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ヒナタカさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 252
性別 男性
ホームページ http://kagehinata64.blog71.fc2.com/
年齢 38歳
自己紹介 ブログを開設しました(2010年10月30日作成)。
映画と漫画のレビューブログです。
映画のレビューは一部抜粋して「みんなのシネマレビュー」にも載せています。


B級映画が大好きな20代前半、ヒナタカと申します。

かれこれ6~7年はみんなのシネマレビューを見ていたので、今回登録できて感激しています。(2010年7月11日登録)

好きな監督は
岩井俊二
クエンティン・タランティーノ
デヴィッド・リンチ
ティム・バートン
ロバート・ロドリゲス
などなど


↓自分の書いたレビューで特に気に入っているのは
・トイストーリー3
・クレヨンしんちゃん オトナ帝国
・死霊の盆踊り
・ジブリ作品の大体
です。

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141.  カラフル(2010) 《ネタバレ》 
原監督らしい、テーマが直球で伝わってくる作品でした。 アニメならではの表現はほとんどなし、コメディシーンもほとんどなしな上に、物語は中学生の自殺から始まり売春のシーンも出てくるという重い作品ですが、最後まで圧倒される出来映えです。 父親が「父さんも人間は嫌いだな」と言ったり、他人に無関心に見えても本当は弟想いの兄が主人公のために行動をしてくれたりする。登場人物がいい面ばかりを見せない人間くささが、なんとも愛おしい。 主人公が希望を見つけることができたのは、初めての友達ができたからということというのがいい。ただそれだけのことが主人公の心情を変えたのが伝わってきます。食卓で「同じ学校に行きたい」という涙ながらに語るのはたまらない。またこの友達が人間くさくて・・電車のゆかりの場所を一緒に歩くのは原作にないシーンらしいですが、重たい作中でほどよい清涼剤となっています。 ただ個人的に気になったのは、(佐野さんには謝ったけど)母親に謝るシーンと、援助交際をやめたのかどうかわかるシーンがなかったこと。 そういった罪や過ちを認めたりすることがないと、人を傷つけたりする悪いことをも容認しているように感じられてしまい、どうもすっきりしませんでした。もう少し細かい配慮が欲しかったというのが本音です。 でも監督のまなざしは優しい。「平凡すぎて・・」と主人公が語るシーンでは多くの方が自分にも当てはめて、考えることができる素晴らしいシーンです。誰にも思春期のころはいい子ばかりせずにどこか斜めに構えていたころがあると思います。そういう経験がある人たち、また今そのまっただ中の人たちにこのテーマは向けられています。 
[映画館(字幕)] 7点(2010-08-23 22:28:27)
142.  クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望 《ネタバレ》 
あれ評価低い。アクション描写がうまく、テンポがよく、終わったと思ってもまだ続く物語の構成などなかなかのものだと思うのですが。故・富山敬演じる悪役の気持ち悪さなんか最高です。 どうでもいいですが自分はこどものころ、下品なタイトルのおかげで「うんこくさいーうんこくさい借りたいよー探してよ」とレンタルビデオ屋で連呼して母親を困らせたことがあります。母ちゃんごめん。 
[ビデオ(邦画)] 7点(2010-08-03 22:51:50)
143.  パラサイト
個人的「ばかばかしい内容なのに、ついつい見ちゃう映画」NO1です。 学園がエイリアンに乗っ取られる?どうするいじめられっ子の主人公と仲間たち!とストーリーもごっついシンプル。 ・エイリアンは人間になりすます。一体誰に? ・○○もヤツラの仲間に! など、サスペンス部分が非常に楽しくできています 主人公のイライジャ・ウッドをはじめ、ジョシュ・ハーネットや、ターミネーター2の液体金属の人など出演者が豪華なのも魅力のひとつ。頭使わないで観れる映画を探しているときにおすすめです。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2010-08-03 22:46:05)
