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161.  モスラ対ゴジラ 《ネタバレ》 
モスラの卵を儲けの対象としか考えていない悪徳業者がやられるというストーリーが、「怪獣特撮」だけで興行収入が上がるから脚本は二の次という東宝の路線とダブって見えてしまった。  東宝はこれも映画のひとつの形と割り切ってたのかも知れず、滅んではいないが。   なぜゴジラが出現したのか何の説明もないし、南の島の住人は日本語しゃべるし、岩場のセットの地面が人が歩くと揺れて板張り丸出しだし、ゴジラが海に落ちただけで死んだのかどうかはっきりしないし、特撮を見せたいだけかなとも思う反面、反原水爆とか新聞記者のヒューマニズムとかが扱われていて、完全に子供向けにもB級にも徹し切れておらず、中途半端な印象。   1作目「ゴジラ」は別格、2作目は努力不足として、3作目以降脚本が手抜きになってきて、展開が不自然になり人間ドラマが軽薄になってるのは明らか。   特撮は、前3作にはないはめ込み合成の多用が本作品に見られるが、画面で後ろの人の動きが透けて見えて透明人間っぽくなってるのは、当時の技術の限界か予算の限界か。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-07-01 00:56:33)
162.  キングコング対ゴジラ 《ネタバレ》 
この作品からカラーのシネマスコープで、完全に怪獣がメイン。  人間ドラマは現実味のないコミカル路線で、製作の意図が明らかに興行成功狙い。  怪獣の動きも、さらにリアリティや恐怖感が薄れ、「怪獣」目当ての子供の人気取りの意図が見え見え。ここで、怪獣=娯楽、B級という価値観が定着してしまった。   ただ、南の島の住人(全員日本人役者なのは一目瞭然だが、、)に怪しげな現地語を喋らせて、通訳を連れて行くという設定や、潜水艦の中の会話がすべて英語で字幕スーパーなところに、僅かにリアリティを持たせたいという意地と努力の片鱗が感じられて泣けてくる。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-07-01 00:54:58)
163.  ゴジラの逆襲 《ネタバレ》 
1作目の怪獣特撮がセンセーショナルだったのに乗じて、「怪獣」そのものにスポットを当てて即席で作った感があり、2匹目のドジョウを狙って完全に滑ったという印象。  特撮は1作目より研究されて部分もあるが、リアリティよりも見た目の派手さ路線に転向してB級になってしまっている。  しかし、以降の作品よりは脚本はまだましで、人間ドラマも多少加わっており、時代を考えると駄作とまではいえない。  あと、北海道での宴会のシーンで、どこかの部屋で私の母校の寮歌が歌われているのが聞こえるシーンがあり、個人的には好感度アップ。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-07-01 00:53:35)
164.  めがね 《ネタバレ》 
ゆるゆる癒し系映画。「かもめ食堂」の監督が同じメインキャストで同じテイストのものを撮ったのだけど、「かもめ食堂」のほうが良かったかな。もたいまさこの不思議感も、小林聡美の変わっていく様も、なんとなくわざとらしさを感じてしまい、ストーリー上ところどころで、どう?癒されるでしょ?スローライフっていいでしょ?って、同意を強要されているような気がした。あと、「ビール」って文明社会の中の汗かきかき働いてる人のオアシスであって、ゆったりとした自然の中でのスローライフに「ビールうまい!」は、なんか違う気がする。まあ、この手の映画は見る側の感性と見た時の精神状態で大きく評価が変わるだろうし、映像はしっかりと訴えかけるものがあったから、客観的な善し悪しは判断できません。もう一つ、なんで、タイトルが「めがね」なんだろうって、見終わった後も悩んでおります、、俺の感性が鈍いのだろうか?(^^;  
[DVD(邦画)] 5点(2009-12-14 00:00:51)
165.  大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス 《ネタバレ》 
