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1.  ピカソ-天才の秘密
正直に言ってしまえば、キュービズムに走って以降のパブロ・ピカソの前衛絵画は全く理解出来ないし好きでも何でもなかった。しかし、本作の撮影に対し鷹揚な態度で全面協力したピカソの旺盛なサービス精神にはほとほと敬服した。と同時に好感度が一気に急上昇した。撮るのが鬼才クルーゾーなればこその全面協力と持ち上げたいところだが、矢張りここは創作現場にズカズカ乗り込んで来た本作スタッフの挑戦を余裕綽々で受けて立ったピカソの度量を褒めるべきだろう。具象から抽象への変移が刻一刻とフィルムに込められていくプロセスは、並みのフィクション映画なんぞ比較にならないくらいスリリングで面白い、余りに面白過ぎる。本物の映画監督が撮影した本物の芸術家ドキュメンタリーのマスターピースへ限りない敬意を込めて10点満点しかありえない!
[CS・衛星(字幕)] 10点(2007-05-25 04:09:59)
2.  あにいもうと(1953) 《ネタバレ》 
かつて1936年に木村荘十二監督によって「兄いもうと」の邦題で映画化された室生犀星の原作を名匠・成瀬がリメイク。味わいと完成度で旧作には惜しくも及ばないものの、こちらも実に素晴らしい。何より古き「日本の夏」の情景をここまで活写した作品はそうそう無い。表の往来に打ち水・井戸に吊るして冷やした果物・川辺で網を振るっての魚採り・壜入りラムネ・ふんどし一丁で川に泳ぐ子供ら・日傘・かき氷・もんがパクつくアイスキャンデー…etc。元来ストーリーに拘りのない成瀬は伊之ともんのいかにも新派好みな兄妹愛場面を極力省略し、愛憎劇の舞台たる(今は失われた自然豊かな)多摩川沿いの状況描写を優先させた。結果として劇的な昂揚感(ドラマツルギー)は著しく減退したが、うだるような夏の情景はしっかりとフィルムに込められることとなった。その是非は観る者の判断に委ねたい。俳優アンサンブルとしては母りき役の浦辺粂子が矢張り絶品。ダメダメな夫・息子・娘を欠点込みで丸ごと愛する包容力を誇張の無い全身の演技で見せる上手さときたら溜め息が出そうな程だ。気の弱そうな大学生・小畑を演じた船越英二の飄々とした個性も実に良かった。森雅之はウマイことはウマイけど、余りに作り過ぎた役柄なのが些かハナについたので若干減点。木村版の丸山定夫が見せたブルーカラー丸出しの石工職人ぶりには及ばず。
[ビデオ(邦画)] 8点(2006-04-23 01:43:31)(良:1票)
3.  ジャイアンツ 《ネタバレ》 
本作でジョージ・スティーヴンスが見せる悠々たる大河ドラマ演出に、昨今の●HK大河ドラマ制作スタッフは括目せよ!と声を大にして言いたい。二流の大根アクターに過ぎないロック・ハドソンが(ジョーダン役で)かくも輝きえたのはスティーヴンスの非凡なディレクションの賜物である。彼(ハドソン)が後にAIDS感染をカミングアウトして死去するまで本作以外コレといった代表作も名作も無いのが何よりの証拠!レズリー役のリズ・孤独な牧童ジェット役のジミーとも持ち味を遺憾無くフルに発揮しており、キャストのアンサンブルも(前半は)ほぼ完璧と言えよう。難点は…強いて挙げるとすれば、後半の主役3人は(チャチい)老けメイクではなくて年齢相応な熟年俳優でダブルキャスティングにしてくれてたならなぁ。文句無し10点満点だったんだけど。あと、ジェットの当て馬にされるキーパーソンにしてはラズ二世役にキャロル・ベイカーじゃチト弱いってか荷が重い。2点マイナス。余談ながら個人的に作中で最も印象的な場面は、幼いラズ二世がペドロと名付け可愛がっていた七面鳥がクリスマスで丸焼きターキーと変わり果てたのを見て「これがペドロ?」と泣きじゃくるトコロ。ジェットがオイルにまみれながら石油を掘り当てるシーンとか他にも名場面には事欠かない本作で何故選りに選ってそのどうでもいいシーン??とお思いでしょうが、本人にも何故かはよく分からない。とにかく強烈に印象に残ってしまったんだから仕方ないとですw。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-15 01:53:33)
