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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2398
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1641.  ナッシュビル 《ネタバレ》 
不思議とソフト化されなかったので“まぼろしの名作”扱いだったのですが、ようやくDVDとなり気軽に観られるようになりました。“24大スター共演”なんてアルトマンのブラック・ジョークみたいなもので、実際は個性派バイプレイヤーと新人俳優の大集合です。カントリー・ミュージックの聖地が舞台の音楽群像劇だと思っていましたが、実はカントリーではなくてどちらかと言うと大統領選挙がメイン・テーマですよ、この映画。凄いのは劇中使われるカントリーはすべて歌っている俳優の自作ということで、あの名曲"I'm Easy"もキース・キャラダインが作ったと言うのにはびっくりです。このキース・キャラダインが演じるのが女にモテモテの(というより異常に女癖が悪いと言う方が正解)歌手なんですが、リリー・トムリンを口説くために"I'm Easy"を歌うシーンで会場に居合わせたキースお手付きの三人の女がみんな「私のために歌ってくれてるんだわ❤」とうっとり顔になるところは大傑作でした。 アルトマン作品の頂点であることは確かですし、群像劇としては完璧ではないでしょうか。本作のラストがジョン・レノン暗殺事件に影響を与えたなんて指摘もあるそうですが、そう言われてみると劇中で発砲する男とレノン射殺犯のマーク・チャップマンが良く似た風貌なのが不気味です。
[DVD(字幕)] 8点(2012-03-09 20:55:48)
1642.  ローラーガールズ・ダイアリー 《ネタバレ》 
近年の活動からドリュー・バリモアは監督業にも進出すると思っていましたが、この監督第一作はラブ・コメとガーリー・ムーヴィーを知り尽くした彼女らしい良作になりました。いまもっとも輝いている女優のひとりであるエレン・ペイジの起用だけでなく、マーシャ・ゲイ・ハーデン以下の脇役陣も絶妙なキャスティングでドリュー・バリモアのセンスの良さが判ります。映画監督の力量はキャスティングにも顕れますからね。パンク丸出しのオープニング・タイトルのカッコよさと、遠くを見つめるエレン・ペイジを豚のオブジェの上に乗せたラスト・カット、こりゃソフィア・コッポラなんて目じゃないですよ! 可愛いけど不気味に大人びたエレン・ペイジの妹なんて、いかにも彼女らしい演出ですよね。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-03-07 00:39:20)(良:1票)
1643.  ムカデ人間 《ネタバレ》 
「人間の本質は、喉から肛門まで繋がった一本の消化管である」というシニカルな定義をむかし読んだことがありましたが、変態ハイター博士にもきっと影響を与えたと私は確信しちゃいました。それにしてもハイター博士、日本のヤクザを先頭に使ったのは大失敗でしたね(笑)。ハイター博士役のディーター・ラーザーという俳優、シャブ中でやせ細った長塚京三みたいでまさに変態の極北です。もっと凄いのはあの二人の女優、自分のキャリアと未来をドブに捨てる女優魂には思わず涙です。ヤクザ役の北村昭博にはすでに「あのムカデ人間先頭の」という形容詞がついてるくらいですから。 はっきり言って、この映画褒めていいのか貶した方がいいのか悩ましいところですが、繋がった三人を真横から捉えたショットは戦慄を覚えるほどシュールで怖い。でもきっと映画館で観たら、みんなと一緒に爆笑しちゃうんだろうな。 次回作では12人を繋げたそうで第三作目もほんとに撮っているかもしれないですけど、何人繫げるのか興味津々です。もし私が監督なら、先頭と末尾も繋げて“ムカデ人間の環”にしたいですね(我ながらバカです)。
[DVD(字幕)] 6点(2012-03-03 21:12:14)
1644.  スライディング・ドア 《ネタバレ》 