うーーん、微妙だ。ギャオスに対しての人間の対策は、ゴジラのように無駄に打ちまくるという攻撃はせず、ちゃんと作戦を立てていて光るものはあるのだが、その作戦の発想が唐突で論理的でなく幼稚。今回から、ハッキリとガメラを子供の味方に位置づけて、完全に子供向けを狙ったためにそうなってしまったのだろうが、単純でも説得力のある作戦を立てて欲しかった。ギャオスは、ゴジラシリーズを含めてどの怪獣よりも人間に対して極悪で怖くて強いというイメージがあり、平成ガメラ第1作がギャオスだったのもそのおかげなのだが、この映画では役者の演技がどちらかというと明るくコミカルで、ギャオスの恐怖感とのバランスが悪い。しかし、人間対敵怪獣の中でガメラが登場、一度傷つき力をためて最後は勝って人間を救うという2作目からのパターンが、しっかりと守られており、ゴジラシリーズとは違う方向で興行的に成功したのはうなずける。 
[CS・衛星(邦画)] 5点(2009-08-29 20:09:30)
166.  大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン 《ネタバレ》 
ストーリーはご都合主義だし、人間の行動が論理的でない部分も多く、子供騙しっぽい脚本にはなってはいるが、全体にトーンも暗めで、怪獣による「被害」を強調するなど、第1作と違い子供受けを狙った演出にはなっていない。その結果、第1作よりレベルは上がっているものの、子供向けではない「映画」として見てしまい、脚本の完成度の低さが目立ってしまうという中途半端な映画となってしまっている。しかし、当時の製作陣が、ゴジラシリーズを参考にしつつゴジラに対抗して、いろいろパクリつつ独自色を出そうと、かなり力を入れているところもうかがえ、それなりに結果は現れている。この時期に公開されたゴジラは8作目の「ゴジラの息子」であり、ゴジラシリーズが第1作ゴジラからどんどん遠くかけ離れて行くのに対し、この「ガメラ対バルゴン」が、2作目以降のどのゴジラシリーズよりも第1作ゴジラの雰囲気に一番近いかも。だが、あくまで雰囲気が似ているだけで、あれほどの名作ではありません。この映画ではガメラはまだ味方ではなく被害を与えたりするが、更なる脅威であるバルゴンを退治するというパターンで、先に見た名作平成ガメラ、平成ガメラ2に通じる雰囲気があり、平成ガメラの原点は、第1作ガメラではなくこの映画なのかもしれない。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2009-08-24 00:53:51)
167.  アニマトリックス
それぞれ映像表現は奇抜で斬新できらきら光ってはいるのが、それぞれ短く説明不足でマトリックスの世界観、ストーリーを知らずに見ると???の内容がほとんど。そもそも、マトリックスのアナザーストーリー集的な製作意図から仕方がないとは思うが、ストーリーや論理性を無視した感覚に頼る絵作りや見せ方に徹して、単品作品としてもちゃんと凄さが分かるようにして欲しかった。単品でも見ても良さそうなエピソードもあったが、逆にマトリックスの世界観で見るもの感じ方の幅を縛ることになってしまい逆効果なのかもしれない。ま、このような作品の発表の場は少ないこと考えると、これはこれで意味のある映画だったのかもしれない。
[DVD(吹替)] 5点(2009-08-16 19:04:27)
168.  カプリコン・1 《ネタバレ》 
前半1時間はなかなかいい感じで、起承の部分として、大きなテーマをそれなりに緊張感たっぷりに提示してくれたのだが、後半1時間の転結の部分が、いきなりB級丸出しのただの追いかけっこになってしまい、グダグダ。個人の活躍にスポットを当てる手法はアメリカ映画の定番だが、この映画の場合、提示したテーマが大きすぎて完全に裏目に出ている。登場人物の行動、思考に対する説明が圧倒的に不足しており、前半に提示した大きなテーマに対する説得力のある背景提示もなされず、ご都合主義連発で、ラストだけ感動しろという画面作りをされても消化不良の中で感動できるわけがない。ストーリーの骨格やテーマは優れているだけに、尻すぼみのこの脚本、演出は、完全な駄作ではないのだが失敗作かな、と言う感じ。もう少しましな脚本家、監督が作ればA級大作となった可能性があるだけに残念。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2009-08-08 23:24:03)(良:1票)
169.  ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃 《ネタバレ》 
