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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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1921.  忍者狩り(1964)
浪人と忍者との戦い、どちらかというと私闘に近い物語ではあるけれどもこのオドロオドロしい雰囲気、まさしく東映の集団抗争モノの一本ということができます。とにかく暗いのです。そして壮絶。近衛十四郎父ちゃんが、城を失い帰属を失った浪人、他藩のためにいわば傭兵として宿敵に挑む浪人の凄まじいばかりの執念を見事に演じてます、顔のクドさにも負けぬくらい濃い役どころで、ハマリ役と言えるのではないでしょうか。他の雇われ浪人とともに、お墨付き書を狙う甲賀忍者の殲滅に挑む、という物語、タイトルは『忍者狩り』だけれども、狩られるのはどちらなのか。忍者の首領は、闇のクランドとかいう、滅法強いメチャクチャ強い謎の人物。“魔人”と言ってよいでしょう。主人公は外様の浪人の立場、味方の理解も協力も乏しい状態で敵と戦わねばならないのだけど、相手はこの恐るべき“魔人”、しかも主人公にとっては個人的な恨みを持つ宿敵でもあるもんだから、主人公の姿勢にも鬼気迫るものがみなぎってくる。そしてついに二人が相まみえるクライマックスの死闘!! 虚無感あふれるラストまで目が離せない、とにかく凄まじい作品です。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2013-04-12 00:17:25)
1922.  赤い影法師
木暮実千代姉のワキ毛が目に眩しい忍者映画。服部半蔵やら柳生十兵衛やら、時代劇超お馴染みキャラ続々登場の中で、「影」として生きる名もなき忍者母子の生き様が描かれます(しかしその母子に「名もなき行きずりの男」呼ばわりされてしまう服部半蔵。直後に写る近衛十四郎の珍妙な表情が余りにもナイスで笑っちゃう)。将軍家光の前で行われる剣術の御前試合、これが仰々しく開始される割には、柳生宗矩ら審判役が妙なところで「勝負あり」と試合を早々に止めてしまい、素人目にはわかりにくい達人の世界と言えばそうかも知れないけれど、やや茶番じみた試合。その勝者には将軍よいご褒美の剣が与えられるのだけど、剣を持ちかえる勝者が帰宅途中に何者かに襲われ、剣を折られて切っ先を盗まれる、という怪事件が起こる。犯人は例の「影」の母子。その狙いは? そして母子と、彼らを取り巻く者たち――母子と因縁深き服部半蔵、あるいは「影」との再勝負を望み彼らの跡を追う柳生十兵衛――との運命はいかに? ってなオハナシな訳ですが。「影」として生まれ、類まれな剣の腕を持ちながら表世界では光を浴びることもない忍者の青年が、表世界の剣士たちに戦いを挑んでいくあたり、ワクワクさせるものがありますし、大友柳太朗演じる柳生十兵衛のいかにも浮世離れした感じもいい味出してます(「これが火遁の術かあ」などとひたすら大声で独り言をつぶやく、変なヒト)。「影」の暗い運命を描きつつも、暗さよりは痛快さがまさった娯楽作品となっているのは、やはり筋立ての上手さでしょうか。そしてキャストの豪華さも。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-04-11 23:28:52)
1923.  怒りの河 《ネタバレ》 
ロック・ハドソンのツヤツヤした顔を見るにつけ、このヒトは一体何しに出てきたんだろう、と本筋でない部分が妙に気になっちゃうのですが、「二枚目」という言葉の語源を思い起こすと、それなりに納得しちゃったりもするのです(それにしてもこの役、時々「あ、アンタいたの」と思うくらいに存在が薄い)。さて本作、邦題が仰々しくて何やら復讐譚を思い起こさせますが、さにあらず。開拓民のオハナシで、特に後半の展開は、村に食糧を届ける一行の冒険物語、追手との戦いあり、仲間の裏切りありで、さらにはふんだんなロケ撮影による雄大な大自然の光景もあって、なかなかに楽しい作品ではあるのですが。