パラレル・ワールドと思っていたら、実は死に瀕したヒロインの脳内妄想だったと言うオチは良く出来た脚本です。たしかに、「地下鉄に乗れた」という妄想世界のストーリーはまるでハーレー・クイン・ロマンスみたいなベタな展開で登場人物は善人ばかりでしたけど、こういうオチになるなら納得です。ふたつの世界を同時並行で観せてゆくので画面に映ったヒロインがどちらの世界の人なのか判りにくくなるものですが、そこをおでこに傷をつけて絆創膏を貼ったり髪をショートカットにしちゃったりと、なかなか細かい脚本上の工夫が功を奏しているのではないでしょうか。その分、ショートカットに始まりさまざまな髪型を見せたうえに髪の色まで変えるとは、もうグゥイネス・パルトロウ“ファン感謝DAY”状態で、彼女のファンには堪らないでしょう。男性キャストがどっちもイケメンじゃないところが製作側の意図としては「?」ですが、その分ヒロインのだめんず・うぉーかーぶりが強調される効果を狙ったのかな? まあジョン・リンチが演じた自称小説家のヒモ男ジェリーは、ヒュー・グラントをキャスティングするのが王道でしょう(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-02 23:31:37)(良:1票)
1645.  ファントマ/ミサイル作戦 《ネタバレ》 
ファントマ映画は三作撮られたわけですが、観通してみて消えなかった最大の?は、結局ファントマって何者?この人何がしたかったの?ということに尽きます。 本作ではついに“地球を破壊する最終兵器”の開発に成功したと言う前触れですが、その割には世界の大富豪たちに「殺されたくなかったら“生存税”を払え」なんて突拍子もないこと言いだしたり、要は単なるユスリですよね。 本作はスコットランドの大富豪のお城に舞台を移して、お城の中で繰り広げられるミステリー謎解きという今までにない趣向ですが、ルイ・ド・フュネスが見せてくれるひとり芝居のグダグダさは相変わらずです。いつの間にか古城の地下がファントマの秘密基地に改造されていて、ラストに突然ミサイルが…、これが邦題『ミサイル作戦』の所以です。まったくどこが『作戦』なんだよ、ってぼやきたくもなります。 でもこのシリーズで最大の収穫は、若きミレーヌ・ドモンジョの美を堪能出来たことでしょう。同時期のドヌーブやバルドーにも決して負けてませんよ!
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-02-29 00:10:44)
1646.  ファントマ/電光石火 《ネタバレ》 
ファントマ・シリーズ第二弾は007に対抗してテーマは“ガジェット大作戦”というところでしょうか。ルイ・ド・フュネスのジューブ警視(前回の手柄で勲章もらって昇進!)が思わず失笑させられてしまう様な“フェイク・ハンド・ガン(?)”と呼ぶしかないバカバカしい秘密兵器を繰り出せば、ファントマの方は火山をくり抜いた秘密基地や、なんと空飛ぶシトロエン(ちょっといくらなんでも、これは空力的に無理があり過ぎ)まで出てくる無節操ぶりです。そして本作では“恋するファントマ”でもあり、前作で愛人に肘鉄を喰らわされて人恋しくなったファントマが、ミレーヌ・ドモンジョに熱をあげて彼なりの流儀で求愛しちゃいます。このファントマというキャラ、けっこう女にだらしないところがあるみたいで、そこが愛敬と言えなくもない。またファントマだけでなく、ジューブ警視やファンドールまでもがとっかえひっかえ色んな変装をして相手を欺こうとするのが、実にくだらない。 本作も前作に続いてラストまで約20分がひたすらの追っかけっことなるのですが、例の空飛ぶシトロエンに乗ったファントマが御茶目なFINを見せてくれます。 シリーズ中で本作がいちばんくだらないかもしれませんが、おバカ映画好きは琴線をちょっとくすぐられるかも。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-02-26 01:08:45)
1647.  ファントマ/危機脱出 《ネタバレ》 
