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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2398
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1681.  ディボース・ショウ 《ネタバレ》 
日本でも大竹しのぶで『後妻業の女』なんてストーリーがあったけど、本家ともいえるコーエン兄弟作品ではセレブの世界のお話しとは言っても潔いまでカネがすべてでカラッとしています。ゼタ=ジョーンズの亭主も殺されたり病死するわけでもなく別れるわけですが、考えてみれば夫側弁護士のジョージ・クルーニーおかげで一銭も得られず、この映画の中ではそのあくどい戦略は成功したとは言い難かったんじゃないかな。まるで下手なラブコメみたいな終わり方といい、けっきょく彼女は悪女というキャラではなかったという事ですね。ゼタ=ジョーンズはこの頃はその美というか魅力が頂点に達していたので、こういう役作りは正解だったんじゃないでしょうか、コメディですからね。これをマジで撮ったら、『ゴーン・ガール』のロザムンド・パイクになっちゃいますよ(笑)。 まあこの映画は、ジョージ・クルーニーの顔芸を愉しめるかが評価の分かれ目と言えるかもしれません。コーエン兄弟はその後に『バーン・アフター・リーディング』や『ヘイル、シーザー!』などでクルーニーの顔芸コメディをエスカレートさせるわけですが、本作のような初期のころはまだバランスがとれていたような感じですね。やたらと歯並びを気にするところがまた傑作で、やはり彼はこういう気取ったセレブのような役柄が似合っているみたいです。所々にヘンテコなキャラが登場するのはいかにもコーエン兄弟らしいのですけど、驚いたのは冒頭でサイモン&ガーファンクルの『ボクサー』を口ずさみながら爽やかに(?)登場するジェフリー・ラッシュの使い方で、いやはや、なんと豪華なムダ遣いでしょうか。まあ所々でチクチク刺さるものがありましたが、コーエン兄弟らしくないラブコメだったというのが感想です。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-05-31 21:50:15)
1682.  兵隊やくざ 大脱走 《ネタバレ》 
本作まで常に部隊からの脱走を繰り返してきた有田と大宮なんですが、ソ連軍が満洲に侵攻してきたご時世となり身の安全を図るために自ら部隊に紛れ込むようになったのが面白い。まあその部隊はソ連軍に急襲されて全滅、生き残った彼らが今度は将校コスプレして通りすがりの部隊に潜り込むという展開。つまりサブタイトルに『大脱走』と銘打っているけど、本作では彼らはお得意の部隊脱走はやらかさないという新パターンで、『大脱走』とはクライマックスの保護した避難民を連れての脱出劇のことなのかと思います。 ソ連侵攻が始まっているとはいえ平常時と変わらない兵営生活を送っているところは「そんなのあり?」と違和感がありましたが、玉砕前提の捨て駒兵力として残置されているのでみな達観していると受け取ることもできるでしょう。本作では有田=田村高廣の存在感が高くなっているストーリーテリングのような気がして、偽中尉・有田の堂々たる指揮ぶりは惚れ惚れさせられました。でも “有田と大宮=勝新太郎の同性愛的な関係”というこのシリーズの裏テーマは健在で、慰問団の娘=安田道代と一夜を共にして帰ってきた大宮に嫉妬ともとれる視線を注ぐ有田の姿に象徴されていました。 そしてシリーズ前半の最大の悪役である青柳=成田三樹夫が再登場するわけですが、なんと脱走目的で憲兵から歩兵の上等兵に化けているというサプライズ。「お前らはバカか、脱走するには兵士が最適なのにわざわざ士官に化けるなんて」と嘲笑する青柳の言葉は、なるほど真理を突いていますね(笑)。この偽兵士・将校の三人組が今度はどんなバトルを見せてくれるのかと思えば意外にも最後にはすっかり善人と化してしまった青柳、拍子抜けさせられました。 本作は前半と後半ではストーリーの繋がりが悪い感じがするのが難点。どうせ成田三樹夫を再登場させるなら、もっと絡ませる脚本にしたら良かったのにねえ。
[試写会(邦画)] 5点(2023-05-04 17:31:09)
1683.  悪魔のシスター 《ネタバレ》 
