願望は、おそらく誰にでもあることだと思います。知っていくうちにその人本人以上に、事の顛末を見届けたいという欲求も働くでしょう。考えれば考えるほどに、哲学とは人間の底にある欲求を詳らかにしていく学問なのかと自問してしまいますが。  主人公の白石珠や、社会的に成功して見えた石坂さん(=長谷川博己さん)もそうですが、周囲からは満たされているように見えて満たされていない人って結構いるんでしょうね。それはひょっとしたら贅沢とか、欲張りとか、という風に周囲からは表現されるかもしれませんが、本人たちにとっては実はけっこうな死活問題で、日々どうにかしたいと思ってる問題であったりして。でもふと振り返ってみたら今ある自分の状況が何より大切だと気付いてみたり。一つ言えることは、そうして通ってきた道の後に気づいたものは、それが社会的に良かれ悪かれ、価値のあるものなのでしょうね。  本作の大半はアパート前の裕福な一家の主、石坂さんに焦点が当てられていますが、その後に「対象者B」となった教授(=リリー・フランキーさん)にももっと時間を割いてほしかったな。   ていうか、いまだにリリー・フランキーさんと吉田鋼太郎さんの違いが判りません(笑)
[インターネット(邦画)] 8点(2020-12-30 01:00:15)(良:1票)
157.  この森で、天使はバスを降りた 《ネタバレ》 
DVDを持っているのに、ここでのレビューはまだ書いていなかった。改めて、久しぶりに鑑賞することに。幸か不幸か、ほとんど内容は忘れていて新鮮に楽しめました(笑)  1996年製作かあ。もう今年も終わろうとしているし、およそ25年前の映画ということに。光陰矢の如し。時の早さを痛感します。  というおっさんのぼやきはともかく映画の方ですが、洋画なのにここで出てくるGileadの町はなんだかとても日本的ですね。突然現れたよそ者に無遠慮の好奇の目を向け、訝しみ、陰口をたたく、と。小さい集落のようなところなら日本でも海外でも雰囲気には大差ないということでしょうか。そんな空気の中、店内のPercy(=Alison Elliotさん)を訝しむ人たちに聞こえるように、「ねえハナ?そういえば私って5年間刑務所にいたんだって言ったっけ?」と店内で大声で言うシーンは爽快でした。凛として堂々としているPercyに好感を持てた瞬間でした。  一部の猜疑心にとらわれた人たちを除き、彼女は徐々に町に溶け込んでいきます。と同時に徐々に彼女のバックグラウンドも明らかになっていきます。刑務所に入っていた理由は殺人だった、子供ができない体になった、それは・・・などなど。彼女に深くかかわった人たちは彼女を受け入れ、そうでない人は猜疑心を抱き続ける。特にこの映画の場合は、近づいてみないと人間なんて理解しあえないということを強く打ち出しているように感じます。彼女とShelbyの関係も、Hannahとも、Joeとも、Eliとも、彼女はかかわった人すべてと深い関係になり、彼らの人生を充足させているように思えます。邦題の「天使」が適切かどうかはわかりませんが、実際彼女は鬱々とした空気でとごったGileadの町に舞い降りた天使だったのかもしれません。  それだけに、ラストはショッキングでした。まさかそうなるとは。彼女の葬儀に訪れた町の人の顔、そこで自らの罪を告白したNahumの様子から、彼女の存在の大きさが伝わります。最後、エッセイコンテストをものにしたPercyと同じ「よそ者」のClaireを笑顔で迎えられるように町の人を変えたのは、まぎれもなくPercyの存在によるところでしょう。  携帯電話もない、ろくに自宅に鍵もかけない、そんな時代のそんな集落とも呼べる規模の町の雰囲気をよく表した映画だと思いました。映画の雰囲気がどこか日本的だと上述しましたが、ほんと、これそのまま日本でリメイクできそうですね(笑)
[DVD(字幕)] 8点(2020-12-24 00:43:14)
158.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》 
有名な作品をなかなかブーム時には観られない性格の天邪鬼自分。『シン・ゴジラ』も今頃になってようやくの鑑賞に至りました。鑑賞の少し前に災害に関する講習のようなものを受け、そこで本作について、いわゆる「想定外の災害」について描かれている旨うかがいました。なのでその点に注目しての鑑賞となりました。  やはり特に気になったのは「会議を経なければ何事も決定できない」ということでした。「決定するつもりが無い」というわけじゃなく「決定することができない」ということがとても印象に残りました。どうしても必要なプロセスとして「会議」があり、一分一秒を求められる状況で、専門家でもない老人多数の大臣たちがまるえ一般人のように思いついたことを述べているシーンはやはり滑稽に映ります。ですが結局のところ現実もこうなんだろうなとも思います。