ただ、ジェームズ・スチュアート演じる主人公が、作品の冒頭と最後にちょっと意外な側面を見せてこれが作品のミソとなっているものの、それ以外の点ではいささか平凡な優等生の座に収まっちゃってて、特徴があまり出ていない(上述のロック・ハドソン程ではないけれどね)。アーサー・ケネディとの関係も、本当はもっとダイナミックに描かれてしかるべきかと思うのだけど。そういった辺りの“薄さ”が祟り、J・スチュアートが裏切られ、取り残されようとするシーンで、いくら彼が仁王立ちになってみせてもあまり「コワさ」が無いのが、ちと残念。邦題の由来もこのクライマックスの展開にあるのだろうし、実際、最終的には結構盛り上げてくれますが……。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-04-07 00:46:50)
1924.  キラー・エリート(2011)
冒頭の派手なアクションから、これは節操なく暴れまわるドンパチ映画なんだろう、と思っていると、物語のテーマ自体は結構、地味だったりするのです。何しろ、主人公が依頼されるのは「事故に見せかけた暗殺」、ですから、派手にやりようが無い……ハズなんですけどねえ。だから、その暗殺の過程を地味でも着実に見せていけば、面白い映画になる……ハズなんですけどねえ。どうしてもこの作品、派手な方向に向かおうとして、結局は大味な作品になっちゃう。まず主人公の人物像、いったいどう描きたいのか、あるいは何も描きたくないのか。思わせぶりに寡黙で、冒頭のエピソードも意味ありげで、影のあるキャラなのかと思いきや、普通に彼女がいて、デ・ニーロとの友情にも恵まれていて、何の不足もないやんか。何のドラマも内包しない、たいして面白みのない人物像のくせに、顔だけは何やら思わせぶりにムツカシイ顔している。物語の方も、中身より外観の派手さの方に向かい、暗殺劇は抗争劇へと様相を変えるも、これまた、敵の組織がとても精鋭とは思えぬトロ臭い感じ、ワクワク感には程遠いのです。しっかりしてくれぃ。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2013-04-06 23:07:47)(良:3票)
1925.  オデッサ・ファイル
ごめん、乱読してた頃に読んだとは言え、驚く程記憶から飛んでしまってる、フォーサイスの原作。勢いで書いた「ジャッカルの日」の面白さ、特に後半の、ターゲットに迫り来るジャッカルと、加速度的に拡がる捜査網と息詰まる追跡劇は、映画も大いに楽しめたとは言え、興奮度では小説が数段上。と言う訳で期待して読んだこの第2作「オデッサ・ファイル」、某大な取材に基づく労作みたいだけど、肝心のストーリーが、地味といか行き当たりばったりと言うか(ということを本をパラパラめくって思い出す。ごめん、やっぱり内容を殆ど憶えていない事も確認される)。このたび、映画は初めて観ました。ははは、何だか小説よりなお若干、地味ですなあ。などと、小説の中身を殆ど忘れていた自分が言うのもナンですが。主人公のキャラクター自体が特徴が乏しくて地味。そんな主人公が、なぜこんな危険に飛び込むのかもピンと来なければ、なぜこうも危険な任務をスイスイこなすのかもピンと来ない。巨悪に挑む割にはユルい展開にも思えてしまって。なお、前者の「動機」については、最後にある真相が明かされ、小説として読む場合にはそういう「思わぬ真相」も仕掛けとして楽しめたりするけれど、映画でコレをそのままラストでやられると、ちょっとガクッときてしまう。何しろ、そこまで映画を通じて行ってきた「描写」を、「言葉」によって再度意味づけしようってんだから…。すみません、小説版はイマイチ、映画版はバカ正直で小説の欠点を補う工夫が無い。というのが私の感想です。 大御所が担当する音楽も、スバラシイまでにヘンテコでした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-04-06 15:21:50)(良:1票)
1926.  守護神