これはゴジラを題材にした、清清しいまでの子供向け映画です。息子が小学校低学年の頃に、ドラえもんを一緒に見ている感覚が、ふと脳裏をよぎってしまった。特撮は過去の映像の使い回しが多く、ただの怪獣プロレスでしかなく、特撮ファン、ゴジラファンには、最低の評価だと思うが、子供向け映画として見た場合のシナリオの出来はそこそこ良く、約70分という長さで展開のテンポも良くて、なかなか好印象である。当時の風景や生活ぶりがわかるという記録映画としても面白い。ただし、「怪獣」、「特撮」という観点でこれを見たら、脱力すること間違いなし。ドラえもん映画の類だと思って見たほうが良い。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2009-07-23 01:56:10)(良:1票)
170.  アンツ 《ネタバレ》 
ディズニーじゃないだけあって、キャラが可愛くなく、ストーリーも完全子供向けではない。尺が短いのでテンポは良く最後まで飽きずに楽しめたのだが、子供向け娯楽に徹しきってない分、見終わった後によく考えると、各キャラの設定、アリ社会の捉え方とストーリーの整合の粗が気になってしまう。独裁体制対弱者民衆で、体制に疑問を持つ一部の民衆がヒーローとなり民衆を解放するらしいストーリーなのだが、結局ヒーローが支配者側に回っても、アリ社会では一般弱者民衆は何の変化もないのではという疑問が残る。そもそも、アリの社会構造に独裁体制批判を象徴化すること自体無理があったのではないかと、娯楽映画に不要なテーマ性まで考えてしまうのは、中途半端な映画だったということか。
[DVD(吹替)] 5点(2009-07-22 18:43:51)
171.  天地創造 《ネタバレ》 
 同じ旧約聖書の物語の映画化ということで、どうしても「十戒」と比べてしまうが、こっちは、ただ単に旧約聖書を映像化しました、という印象で何も感情移入できない映画。「十戒」はモーゼの人間ドラマとしても非常に重厚だが、こっちはドラマ性が殆どなくダラダラと旧約聖書通りに進んでいくだけ。旧約聖書の最初の部分は宗教的にあまり脚色しちゃいけないのかもしれないけど、あまりにも脚本家が楽しすぎてる感が否めない。 セットや特撮も当時としてはお金をかけた凄いものだったんだろうけど、作った年代を頭に入れての話で今となっては大したものではない。映画を娯楽として捉えると脚本や演出は全く納得出来ない映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-08-06 01:55:25)
172.  世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す 《ネタバレ》 
 特撮をまともに作ろうと努力したのだろうが、真面目にやりすぎて派手さがない。ストーリーも超ご都合主義でまともな映画になるわけないのに、普通の映画風に演出しちゃったもんだからB級としての突っ込みどころも少ない。  東宝の特撮映画とどうしても比べてしまうわけだが、東宝の特撮は思い切りよく不自然でも勢いで作ってしまった感があり、B級の突っ込みどころ満載でいま見ても楽しめるのに対し、この映画は、ただたんに古臭い技術のない時代の映画としか見えず、当時はこんな感じだったんだね、という時代を感じる以外にあまり楽しめる要素がない。  東宝の特撮の(いろんな意味での)素晴らしさを再確認できたのは収穫。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-08-06 01:44:03)
173.  モスラ(1996) 《ネタバレ》 
 モスラ2を先に見てしまったからか、そこそこ良く出来ていると感じた。   ゴジラでもお得意だった爆発と光学合成の迫力はしっかり生かされてるし、なにより、モスラの形態の制約で怪獣プロレスができないため、爆発と光学合成の迫力を連続的に繰り出さざるをえないのが、功を奏している。   また、ドラマシーンは一応映画風の画面になってるし、テレビの特撮ではなく「映画」を意識した絵作りはされている。シナリオも一応、破綻なく最後まで繋がっている   しかし、小美人3姉妹を中心に据えたシナリオは子供ターゲットの安直なものと言わざるをえない。   小美人と子供を出さなければ、平成ガメラのようなシナリオにもなり得たかもしれないのに、子供をターゲットに、自然破壊への警告風のメッセージを含ませたりして、いかにも子供だましのシナリオが、鼻につく。   完全に娯楽映画で、商業主義で、あれだけ火薬使って、自然を大事にって、自己否定でしかないんじゃないの?   モスラの2の感想で、「モスラのぬいぐるみ感は、羽以外が動いていないことが一番大きな要因」と書いたが、この映画ではある程度足が動いていた。でも、やっぱり、リアル感は全然増えておらず、ぬいぐるみ感バリバリ。もっとリアルな動きってできないものかなあ。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-07-18 16:44:14)