ほとんど実績のなかった若造のデ・パルマに、彼のヒッチコック趣味全開の作品を撮らせたプロデューサーには敬意を表したくなります。なんせ音楽はバーナード・ハーマンですからねえ。ヒッチコックじゃないけど「凶器はナイフがいちばん!」という拘りの殺人シーンはかなりの生々しさです。そして『ファントム・オブ・パラダイス』の“ウィンスロー”ウィリアム・フィンレイの怪演というかその気持ち悪さ、この映画のヤバさのかなりの部分を彼が持って行ってくれました。スプリット・スクリーンの使い方もセンスの良さが感じられます。でも正直言って精神病院にヒロインが忍び込んでからのラストまでの二十分間の展開を理解するのは、自分には無理でした。特にあのラスト・シーンは、主演のジェニファー・ソルトですら「私には理解不能」とインタヴューに応えているぐらいですから。それでもヒロインが見る悪夢のシークエンスは、『ローズマリーの赤ちゃん』を思い出す不気味さ、ブニュエルの映画のワン・シーンみたいな感すらあります。 死体を隠した長椅子に血が染み出ているカットは普通は伏線のはずなのに放置されて終わったのは「なんじゃ、こりゃ?」感が拭えませんが、本当は長椅子の周りでもっとしつこく捜索するところを撮ったけど、尺の都合で切られてあのカットだけが残ったということらしいです。とすれば、かなり雑な仕事だよなあ、まあこの頃のデ・パルマにはそこまでプロデューサーに歯向かう権限はなかったでしょうけど…
[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-04-16 22:55:56)
1684.  続・兵隊やくざ 《ネタバレ》 
前作ラストで機関車を強奪して脱走したかに見えた大宮と有田、その機関車がゲリラに爆破され負傷して病院送り、原隊はフィリピンに転進した後なので地元の部隊に編入、つまり軍隊生活に逆戻りというわけです。前作以上にその部隊は陰湿で、こうやって見ますとまるで刑務所ものみたいなお話しですね。大宮=勝新太郎の石頭ならぬ石面、ビンタを喰らわす相手が手を痛めるという大宮の得意技(?)はこれからも定番になりそうです。大宮が惚れた看護婦=小山明子にアソコの毛をお守りにねだるのですが、本来脚本では石鹸を所望するとなっていたのを勝新が毛に変えさせたそうで、さすが勝新、大宮というキャラを二作目にして完全にモノにしています。物語自体はちょっとやり過ぎというぐらいに大宮と有田が暴れまわった挙句に今度はトラックを強奪して脱走という前作を踏襲した幕の下ろし方でしたが、続編としては勝新と田村高廣のキャラを定着させて次作に繋げる手堅い出来かなと思います。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-02-28 00:52:02)
1685.  鉄砲玉の美学 《ネタバレ》 
東映との提携作品とはいえ、今は亡きATGが唯一製作したヤクザ映画として観ると貴重。監督は中島貞夫ですけど、サウンドトラックに頭脳警察を起用するところなどATGっぽさが感じられます。渡瀬恒彦の他は、東映ヤクザ映画の常連は川谷拓三と小池朝雄ぐらいしか男優では顔を見せないので、一段とATG風味が濃厚となっています。渡瀬は聞き取りにくいほど早口な河内弁でまくし立てるチンピラで、これは好演です。彼が商売のネタにしていたのが“これ以上大きくならないウサギ”なんですが、こいつらがキャベツをむしゃむしゃ喰ってどんどん成長してゆくのが可笑しい。鉄砲玉になって宮崎に乗り込んでからも、拳銃と軍資金100万円を貰っているのに大して暴れもせずけっきょく自分の遊興にのめり込むだけ、対する宮崎地元の組織も渡瀬の属する組織の意図が見え見えなだけに、何をされても大人しく恭順の意を見せるだけ。低予算を逆手にとったような実録ヤクザ映画ファンが怒りそうな何も起こらない展開、とくに中盤はタイアップしたホテルに気を使ったようなシーンの連続なのが鼻じらむところです。中島貞夫は当時の東映ヤクザ路線でも深作欣二のような本流ではないのですが、彼本来の志向としてはアヴァンギャルドに親和的だったみたいな感じです。鉄砲玉・渡瀬の死に方としてはもっと壮絶かつ無様な方が良かったのにとつくづく思います、これじゃまるで『真夜中のカーボーイ』のダスティン・ホフマンと一緒じゃないですか(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2023-02-25 23:25:38)
1686.  ホーンティング 《ネタバレ》 