144.  宇宙ショーへようこそ
なんとも楽しい作品・奇想天外な宇宙人の造形や世界を見るだけで幸せになれます。特に宇宙人の「インク」の可愛さは半端なくて、「まかせとき!」という台詞で悶えること必死です。 惜しいと感じたのは悪役の描き方が中途半端で、伝わるものがなかったこと。説明不足なところは、月の裏側の世界がなぜ地球人にばれないのか、ということなどにも及んでいます。尺も長めなので子どもが劇場で観るのは少しつらいかも。 でもアニメーションならではの世界観を体験したいという方には文句なくおすすめできますし、楽しい修学旅行に行ってきたような感覚はなかなかのもの。もっと大規模で公開して欲しい! 劇中の子どもたちを、キャラクターとほぼ同年代の子役が演じていることにも驚きました。感情の入れ方が上手く、それを感じさせません。
[映画館(邦画)] 7点(2010-07-22 19:14:19)(良:1票)
145.  インセプション
難解な作りなので、映画にわかりやすさを求める人には向いていない作品。なんとなく観る前は「夢の世界」という点でドラえもんの「のび太と夢幻三剣士」のような映画を想像していたのですが、それよりもかなり複雑です(比べるのもどうかと思うけど)。「夢の中の夢」が多層にあるというアイディアは面白いのですが、オープニングからろくに説明もなく展開するのでついて行くのがやっとでした。 ヴィジュアルはかなり面白くて、特に廊下での格闘シーンはニヤニヤできます。こんなにも疲れる映画にもかかわらず、再度観たくなる魅力を持っています。が、手放しで褒めるには構成がひどく不親切に思えたし、クライマックスが長めでダレるので惜しいという印象を持ちました。音楽が素晴らしいので音響の良い映画館で観るのがお勧めです。 
[映画館(字幕)] 7点(2010-07-20 17:16:58)
146.  DRAGONBALL EVOLUTION 《ネタバレ》 
平均点上げてすみません。映画館で封切り直後に観たんですが、そのときの感想が「面白いじゃん!」でした。テンポいいし(上映時間90分以内)、アクションはそれなりだし、ブルマは可愛いし、ヤムチャの登場シーンがうさんくさすぎて爆笑したし!しかしネットの評価その他もろもろ悪評ばかりであり、この映画面白いと思っているのは自分だけ・・?と若干不安になり、でもやっぱりこの映画嫌いじゃないなーと出来の悪い子どもをかばう親のような気持ちがふつふつとわいてきました。でも主人公をいじめられっ子にしたり、敵の手下を溶岩に投げ込んで足場にするという残虐なことをしたり、かめはめ波で心臓マッサージしたり、挨拶がナマステだったり、大猿が小さかったり、かめはめ波を出した方向に飛んでいったり、絶望の続編フラグを出したりと「それは違うよね」と思わせる要素がたっぷりなんで自分はこの点数が限界です。 面白く感じたのはデビルマンや北京原人、北斗の拳で免疫がついて感覚が麻痺してたせいもあるかもね。 <追記>個人的に一番好きなシーンはブルマが「ブリーフ・ブルマ」というフルネームを言うシーン。じゃあ父ちゃんのブリーフ博士はブリーフ・ブリーフじゃん。 ジェームズウォン監督は「ファイナル・デスティネーション」のメイキングを見て好きになったんで、これにめげず映画を作ってほしいです。B級寄りの。 
[映画館(字幕)] 7点(2010-07-14 18:25:12)(笑:1票) (良:1票)
147.  REDリターンズ 《ネタバレ》 