“元祖ブルーマン”、ファントマでございます。60年代、アクション映画で世界を席巻したのはご存知『007』シリーズで、その勢いに対抗というか便乗して製作されたのがイタリアでは『黄金の七人』シリーズ、フランスでは『ファントマ』という位置づけになるでしょうか。ファントマはサイレント時代に大ヒットした連続活劇を60年代に合わせて復活させたもので、ファントマが何者で何を目論んでいるのかなどという説明はこの映画では一切なく、「ファントマのことは知っていて当然」というスタンスなのです。基本的にはこのシリーズはファントマとジューブ警部の対決に、新聞記者ジャン・マレーと彼の恋人ミレーヌ・ドモンジョが絡むと言うスタイルですので、正直この中で誰が主役なのか良く判らなないところもあります。強いて言えばジューブ警部のルイ・ド・フュネスなんでしょうが、この人のオーヴァー・アクションとくど過ぎる演技は、本国では偉大な喜劇役者として名を残しているのですが、はっきり言って日本人向きではありません。この映画のヘンなところはラストまで30分近く延々とファントマとジューブの追っかけっこを見せられることで、これはサイレント時代のファントマ映画に対するオマージュなんでしょうか。 結局ファントマが悪人なのかアンチ・ヒーローなのか良く判らない映画なんですが、まあお楽しみはファントマ役は誰なのかって推測することですね。じっくり見てれば判ってきますよ(笑)
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-02-21 21:55:47)
1648.  白い刻印 《ネタバレ》 
人生がドツボにはまった男のあまりに暗く陰惨な物語で、ある意味、ここまで夢も希望もないストーリーを、ポール・シュレイダーよくぞ考えついたなと感心してしまいました。ニック・ノルティは“雪原のトラヴィス”というよりは、ただひたすら粗暴でイタイ性格の男でしかなく、そしてなかなか見事なバカっぷりです。なんせ人から聞いた話をすぐ信じ込んで自分の苦境を癒す妄想に走ってしまうんだから始末に負えない。そのきっかけは弟のウィレム・デフォーが造った様なもんだから、考えてみればこいつも罪な男です。ただどう考えてもデフォーのキャラはこの映画の脚本の大きな欠点ではないでしょうか。最初はモノローグだけで一時間もたたないと画面には登場しないし、なんか不必要な登場人物の様な気がしてなりません。子供のころの回想シーンで登場する弟がデフォーではなかったと判ったら、ますますこのシナリオに?が加わりました。ジェームズ・コバーンはこの映画でオスカー獲ったのですが、これは演技に対してというより功労賞的な意味あいが強いみたいですね。 まあとにかく、とても後味が悪い映画です。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-02-21 17:12:26)
1649.  私の優しくない先輩 《ネタバレ》 
『ハルヒ』の山本寛が実写映画を初監督ということで、あまり期待はしてなかったのですが、自分には意外とストライクでした。たしかに前半のポップだけどチープな展開とラジオドラマみたいなモノローグの多用は好き嫌いがはっきり分かれるところでしょう。あのハリボテ丸出しの宇宙と地球は、相米慎二の『東京上空いらっしゃいませ』を思い出させてくれて、なんか良かったです。まあ邦画では珍しいタイプの映画かもしれませんが、今後カルト的な評価がされるかもしれませんね。 そして、実はわたしここが目当てでこの映画を観た様なもんですが、ワンカット・ワンシーンで撮られたエンディングのダンスはポップでほんと至福感に満ちています。ここだけでも見る価値は十分あります。
[DVD(邦画)] 7点(2012-02-17 23:43:37)
1650.  地球最後の日 《ネタバレ》 