4.  大江戸五人男 《ネタバレ》 
松竹が30周年記念に制作したオールスター時代劇の決定版。この年の邦画興行収入1位を記録する大ヒットだったらしい。何と言っても役者の存在感が圧倒的!しかも名匠・伊藤大輔の的確なディレクションぶりはメリハリが利いており、主役級に止まらずちょっとした端役に至るまで実に活き活きとした見せ場が各々に提示されている。それでいてテンポは些かも澱むことなく快調そのものなのだから、面白くならないハズがない。阪妻扮する長兵衛が江戸の泰平を願い自らの生命を犠牲にして狼藉三昧の旗本・白柄組を(喧嘩両成敗で)壊滅に追い込むメインストーリーに「番町皿屋敷」誕生秘話までも絡め見応え充分。役者では阪妻や右太衛門も勿論イイが、個人的には権八役の高橋貞二、近藤役の三島雅夫、大久保彦左衛門役の山本礼三郎が出色の好演だったと思う。昨今の●HK大河ドラマ等を思えば、平成の世ではもはや再現不可能な”本物の役者による本物の時代劇”の稀少価値に…8点!
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-02-25 01:10:37)
5.  渚にて 《ネタバレ》 
核戦争の行く末を描くにあたり、グロい過剰なリアリズムに走らず役者の演技で勝負とばかりにエラく上品に仕上げた辺りは”制作費節減”の意味も相俟ってプロデューサー兼監督のスタンリー・クレイマーってやっぱ相当に「したたか」ですねぇw。恐らく阿鼻叫喚の地獄絵なんてヒロシマ・ナガサキに関わった者にしか当時では想像できなかったのでしょう。しかし、もし中性子爆弾や細菌兵器が使用されたと仮定すれば、あの異様な迄の静謐さも若干の説得力を持ってくるような気もします(ま、死体がナッシングてのはどっちにしてもヘンではありますが)。謎の無電とコカコーラのオチはいっそラストに持ってきて、ブラックかつ皮肉な締め括りにした方がグッと面白くなったと思うけどなぁ。
[DVD(字幕)] 7点(2005-12-01 00:35:20)
6.  東京暗黒街・竹の家
ヌーヴェル・ヴァーグ関係者&信者は必見!何と言っても鬼才フラーの最高(に奇天烈な)ケッサクですからw。1955年当時の(胡散臭い)日本風俗描写は「戦後」というタームが風化しつつある現在、ドキュメンタリーとしても貴重と云えるでしょう(ウソウソ)。にしても、早川雪洲は何で洋画に出演するとワザとらしい日系二世風の”ニホンゴ”をしゃべるのでありましょうか。
[ビデオ(字幕)] 3点(2005-11-11 04:18:12)
7.  戦艦シュペー号の最後 《ネタバレ》 
パウエル&プレスバーガーコンビが戦争映画を撮るとかくも異色のタッチになる、という格好の見本。「眼下の敵」に先立つ高潔かつ人間味溢れるドイツ軍人を描き抜いた逸品としても史料的価値は計り知れない。余談だが、「某機動戦士」アニメで主人公らの母艦が中立地帯であるサイド6へ逃げ込み厄介もの扱いされる場面があるが、富野カントクは意外に本作を手本にしてたりして(CNNぽい実況が入る辺りも)w。個人的にはモンテビデオ港内でのウルグアイ政府と英仏独公使との政治的な駆け引きも面白いと思ったが、やはり海軍の協力の下に撮られた本物の戦艦による艦隊戦場面が出色の出来で特に印象深い。破壊力と射程の長さでロングレンジ戦の方が有利なはずのグラフ・シュペーが何故3隻の巡洋艦に接近戦を挑んできたのか?作中では英海軍側からの一方的描写となるため、ラングスドルフの意図がハーウッド提督と同様に観ているこちらにも全く読めず、シュペー内に収容された捕虜の英船員らと共に「海戦やってるらしいが、何が何だかよく分からん」という焦燥感を同じくすることができる。エクセターの大破&離脱シーンも実にスリリング!ラストのオチも下手なカントクなら玉砕覚悟の特攻をかける、みたいな安っぽい”滅びの美学”に走っただろうが、流石にこのコンビは一味も二味も格が違う。イヤ堪能しました。これでラングスドルフをドイツ人男優に演じさせてたら、文句ナシに10点だったんだけどなぁ(いやピーター・フィンチも良かったけどね)。そこだけチョット減点。でもオススメ!