糞ホラー映画として公開以来罵声が浴びせられている本作だけど、自分としてはハードル下げて観ればそこまで貶さなくてもいいんじゃないかという気もします、まあ遊園地のお化け屋敷アトラクションだと思えばいいんじゃない?それにしてもドリーム・ワークスが製作するホラーって微妙な出来が多いんじゃないでしょうか。 もちろんロバート・ワイズの『たたり』のリメイクなわけですが、『たたり』のジュリー・ハリスとよく似た雰囲気のリリ・テイラーをエレノア役に持ってきたのはオリジナルへのリスペクトかな。他の登場キャラもかなり寄せているキャスティングだと思います。オリジナルは、序盤はエレノアという不幸な人生を送ってきて精神的に不安定な独身女性の妄想なのかと誘導する撮り方だったのですが、その要素は本作では薄いですね。時はCG映像の隆盛期、後半はCG使ってやりたい放題・見せたい放題のモンスター映画の様な展開ですが、技術が未発達の60年代の方が見せ方・怖がらせ方に工夫があったなあ。特に後半は画面が暗くて観づらかったしね。でもさすがドリーム・ワークスだけあって、セットや美術にはカネかかってますね。 考えてみれば、この映画って懐かしの『ヘルハウス』とストーリー的にはそっくりなんですね、そりゃネタ元が一緒ですから当たり前か。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-01-16 21:51:58)
1687.  最後の戦い 《ネタバレ》 
記憶の限りでは、自分が観たセリフのない映画はこれだけ、他には『人類創生』みたいに猿人が彼ら独自の言語(唸り声?)を発するだけという珍品はありましたけどね。この映画は決してパントマイム劇ではなく敢えてセリフを全廃することによって映像に観客を集中させる斬新な手法なのかと思いきや、人類が大気汚染によって声帯の発語機能を失ってしまった世界のお話しというのがリュック・ベッソンの設定だったそうで、それじゃあちょっとダサくないですかね。でも日本版ソフト発売時に、勝手にセリフを創って日本語吹き替えバージョンなんてものが出来なかっただけでも幸いかな。出演俳優も最小限だしさぞや低予算で撮られたんだろうと当然思いますけど、なんと330万フランもかかってしまったそうです。なんでそんなに?と訝しくなりますが、撮影経費というよりもベッソンに降りかかった数々の金銭トラブルの結果みたいで、24歳の若造がよくもめげずに完成させたものだと褒めてあげたい。 確かにセリフが無い分映像を必死で追いかけることになりますが、それでもストーリーというか世界線が理解できたとは到底言えません。中盤以降はジャン・レノを含めた三人の男が一人の女を巡って1対2に分かれて攻防を繰り広げていたということは辛うじて判りましたが、その女が死んでしまったのにラストで唐突にもう一人の女が現れ、つまりこの物語はオスがメスを求める(メスがオスを求める)生物本能がテーマだったというわけです。哲学的な語り口と思わせといてのこのオチは、やっぱ中二病が抜けきらない感が今でもあるベッソンらしいデビュー作ですね。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 5点(2022-12-30 23:01:02)
1688.  マダムと泥棒 《ネタバレ》 
ずいぶん昔にコーエン兄弟版リメイクの『レディ・キラーズ』を観ていたのでだいたいのストーリー展開は把握していましたけど、このオリジナルとは同じブラックコメディでもだいぶ色合いが異なっている感じがします。共通点としては、不気味なメイクの“教授”役のアレック・ギネスが、『レディ・キラーズ』で同じ“教授”だったトム・ハンクスの違う意味での気持ち悪いキャラに繋がっているところでしょうか。そう考えると、“元祖・百面相俳優”アレック・ギネスの面目躍如は見どころで、まるで貧血気味でやせ細ったドラキュラにしか見えないんです。もちろん“悪は最後には滅びる”という結末は一緒ですけど、このオリジナルの方がおばあさんのキャラが意外と真面目で、毒気も割と薄かったのはちょっと残念でした。教授たちが音楽練習と称して籠ったのは二階の部屋で、ここもコーエン版では地下室からトンネルを掘ってゆくという逆位置になっています。中盤の強奪したカネをおばあさんに自宅まで運ばせる展開は中途半端なドタバタで、演出には古さが否めないですね。すっとぼけた演出ではありますが一味は仲たがいが始まって最後は殺し合って全滅するというラストはちょっと凄惨で、いかにも50年代英国映画という風味が濃厚でした。正直なところ、自分には『レディ・キラーズ』の方が好みかな。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-12-27 22:29:43)