174.  日本列島
 戦後の日本の闇の部分を描いた小説を映画化したものであるが、真実味を増そうとするあまり、ドラマの部分との違和感がありまくり。役者が頑張るほどせっかくの素材が嘘っぽくなってしまう。   主人公の宇野重吉はそのひょうひょうとしたキャラと抑えた演技で、まあ我慢できるが、他の役者を絡めたドラマ的なシーン、映像表現がシナリオと全然マッチしていない。   計画性も組織性もく、数人の憤りあるいは興味だけで、警察や米軍にまで圧力をかけられる巨悪に対して立ち向かうという点で、真実味に欠け、結局巨悪に何の痛手も負わせておらず、謎解きの過程だけ見せて緊迫した駆け引きもない点で、ドラマ性も欠けている。   ドラマチックにするなら、個人個人の動機をしっかり描き出したり、理屈抜きに感情移入できる描写をすべきだし、ドキュメントタッチを狙うなら、中途半端な心理描写や映像描写は不要で、もっと淡々と第三者的に調べていく様子を描写すればいい。とにかく、どっちつかずの印象。   おそらく監督は、巨悪に対するどうしようもない憤りを訴えたかったのだろうが、ドラマ的な表現の方向が、その訴えをスポイルしている。   ドラマ的表現をとことん追求してもしっかりとメッセージを訴えられる映画、あるいは、淡々とドキュメントタッチで描写してもドラマ性のある映画というものを作ってこそ、真の名作になるんじゃないかと思う。   「謀殺下山事件」でも、同じような印象だった。俺、熊井啓監督とは相性悪いみたいだ。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-05-21 20:46:50)
175.  まあだだよ 《ネタバレ》 
 黒澤明監督の最後の作品。   淡々と進むストーリー、映像で、それなりに佳作であるとは思うが、ワクワクしたり大きく心打たれたりすることもなく、斬新なカメラワークや構図によるダイナミックさもさほど発揮できず、黒澤監督作品という目で見ると、ガッカリ感が否めない。   主人公の先生がすごく慕われているという前提で、すっとストーリーが進むのだが、なぜこれほどまでに慕われているのかの説明が不足している。   無邪気で純粋でユーモアがある事はわかるが、教師あるいは老人特有の上から目線の口調が殆どで、慕われる背景がよく分からない。   劇中の先生の話の内容は面白いが、老人特有の話し方が、私の感性には合わなかったため、感情移入もしにくく、感動も薄くなってしまった。   映画の中で表現される人となりに魅力を感じることを否定するものではないが、これだけ多くの学生達に慕われるということが、どこか白々しく感じる。   さすがの黒澤監督も、晩年は感性が鈍ってしまったのかと残念に思う。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-05-15 20:15:06)
176.  ATOM 《ネタバレ》 
 ロボットに人間の心という深いテーマを、展開の早いコメディータッチで軽いノリにされちゃって、違和感ありまくり。   悪人はコミックの典型的な悪人だし、街はメチャクチャ破壊するし、数人の個人的なドラマになっちゃってるし、扱うテーマの大きさをに比べてあまりにもチープなストーリー。   何でもアメリカンなノリにすればいいってもんじゃない。   手塚治虫というビッグネームを背負ってるから余計にそう感じたのかもしれない。「アトム」ではなく全く別のキャラでやってもらえれば、もう少し違和感はなかったかも。   大きなテーマの提示さえなければ、早い展開と派手な画面は、お気軽なCG作品としてそれほど悪くはないと思う。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2011-05-03 23:01:30)