[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-09-09 13:49:23)
8.  日蓮と蒙古大襲来 《ネタバレ》 
日蓮宗に帰依なさっている方にはさぞかし有り難くも素晴らしい「開祖・日蓮上人マンセー」な内容なのでしょうが、生憎と私は帰依してないもので余りの荒唐無稽さにハッキリ言って笑っちゃいました。ま、戦前・戦中の日本なら「神風伝説」と教え習わせていただけに納得!の展開なのでしょうけど。今となっては「神風」でもなければ、本作みたいに日蓮上人が法華経の御利益で吹かせた訳でも何でもなく、たまたま台風シーズン真っ只中に蒙古が船団で来襲して被害に(ご丁寧に二回も)逢ったのが真相てのは歴史上のイパーン常識っすからw。戦前に公開してれば絶賛の嵐になってたかもナンチャッテ(駄洒落かよ)。
5点(2005-01-28 01:57:40)
9.  水爆と深海の怪物 《ネタバレ》 
桑港(サンフランシスコ)を襲撃し、金門橋にニョロニョロ絡み付く六本足(!)の巨大タコ入道はハリーハウゼンの造形も相俟って確かに圧巻ではありますが…。だが、そこに至るまでにはアメリカ軍人と女性科学者との(ハッキリ言ってどうでもいいような)大甘ラブロマンスを延々と耐え忍ばねばならない、という厳しい試練が待ち受けています。せっかちな方にはリモコン”早送り”機能の甘い誘惑という二重の試練。私は耐えた、ええ耐えましたとも!まぁ同じタコ映画でも「テンタクルズ」や「オクトパス」に比べりゃ遥かに秀逸な出来であるコトは確かですが、比較対象が余りに非道いので何か本作が物凄く素晴らしく見える‥という錯覚に陥っているだけかも。ふと我に返って冷静に6点。
6点(2005-01-20 02:12:45)
10.  恐怖の土曜日 《ネタバレ》 
リチャード・フライシャーという職人監督の良い面と悪い面が複雑に交錯しており、何とも評価に苦しむ犯罪劇。悪い面から先に書くが、町の住人達の”どいつもこいつも何か変なヤツ”っぷりをエピソード羅列してゆく作劇方法が余りウマくない。ってか冗長。特にリチャード・イーガンのヘタレな二代目ボンボンには大いに辟易した。それでいて特にストーリーのメインには絡まないってんだから尚更だ。映画の尺を稼ぐ水増し?としか思えない。折角の盗癖持ちのオバハンにシルヴィア・シドニーを振っているのもてんで効果的に活かしきれていない。勿体無いったら…!ココまででマイナス5点くらいの勢い。が、しかーーーし!一転してリー・マーヴィンら強盗一味がヴィクター・マチュアを拉致し、銀行を襲撃するシークエンスからの馬力が凄まじい。この監督、バイオレンス場面になるや正に「水を得た魚」の如き出色のパンチ力を発揮するのが持ち味。中でも女子供も容赦なく撃つマーヴィンの凶暴さが際立っている。拉致され郊外の農場で納屋に拘禁されていたマチュアとアーミッシュ農夫一家が見張りを倒して脱出しようとする所へ強盗一味が戻ってきてからの篭城戦がコレまた凄まじい!マチュアのショットガンを至近距離からモロに食らって強盗一味の二人が思いっきり後ろへ吹っ飛ぶのだが、あんな派手な射殺場面はチョット類を見ない。ボーグナインにアーミッシュ役てのはタチの悪いジョークにしか思えなかったが、背後から無言のまま忍び寄りマーヴィンを熊手で刺し殺すクライマックスで思わず納得!!後半で一気に巻き返して8点か?と思わせたが、ラストで又もやイーガン君が登場して腰砕けな上にマチュアが少年たちのヒーロー然としてニッコリでしめくくられた分、腹が立つのでマイナスして結局は7点~!!