1689.  マーシャル博士の恐竜ランド 《ネタバレ》 
ラジー賞を二つも獲得したり映画会社の重役の首を飛ばしたりとダメなエピソードで知られるこの映画、でも思ったより楽しめたから自分は特に文句はないです。映画としての出来が酷いというよりもあまりにバカバカしかったからなのか、とすればラジー賞選考委員はちょっとシャレが判らなすぎるんじゃないかな。私は観たことないがオリジナルのTVシリーズと違い過ぎてワースト・リメイク賞をとったのかもしれないけど、データを見る限りオリジナルと登場キャラはほとんど一緒、どっちもコメディなんだしねえ。ただこの監督は順調にキャリアを重ねてきてたのに、本作以降はどうも映画を撮らせてもらえなくなってるみたいで、それはお気の毒。 とは言ってもギャグのレベルは下ネタを交えながらも、かなりの低レベルであるのは確かです。ストーリーもあってないようなもの。でも個人的な感想ですが、ウィル・フェレルのコメディ演技はこういうレベルの映画には最適な気がします。どっちかというと昔のジェリー・ルイス風の顔芸コメディの系統ですから、日本人にはウケが悪いのかもね。真逆の芸風のビル・マーレイが供に『サタデー。ナイト・ライブ』の出身であるのが面白いところです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-12-18 22:42:27)
1690.  死霊のはらわた(2013) 《ネタバレ》 
オリジナルが“グロい&気持ち悪い”がテイストだったとすると、このリメイクはひたすら“痛い”を追求する映画でした。片腕や手首を自分で切り落としちゃうはチェンソーで足切りされるは、マチェーテで素足がスノコ斬りされるし極めつけは文字通り“釘付け”にされるところ、思い出しただけで背筋がゾワッとします。でも、やっぱオリジナル版に比べると落ちるんだよなあ、それなりにまとまってはいるんだけどね。 もちろんプロットは同じなんだけど、オリジナル版の設定をミラーイメージみたいに再構築するという工夫が感じられました。オリジナル版のシェリル=アッシュの姉がミア=デビッドの妹となるわけです。実は最後にミアがアッシュの役割を果たすというのもサプライズでしたが、彼女が電気ショックで正常に戻るというハチャメチャな展開やまさかのハッピーエンド(?)という幕の閉じ方はちょっと支持できませんね。オリジナル版でアッシュがけっきょく使えなかったチェンソーをリーサル・ウェポンとして使う発想は、時空を超えての伏線回収なのかしら?たしかに兄妹の関係やらドラマ性が加味されていたのは今風ですけど、ラブクラフトのネクロノミコンを引用した前作なのに今度は死霊の正体を単純に悪魔としてしまったのは、個人的にはちょっと許せないです。 それにしてもミアちゃん、悪魔に勝って放心状態なのはいいけど、手首を切り落としたことを忘れちゃってんじゃない?経験したことないけど、すっごく痛いと思うんだけど…
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-12-15 20:54:38)
1691.  バーニング・オーシャン 《ネタバレ》 
2010年に起きたメキシコ湾原油流失事故の原因となった原油掘削施設の爆発事故の実話映画化。この手の実話災害映画の王道のパターンのストーリーテリングなので既視感が強いが、さすがに爆発炎上の映像は「どうやって撮影したんだろう?」と唸るほどの迫力はある。しかしドラマ性というかマーク・ウォールバーグとカート・ラッセルおよびジョン・マルコヴィッチ以外の登場キャラへの掘り込みが浅くて誰が誰だか判らないのは弱いところです。一般人には馴染みがない石油採掘が重要なテーマなので、その仕組みや工程をもっと判りやすく描いて欲しかったところです。尺も短めで同種の映画に比べてコンパクトにまとめられているのは良いとしても、その分こういった説明不足感がつきまとってしまう逆効果はあります。爆発が起こってからの経過も、施設のそばに停泊している作業船内の対応が同時に見せられますが、その映像がディープ・ホライズン内なのか作業船の対応なのか区別がつきにくいところでした。とかくハリウッド映画はこういう実話ものでもヒーローを誕生させる方向に持ってゆくのが常套手段ですけど、その後に米国史上最悪となった原油流失と事故の責任についてはほとんどスルーしてしまっているのは、なんだかなあと思ってしまいます。いくら死者が11人出て生存者も大変な目に遭ったと言っても、この事故はやはり人災でブリティッシュ・ペトロリアム社や現場の従業員に最大の責任があることは確かなんですからね。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-12-06 23:34:25)