中盤に続く訓練の場面を見ていると、かつて『愛と青春の旅だち』なんていう映画があったなあ、なんて想い出して、ルイス・ゴセット・ジュニア演じる鬼教官が、これが実に鬼なんだけれども、最後の敬礼の場面、この人物をこの人物のまま異なる角度から見せられることで、人物像にアッと驚く立体感が出て、存在感を見せつける。あるいは『ハートブレイク・リッジ/~』で最初から存在感出しまくりのイーストウッドなんかもいたっけか。ってな感じで他の映画と比べて、どうこう難癖つけるのはまるで「アレと同じ映画をもう一本作れ」と言ってるようなもんで理不尽なんだけど、それでも敢えて言うと、どうしてこの作品のケヴィン・コスナーは、こうも存在感が薄いんだろうかねえ。影あり訳ありキャラという“設定”ばかり先行してるけど、描写を通じて伝わってくるものが少なく、金魚君ならずとも、このヒトがどういう人なのかピンと来ない。ただしそこはケヴィン・コスナー、どこか「イイ人」感を漂わせてしまっているので、我々を差し置いて金魚君が彼になびいてしまうのも時間の問題。金魚君が批判者としての立場を放棄してしまっては、もはや我々には主人公の人物像に近付く手段もなく、ただ、スペクタクルとしての作品を楽しむことしか残されていない。しかしそれもまた良し。過酷な救命の現場では、誰もが助かる訳じゃない、いやむしろ、助からない方が当たり前かも知れず、時には助かる者と助からない者の選択を人間が行わなければならない、非情の世界。あまり人間像に踏み込むよりも、誰が死ぬの、誰が生き残るの、と割り切ってスペクタクル映像を楽しめれば、よろしいのではないですかね。ただ、せめて、もう少し「一般人の知らない災害救助の現場」としてのディテールがあってもよかったんじゃないかな、とも。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-04-06 14:12:44)
1927.  ロボット
人間の持ちうるイマジネーションの極限世界、ここまで来ると感動的、いやそれ以上。尊敬します。「バカバカしさ」の限界を突破したその先に待ち受ける未知の領域を目にした瞬間、人間って、涙が出るんですよ、ホントに。参りました。思えば、CG技術の発達って、「実写かCGかわからない」というリアリティを追及してきた訳ですが、それって、スケール小さいなあ、と。この映画では、「実写のワケがない」まさにこの世のものではあり得ないモノだからこそ、CGで描く。人間の想像力を可視化するための手段としてCGがあるというより、これはもう、CG技術と人間の想像力との対決、デスマッチですね。本当にいいもん見させていただきました。そうそう、「フィボナッチ数列なんてエクセルか何かで簡単に求められるやろ(ってか、よくそんな大きな数字憶えてるな)」とか、「最大の素数が存在しないことは、遠い遠い昔にユークリッドが証明してるやろ」とか、ヤボな事は言いっこなしですね(←そういうオマエが言ってるやないか、というツッコミも、無しですよ)。
[DVD(字幕)] 10点(2013-04-06 12:48:15)
1928.  エラゴン/遺志を継ぐ者
火を吐くドラゴンにまたがって戦って…という、お約束系ファンタジー映画。ドラゴンのCGの質感が素晴らしく、さらに人間がドラゴンに触ったり乗ったりと、本当に特撮がよく出来ています。だけど、特に後半、異常にサクサクと物語が進むあまりにもセッカチな展開(皆さんおっしゃられているように、このまるでダイジェスト版を観ているかのような、展開の早さ、タメの無さ、尋常じゃないです)、こちらの気分は到底このペースについていけません。ラストはまるで続編を作る気満々のような終わり方、そう思うと何だか、主人公のお兄ちゃんの笑顔の裏にも「続編作ってくれるかな。続編でも僕を出演させてくれるかな」みたいな期待感が透けて見えた気がしてきて(そりゃもちろん気のせいでしょうけど)、なんだかセツない気分になってくるなあ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-03-28 22:28:03)(良:1票)
1929.  追想(1975)
