141. 大脱走
史実を元にしていながら、娯楽映画のつぼを見事に押え隙がない。あまりに有名なテーマ音楽、個性派スターの競演、3時間を開きさせない見事な脚本。確かに今観るとオールドスタイルだけど、60年代ハリウッドの王道を行く映画ですね。戦後20年で製作されたので、半世紀を過ぎた今作られる戦争映画よりも何かリアリティを感じます。皆さんおっしゃる通り、これは劇場の大画面で堪能したい作品ですね。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-09-14 23:51:09) |
142. アビエイター
ハワード・ヒューズの凄まじいまでの生きるパワー、カリスマ性、時代の寵児となるもやがて精神を蝕んでいき、スキャンダルに翻弄される様を、スコセッシはゴージャスな映像、テンポのいい演出で169分の長丁場を全く飽きさせずにまとめ上げた。さすがだ。ディカプリオは童顔でヒューズ本人とはあまり似ていないので、これはミスキャストではと思ったが、素晴らしい演技力でそんな杞憂も吹き飛ばしてしまった。やはり彼はただ者ではない。 [DVD(吹替)] 8点(2005-09-02 15:46:54) |
143. 宇宙戦争(2005)
《ネタバレ》 久しぶりに背筋の凍る思いのする映画を観ました。普段どおりの平和な生活が突如全く未知のものに蹂躙され、徹底的に破壊される恐怖。あまりの力の差に人々は逃げ惑うほか無い。人間の本能に巧みに訴えるスピルバーグの演出は見事というほか無く、他の方も書いていますが、視点があくまでも人間の目の高さから外れないので、その場に投げ込まれたような錯覚に陥ります。そしてこの恐怖を倍増させるのが音響。トライポッドの「ブォオオオオオオ」という雄たけび(?)が鳴り響くたびに縮み上がり、隣に座ってる知らないおじさんと一緒にビクッとなてました。 原作が原作ゆえ、ラストはあっけないオチではありましたが、徹底的に破壊された文明社会の復興は容易なことではないでしょう。きっとこの恐怖はDNAに刻み込まれるが如く人類の思考パターンを替えてしまうと思います。スクリーンの向こう側の世界の行く末がとても気になります。 [映画館(字幕)] 8点(2005-07-02 15:07:17) |
144. Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?(2004)
芸達者なハリウッドの一流スターを配したリメイク版、こちらも楽しんで観れました。かなりオリジナルに忠実なリメイクですが、よく見るとリッチな照明と贅沢なカメラワーク。さすが大予算の余裕を感じさせます。ちょっと羨ましい感じもしました。殆どオリジナルから手を加えていないとはいえ、主人公の微妙な心情は文化の差なのか、幾分単純化されているように感じました。 [映画館(字幕)] 8点(2005-06-13 07:49:23) |
145. ソウ
低バジェット、たった18日間の撮影期間というハードな環境でありながら、主演ふたりのすさまじい役者魂を感じました。特にゴードン医師役のケイリー・エルウィズはハリウッドの大型作品にも数々出演している実力派。それなのにここまでの汚れ役を体当たりで見事に演じている。素晴らしい。ワン監督の次回作にも期待します。 [DVD(吹替)] 8点(2005-03-14 08:16:05) |
146. コラテラル
あまり評判よくないですね。ビンセントが殺し屋として隙がありすぎるというのは確かにそうですが、僕は犯罪アクションというより、マックスに訪れた人生のターニングポイントの一夜の物語として観ました。夢を見ながらも踏み出せずになんとなく自分を誤魔化しながら生きている、マックス。俺もそうだよと思いながら・・・ [映画館(字幕)] 8点(2005-03-03 14:09:16) |
147. オープン・ユア・アイズ
本作を見て、先に「バニラスカイ」を観てしまったことを後悔。オリジナルはハリウッド製よりもおそらく低予算ゆえの映像の薄味加減が散見されるが、語り口の緊迫感はこちらの方が上かな。ペネロペ以外は自分の知らない俳優達だったので、先入観に惑わされることなく物語に集中することが出来たし、舞台が欧州というのも味わいがあっていい。 8点(2005-02-02 21:38:27) |
148. ひまわり(1970)
《ネタバレ》 ジョバンナの身勝手さが許せないと言う意見はすごく良くわかります。そうやって見てみると彼女の行動は自分のアントニオへの愛だけでいっぱいになってしまっていて、他者への思いやりに欠けているかもしれません。でも自分は彼女への怒りは湧きませんでした。怒りというよりも身勝手で不器用な彼女の生き様がとても哀しく胸に迫りました。そしてアントニオがミラノまで逢いに来て、自分の家族のことも振り切って一緒に行こうといってしまうその弱さにも。人間って弱い生き物ですね。 ろうそくのの中にぼんやり浮かぶジョバンナのうつむいた顔、息を呑むほど美しかったです。 8点(2005-01-08 13:44:00) |
149. エレファント
延々と長回しのカメラとともに登場人物の後を追っていくうちにすっかりスクリーンの中に放り込まれた。登場人物のセリフからはなかなか物語の主軸に繋がるものが見えてこないが、少しづつ悪夢を予感させる断片が形となってくる。恐怖と言う意味では今まで見たどんなホラー映画よりも恐ろしかった。しかし製作者の主張を徹底して排除した映像は賛否両論だろうというのはわかる。 8点(2004-12-11 23:05:43) |
150. スパイダーマン2
娯楽映画としてほぼ欠点のない出来。普通の人間としての幸せとスパイダーマンの使命との間で揺れ動くピーターの心情もよく描かれている。特殊効果も完璧。ただ悪役にもうひとつオーラを感じることが出来なかったのが残念。 8点(2004-12-04 21:25:25) |
151. グッバイ、レーニン!