1692.  暴力金脈 《ネタバレ》 
東映実録路線もついにネタが尽きたか、とうとう総会屋が主人公の映画を製作することに。総会屋なんて稼業はコンプライアンスが厳しい現代では絶滅危惧種で、もはや金融業界の人間でも「そういや、かつて総会屋なんてものがあったということは聞いたことがある」という程度の存在ですが、いわば経済ヤクザのはしりみたいなものだったんじゃないでしょうか。だいたいにおいて、資本主義国家の中でも日本の株主総会は他国では考えられないような異質なものだったから(今でもそうかな?)、総会屋みたいな職業(?)が成立出来たんでしょうね。最盛期には一万人いたそうですが、現在では警察の調べでは190人程度しか総会屋はいないそうです。正直とっくに絶滅したって思っていましたが、こんなグローバル化した金融界で、この人たちはどうやって食べているんでしょうかね? 本作は当時まだ現役バリバリだった大物総会屋・小川薫がモデルなんだそうです。松方弘樹が演じる大阪のチンピラ総会屋が東京で成り上がってゆく物語ですが、松方はこれが初の主演映画です。中盤までの展開はかなりコメディ調で、それが中盤以降はだんだんシリアスになってゆき総会での松方の大演説ラストとなります。これは前半は笠原和夫で後半が野上龍雄と執筆した脚本家が分かれたせいかと思いますが、このタッチの違いはかえってこの映画の弱点となってしまったかと思います。笠原は御存じ『仁義なき戦い』で有名なヤクザ映画のドン、小川薫のことにも精通していて彼の取材がこの企画の元ネタです。対するそれまで任侠もの脚本がメインだった野上は経済ヤクザのことは全く判らず、それで近親相姦まで持ち出してくるドロドロ劇にしてしまったんじゃないかと思います。山城新伍・田中邦衛・小沢栄太郎と言った面々も顔を見せますがみなそれぞれ一エピソード程度で、実質として松方弘樹と梅宮辰夫がメインでそこに丹波哲郎が絡むというストーリーテリングでした。それでも丹波は相変わらずの存在感を見せ、ラストの総会は松方の奮闘も空しく仕切り役・丹波の勝利に終わった感じで、どこか無常感がある幕切れでした。 これ以降に総会屋が主人公の映画は存在しない異質の作品ですけど、その後にVシネマなんかで闇金稼業が題材になる現代まで続く潮流の先駆けとなったのかもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2022-12-03 22:56:07)
1693.  デスペラード 《ネタバレ》 
『エル・マリアッチ』を観たのはずいぶん前で、てっきり引き続いてのアントニオ・バンデラス主演だと勘違いしていました。本作は前作の1,000倍の製作費がかかっているらしいけど、そんな低予算だった前作にバンデラスみたいな当時としてもそこそこ知られている俳優が起用されるわけないですよね。よくよく考えたら前作の続きの様なお話しみたいだけど、全然別物みたいです。ひとえにロバート・ロドリゲスが潤沢なバジェットを得て、やりたい放題を実現させたって感じの仕上がりです。ストーリーはかなりハチャメチャで、あり得ないぐらい敵の弾が当らないバンデラスがもうギャグなのかと首を傾げたくなるぐらい。でも集団相手では無敵なのに、敵が一人だとあっさり撃たれたりナイフでハチの巣にされたりするのがちょっと不思議。この映画ではロバート・ブシェミやタランティーノそしてダニー・トレホといった渋い面々が登場するのに、みんなあっけなくというか無意味に退場しちゃうのがわけ判らん。極めつけがバンデラスが呼び寄せる助っ人二人組で、ギターケースがマシンガンやロケットランチャーになっているといういかにもロドリゲス趣味が爆発のガジェットを武器にしているのに、あっさり討ち死にしたのがなんか勿体ない。ここら辺は「オタクに予算を与えて自由に映画を撮らせると大惨事になる」というハリウッドの箴言を彷彿させてくれます。