ビョンホン様の残念さがたまりません。 だだっ広い部屋にぽつんとある一畳だけのタタミの上で殺しの相談をするのが意味がわかりません。 「世界一の殺し屋」のはずの彼がパリの街中でマシンガンをぶっ放すというスマートさのかけらもない方法を取ることが理解できません。 しかも飛行機をパクられて「最高に苦しむ薬を用意しろ!」とキレます。 その後では銃を使わずにいきなりボコりはじめました。さらにビョンホン様の腕はガラスの扉に手錠でくくりつけられてしまい(注:世界一の殺し屋です)、逮捕しようとした警官と肉弾戦をはじめます。 ビョンホン様はブルース・ウイリスと喧嘩でも負けている上に、フランクに「世界の危機が迫っている」「お前にも正義があるだろう」と言われただけであっさり仲間になります。安い、安すぎるぜ。 ラストでは「あの(爆破された)飛行機は俺のだぞ!お前への依頼が20億(なぜか字幕では円で計算されていました)、飛行機が30億だ!殺してやる」と小物っぷりを見せつけます。 うん、大好きです。あとメアリー=ルイーズ・パーカー(49歳)めっちゃ可愛い。
[映画館(字幕)] 6点(2013-12-17 20:19:22)(笑:1票) (良:1票)
148.  47RONIN 《ネタバレ》 
興行収入が2週目で10位圏外、大コケしてしまった作品ですが、決して悪くないです。 ぶよぶよおっさんがセミヌードで湖から出てくるという素敵なサービスシーンは何だったんだとか、なんでその辺に大仏がぽつんと立ってんだとか、最後に盛大にみんな切腹しようとしているけど介錯人がいねーぞとか、いろいろツッコミたいですが許容範囲です。 何より、「武士道」に最大級のリスペクトを捧げていることがよかったです。日本の武士は忠義を尽くし、ときには死をいとわない覚悟も見せます。「ラスト サムライ」で描かれたような(外国人から見た)武士の姿が気に入った方であれば、本作の登場人物の行動と覚悟に、きっと感銘を受けることと思います。
[映画館(字幕)] 6点(2013-12-17 20:13:40)
149.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 
<超ネタばれ注意> 終盤、二郎は自身と菜穂子のことを「僕たちは1日1日をとても大切に生きているんだよ」と言い、黒川婦人は山に帰る菜穂子のことを「美しいところだけを好きな人に見てもらおうとしていたのね」と言いました。 菜穂子が出て行く前、二郎はタバコを吸うために外に出ようとしますが、菜穂子にここでよいと言われます。 このタバコのシーンは批判を浴びることも多いようですが、たとえタバコの害があっても「少しの間だけでもそばで寄り添うこと」「美しい自分を見ててほしいこと」を菜穂子が望んだ―と考えれば納得できます。  そして素晴らしかったのはラストシーン。 菜穂子は再会したあの日のように、パラソルを持ってそこにいます。 菜穂子は「あなたは生きて」と二郎に声をかけます。そして彼女は風のように消えていき、パラソルも消えました。カプローニは奈保子を「美しい風のような人だ」と表現しました。 二郎は、ただ美しい飛行機を作りたかった・・・しかし二郎が作った飛行機は、望んでいない戦争のために、やがて残骸になるものでした。 中盤に本庄が言った「矛盾」ということばは、二郎にも当てはまります。 菜穂子の「美しいところだけを見てほしかった」という想いは、二郎が最後に飛行機の醜い残骸を見たことと正反対のものです。 だからでこそ、菜穂子は二郎の前から姿を消したのでしょう。 そして彼女は最後まで「美しい風のような人」となったのです。 本作で戦争の描写が一切ないのも、観客に「美しいものだけ」を観てほしいという意向なのだと思います。  中盤の主人公が仕事をしている描写が全く面白くなかったのは残念ですが、晩年の宮崎駿の想い、そして美しさを感じられる作品です。
[映画館(邦画)] 6点(2013-07-25 20:20:45)(良:1票)
150.  アフター・アース 《ネタバレ》 