今回再見して強く感じたのは、恐ろしく宗教色が強いなあ、ということ。良く見ると、製作総指揮がセシル・B・デミルじゃありませんか、そりゃ聖書じみたお話しになるのは当然ですね。地球から運び出す文献をマイクロフィルムに写すのはいいんだけど、まず新約聖書から始めると言うのは笑ってしまいました。誰が観たって“ノアの箱舟”をSFに仕立てただけとしか言いようがなく、肝心の地球崩壊のスペクタクルよりも脱出ロケットに誰を乗せるかを“選ぶ”ことの方がメインになってしまうのはちょっとねえ… だいたい、あんなでかいロケットに40人しか人間が乗れないなんておかしいじゃないか、動物なんか積むんだったらその分人を乗せろよ。そして何よりこの映画の凄いところは、脱出プロジェクトには政府も国連も関わってなく、たった三人の大富豪が資金を出しているだけということ、つまり完全な民間プロジェクトなんですよ。そりゃ、誰を乗せるかなんて俺たちの自由だ、と言えるわけです。でもその40人が、若いのはしょうがないとしても、白人だけで有色人種はひとりもいないというのはあんまりです。 そう考えると、同じ滅亡ものでも『妖星ゴラス』の“地球の方を移動させて全人類を救う”という大乗的な思想は偉大だなと思います。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2012-02-16 23:33:11)
1651.  娼婦ベロニカ 《ネタバレ》 
“ベネティア版花魁一代記”といった風情ですが、国の権力者だけでなくフランス国王まで骨抜きにしちゃうところはさすがスケールがでかい。ベネティアの明るく陽気な娼婦文化は江戸時代の吉原に共通するところがあって興味深いところです。キャサリン・マコーマック、知性はともかく高級娼婦としての妖艶さには欠けるのでイマイチなのですが、かつての我がミューズ、ジャクリーン・ビゼットが母親役で久々の登場なのでそこは大満足です。ビゼットが娼婦の手ほどきをするシーンは、『プリティ・プリンセス』みたいで苦笑です。“永遠の恋人”はルーファス・シーウェルですが、この人が悪役じゃないなんて実に珍しいことです。彼の奥さんがナオミ・ワッツだけど、ちょっと観には彼女と判らないほどのブス・メイクは凄かったです。全体的に『プリティ・プリンセス』娼婦版みたいな軽い撮り方ですけど、ラストの裁判とその結末はなかなかイイ話しでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-02-12 18:41:24)
1652.  プライベート・ソルジャー<TVM> 《ネタバレ》 
TVMながらも並みの劇場映画をはるかに凌駕した、知られざる傑作戦争映画です。同時期に製作された『プライベート・ライアン』や『バンド・オブ・ブラザーズ』がレンジャー部隊や空挺部隊といったエリートの物語であるのとは対照的に、本作でとりあげられている師団は、兵卒も大半が徴兵されたばかりの普通の連中。主人公のマニングという兵士、ちょっと他の戦争映画ではみたことない様な卑劣で赤裸々な奴で、上官と取引して除隊の約束をさせるシーンで見せるニヤニヤ顔は人間の卑しい部分を見せられて強烈です。「ニタニタするな!」と大尉に怒鳴られるのも当然です。戦争では市街戦のつぎに兵士が嫌うのは森林戦だそうで、霧で視界が悪く地雷だらけの森で突撃させられるのは、ホント恐ろしさがひしひし伝わってくるシーンでした。冒頭で背負ってた戦友を途中で見捨てたマニングが、ラストは一度は見殺しにしようとした部下に背負われて死んでゆくのはなんという皮肉でしょうか。
[ビデオ(字幕)] 9点(2012-02-11 23:00:05)(良:1票)
1653.  川の底からこんにちは 《ネタバレ》 
“シジミのパック詰め~シジミのパック詰め~川の底からこんにちは♪”木村水産新社歌はクセになります、すっかりはまりました。力まない演出と満島ひかりが前半に乱発するまったく心がこもってない「すいません」が功を奏して(?) とっても軽い作品みたいな印象を与えるかもしれませんが、石井監督は類まれなる演出力を持っていますよ。そして出ました、満島ひかりのシャウト、ラストの「お父さん~、お母さん~」はなんかすごく良かったなあ。 それにしても骨になってもあのおばさんたちをよろめかすなんて、社長、あんたはやっぱりイイ男だったんですね(笑)。
[DVD(邦画)] 8点(2012-02-08 23:36:02)
1654.  魂のジュリエッタ 《ネタバレ》 