舞台は第2次大戦、占領下のフランス。フィリップ・ノワレ演じる医者は、占領国になびく訳でもなく、さりとて過激なレジスタンス活動をする訳でもなく、あくまで医者という立場でヒューマニズムを貫いている。街にはドイツ兵が溢れ、不穏な空気が漂っており、医者という立場上、日々、人々の死を前にしているものの、家に帰れば妻子が待つ優しい父親でもある。しかしその彼にも、容赦なく戦争の牙が襲いかかる。疎開させた妻子に会いに向った彼は、惨殺された村人たち、そして彼の妻子の遺体をそこに見出すことになる。彼は散弾銃を手にし、妻子を殺害したドイツ兵たちへの復讐を開始する――という、なかなかに刺激的なオハナシ。妻子の遺体を目撃し、嗚咽をかみ殺すシーン、そして殺戮を前にしていながら助けの手を差し伸べようとしなかった神に決別しキリスト像を破壊するシーン。これらにおいて感情を発露させた後は、映画は主人公の感情を押し殺し、ただ淡々とゲリラ活動に打ち込む姿を描く。後半は、そのたった一人の戦いと、ふとした時によぎる過去の記憶が、交互に、容赦なくぶつかりあうように描かれていく。過去に向けられた血のにじむ傷口をさらしながら、今を生きるしかない。主人公の感情を殊更に描かなくとも、何もかもが過去へと繋がり、苦しみへと繋がる今、ひたすらに描かれる主人公の復讐する姿、そのディテールの描写が、胸に突き刺さる。―――ところで、ここで突然、どうでもいい話ですが、①上記の主人公嗚咽のシーン、「司令部に連絡しろ」と言われたドイツ兵が、日本語で「スミマセン!」と叫んだように聞こえたのですが、空耳ですかね? ②ラスト近く、水責めにあうドイツ兵が、日本語で「タスケテ!」と叫んだような気がしたのですが、やっぱり空耳ですかね?
[DVD(字幕)] 10点(2013-03-24 00:55:25)
1930.  追想(1956) 《ネタバレ》 
アナスタシア生存伝説に基づくオハナシ。アナスタシアとしてデッチ上げられる女性をイングリッド・バーグマンが演じ、2度目のアカデミー主演女優賞を受賞。彼女はデッチ上げられたニセモノに過ぎないのか、それとも嘘から出た誠、本物のアナスタシアが発見されたのか。そして彼女を利用しただけの筈なのに心が揺れ動くユル・ブリンナー。ロマンスあり、サスペンスありで、楽しめる作品なのです。クライマックスとも言うべき、皇太后との謁見の場面。皇太后は彼女がアナスタシアであることを信じず、「演技」だと罵るのですが……そりゃそうでしょう、何しろ、「映画」ですから、もちろん演技です。もちろん彼女はアナスタシアでは無く、イングリッド・バーグマンですから。はい、これは、とんでもなく時代を先取りしたかも知れない、とってもメタなシーンですよ。「あなた、それ、演技でしょ」なんて、一種の禁句。かつて元横綱・双羽黒の北尾光司がプロレスのリングで相手に「この八百長野郎!」と叫んで追放された、アレと同じくらいの禁句です。それに対し、バーグマンは「これは演技ではない」という演技をしなければならない訳ですが……実は我々の方こそが、「演技」というものをどう捉えるか、を問われているのやも知れないのです。ラストの顛末が、主演2人の「演技」によってではなく、彼らがそっと退場することによって示されるのもまた、シャレていると同時に、賢明で無難な選択と言えるのかも。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-23 23:37:46)
1931.  悪名無敵 《ネタバレ》 
街で見かけた家出娘を案ずる朝吉と清次が、例によって例のごとくズブズブと首を突っ込んで、ついには売春組織へ戦いを挑む、というオハナシなのですが、奥が浅いのやら深いのやら、どうもつかみどころがないのです。何だか妙なオハナシ。朝吉が二人の女性を組織から逃がす一方で、清次は組織に捕まってしまい、リンチを受ける。ってか、普通なら清次は助からないところ。簀巻きに重しつけられて大阪湾に沈められるところでしょう。ところがその頃、朝吉親分は暢気に温泉につかってたりする。映画は清次の安否などそっちのけで進みますが、それもそのはず、清次は殺されるどころか、組織の一員にちゃっかり収まってたりする。だもんで、ついに朝吉と清次が再会を果たしても、「お互い、よくぞ生きていた」みたいな感動も一切無いんですね。これじゃ何のために清次のリンチシーンを描いたのやら、さっぱりわからない。売春組織に関わる女親分役の藤村志保、朝吉に微妙な感情を示す場面はあるものの、まったくデリカシーの無い朝吉は、大暴れに暴れて組織に制裁を加え、女親分にも制裁を加え、物語を単なる勧善懲悪へと変えてしまいます。これじゃ一体、何のために女親分を「ちょっと訳ありキャラ」に描いて見せたのやら。朝吉の驚くべき単細胞ぶりが、あらゆる物語の伏線を破壊しつくす、身もフタもない変テコな作品でした。うん、確かにコレ、“無敵”には違いない。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-03-21 23:26:12)