7点(2005-01-17 03:42:39)
11.  雨に唄えば 《ネタバレ》 
MGMミュージカル数ある中でも抜群の知名度を誇る本作、確かに楽しくて歌と踊りも存分に盛り込まれ飽きさせない見事な作りなのは認める。ただ、個人的にどうしても気に入らないのが「サイレント<トーキー」といういかにも図式的なシナリオの安直さ。確かにリーナみたいに悪声で自滅したジョン・ギルバートのような実例もあるにはあるだろうが、サイレントへのリスペクトにチト欠け過ぎてやしませんか??チャップリンがトーキーの移行へ徹底的に抵抗した矜持とはいったい何だったのか、本作スタッフは恐らく全く理解していない。トーキー延いてはミュージカルというジャンルの「明るい未来」を余りにオプティミスティック(楽観的)に捉えているスタッフの過信(もしくは自惚れ)が無意識の内に作中に滲み出たのだとは思う。が、この論法でいくならばサイレント期の作品&スタッフ&役者は語るに価しない代物というコトになる。コレだけは絶対に!容認し難い。この論法を受け入れてしまっては今までの自分の映画観そのものを全否定することになるから。それと、ジーン・ケリーが不世出のダンサーであることに異論は無いが、タップ&ダンスのエレガンス(洗練)でアステアには残念ながら及ばないと思う。併せて2点マイナス。何か酷評しているように思われるかもしれないが、ハッキリ言いたいコトを指摘しただけで本作が好きであることは大多数の高評価の皆さんと同じなので誤解しないで欲しい。
8点(2004-12-03 23:06:12)(良:1票)
12.  愛と希望の街(1959) 《ネタバレ》 
先ず、何と言っても京子役の富永ユキがとても女子高生とは思えないオバサン顔で吃驚(ビクーリ)。おまけに凄い大根だし。テーマも「ブルジョワの偽善を断固糾弾する!」的な学生運動っぽい図式が余りに露骨ってか陳腐に過ぎて些かハナにつく。千之赫子の女教師もナァ…教え子の就職斡旋と恋愛を公私混同して渡辺文雄を振ってしまうくだりは逆ギレもとい逆恨みにしか見えず、全く同情できない。あと、真鍋理一郎の音楽は何だか特撮怪獣モノみたいな“おどろおどろしさ”で、能天気な邦題ともども凄まじくミスマッチ!!いろんな意味で「フッ若いな、大島…」と思わせずにはいられない大島渚のホロ苦いデビュー作に‥6点。ま、御本人も松竹の仕打ちには納得してないらしいし、こんなモンでしょ?悪いけど。
6点(2004-11-30 01:54:45)
13.  探偵物語(1951) 《ネタバレ》 
ワイラーの演出の卓抜さが堪能できる刑事ドラマの傑作。開巻を飾るキャスト&スタッフ・クレジットにおけるリー・ガームスのカメラワークが先ず見事。大都会NYを高空ショットで捉えつつ、徐々に絞り込み舞台となる21分署へと至る流麗な鳥瞰撮影の妙で観る者をグッと画面に引き込んでゆく。次いで慌しく引っ切り無しに署内を出入りする登場人物たちの紹介となるが、ほんの端役(被害妄想の婆さん等)に至るまで人物へのスポットの当て方が実に秀逸。凡庸な監督なら焦って主役のカーク・ダグラス扮するマクラウド刑事をこれ見よがしにトップで登場させるだろうが、ワイラーは先ず脇を固める署長や同僚の刑事たちを、万引き女を、猥雑な生活感に満ちた取り調べ室の屋内状況を、矢継ぎ早のショットの積み重ねの中で確実に描写し、観る者に情報を”映像”で提供する。その的確さ、構図の上手さには全く無駄やムラがなく毎度ながら感心させられる。こうした一連の描写の中に細かい伏線を同時に数多く張り巡らせているコトもワイラーの非凡さを実感させるポイント。