この映画でもっとも辻褄が合わないところは、冒頭あたりで恋人を殺してロドリゲスの手のひらを打ち抜いたのはプチョのはず、でも演じているのはどう見ても後半のプチョとは違う俳優が演じている。つまりロドリゲスは過去にプチョと対面しているのに、プチョの容貌すら判らずに追いかけているし、プチョも自分を殺そうとしている男の顔も知らない。ましてプチョが○○だったと途中で気づくなんて、お前ら二人とも初対面の時にふつう気が付くだろう!と矛盾しまくる脚本なんです。まあここら辺がロドリゲスらしいところなんですけどね。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-11-27 21:34:45)
1694.  雷撃隊出動 《ネタバレ》 
湿っぽいストーリーなので現在の視点からはまるで反戦映画の様に捉えられがちですけど、まあこれは普通に戦意高揚プロパガンダ映画だと思います。帝国海軍の雷撃機部隊をメインに据えていますが、そもそも海軍航空隊は43年以降は華々しい勝ち戦はほぼ皆無、さすがに実話での景気が良いお話しにはできなかったんじゃないですか。すでに特攻隊が編成されたという事が大々的に新聞等で報道された後ですからねえ。 迷彩された甲板やゼロ戦の部隊番号からして、空母瑞鶴とその航空隊が撮影に参加していることは明白で、貴重なフィルム映像資料となっています。おそらく時期としてはマリアナ沖海戦からレイテ沖海戦までの間でしょう。円谷英二の特撮は戦争末期ということもあってスケールダウン感はぬぐえませんが、雷撃機に正面から撃ち込んでくる高額処理された曳光弾には、さすがに迫力がありました。 公開時にはレイテ沖海戦に惨敗して瑞鶴も海の藻屑と消えて連合艦隊は実質的に壊滅していたのは有名ですけど、撮影中もさすがにスタッフは戦争の行く末が危ないことは実感していたんじゃないかな。現代人としては理解しがたいところがありますが、当時の日本は軍部も国民もいわば“滅びの美学”というようなものに憑りつかれていたような気がします。劇中でも「米国は人命の損失がいちばん堪えるから、10人殺してひとり戦死すれば勝てる」なんてセリフがありましたが、実際には殺すどころか敵艦に近づくことすらできずに一方的に撃墜されていたのが現実です。こういう心理状態にまで追い込まれていますので、ラストで敵艦隊壊滅の代償で雷撃隊が全滅しても製作側も観客もちっとも反戦的なメッセージというふうに受け取ることはなかったはずです。 興味深いことに、ナチス・ドイツも戦時中プロパガンダ映画をけっこう製作していますが実際に進行している戦争を題材にしたものは皆無、反ユダヤ主義プロパガンダや明るいコメディ調の軽い娯楽映画が大半なんです。終戦間際になってナポレオン戦争時代のプロイセンの戦いを再現した大作映画を製作したぐらいで、徹底的な現実逃避が貫かれています。これは映画プロデューサーとしても有能だった宣伝大臣ゲッベルスの方針で、国民に鞭だけじゃなく飴をしゃぶらせることを忘れないナチスらしい政策でした。そういうところを比べると、日本の軍部は幼稚というか馬鹿正直なんですね。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2022-11-24 22:03:52)
1695.  魔女がいっぱい 《ネタバレ》 
名優が怪演を披露するのを観るのが好きな自分としては、まるでセルフパロディのようなアン・ハサウェイのグロテスクなウイッチぶりは大好物です。“魔女が三本指”なんて炎上恐怖症の日本映画界では絶対に使わないネタですけど、そこら辺を強行突破しちゃうのはハリウッドというかロバート・ゼメキスらしいところ、もっともアメリカでも関係団体から抗議を受けたらしいけどね。「なんかディズニーのファミリーものみたいだな」と思って観ていたらラストで原作がロアルド・ダールだと知ってちょっぴりダーク風味なところに納得、ていうかダールの代表作の一つらしいので「それぐらい知っとけよ!」というところですかね。最後に人間に戻れなかったけどネズミとして幸せに暮らしましたとさ、という結末はジョン・カーペンター版の『透明人間』みたいで私はGoodだと思います。アン・ハサウェイとは対照的に可愛いおばちゃんぶりがキュートだったオクタヴィア・スペンサーも良かったです、彼女の魅力を再認識いたしました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-11-06 22:54:59)