本作に「アバター」のような大作っぽさを期待すると確実に裏切られます。 何せ、ストーリーは「危険な状態になった地球で、息子がちょっと離れた場所におつかいに行き、父がそれをサポートする」というだけです。 舞台は「人類抹消のために進化した地球」という設定ですが、そんなすごそうなもんじゃなくちょっと危険なジャングル程度の印象です。 登場人物も両手で数えられる程度で、それほど劇的な展開はなく、かなり地味な映画と言っていいでしょう。 こうなったのは、ストーリーの原案が(本作で主演も務めた)ウィル・スミスであることも関係しています。 さらに本作は「幸せのちから」と同じく、ウィルとそのリアル息子のジェイデン・スミスが共演している作品でもあります。 つまり、ウィルの「息子に役者として成長して欲しいなあ」という願いが込められた親バカムービーと考えて差し支えありません。 「親に反発していた息子が成長する」という要素なんて、まんまウィルの「理想」としか思えませんもの・・・ でもわりと面白かったのは、登場人物の「内面」を丹念に描いているからです。 親が子を想う気持ち、子が親を疎ましく想う気持ち、自身のせいで肉親を失った苦しみ・・・そうしたものを大切にしているのです。 個人的に印象的だったのは、サイファーがモニター越しに、バースデーケーキのロウソクの火を消してくれと頼まれるシーンです。 このときサイファーは息を吹きかけ、ローソクは消えたように見えましたが、実際に火を消したのは見えないところにいたキタイでした。 父は家族に影響を及ぼしているのですが、それ以上に影響を与えるのは近くにいるものなのです。 息子のキタイが、父と同じような影響を与えることができる・・・そんな描写だと思います。 しかし他のサイトの評判が散々なのに、このみんなのシネマレビューではそれなりに高評価というところも、観る人の違いを感じて面白いです。
[映画館(字幕)] 6点(2013-06-29 15:41:12)
151.  ジャックと天空の巨人
本作は超有名な童話「ジャックと豆の木」を元とした作品であることは明確ですが、実はもうひとつ民話である「巨人退治のジャック」がミックスされた映画になっています。 原題が童話の「Jack and the Beanstalk」でなく、「Jack the Giant Slayer」になっているのもそのためなのです。 さらにもともとの原題は「Jack the Giant Killer」でした。 「巨人殺し」というタイトルであった時点で、あまり和やかな雰囲気でないことは予想できるでしょう。 この映画、ファミリー映画とは思えないほど人も巨人もバンバン死んでいくのです。 もちろん血は一滴も出ませんし、直接的なグロ描写はほとんどありません。 しかしこの映画を小さい子どもに見せると、怖くて泣き出してしまうんじゃないでしょうか。 子どもに見せてはいけないというほどの残酷描写はないとはいえども、へたすれば子どもにトラウマを残してしまうでしょう。 でも個人的には、子どもにこういう「怖い映画」を見せるのは悪いことではないと思います。 自分も「劇場版ドラえもん」のホラー描写はとても印象に残っていますし、そういう恐怖が後の成長にも役立つように思えるのです。 ついでにかわいいマスコットキャラもいませんし、巨人の見た目もきちゃないです。 そんな「あんまり子ども向けじゃない気がするけど、ちょっと子どもに観せたい(どっちやねん)」な映画だと思います。 子どもに楽しい映画を観せたい親御さんは、素直に「ドラえもん」「シュガーラッシュ」「プリキュア」「劇場版ミッフィー」あたりをチョイスしてください
[映画館(邦画)] 6点(2013-03-28 19:53:13)(良:1票)
152.  虹色ほたる ~永遠の夏休み~
今作の魅力は、主人公と共に「子どもの頃の夏休み」を過ごせることにあります。 そこにはやれ環境破壊への批判だの、やれ憎たらしい悪役などは存在しません。 展開はとことん甘酸っぱく、なおかつ繊細に子どもたちの内面を描いているのです。 主人公の少年は昭和52年にタイムスリップしてしまい、そこで「ひと月だけ」の夏休みを過ごすことになります。 秀逸なのが、「時間制限」があることです。 もちろん夏休みがいつか終わってしまうのは当然のことなのですが、この主人公の場合はちょっと違います。 なにせ、今いる場所はいずれ「ダムの底に沈んでしまう」のです。 そこに住む人たちも、もうすぐここを離れないといけないことを知っていて「これが最後」と思い、今を楽しんでいるのです。 主人公は、はじめは「すぐ帰りたい」と思っているのですが、村に住む人たちと楽しい日々を過ごしているうちに、そうは思わなくなります。 ひと月の冒険を経て、「いつか終りを向かえてしまう」を知り、成長する主人公に、自分はすっかり感情移入をしてしまいました。 ノスタルジーに浸れる反面、本作に切なさを感じるのはこの「終わり」へのカウントダウン、焦燥感が描けているからでしょう。 また、サブタイトルは作品と相反するように「『永遠の』夏休み」となっています。 逆説的に思えるこのタイトルに、観たあとは想いを馳せてみるのもいいかもしれません。