並みのヘボ監督との相違点はそれだけではない。その最たるトコロは俳優の過剰演技を徹底的に制御するコントロールの見事さにある。カーク・ダグラスの稀に見る力演も一歩間違えば鼻につくオーバーアクトになりかねない諸刃の剣だが、上手く劇中に活かしきっている。自らの”イントレランス”で愛する妻を完全に失うマクラウドの哀愁と苦悩が画面から痛いほど伝わってくる。こうした俳優アンサンブルが見事にハーモニーを奏でるか否かに演出の力量が問われるが、そういった意味でワイラーのディレクションには決して破綻が無い。出演者では矢張り、万引き女役のリー・グラントと強盗犯チャーリィ役のジョセフ・ワイズマンが舞台版に引き続きの当たり役だけに実~にウマイ、ウマ過ぎる。殊にグラントは極端なわざとらしいコメディ演技に走らず、何ともトボけた味わい深さで絶賛も納得。そうそう、ワイラー名物の”階段”は当然、人物の出入りの際に印象的な効果を発揮していたことも言い添えておかないと。とにかく文句無し10点満点!!
10点(2004-11-12 19:28:34)(良:4票)
14.  勝利への潜航 《ネタバレ》 
誰が言ったか「潜水艦映画にハズレなし!」。しかしその名言も揺るがす本作の存在を御存知の方は恐らく少数かと思う。実際、アメリカ合衆国第40代大統領としては歴史に名を残したが、映画俳優としては遂に鳴かず飛ばずで終わったロナルド・レーガン主演、後に同大統領夫人となるも女優としてはチョット…なナンシー・デイヴィス共演という極めてカルトな珍品としての価値以上のモノを見出すのは難しい出来。冒頭と中盤にニミッツ提督本人が出演しているのも更に珍品度を高めている。彼(レーガン)の扮するアボット艦長が艦の安全を優先させ、一人の部下を見捨てて急速潜航させた為に副長や乗員たちから白い目で見られ良心の呵責に苦しむという辛気臭いストーリー、その重過ぎる設定に全くついていけないレーガンの大根役者っぷり、何にも増して非道いのが看護婦ヘレン役ナンシー・デイヴィスのイケてないにも程があるブ○さ加減!!トドメに御両人のラブラブなキスシーン!とくりゃ勝手にしなはれ~!てな気分にもなるわいな。ま、好奇心の旺盛な戦争映画好きなら話しのタネに一度は御覧あれ。
5点(2004-10-27 02:53:10)
15.  日本人の勲章 《ネタバレ》 
コレは意外な程に面白いジョン・スタージェスの佳作アクション。スペンサー・トレイシー扮する初老の男マクリーディがうら寂れた西部の片田舎ブラックロックに途中下車した途端、街中の人間から剥き出しの敵意と冷淡極まる応対で迎えられる導入部で早くもグッと画面に引き込まれる。どうやら街の者全てが何かを隠していて、余所者のマクリーディを早く厄介払いしたいらしい。一体ここで何があったのか?そしてマクリーディの目的と正体は??というミステリアスでサスペンスフルなミラード・カウフマンのシナリオが実に効いている。そして、この街の住人を演じる面子が兎に角、濃ゆーーーーーーい!余りに濃過ぎる!!街のボス、ロバート・ライアンを筆頭にリー・マービン、アーネスト・ボーグナイン、ウォルター・ブレナン、ディーン・ジャガーと、見てるだけでゲップがor鼻血が出そうな濃さ・シブさだ。さて、本作最大のクライマックスは意外や中盤に訪れる。ライアンと対峙したトレイシーが何気ない会話をしながら、いつしかライアンの病的な日本人への差別感情を暴き出す場面。