1696.  レッド・プラネット 《ネタバレ》 
月なんかとは違って火星には一応大気らしきものが存在するので、映画の世界では米国でも砂漠の岩山地帯で赤色フィルターをつければ撮ればロケで火星が再現できるからちょっと経費的には安く上がりますね。まして本作では登場人物が六人だけですから単なるB級SFかと思いきや、火星探査船やら細かいディティールにはCGとはいえカネをかけています。でも脚本というか設定自体はかなり?で、酸素が切れそうになって苦しみながらヘルメットを脱いだら「息が出来る、酸素が有る!」にはちょっと唖然としました。だいたい、20年ぐらいで地球の高山程度の濃度とはいえ酸素が火星の大気に満ちるわけないですよ。太古の地球だって原初の生物の光合成で酸素が上昇するのに、何億年も時間がかかっているんですから。なんでハブが破壊されていたのかは判らずじまいだし、何十年も前のロシアの捨てられた探査船がちゃんと作動するってのもご都合主義です。あの犬型ターミネーターみたいなロボットだけは面白い要素だったけど、なんであれが人間を襲うようになったのかはイマイチ意味不明でした。まあ唯一の楽屋オチネタは、キャリー=アン・モスの名前が“ボーマン船長”というところかな。きっと彼女、地球に帰還した時は妊娠六か月だろうな(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-10-10 22:27:49)
1697.  アウトロー(2012) 《ネタバレ》 
今やトム・クルーズとタッグを組んでヒット作を連発しているクリストファー・マッカリー、これが監督としてトムとコンビを初めて組んだ作品です。映画化時点ですでに17作も刊行されていた『ジャック・リーチャー』シリーズのなんで9作目を選んだのか解せませんが、きっと小説としての出来が良かったんでしょう。たしかに元が推理小説だけあって、前半の謎ときは真犯人がジェームズ・バーではないと判っていてもミステリーとしての盛り上がりはさすがクリストファー・マッカリーですね。トムが演じるジャック・リーチャーというキャラは、要は元陸軍のMP将校で凄いキャリアの持ち主だけど、現在は車も持っていなくて移動は常に乗合バスか他人の車を無断拝借という風来坊だとしか情報が入ってこない。劇中まったく笑顔を見せなくて頭はキレるけどいかつい男というキャラなんですが、イーサン・ハントの様な洒落っ気が皆無なんでどうしても「これって、ミス・キャストなんじゃね?」って感は否めませんでした。ヒロインの弁護士も演じるのがロザムンド・パイクなんでどうしても「なんかこの女、裏があるんじゃね?」と疑いの眼になっちゃいましたが、珍しくまっとうなキャラでした(笑)。それにしても彼女の衣装、胸元が大きく開きやたら巨乳を強調していて、気になって仕方がありませんでした(笑)。 快調に進行していたストーリーも、ロバート・デュヴァルが登場してくるあたりから顕著に失速してしまいます。大物ぶって銃を構えるデュヴァルですけど肝心のところで全然敵に命中しない、まあそれはイイとしてもトムが銃を捨てて敵キャラとタイマン勝負を始めるので、これはてっきりギャグだと思いましたよ。そして無抵抗のラスボスを警察が来る前にいとも簡単に射殺しちゃうのは意表を突かれました。このラスボスを演じるのがヴェルナー・ヘルツォーク、全盛期のクラウス・キンスキーを彷彿させるような迫力、クラキンに負けない怪優になれましたね。でもこのラスボスは一応実業家、いくら金儲けのためといっても無関係の人間を四人も計画的に殺すなんてあり得ますかね?まあヘルツォークならやりかねないか(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-09-24 23:03:40)(良:1票)
1698.  パリで一緒に 《ネタバレ》 