[映画館(邦画)] 6点(2012-05-21 00:08:23)
153.  宇宙兄弟 《ネタバレ》 
原作ファンとしてはキャラとエピソードの省略が残念。時間の制約上しかたがないところもあるけれど、原作での重要な位置のキャラクター、エピソードを思えば、「なんとしてでも入れて欲しかった」ことがたくさんあります。映画では兄弟が夢を持つまでの説得力と、兄弟に向けられた多くの人の感情が見えにくくなってしまっています。母親が「ハッピーバースデーわったし~」とか歌うシーンは絶対いらなかったしなあ・・・。 ◆ラストも唐突に思う方が多いでしょうが、個人的には好きでした。 何故なら、ヒビトとムッタがやったことが、人類初の月面歩行や、スペースシャトルの打ち上げなどと同系列の、宇宙の歴史として描かれていたからです。 だからでこそ、ガガーリンの見たような「青い地球」に圧倒され、兄弟の誓いである「胸に手を当てる」シーンで切り上げたのだと思います。 ◆宇宙飛行士のバズ・オルドリンさんが本人役で出演されていました。 彼はニール・アームストロングとともに月面に降り立った人物です。 秀逸なのが、初めに月面歩行をしたのはアームストロングさんであり、彼は「2番目」であること。 ムッタの、(日本人初の)「月面歩行を他人に譲った」ということにおいて、同じなのです。
[映画館(字幕)] 6点(2012-05-08 17:42:42)(良:1票)
154.  わが母の記
正直気になったことが多かったです。 そのひとつがとにかく説明台詞が多すぎること。 映画の設定を事細かに、物語そのものを俳優の台詞で表現しているシーンがたくさんあります。 原作を読んでいないのではっきりとしたことは言えませんが、これは井上靖の文をそのまま表現したがための弊害だと思います。 主人公の独白なら良いのですが、日常的には言うことがないようなことばで登場人物がやりとりすることに、どうしても違和感があったのです。 もう少し映画ならではの表現で、物語を伝えて欲しかったです。 もうひとつが主人公の境遇です。 映画の設定にとやかく言うのもナンセンスですが、ブルジョアすぎる環境に全く共感を得れませんでした。 作家として大成功をおさめている。 介護をするために金銭的に悩んだり、自分の仕事を省みたりする場面は一切ない。 家族に主人公の娘3人、その妻、妹2人と、母の面倒をみてくれる人物がとても多い。 しかもこれらの描写は原作にはないそうです。 もちろんこの設定が効果的に働いている部分も大いにあります。 この環境だからでこそ、「親と子」の話が際立っていますす。 しかし「いくらなんでも」な恵まれ方は、観る人を選んでしまうと思うのです。  役者の皆さんの演技は素晴らしかった。 特に樹木希林は認知症をわずらい、さらにそれが日に日に悪化していくという難しい役どころ。 もう彼女のこの演技だけでも観る価値があります。 何をやっても面白くて、どうしてもクスクス笑ってしまいます。 それだけでなく、終盤には「症状の悪化」ということまで見事に表現しきってしまう。 見事ということばは足りない、素晴らしい名演でした。 また、香典帳を例に、「日本人は『貸借管理』の精神が根付いている」という洪作のことばが印象的でした。親孝行も、ひとつの「貸し借り」なのでしょうね。
[映画館(字幕)] 6点(2012-05-05 20:14:01)
155.  戦火の馬