始まりは静かな世間話に過ぎなかったが、「真珠湾」をキー・ワードに徐々にキレ始め、最後にはヒステリックに叫ぶライアンの姿で終わる会話に生まれる”静と動”の鮮やかなコントラスト。いかにも説明的な台詞やナレーション、字幕等に一切頼らず、最低限の会話のみから隠された真相を暗示させる高度な演出は見事だった。度重なるボーグナインの挑発にジッと耐えていたトレイシーが一転してボーグナインを”カラテ”でボコる場面にも矢張り”静と動”の対比が効いているのでカタルシスも一層高まる。昨今の映画はこういう静かな”タメ”の描写をおざなりにして、派手な見せ場(だけ)のパッチワークに成り果てているのが本作を見てもよく分かる。あと、難点は…紅一点アン・フランシス嬢が濃過ぎる面子の中でむっちゃ浮きまくっている(せめてバーバラ・スタンウィック姐御くらいじゃなきゃ弱い弱いw)コトと、オチが呆気なくて寧ろ中盤辺りよりもインパクトが弱いってか弱過ぎなコト。併せて2点マイナス。でもオススメ!
8点(2004-10-07 03:36:56)(良:3票)
16.  赤い風車 《ネタバレ》 
19世紀末に実在した仏人画家アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの波瀾の生涯をハリウッド風味で上品に仕立て上げたジョン・ヒューストン監督の伝記モノ映画。後期印象派に属し、今や巷に溢れる”宣伝ポスター”というものを創案した「イラストレーターの元祖」的存在、という評価が美術史上でのロートレックへの最も一般的な位置付けである。その画風は何とも猥雑で(良くも悪くも)人間の生きる姿を活写しているのが特徴だが、個人的にはどうにも好きになれないタイプ。本作でその彼に扮するはホセ・ファラー。カメレオン・アクターの称号はデ・ニーロやダニエル・デイ・ルイスの為だけにあるのではないコトが本作での彼の熱演を観れば実によく理解して頂けようかと思う。長身の彼が膝を折り曲げて僅か150cmの小男ロートレックを演じる姿には「役者バカ」という最大級の賛辞こそが相応しい。伯爵家に生まれながら不具者としてのコンプレックスと孤独に苛まれた彼がパリに出て根城に据えた一つが巴里名物のキャバレー「ムーランルージュ」(つまり邦題は店名のモロ直訳)。冒頭の踊り子たちが一斉にY字バランスをきめるシーンは圧巻だ。ここで酒をあおりつつ踊り子たちや酔っ払った客をひたすら描き続け、先述の”宣伝ポスター”へと繋がってゆく。しかし、皮肉にも”宣伝ポスター”をきっかけにして「ムーランルージュ」は彼の愛した”陽気で卑猥なバイタリティ”を失い「高級な紳士淑女の社交場」へと変貌してしまう。私生活でも娼婦マリーに捨てられた恋の痛手から、素直になれないばかりに掴みかけたミリアムとの恋までも失うことになるロートレック。まぁ実際のロートレックの私生活は酒と娼婦にまみれた、映画どころではない退廃ぶりだったのだが、ヒューストンのバランス感覚は過剰なリアリズムにまでは暴走しない。当時の検閲コードから考えても正解だろう。オズワルド・モリスの豊かな色彩に満ちたカメラワーク、ジョルジュ・オーリックによる主題歌「ムーランルージュの歌」も強く印象に残る。強いて言えば女優陣がホセの名演に拮抗しきれていない気が。コレット・マルシャンもシュザンヌ・フロンも勿論ザ・ザ・ガボールもだ。ココで遺憾ながら2点マイナス。
8点(2004-09-20 03:53:06)(良:2票)
17.  大怪獣バラン 《ネタバレ》 