ジュリエッタ・マッシーナの顔を観ているとなんか誰かに似ている様な気がしてきて、そう、山東昭子にそっくりじゃないですか(笑)。そんな歳がばれる与太話は別にして、彼女には不思議なオーラがただよってました。この後20年後の『ジンジャーとフレッド』まで実質映画出演がないなんて、この人フェリーニと結婚しなかったらもっと他の監督と仕事をして錚々たる大女優になっていたかもしれないと思えて残念です。巨女フェチのフェリーニが小柄なジュリエッタを女房にしたのもまた不思議ですが。 この映画は言ってみればユング式精神分析の啓蒙映画みたいなもので、祖父が乗る飛行機や籠を使って出入りする樹上の部屋など、心理学的には判りやすいメタファーが多いのでちょっと拍子抜けするところもありました。フェリーニにとってまだ二作目のカラー作品ですので、セットや帽子を強調した衣装の色使いは今観ても斬新です。モノクロ作品時代が長かったと言う共通点があるせいか、フェリーニと黒澤明はカラー映像に対する感覚が似ている様な気がします。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-02-08 00:32:17)
1655.  エスケープ・フロム・L.A. 《ネタバレ》 
15年ぶりのスネーク・プリスケン復活を祝ってか、カメオ出演だけど前作よりも出演俳優が豪華になりましたね、これもカーペンター御大の人徳でしょうか。ロボコップも昭和のゴジラもシリーズが行き詰まってくると空を飛ばしたもんですが、さすがスネーク、二作目なのに惜しげもなく空を舞っていました(笑)。基本的には『ニューヨーク1997』のリメイクというかセルフ・パロディみたいなもんですが、ラストに世界文明をリセットさせちゃうなんてスネーク、お前カッコ良すぎだよ! あまりに安っぽいCGには参りましたけど、ピーター・フォンダに楽しそうにサーフィンさせたりして、カーペンターのおバカ・パワーが円熟した一篇です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-02-06 20:10:18)
1656.  戦争と平和(1965-1967) 《ネタバレ》 
念願かなってついにオリジナル全長版を観ることが出来ました、ありがとうBSプレミアム、と思ったら何と4月にブルー・レイと新版DVDが発売されるんですね、知らなかった。三夜に分けて放送と言ってもなんせ上映時間7時間ですから滅多に味わえない映画体験です。まあ原作を7時間ではとうてい読破できないわけですから、これだけ時間をかけてもダイジェストみたいにストーリーを展開させちゃう部分が一部あるのはやむを得ないところでしょう。その代わり国家プロジェクトみたいなもんですから、カネとヒトはもう惜しげなく投入されているのは圧巻です。ボロジノ会戦のシークエンスも凄かったけど、もっとも映画的なスペクタルを感じたのはモスクワ炎上シーンで、ほんとこりゃすげぇもんを観てしまった、というのが正直な感想です。そして特筆すべきはナターシャ=リュドミラ・サベリーエワの奇跡の様な可憐さと美しさ、あの舞踏会のシーンで彼女が踊り出すシーンはそりゃ思わず息をのむほどです。そういうこともあって、自分としては第二部『ナターシャ・ロストヴァ』がいちばん良かったですね。 セルゲイ・ボンダルチュクお得意の「舞い上がるカメラ」と「急降下するカメラ」の映像は冴え渡っていて、とくに屋内の舞踏会シーンでもカメラがぐーんと降りてくるのは見ものです。まあ『戦争と平和』の完全映画化なんて『指輪物語』を映像化するよりもはるかに困難な偉業で、監督の手腕は称賛されてしかるべきだと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-02-02 19:52:59)
1657.  いそしぎ 《ネタバレ》 
美しいカラー映像はダグラス・サークが50年代に撮ったメロドラマを彷彿させるところがありますが、教師でもある聖職者が生徒の母親と不倫・肉体関係を持つなんて50年代では考えられない過激なテーマです(この程度の描写でも)。ハリウッド映画を規制していた悪名高いヘイズ・コードが緩んできた時期だったんですね。 リチャード・バートンとエリザベス・テイラーは、今でいうとブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーみたいなセレブ・カップルで、ブラピとアンジーとは違い共演した映画は5本もあるんです。本作は二人にとっては、翌年撮られる映画史に残るような壮絶な演技合戦を見せた『バージニア・ウルフなんかこわくない』のための肩慣らしみたいなもんでしょう。 まあとにかくこの映画は名曲"The Shadow of Your Smile"がすべてで、この曲のために映画をこしらえたみたいなもんです。そんなに悪い映画とは思いませんが…