1932.  星空の用心棒
無実の罪でタイホされ奴隷となっていた(?)ジュリアーノ・ジェンマ扮する主人公が、脱走し、父の敵をうつ。というオハナシ、らしいのだけど、なーんだか行き当たりばったりの展開、基本的に結果オーライ、なもんで、“将軍”でなくともつい「何がしたいんじゃアホ」と言いたくなる。しょーもないところではちゃんと危機を予見して手を打ってたりするんだけど、でも、「後で自分がリンチにあう」ことを予見して、本当にそのまんまリンチにあって、得意そうな顔されても、なあ。主人公が何をしたいのか(一体自分の行動のどこに勝算を感じているのか)よくわからないので、よくわからないままオハナシは進行するけれど、ラストは唐突に大銃撃戦となって、そこそこ盛り上がります。  【2013/3/20追記】明日あたり一部地域でテレビで放送するみたいなので(笑)何となく再見したのですが、この映画、絶対カッチョよいですよね。大胆なロングショットと言い、絞首刑の前の緊迫感からいきなり銃撃戦に流れ込むクライマックスと言い(ジェンマが酒場に飛び込んで敵2人を撃ち倒すシーンのカメラは表彰モノ。遠方の敵を隙間から狙うシーンもシビレます)。なのにこの映画、どうしてもうひとつ盛り上がらないんでしょうね。多分、敵が多すぎるんですね。登場人物、一部を除いて敵ばっかし。あと、父を殺され自らも無実の身で囚われていた、という設定と、その後の主人公の軽すぎる行動とのギャップが、映画の最後まで全く埋まる気配が無い、というのも、ちょっとついていけない点ではあります。ま、とりあえずカッチョ良さには事欠かない映画、6点→7点に変更させていただきました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-03-20 11:59:01)
1933.  カッコーの巣の上で
冒頭の音楽からして、ノコギリと思しき楽器が奏でるメロディの背景にグラスハープと思しき音色が走り、ユーモラスながら不安も誘う、ヒト癖ある幕開けではありますが。映画自体はむしろ、やや単純な図式が目立ってしまっていて、拍子抜け。「抑圧」「反発」「自由」「挫折」という、アリガチなキーワードが配置された骨組、そのまんま、という感じ。精神病院の実態を克明に描こうとかいう作品でもなく(大熊一夫の「ルポ・精神病棟」でも読んだ方が、とりあえず衝撃は味わえます)、この映画で描いている“精神病院”は、社会の縮図、象徴としての場。そこに、あの「多数決」のくだりのような見え透いたエピソードが挿入されると、ちょっと辟易してしまいます。この映画のジャック・ニコルソンに感動するとしたら、それは、映画が描く「管理」だけではなく、この映画自体が「管理的」な図式に則ってエピソードを組み込んでくる中において、「自由」と言うものをオレが体現してやろうとばかりに、ひたすらハメを外し映画の枠を壊そうとし続けるところ、にあるのではないでしょうか。であるならば(多分違うけど)、こんなラストは願い下げ。スタインベックの「二十日鼠と人間」のパロディのような、いかにも仕組まれたラストは願い下げ。ここで流れる、「はいここは感動する場面ですよ」と言わんばかりのヌルい音楽も鼻につきます。せっかく、この特殊な舞台の中で登場人物たちをこれだけ活き活きと描き、よっていくつかのエピソードもまた活き活きと描かれていたのに、映画全体に関して言うと、どうにも計算高さのようなものに伴う「手加減」を感じてしまうのですが……。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-03-17 16:37:53)
1934.  戦闘機対戦車<TVM>