ほかの方も書かれていますが、全登場人物がイングリッシュを話すのにはかなり違和感がありました。 そんな映画はごまんとあるし、普段ならそんなに気にしないのですが、今作には英国兵がドイツ兵に向かって「英語がうまいな」って言うシーンがあるので・・。 これはアメリカ人が字幕を嫌う傾向にあることにもよるのですが、「イングロリアス・バスターズ」みたいにことばの壁による面白さを見せてもよかったのではないかな、とも思います。 また、ストーリーにも食い足りなさがあります。 この物語はあくまで馬が主人公で、その旅路で人々のドラマが展開するというものです。 つぎつぎと繰り返されるそれは、長編の映画をみているというよりも、短編物語の連続といった印象なのです。 2時間20分超と上映時間が長い割には、1つの映画作品としてのダイナミズムを感じにくく思えました。 でもこの不満も、よく言えば堅実な話運びなのですから、大きな欠点にはなっていません。 物語にはシリアス成分が多めですが、前半にはクスクス笑えるシーンもあるし、個性豊かな登場人物のおかげで飽きることはありません。 激しい戦闘シーンはありますが、血の一滴も出ないのでお子様にも安心です。 誰でも水準以上に楽しめると思います。
[映画館(字幕)] 6点(2012-03-08 19:33:07)
156.  ヒューゴの不思議な発明
「ハリーポッター」のようなファンタジーを期待して、「思っていた映画と違う!」と感じる人も多いと思います。少なくとも、不思議な冒険譚が観たいであろうお子さまには退屈であるでしょう。 実際の映画の主題は人間ドラマです。演出上や、作中に登場するアイテムにはファンタジックな表現はありますが、ストーリーそのものには一般的なファンタジー要素は皆無と言っても過言ではありません。人生の辛苦を味わってきた、大人向けの仕上がりになっているのです。 では何故この作品が「ファンタジー」として扱われているのでしょうか。それは、ある実在の映画製作に関わる人物の人生を彩ることにあると思うのです。 この作品は、その人物を、時には史実にどおりに、時には脚色して表現します。それを「巨大な時計」「からくり人形(自動人形)」「ハート型の鍵」などのアイテムが存在する映画の舞台を通じて描くことは、これも一種のファンタジーであるのです。 しかし、映画は「明るく楽しい内容が観たい」「荒唐無稽なアクションが観たい」など、作品が持つ特徴を観る人が知り、選び、その要求に応えてくれるものだと思っています。 この宣伝では「ファンタジー映画」を期待して観に来ている人を、悪い意味で裏切っているようにも思えるのです。 宣伝に不満はありますが、昔から映画を観てきた人には、思うところのある素敵な映画です。大人のみでの鑑賞をオススメします。
[映画館(字幕)] 6点(2012-03-02 01:46:27)(良:1票)
157.  ドラゴン・タトゥーの女 《ネタバレ》 
リスベットは一見とっつきにくいキャラクターですが、実に魅力的です。 彼女は登場したときから「それは項目外」と言い、興味のあることしか報告をしない性格でした。 (ミカエルの)プライバシーに関することは報告書に書いていませんでした。 でも実際は性生活までもを知っているのです。 しかし、終盤に彼女がミカエルに「(あなたの)口座に6万5000クローネがある」と告げたとき彼女はこうも付け加えました。 「何でも知っていてごめんなさい」と。 彼女は凄腕のハッカーであり、驚異的な記憶能力をも有しています。 興味を持った人間について何でも知ることができるのです。 しかし、そんな彼女もそれに対する罪悪感を持ち、プライバシーを遵守していたのです。 リスベットの根本にある性格が垣間見れた瞬間でした。 12歳のころに親を殺そうとし、精神病院に収容されていたリスベット。 ミカエルがリスベットに会いたいと言ったとき、担当の人は「辛い人生でした、これ以上彼女を苦しめないでください」とも言いました。 この作品だけではリスベットの詳細な過去はわかりませんでしたが、少なくとも彼女は性的暴行を受け、頼れる被後見人が脳出血で倒れ、信用できる者はいなくなっていました。 それだけに ミカエルがリスベットに触れていたときの「もっと触っていて」 マルティンが逃げたときの「殺していい?」 脳卒中で倒れた元被後見人に「いつも悪いニュースばかり、でも今日は朗報よ、友達ができた」 とミカエルに対する信頼感が生まれてきているのが嬉しいのです。