177.  地獄門 《ネタバレ》 
 1953年、日本初のイーストマン・カラーだそうだ。さすがに気合が入っていて、スタンダードサイズだが色彩は綺麗であり、この時代の他の日本映画と比較すると、絵としてはかなり見ごたえはある。京マチ子の魅力も存分に発揮されている。   しかし、テンポは悪く、ストーリーにも違和感ありまくり。  いくら、時代設定が平安末期だとしても、長谷川一夫のあまりのジャイアンぶりは全く共感できず、むしろ不快感すら覚える。    さらに、最後になってその理不尽なやつが反省するのも、ありえなさすぎで不自然。お子様向けのアニメじゃないんだから、ラストで反省できる頭があるんだったら、最初から考えるだろう。   当時、海外でも高評価、日本の平安時代末期の時代設定の映像が海外ではあまりにも物珍しかっただけのような気がする。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-04-24 19:21:12)
178.  蟹工船(2009) 《ネタバレ》 
 原作を大胆に脚色した構成だが、原作の持つ時代背景、テーマの強さ、深さに完全に負けた感じ。   1953年版と比べると格段にフィルム事情、撮影技術も進歩しているはずなのに、舞台劇程度の場面展開しかなく、画面の迫力が格段に負けている。   松田龍平はじめ、個々の役者の演技や心理描写は光るものがあるのだが、原作の持つテーマをなぞってちょっと光らせてみました程度で、大胆に切り込んだ感じはなかった。   原作、1953年版を完全に忘れた状態で見れば、少しは評価が上がるかもしれない。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-02-14 01:00:17)(良:1票)
179.  一番美しく 《ネタバレ》 
 黒澤監督が戦前の軍国主義の国威発揚映画を撮っていたという、歴史的価値だけで見た。   こんな脚本、選曲しか駄目だったという当時の情勢でどう仕様も無い事情が大きい分、黒澤監督の画面構成や編集技術の卓越した力が素で一番良く分かる作品かもしれない。   今、背景が分かってこの映画を観る分にはいいが、監督の技術一つで人間の感性に訴えることができるものが、このような時代背景の時に公開されたことに、怖さを感じてしまう。   同じような時期に、ハリウッドではすでにたくさんの名作が作られているが、日本も黒澤監督にこんな作品を撮らせてしまうような時代背景がなければ、充分に娯楽として質の高い映画がつくることができたのにとと惜しくてならない。   映画の歴史や黒澤監督の凄さを知る上では貴重な映画だと思うが、本来の「映画」として個人的に楽しめたかどうかという評価は0点。
[DVD(邦画)] 4点(2010-11-29 00:04:34)
180.  白痴(1951)
 ドストエフスキーの原作が、重い、奥深いのは充分わかったが、私の見たい「映画」ではなかった。   小説は、作者の信条、心理、訴えたいことを、読む側が文章から深く読み取り、噛み砕き、自分の感性と対比させて吸い取ることで成り立つ、すなわち読者が積極的に理解するものであるのに対して、映画は、監督が見せたい物を映像と音を使って観る側に送り込むことで成り立つ、すなわち観客が受動的に感性で受け入れるものであると思って、私自身それぞれ楽しんでいる。   監督は、この重い、深いテーマを、映像、役者の演技を使って見せたかったのだろうが、「映画」を楽しみたいのに、監督の映像、役者の演技が凄い分、原作の重いテーマを無理やり押し込まれた感じで、小説を解説付きで読まされた感が拭えない。   テーマがもう少し単純で明快な小説だったら、映画として監督の押し付けがあっても、小説が単なる原案で、それを監督が「映画」としてオリジナルの作品を作ったという形態となって、違和感はなかったかもしれない。   しかし、この作品のテーマはあまりに重く、深すぎた。重い、深いことが充分に伝わる監督の映画的手腕、役者の演技が凄い故に、原作のテーマの重さ、深さを無理に映像で送り込まれるような違和感を感じてしまう。   文学作品としては、きっとすごい映画なのだろうが、「映画」そのものを楽しみたい私には、この映画は辛い。
[DVD(邦画)] 4点(2010-11-28 01:12:14)
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