ララかわいい・・・ 8点(2004-12-02 17:32:21) |
152. アフガン零年
同じ時代に生きていながらこんなにも違うものなのか。日本に生きる子供たちとのあまりの違いにまず、驚愕せざるを得なかった。この衝撃は「シティ・オブ・ゴッド」以来だ。しかしこんなにも違う世界に生きているのに、人を哀れむ心、勇気、欲望といった根本的なところは日本人と変わらない。出演は素人ばかりとのことだが、それがアフガンで生きるの人々のリアリティを一層引き立てていた。特に主演のマリナ・ゴルバハーリは素人とは思えない迫真の演技だ。いや、「演技」といってしまうのにも抵抗を感じてしまう。 物語は辛い結末を迎えるが、物乞いをしていたところを監督に見出されたマリナには是非幸せになって欲しいと願わずにはいられない。 8点(2004-11-28 00:55:53) |
153. ストレイト・ストーリー
ゆったりした風景と暖かい人々、コトコトと走るトラクター。ほのぼのとしていて、一見幸せな気持ちになれそうだけど、長い人生で色々なものを背負って来て、人生も黄昏を迎えたアルビンの目を通して見る風景はどんな色に見えたのだろうか。アルビンの深く刻まれた皺や瞳の奥から彼の人生がみえてくるような映画だった。 8点(2004-11-16 23:14:16) |
154. ヒート
これは見ごたえありました。ストーリーもしっかりしていて、パチーノ、デニーロ、それぞれのキャラクターもよく練られていて、感情移入できる。3時間は確かに長いが、デニーロの心の襞を描ききろうと思ったら、もっと時間が欲しかったんじゃないだろうか、監督は。「コラテラル」も期待しちゃいますよ。 8点(2004-09-23 00:00:26) |
155. マン・オン・ザ・ムーン
《ネタバレ》 アンディ・カフマンは果たして天才なのか、ただのお騒がせ男なのか。いずれにしても僕のような凡人と同じ次元にいない事だけは確かだ。芸の為と称してスタッフをも巻き込んで観客を惑わせ、怒らせ、笑わせる。なんと痛快な人生か。振り回された関係者は迷惑千万だろうが、どこか憎めないし、どこか哀しい。 本物のアンディの写真を見たら、ジム・キャリー演じるアンディと実に瓜二つ。ベストキャスティングだろう。彼以外に考えられないし、ジム・キャリーあってこそこの映画は成功しのではないだろうか。 ミロシュ・フォアマンの演出も手堅い。プロローグの人を食ったような「つかみ」で、どうなるのかと思わせるが、本編に入ると緩急をつけたテンポのいい演出で安心して観れる。中でもアンディの芸に反応する観客の生き生きした表情などは非常にリアリティがあり、自分も観客席に投げ込まれたような臨場感を憶えた。 今回吹替えでも観たのだが、アンディ役のおそらく山寺宏一氏だと思うが、あんたすごいよ!!!DVDでご覧になる方は是非吹替えでもどうぞ! サンキュベリマッチ 8点(2004-07-27 20:26:39)(良:1票) |
156. スモーク(1995)
《ネタバレ》 スタッフロールの老婆とのエピソードは確かにいらなかったかなと思う。自分の想像では老婆がカイテルが息子ではないと悟る所の表情はもっと控えめだった。それだけが残念。でも製作者の人間に対する暖かい視線が伝わってくる良作だと思う。悪役や派手なドンパチが無くてもこれだけ人の心を打つ物語が作れるのだ。俳優のギャラはともかくとして、おそらく低予算だと思う。邦画も頑張って欲しい。 8点(2004-07-27 14:53:10) |
157. バーバー
冒頭からぐいぐいとスクリーンの中に引き込まれてしまった。ナレーションで物語を進行するやり方は陳腐になりやすいのにまったくそういうことがなく、ソーントンは突っ立ってるだけなのに強烈な存在感。彼の目力はすごい。物語は予想できない方向にどんどん転がっていくが、最後は因果応報というのだろうか。しかしこのようなストーリーを紡ぎ出せるコーエン兄弟というのは何者なのだろうかと興味が湧く。彩度を抑えたスタイリッシュな映像も非常にレベルが高い。コーエン兄弟の映画は脚本だけでなく技術面でも手抜きが全く無い。 8点(2004-07-27 07:36:19) |
158. オー・ブラザー!
役者もいいし映像も素晴らしいし音楽も最高。秀才コーエン兄弟が無理しておちゃらけてみたけど、秀才ゆえの格調の高さが妙なアンバランスを生んでいておもしろい。 8点(2004-07-25 08:16:36) |
159. ロスト・イン・ラ・マンチャ
時折挿入されるラッシュフィルムを観る度幻の「ドン・キホーテ」を観ることが出来ないのがつくづく残念だ。監督の頭の中では既に完成されているそうだが・・・。規模は全然違うが本作の第一助監督に似た立場にいたことがあるので、彼の苦労は身につまされることばかりだ。観ていて胃が痛くなった。 8点(2004-07-09 11:26:06) |
160. あの頃ペニー・レインと
特に目新しい所はないんだけど、製作者のこの映画に対する愛情が詰まっている感じがして観ていて気持ちよかった。ケイト・ハドソンはゴールディ・ホーンの娘だと知ってびっくり。このあいだ「続・激突カージャック」を観たばかりだったので。 8点(2004-07-09 11:20:56) |