[映画館(字幕)] 6点(2012-02-26 10:50:18)(良:2票)
158.  トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン
前作:トランスフォーマーリベンジはラジー賞に7部門もノミネートされ、そのうち最低映画賞、最低監督賞、最低脚本賞を受賞したという大変不名誉なことになっています。 そして監督自身も失敗作だと認めてしまいました。 で、今作ではその反省が生かされているのかなと少ーーーーーーーーしだけ期待していましたが、前作と一緒じゃねーかよ。自分のスタイルをまったく変えないのには惚れ惚れします。 ドッシャンバキバキドカーンな戦闘シーンが延々と続き、画的には大興奮できます。 しかし当然というべきか、ストーリーのほうはまったく盛り上がりません。 なんだかよくわからない喧嘩バトルをその辺でいろいろやっているだけなんですよね。 こうなっているのは、チームで一丸になって目的を達成しようとする構図が皆無なことがまず筆頭。 敵は敵で攻め込まれる城を守ろうとするのではなく、とにかく戦っているだけにしか見えないのがその原因かと。 まあ今までのシリーズでもそんなもんだったし、期待するだけ損です。 3Dもすごいことになっています。 ジェームズ・キャメロンお墨付きなだけなことはあり、文句なしの奥行き感。 その戦闘シーンが後半は1時間ぶっ続くんですから、そりゃあもうお腹が一杯です。むしろ胃もたれします。 おそらくこれを観れば「あと5年は3Dはいいや」と思えるので、ある意味3D版を選んだほうが経済的でしょう。 そんなわけで脚本がアレな感じですが、細かいことを気にしなければすごく楽しいです。 なんだかんだでマイケルベイ監督が嫌いになれません。
[映画館(吹替)] 6点(2011-07-29 21:03:24)(良:1票)
159.  マイティ・ソー 《ネタバレ》 
で、どの人がアイルトンセナでジャッキーチェンでロビンフッドなんでしょうか。 浅野さん=ジャッキーなのでしょうか。全然違うだろ。 あとヒゲのおっちゃんは「ロードオブザリング」のギムリだろ。
[映画館(字幕)] 6点(2011-07-12 21:15:23)(笑:1票)
160.  SUPER8/スーパーエイト(2011) 《ネタバレ》 
今作の不満は「宇宙人との交流がおざなり」だったというのがまず筆頭。 描写が少ないのは展開上仕方がないとして、描き方そのものに違和感を覚えます。 こうなってしまったのは、恐らく「宇宙人が人を殺しすぎていた」というのが大きな理由だと思います。 終盤では宇宙人は人間を食べていましたし(これは「ケアリー」がそう見えただけかもしれないけど)、何の罪のない一般人を襲っています。 ここまでやってはさすがに「宇宙人との友情」を色濃く描くことはできなかったのでしょう。 監督は人が襲われるサスペンスシーンを描きたかったのだと思いますが、それは宇宙人をモンスター化させ、感情移入の余地をなくさせてしまうという諸刃のやいばだと思うのです。 保安官とカールを巻いている女性はあっさり襲われるのに、追い詰められた主人公のジョーとは「繋がる」宇宙人。 何故? 主人公と宇宙人には、なんの接点もなく、他の人間となんら変わらないのでは? 主人公は資料の映像を観て宇宙人の境遇は知りえましたが、それだけではちょっと納得しかねます。 でも「母のペンダント」はよかった。 主人公が自分の母親の死を受け入れ、成長したラストにはグッときました。 そしてエンドロールの素晴らしさ!これで全部許せてしまいます。 
[映画館(字幕)] 6点(2011-06-25 14:26:01)(良:2票)
041.59%
193.57%
251.98%
393.57%
4207.94%
52811.11%
63112.30%
74116.27%
84216.67%
94618.25%
10176.75%

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