関西地区ではかつてサンテレビで繰り返し放送してたよ。でもあんまりにもあんまりな邦題に自分でも萎えていたのやら、なぜかいつも前半を見逃して、後半ばかり何度も観てたよ。だから今回初めて最初から観たので、ようやく、戦闘機と戦車が何故戦っているのかわかったよ(というか、特に理由は無かったんだね)。でもこの作品、やっぱり最初から通して観るべき、観てよかった。何もない砂漠をひたすら逃げる、飛べなくなった戦闘機と、それを追う戦車。単純かつ異彩を放つ構図の中で、逃げる戦闘機の側でも二人のパイロットのやりとりがあれば、一方これを追う側の戦車を指揮する将軍の狂気に対比してドイツ兵が人間味をもって描かれて、ドラマを膨らませてみたり(ただし将軍以外の兵士はどう見てもアメリカ人にしか見えないのですが)。――ちょっと『激突!』の二番煎じみたいなところもある作品ですが、『激突!』よりドラマに厚みを持たせたのは、追跡劇にスピード感が無いからですかね(笑)――。逃げ続けた戦闘機が、クライマックスでついに戦車へ戦いを挑む訳ですが、それまではまさに一方向へ逃げ続けた戦闘機が、クルリと向きを変えて戦車へと向っていく、その“クルリ”がどれほどカッチョよいことか。単純なのに、いや単純ゆえにシビれるのです。
[DVD(字幕)] 8点(2013-03-17 08:51:45)
1935.  風と共に去りぬ 《ネタバレ》 
その昔、あまりの長さに辟易して、映画がようやく終わった時にはこの上ない安堵感に浸った(笑)記憶だけがあったのですが、これはこらえ性の無い自分が悪いんだろう、次に観たら楽しめるんじゃないか、と思っていた訳です。そう思いながらも敬遠し続けてきた訳です。で、久しぶりというよりは初心のつもりで今回観たのですが……初心どころか、ちょっと「昔の自分」に同情してしまいました、ハイ。いや、人物描写といい、壮大なスケール感といい、前半は間違い無く楽しめますよ。後半に入って物語の色合いが変わっても、しばらくは違和感が無い、のだけど……最後の1時間くらい、どうしてこうも投げやりなんですかねえ。とにかくギクシャクしていて、歯切れが悪い。レットと娘のロンドン行きのエピソードなんて、たったこれだけしか描写しないんなら、いっそ無い方がマシでしょう。娘の死に続くメラニーの死、ここも異様な程にメリハリが無く、一体どっちの死を悲しんでるシーンやら、と観てて苦笑すらしてしまいます。とにかく奇妙なまでに断片的で、ラストに至る肝心の場面で、スカーレットもレットも、その人物像が消し飛んでしまうのは、残念としか言いようがありません。結局、やたら長い映画のようでいて、実はこれでも尺が足りなかった、ということですかね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-03-17 08:15:11)
1936.  この愛のために撃て 《ネタバレ》 
巻き込まれ型サスペンス。主人公はどっちかというと冴えない感じのオッチャン看護師、ひょんなことから、臨月の妻を誘拐され、犯罪に巻き込まれていくのですが、緩急織り交ぜつつ短い尺の中で畳み掛けていくのが、なかなかのもの。アドレナリン注射イッパツで、こん睡状態の患者も一気に蘇り、映画全体にもアドレナリンが充満してフル回転。特に中盤の地下鉄構内での追跡劇が素晴らしく、そこでのオッチャン看護師の奮闘ぶりには、否が応でも引き込まれます。最後の付け足しのような後日談、一見蛇足のようですが、ラストの「もう自分たちには関係ない」と言わんばかりの主人公の笑顔が印象的で、蛇足どころか、やっぱりいいシーンなんですね、これが。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-15 19:34:07)(良:1票)
1937.  ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
大人から子供まで安心して楽しめるド変態映画。ってのはそうザラにはありませんよね。貴重です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-15 00:42:25)
1938.  素晴らしき哉、人生!(1946) 《ネタバレ》 