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-01-31 21:53:19)(良:1票)
1658.  愛のむきだし 《ネタバレ》 
まったく先が読めない展開のストーリー、確信犯的なVシネマチックなB級テイスト、そして忘れたころになって突然出現するメイン・タイトル、いやはやとんでもない映画を観てしまったみたいです。「聖母マリア」「盗撮」「ボッキ」、この三つのキーワードを使って映画を撮るなんてほとんど暴挙と言えるんだけど、破綻しそうなストーリーが最後には感動させてしまう園子音のオリジナリティは、TV局と広告代理店が企画した駄作のオンパレードだったゼロ年代の邦画界にあっては奇跡の様な偉業に違いありません。満島ひかりが“コリント人への手紙”の一節をシャウトするシーンは、この先永く語り継がれることでしょう。そして安藤サクラ、まさに彼女こそ“女でんでん”だ!
[CS・衛星(邦画)] 9点(2012-01-31 01:35:22)
1659.  荒鷲の要塞 《ネタバレ》 
小説化を前提に冒険小説の巨匠アリステア・マクリーンがオリジナル原案と脚本を書いただけあって、とくに後半は二転三転するストーリーはなかなかのものです。勇壮なロン・グッドウィンのメイン・テーマも、戦争アクション映画のベスト3に入れちゃいたいほど好きです。 リチャード・バートンは名優ですけどアクション映画に不向きで、どうも体の動きが鈍重なんですよね。この手の映画にはそりゃバート・ランカスターやカーク・ダグラスが適役ですけど、この二人はとても英国人には見えないので、まあバートンでも良しとしておきましょう。ハリウッドに復帰したばかりのイーストウッドも頑張っていますが、多少短くしているとは言ってもあの髪型は特殊部隊の将校らしくないですよね。二挺拳銃みたいにしてシュマイザーをぶっ放すシーンがありますが、いくらなんでもあれはやり過ぎです。イーストウッド自身が希望して撮ったアクションなんだそうですが、あんな撃ち方が実際に出来るわけがないでしょう(カッコ良いのは確かですけど)。サービスで二人も出てくる女スパイも、定石では少なくとも一人は途中で死ぬところですがラストまで銃撃ちまくって大活躍しちゃうし、こいつら弾に当たらない超人部隊か!
[映画館(字幕)] 6点(2012-01-28 20:18:08)
1660.  恋する女たち(1969) 《ネタバレ》 
ケン・ラッセルの得意としたジャンルは音楽家の伝記とD・H・ロレンス小説の映像化でしたが、本作はそのロレンス文学の初の映画化です。ロレンス文学らしく、登場人物がみな観念的で理屈っぽいところは、はっきり言って観ていて鬱陶しいところです。マイケル・ベイツとオリバー・リードのフルチン・レスリングはいかにもケンちゃんらしい画ですけど、別に彼の創作ではなく原作通りなのです。それよりも彼らしさが出ているのは、2回出てくる女性が踊るシーンでしょう。ケンちゃんの映画では常にダンスが、良く言えばシュール、ぶっちゃけて言えば奇妙奇天烈な振り付けで、本作でもグレンダ・ジャクソンが牛の群れにダンスを見せるシーンはいちばんインパクトがあったシーンでした。本作でケンちゃんはオスカー監督賞にノミネートされ新しい文芸派監督が誕生と称賛されたのですが、その男が70年代になると映画史に残る変態監督になろうとは、誰も予想してなかったでしょうね。 その私が愛してやまないケンちゃんも昨年ついに昇天してしまいました、合掌。
[ビデオ(字幕)] 6点(2012-01-28 19:18:48)
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