1661. アルカトラズからの脱出
他の有名な脱獄映画に比べると、全体的に派手さはないが、だからこそ生まれたリアリティは秀逸で緊迫感はあった。地道にコツコツと脱獄を図るストイックな主人公は、クリント・イーズトウッドにはハマリ役で巧い演技だった。 [ビデオ(字幕)] 6点(2009-06-20 17:07:34) |
1662. 日本沈没(1973)
映像的なものや設定に突っ込みたくなる部分はあるにはあるけど、この映画の場合、全体の熱気が物凄いため違和感無くのめりこむことができる。災害映画はいろいろあるけど、なんたって今作では日本が沈むっていうだから、否応にも熱くなるしかない。 [DVD(邦画)] 6点(2009-06-20 17:07:13) |
1663. ダ・ヴィンチ・コード
とめどない宗教論争を核心に孕んで、世界的大ベストセラーとなった原作、そういう素材を「完璧に映画化」することなど実際不可能に等しい。ならば映画化なんてしなければいいのにとも思うが、これほどまでに話題性のある原作に対し「映画化しない」なんてことは映画業界において有り得ないことで、これも同じように不可能に等しい。 そういうあらゆるリスクとしがらみを考慮すれば、非常に頑張って「映画化」したんじゃないかと思う。 敢えて原作を読まずに「ダ・ヴィンチ・コード」という映画に臨んだので、必然的な原作に対する粗にぶつかることなく、程よく入り組んだ歴史的サスペンスとして堪能できたと思う。ロン・ハワードの安定した演出力が冴え、トム・ハンクスをはじめとするキャスト陣の演技もそれぞれ安定していた。 ただ、これはもうどうやったって仕方がないことなのだが、僕のようなキリスト教自体から“縁遠い”者にとっては、このテーマ性に対し絶対的な部分で“驚き”がない。隠され続けた事実や、ダ・ヴィンチの絵画に隠されたメッセージなど、確かに興味深いものはある。でもそれ以上はなく、イエスが神であるということと同様に、イエスが人間であったということでさえ、一部の人が固く信じる一説に過ぎないではないか、と思う。 まあ結局は、トム・ハンクスが台詞で言うように、「何を信じるか」ということに尽きるのだろう。 [映画館(字幕)] 6点(2009-06-20 17:06:50) |
1664. 緋牡丹博徒 二代目襲名
藤純子演じる緋牡丹のお龍の任侠劇を描いた人気作第4弾。4作目になり、さすがにストーリーの鈍さは隠せないが、相変わらずのお龍節には惚れ惚れさせられる。3回目となる高倉健との絡みも手伝って独特の任侠アクション&ドラマに熱くなる。それにしても、ズッコケ役の長門裕之がサザンの桑田圭祐に見えて仕方なかった。 [DVD(邦画)] 6点(2009-06-20 17:06:25) |
1665. スパイダー パニック!
大作映画監督であると同時にB級映画監督でもあるローランド・エミリッヒならではのB級テイストへのこだわりが存分に味わえるモンスター映画だった。半端のない巨大グモの大量発生&強襲はB級モンスター映画ファンにはたまらないものだったに違いない。 [ビデオ(字幕)] 6点(2009-06-20 17:05:56) |
1666. プロジェクトA
ジャッキー・チェンのアクションのキレを楽しむのなら、絶好調であったこの時期の作品を見るのが良い。今作は、エンターテイメント性に優れ、ジャッキーファンの中では名作の部類に入るのではないか。 [地上波(吹替)] 6点(2009-06-20 17:05:28) |
1667. リング(1998)
やはり怖いです。貞子がテレビから出てくるシーンのインパクトは物凄かった。ホラー映画だから怖いのは当たり前だけど、触れ込み通りに観客を怖がらせるというのはやはり凄いと思う。個人的にはホラー映画は根本的に苦手なので、ただ怖いという感想しかないが、日本映画の売りとしてホラーというジャンルを確立したこの映画の価値は大きい。 [地上波(邦画)] 6点(2009-06-20 17:04:29) |
1668. 燃えよドラゴン
ストーリーは滅茶苦茶もいいところで、その破錠っぷりが逆に面白い。今や伝説的なアクションスターであるブルース・リーであるが、その存在感にはさすがに世界のスターになり得た魅力を感じる。 [DVD(字幕)] 6点(2009-06-20 17:03:58) |
1669. バットマン(1989)
コミックの映画化というジャンルにおいて、ティム・バートンはその能力を遺憾なく発揮できるタイプの映画監督であることは間違いない。そして、「バットマン」は特に彼が手掛けるにふさわしい素材であったことを確信させる。 なぜなら、「バットマン」はその世界観そのものが、ある意味“イカレ気味”であるからだ。大袈裟すぎる程に“犯罪都市”な舞台・ゴッサムシティーも、現れるいかにも狂気じみた悪者たちも、そもそも、元来普通の人間なのに、その莫大な富を行使しヒーローになってしまったバットマン自体、“尋常”ではない。 こういう、イイ意味でイカレた世界を映像化するには、それ相応の“美意識”がなければ成立しない。 [DVD(字幕)] 6点(2009-06-20 17:03:21) |