友人からの2万5千ドル(だっけ?)の融資の知らせ(セリフ)よりも、目の前に積まれた小銭の山(映像)の方が感動的、という、判り易い例ですね。しかしまた、天使からの「翼をありがとう」という“言葉”もまた、強い感動を呼ぶ訳で、今まで人々を当たり前のように助けてきた主人公が、人々に助けられ、天使に助けられ、その天使もまた「主人公がこの世に生を受け、いま、活きていることにより」、翼を手に入れることができました、今この瞬間にも助け合い、報い報われ合いが行われているのです、という、実に気の利いたオチ。天使が手助けしたのは、人生の価値を気付かせることだけであり、それで充分であった、というのミソ。ただ、握手した手を、まるで汚いものを触ってしまったかのように主人公に拭われるバイキン扱いのポッター氏、哀れ。このヒトだけは、「主人公のいない世界」では相当潤っていたようですね。主人公がこの世に復活(?)して残念でしたね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-10 09:30:10)(良:1票)
1939.  ハートブレイク・リッジ/勝利の戦場 《ネタバレ》 
邦題はスペクタクル作品を装ったようなサブタイトルがつけられており、そういう期待をもって観ると肩透かしですが、でもまあ、嘘でも無いかな(と配給会社の片棒を担ぐ)。歴戦を戦い抜き生き延びた猛者たる主人公も、今では、出世しそびれヤサグレてしまった老下士官。勲章は山ほどもらってるけれど、戦っているうちに軍の価値観が変わっちゃったんだから、しょうがない。当時の日本で言うところの、新人類。こんなヤツらには負けておれぬ、と軍のなかでは一本筋を通し続け、初老の割に強過ぎちゃうキャラなのが、観てて痛快に思える人もいれば、「クリント氏、何だかカワイくないぞ」と思える人もいるかも知れない。でも軍を離れれば何かと弱いところがあるのが、やっぱりこの主人公の愛すべきところ。自分の居場所は自分で何とか切り開く。お国のために戦うんじゃない、自分のために戦う。自分のために戦おうと思えば、周りに働きかけていくしかない訳で、ポンコツどもに囲まれていても、ポンコツ集団なりに何とか形になっていくもの。クライマックスでは突如、グレナダ侵攻という実戦に立ち向かうことになるのだけれど、あくまで皆、精鋭集団としてではなく、必死なポンコツ集団として戦いに臨み、小粒といえど勝利をおさめれば、ひと仕事終えた充実感がそこにはある。自分の居場所に対する実感がある。という、戦争スペクタクルなんぞではなくてこれはあくまで人間臭いドラマ。ただ、部下に戦死者が出てしまったことについて、もう少し丁寧な描き方が無かったものか、とは思うのですが…。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-10 08:49:14)(良:2票)
1940.  ウルトラマン怪獣大決戦
「TVの映画化」というより「TVを映画化」。テレビ放送を5本ほどかき集めて並べただけ、に限り無く近く、楽しめはしますが、昔すでにテレビ放送で楽しんだ人にとっては「懐かしい」以上のものではありません。ただ、まあ、バルタン2本立てにレッドキング2本立て、ある意味、豪華ですが(笑)。さて、この作品中に限らずテレビ放送でも時々あったことだけど(そして最近の映画作品では頻繁にあることなんだけど)、“ウルトラマンが喋るシーン”ってのがあって、どうもこれには違和感を感じて仕方が無い。ウルトラマンは知性を感じさせちゃいけないのです。人間たちが最新科学に基づく兵器によって怪獣と戦おうとするのに対し、ウルトラマンは進歩無く愚直に、いつもいつも徒手空拳。そもそも服すら着てないらしいし。ウリャッとかシュワッとかいう意味不明の奇声を発しつつ、くんずほぐれつの死闘をムダに展開した後で、いきなり光線を発して怪獣を仕留めるのは、一体何のタイミングに基づくものなのか。これはもう、昆虫が突然に予想できない動きをするのと同レベルですな。ウルトラマンはそこが良い。光の国から来た野生生物。だから、あんまり、喋って欲しくないのです。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-03-06 05:13:55)
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