先ず、最初に強く訴えたいのが主演カップルのイケてなさ!!余命いくばくもないような顔色の悪さがデフォルト装備の野村浩三もどうかと思うが、園田あゆみの不景気な顔は筆舌に尽くし難い!間違いなく歴代特撮映画ヒロイン中で最高のブ○だろう。この御両人を最後まで画面に観続けるのは最早拷問に等しい。ならばタイトルロールの大怪獣バラン君はどうか?コレが又何とも拍子抜けなヤツで「ゴジラ」のド派手な破壊活動を期待すると思いっきり肩透かしを喰う。何てったってやったコトと言ったら「村を荒らす」「海岸の倉庫を壊す」のみ!これ見よがしに皮膜を広げて空を飛ぶが、戦闘機と空中戦をするでもなく次の場面ではずっと海の中。何だかなぁ。最期も照明弾&時限装置付きのダイナマイトをパクッパクッと飲み込んで腹の中で爆発!でEND。いかに円谷英二御大の手に掛かろうとシナリオがこうもダメダメでは救いようがない。悪いが5点。
5点(2004-04-30 13:40:43)(笑:1票)
18.  アスファルト・ジャングル 《ネタバレ》 
ジョン・ヒューストンによる犯罪映画の佳作。周到に練られたハズの強盗計画が様々な思惑が絡み合った末に呆気なく水泡に帰す、というヒューストン十八番のストーリーがモノクロ画面の中、実に快調なテンポでスリリングに展開する。冒頭の面通し場面などは間違いなく「ユージュアル・サスペクツ」辺りに影響を与えていると思う。この手の作品は(仏のフィルム・ノワールも含め)枚挙に暇がないくらいに量産されて今日に至るが、詰まるトコロ名画のステイタスを獲得できた僅かな作品群に共通するのは描写の緻密さとキャラクターの活写である。本作を例に採れば、並みのカントクなら多彩な登場人物全員を捌くのは到底無理で精々ディックスとドク辺り止まりだっただろう。しかし流石はヒューストンだけあって弁護士エメリックや運転手ガス、金庫破りルイに競馬ノミ屋コビー、ハーディ署長に汚職警部補ディトリックに至るまで徹底的に人物像を掘り下げて物語に深みと厚みを加えることに成功している。ただ…漢(おとこ)を描くことには天下一品のヒューストンだが、女性を描くのは余り得意ではないようでドールとアンジェラは(役者のせいもあろうが)凡演。さしものモンローもこの時点では単なる添え物だ。ココが弱点と云えば弱点だが、元来が女性メインのストーリーではないので或る意味仕方が無いかも。場面的には宝石店襲撃シーンも勿論イイが、矢張りディックスがドクと交錯しつつボブを射殺する場面の鮮やかなショットが見事。原作はW・R・バーネットの同名小説だが、人物造形から何から映画の方が圧倒的に優秀。よって9点。
9点(2004-04-16 03:37:16)(良:1票)
19.  怪獣王ゴジラ 《ネタバレ》 
偉大なる54年版に新撮のアメリカパートを無理矢理ねじ込んだ正に「蛇足」な一作。こんなことしなきゃ当時は海外配収が見込めなかったのだろうか??核の脅威への警鐘という最も重要な部分が見事にアク抜きされて見る影も無し。まぁレイモンド・バー扮する新聞記者が替え玉(バレバレだ)と共演する滑稽な資料的価値のみに3点。
3点(2004-04-15 01:02:23)
20.  蝿男の逆襲 《ネタバレ》 
ハエ男のメイクだけはパワーアップしているが…こじつけの後付けストーリーは生憎と前作には遠く及ばない。しかもモノクロ低予算バレバレで如何にも安直な続編の典型。何か「物質電送機」ってハエと合体する為(だけ)の装置みたいだなぁ(笑)。本来の用途が完全にシカトされてるし。
5点(2004-03-24 13:25:48)
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