1670. マスク(1994)
飛び出し、曲がりくねるマスクの表情は当然CGなんだけど、それすらも演技と感じさせるジム・キャリーの表現力はやはり見事だと思う。作品の内容的にも彼の出世作という名にふさわしい映画であった。 [ビデオ(吹替)] 6点(2009-06-20 16:59:48) |
1671. スーパーの女
今や日本に何千件とあるスーパーの日常に目をつけ、それを1本の映画に仕上げてしまう伊丹監督の力量は流石である。「マルサの女」や「ミンボーの女」などと比べると、舞台が舞台だけに目に見えるほどの毒々しさはないが、身近なものだからこそ迫るブラックユーモアは秀逸だった。ラストには爽快感もあり、面白い映画に仕上がっている。 [地上波(邦画)] 6点(2009-06-20 16:57:04) |
1672. コンタクト
斬新な宇宙人との接触方法は興味深かった。ゼメキス作品にしては、全体的に色のトーンが低く、寒々しい感じは主人公の心理が反映されているようで良かったと思う。思わず笑うしかない日本の描写がなければ、もっと崇高なイメージの映画になっていただけに残念。 [映画館(字幕)] 6点(2009-06-20 16:55:09) |
1673. 星の王子ニューヨークへ行く
5人一役という離れ業を見ても分かるように、エディ・マーフィーの絶好調ぶりが見て取れる映画だった。彼のこの手のコメディ映画が作られなくなって久しいが、やはり流行り廃りということだろうか。 [地上波(吹替)] 6点(2009-06-20 16:54:29) |
1674. チャーリーズ・エンジェル フルスロットル
ここまでメチャクチャにやっちゃえば、ストーリーが陳腐なんてことは関係なく、一級のエンターテイメントに間違いない。前作でもそれは言えたけど、続編となる今作はさらにさらにパワーアップ☆破天荒なアクションと躊躇ないセクシーさで圧されまくる。単純さもここまで突っ走れば、素晴らしい。 [地上波(吹替)] 6点(2009-06-20 16:52:29) |
1675. ムーラン(1998)
中国の史劇を題材にしたストーリーには濃厚さと迫力があり、実写の大作にもできそうな骨太さがあった。雰囲気的にディズニー映画としては異色とも言える作品であるが、近年のディズニー映画の中ではクオリティーが高いと言える。ディズニーらしい華やかさはないが、可能性の広がる良作であった。 [映画館(字幕)] 6点(2009-06-20 16:51:04) |
1676. 歩いても 歩いても
暑い夏の日、亡くなった長男を弔うために家族が集まる。 どこにでもいる普通の家族の、何でもない一日。 自分自身も毎年経験していることだけれど、離れて暮らす家族が会する場というものは、実のところとても独特な空気を持っていると思う。 いつも一緒に暮らしているわけではないので、実際問題各々のことをそれほど把握しているわけではない。 にも関わらず、「家族」という微妙な関係性に縛られているから、特に改まることを許されず、努めて親密に振る舞わなければならない。 それは、互いの関係が良いとか、悪いとかに関わらず、そういうものだ。 だからこそ、表面的な会話の裏に見え隠れするそれぞれの思いにドラマが生まれる。 そのドラマ性を決して表立たせるわけではなく、あくまで個々が抱えた「感情」として描き出す。 それぞれの感情をもっと膨らませて、言動としてぶちまけたなら、荒々しい“波”のある映画になったかもしれない。 しかし、それを敢えてせず、作品全体を水面に落ちた一滴が生む波紋のように仕上げたことが、この映画の最大の魅力であり、是枝監督の流石の巧さだと思う。 歩いても、歩いても、人生が完璧に満ち足りるなんてことは、ないのかもしれない。 それは、息子を亡くした老いた母親にとっても、父親を亡くした少年にとっても、誰にとっても同じことなのだろう。 哀しいことだけれど、そういう何かしらの“物足りなさ”を抱えて生きていくことこそ、本当の意味で人間が人間らしく生きるということのような気がする。 [DVD(邦画)] 9点(2009-06-20 10:10:55)(良:1票) |
1677. 夜のピクニック