脚本家がストーリー作りに四苦八苦してそのアイデアというか妄想が劇中劇として展開されるというプロットは映画やドラマでときどき見かけますが、元祖は本作だったんですね。と思いきやこの映画はジュリアン・デュヴィヴィエの『アンリエットの巴里祭』のリメイクなんだそうで、始祖はデュヴィヴィエということになりますね。デュヴィヴィエの方は未見ですけど、パリ祭=革命記念日の出来事というのが共通点ですが、二人の男性脚本家が主人公というところからして違っていますね。本作もパリを舞台にしていますが所々で当時映画界を席巻していたヌーヴェル・ヴァーグへの皮肉めいたセリフがあったり、ハリウッドの楽屋オチというか脚本家稼業の自虐ネタで笑わせるというのがコンセプトみたいです。ウィリアム・ホールデンは中年の危機にぶつかって崩れかけていたころでしたが、オードリー・ヘップバーンはその全盛期の真っ只中ですから見惚れてしまいます。ギャグと言えばトニー・カーチスを徹底的にコケにするところが最高で、こんなキャラでも嬉々として(?)演じるカーチスはほんとイイ人なんだなあ(笑)。フランク・シナトラやマレーネ・ディートリッヒの贅沢な無駄遣いはさすがハリウッド映画という感じでしたが、カメオ出演のメル・ファーラーはいくらノン・クレジットとは言ってもあれじゃ誰だか判りませんよ。やろうと思えば徹底的にアヴァンギャルドな方向に持っていけるコンセプトなんだけど、そつなくこじんまりと纏めてしまったのは残念なところ、メル・ブルックスなんかに監督させたら面白かったろうなと妄想してしまいます。 昔読んだ映画の名セリフを集めた本に「『フランケンシュタイン』と『マイ・フェア・レディ』は同じ物語だ、終わり方は逆だけどね」という名言が載っていたんですが、これは本作で使われたものだったんですね。でもヘプバーンもまさか翌年にジュリー・アンドリュースを押しのけて『マイ・フェア・レディ』で主演するとは夢にも思わなかったでしょうね。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-09-21 21:56:04)
1699.  ハリーの災難 《ネタバレ》 
登場人物も少なくて、まるで舞台劇か会話劇を観ているような気になります。ブラック・コメディと言っても毒要素は今の眼で観れば薄味です。登場人物たちはみんな礼儀正しいというか大人しいキャラばっかりで、ハリーの死体を見ても誰もが大声も出さず大して驚かないところは英国が舞台のお話しかと錯覚するぐらいです。ジェームズ・スチュアートやグレース・ケリーなどと言った有名スターが出ていない小品ですけど、シャーリー・マクレーンはこれが映画デビューなんですね。たしかに新人とは思えない堂々とした演技で、大女優になる片鱗を見せています。いくら複雑な事情があるとしても殴った夫が死んでいたら普通妻は動揺すると思うのに、まるで平常心が崩れないシャーリー・マクレーンにはちょっと引いてしまいますけど、妙に達観して死体を埋めることにしか関心がないオールドミスと元船長もなんかヘンです。現代ならばマクレーンを含めてこの三人の奇人ぶりを強調する脚本になるんだろうけど、みんな普通の人だったと纏めてしまうところに時代を反映した古さを感じてしまいます。当時の観客は、ヒッチコックがわずか五年後に『サイコ』を撮る人だとは夢想だにしなかったでしょうね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-09-15 22:12:21)
1700.  M:I-2
全盛期のジョン・ウーを起用してのシリーズ第二作、M:Iシリーズはそもそもトム・クルーズのワンマン・ムーヴィーですけど本作に関しては良くも悪くも完全にジョン・ウーの映画となってしまったわけです。名脚本家ロバート・タウンが書いたとは思えないストーリー、ラスト三十分はもう鳩は飛ぶし車は回るしバイクは空中で激突するわ、完全にジョン・ウーのやりたい放題になるわけですけど、ここに至るまでのストーリー展開が既視感丸出しで退屈極まりなかったので、「待ってました、ジョン・ウー!」となってしまうのが情けない。トム・クルーズ=イーサン・ハントも、大した試練もなく淡々と任務をこなしているって感じしかないのも物足りなさがこみ上げます。ボンド・ガールならぬハント・ガールも今作のタンディ・ニュートンはシリーズ中でもかなりのレベルかと思いますが、如何せんキャラがあまりに薄すぎでした。今や“危険撮影中毒症”としてすっかり有名になったトム・クルーズですけど、この頃はまだ大人しかったみたいですね。でも冒頭の岩山クライミングは、トム本人が大喜びで撮ったんだろうな、なんせ彼はプロデューサーですから。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-08-28 23:06:54)
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