現実も多くはその道の専門分野でもない大臣たちが「IT大臣」だの「少子化大臣」だのとりあえずポストに収まって、そこらへんのおっさんでも言えるようなことを言っている。  この映画の中で現実とは違う良い点としては、「専門家たちをしっかりと登用し活用している」ことだと思います。御用学者のような人たちもいましたが、ゴジラ対応のかなり序盤から専門家たちは重用されており、中枢からその存在感を発揮しています。そういう点が現実のほうにもあればいいのにな、と思ってしまいました。いや、してるんでしょうかね。少なくとも自分のような一般人にはあまり専門家の方々のありがたみはわからず、コロナ対応に対してもどうしても不信感を抱いてしまいます。  ゴジラはなかなか圧巻でしたね。最初のトカゲのようなギョロ目のゴジラが個人的には一番怖かったです。内容は日本に現れたゴジラを世界各国みんなで協力して撃退するというものですが、『インデペンデンスデイ』のように各国に一体ずつ現れても面白いのにとか思ってしまった。そのほうが日本政府VSゴジラの構図がもっとくっきり浮かび上がったのに。  今作『シン・ゴジラ』の内容を受けての『シン・メカゴジラ』とか『シン・モスラ』とかあればまた観たいな。なんつって(笑)
[インターネット(邦画)] 8点(2020-06-28 03:10:53)(良:1票)
159.  ピクセル(2015) 《ネタバレ》 
まずこれらのレトロゲームと自分の関わりの深さから紹介させていただくと、ほとんどありません。やったことはあるんですけどね。子どものときちょっと触ったことあるなーとか、親戚の家に行ったらプレイさせてもらったなー、とかその程度です。「ドンキーコング」もスーファミの「スーパードンキーコング」のほうが馴染みがある(笑)  さてそんなレトロゲーム超初級者の私がこの映画を楽しめたかと言うと、かなり楽しめました!上述のようにほとんどのゲームは触った程度なのですが、なんていうんですか、あのドット絵の世界観は大好きです!見てたら急に、「アイスクライマー」とか「ぷーやん」がやりたくなる(笑) 色々突っ込みどころももちろんあるんですけどね。2Dに慣れ親しんだレトロゲーマーが3Dの実世界のシューティングゲームにすぐ対応できるのか、とか。でもこの世界観ならまあどーでもいいかなと良い意味で諦められる(笑)  いきなりセリーナ・ウィリアムズが出演したりとか、小技も効いていて「おっ」となって面白い。良い娯楽映画だと思います。  あ、最後エンドクレジットで本編のストーリーを全てまとめたドット絵ムービーが流れたのは最高でした。あれで+1点。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-07-25 10:59:05)
160.  おおかみこどもの雨と雪 《ネタバレ》 
ずーっと家のTVの録画番組の中に埋もれていたやつをやっと最近鑑賞できました。 ただただ時間がなくて観ることができていなかったのですが、時間が経つにつれ「もう観なくてもいっかー」なんて気持ちも出てきてしまったり。そんな自分を奮い立たせるように観たのですが、観てよかった。素晴らしい映画でした。  ある程度前知識として入っていたのは、 ・狼男と人間の女性が恋に落ちて子供が出来る。 ということくらいでした。そんなSFな設定と現実世界の設定を混ぜ合わせるとこんなに面白くなるんですね。  「狼として暮らすか人間として暮らすか」 その選択を待つ花なのですが、自分は絶対雪が狼で、雨が人を選ぶと思ってました。 おてんばの雪はすぐに感情任せに狼になるし、雨は雨で田舎に引っ越してすぐに前の都会の家に「帰りたい・・・」って泣いてるし。 結論だけ見ればいかにも作り話って思われるかもしれませんが、鑑賞中は完全に入り込んでしまっていて、最終的に二人が落ち着いたところに驚きを隠せませんでした。  そして母親、花。もうすごいですね!!実際にはあそこまでの人はなかなかいないだろうと思いますが、まさに命がけの子育てに脱帽!母は強し!っていうか母強すぎです(笑)    何点か腑に落ちない不自然なところもチラホラ。  1.なぜ父親は死んだのか。展開が急すぎ、っていうか雑に感じました。 2.花に家族は?天涯孤独の身とかいう設定ありましたっけ?自分が見逃したのかも。 3.草平はユキに怪我させられたとき、なんであんなにしつこかったの?ストーカーの域じゃん。 4.雨の変化も急すぎ。まあ実際には複数年経っての変化なのですが、オタクキャラかと思いきやの山の主って・・・飛躍しすぎでは?(笑)  TVバージョンだったので、ひょっとしたら上記の疑問に関わるようなところはカットされてたのかも。 個人的に気になった部分です。あしからず。
[地上波(邦画)] 8点(2015-11-05 00:03:20)(良:1票)
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