24時間かけて、80㎞の道のりを、高校生活を共にする仲間たちと歩き通すという稀有な行事「歩行祭」。 「一緒に並んで歩く。ただそれだけなのに、どうしてこんなに特別なんだろう」 すべては、その想いに尽きると思う。 それは、毎朝毎朝10㎞近い道のりを自転車通学したことや、部活が終わって疲れきっているのにたわいもない話を延々としていたことと全く同じで、自分自身も感じてきたその“特別さ”がよみがえってきた時、この映画の真の価値が煌めいたと思う。 おそらく初めてのことだが、実は、映画を観る数時間前に原作を読み終えたばかりだった。 そのことによって、作中の登場人物たちの心情が掴めやすかったと同時に、描き方として不充分だなと思われるところも多々あったと思う。 特に映画の序盤は、原作の持つ空気感が表現されていなくて、映画作品として「失敗」かなとも思った。 しかし、「歩行祭」も折り返しを経て、物語が“ゴール”に向けて突き進むにつれ、空気感が一変する。 疲労困憊の中、それぞれの高校生たちが心情を吐露していくその息づかいが、とても情感に溢れ素晴らしかった。 それは同時に、将来の日本映画界を担うであろう若い俳優たちが、この作品の中だけでも確実に成熟していく様を見ているようで、今まさに等身大の若者たちが「成長」を遂げている姿だったのではないかと思う。 「ただそれだけのこと」の素晴らしさ。 そこには明確な理由も派手さもなく、ただただじわりと染み渡る。 時の重なりとともに、何ものにも代え難くなるその「特別」に涙が出る。 [DVD(邦画)] 7点(2009-06-18 15:44:08)(良:2票) |
1678. 最高の人生の見つけ方(2007)
“最高の人生の見つけ方”、この邦題自体は気に入らないが、そのために必要なのは、自分が既に得ている「幸福」をきちんと見出すことだと思う。 Bucket Listに書かれた“死ぬまでにやりたいこと”をこなしていくプロセスは、あくまでそのためのきっかけに過ぎなかった。 残されたリストの項目が、ひとつずつ、必然的に消化されていく様がとても感慨深く、上質な余韻として残っていく。 ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが、老人の悲哀をそれぞれ演じるという時点で、思わず「ずるい」と言いたくなるくらい安心できる。 そして思惑通りに、二人の大俳優はキャラクターの全く違う老人の哀愁を演じて、魅せる。 それにしても、すっかり“爺さん”になってしまったジャック・ニコルソンには、どうしても少し寂しい感じがしてしまう。だけれど、ふいに見せる相変わらずの“悪ガキ”っぽい目つきを見て安心した。 [インターネット(字幕)] 7点(2009-06-18 15:43:24)(良:1票) |
1679. ワールド・オブ・ライズ
中東を主舞台とした“対テロ戦争”における情報戦を描いた今作。 敵を欺き、ある時は味方さえも欺き、生と死の狭間での戦いは、決して安直な派手さはなく、その痛々しさのみが様々な側面で突き刺さる。 それは、この映画が今この瞬間も繰り広げられている「現実」の一側面を描いているからに他ならないと思う。 ディカプリオ演じる主人公が、自らの命をさらしながらも感じ続ける葛藤。 それは、“対テロ”の名の下に突き進めるこの「戦争」が、果たして正真正銘の「正義」なのかということに他ならない。 「異文化」への排除行為の先にあるものは決して「平和」などではなく、愚かしく、絶え間なく続く「報復」の螺旋である。 ということを、痛々しく見せつけてくる作品だった。 それにしても、リドリー・スコット監督作品は、「アメリカン・ギャングスター」に続き今年2本目である。 時間を空けず、これほどの骨太な大作映画を連発してくるこの巨匠のパワーに感嘆する。 [映画館(字幕)] 7点(2009-06-18 15:42:59) |
1680. 彼が二度愛したS
サスペンス映画が好きである。 鑑賞者の思惑を大いに覆すストーリーに惹かれるものだ。 が、今作の場合は、ストーリーに驚くべき起伏があるわけではない。 もちろん、ただ平坦なだけではサスペンス映画として成立しないので、程よい緊張感と“二転”くらいのエスプリは持ち合わせている。 ただこの映画の面白さは、そういうストーリー展開にあるわけではなく、映画を構築する他の要素の質の高さによるところが多いと思う。 最近は、とにかくストーリーに「衝撃」を押し出そうとする作品が多いだけに、今作のようなサスペンス映画は少し珍しい。 では何が良いのか? ユアン・マクレガー、ヒュー・ジャックマン、ミシェル・ウィリアムズら出演者たちのキャラクターに即したビジュアルの美しさ。 高級ホテルに高級スーツなどから発せられる洗練されているからこそ、同時に醸し出されるある種の“禍々しさ”。 そういった主人公の感情と、ストーリーを彩るラグジュアリーが、映画を魅惑的に仕上げているのだと思う。 「驚き」には欠けるが、たまにはこういうオールディーさを感じるようなサスペンス映画も悪くない。 [映画館(字幕)] 7点(2009-06-18 15:42:15)(良:2票) |