Menu
 > レビュワー
 > へちょちょ さんの口コミ一覧
へちょちょさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1395
性別 男性
自己紹介

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234567891011
投稿日付順1234567891011
変更日付順1234567891011
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  100挺のライフル 《ネタバレ》 
一言で評するならば「当時の”ブラック・パワー”に便乗した比較的予算多めのハリウッド製マカロニ」って感じ…かな。本場ハリウッドとしても席巻するマカロニ・ウエスタンに対抗すべく色々な策を弄して新味を出そうとしているが、安いスペインロケとか輪をかけたような残酷描写とか余計なマカロニ風味まで逆輸入してしまっているので残念ながら西部劇の復権には至らず。それと、主演の黒人俳優ジム・ブラウンは元アメフトの大スター選手だったのかもしれないが、現役時のスーパースターぶりを一切知らない私には「ガタイがイイだけで演技力にも魅力にも乏しい大根役者」としか映らない。それでも6点をつけているのは本作が「ラクエル・ウェルチという女優を実に正しく活用している」から。最大の見せ場は何といっても線路脇の給水タンクの下で生足剥き出しの裸ワイシャツ姿のままシャワーを浴びるシーン!だろう。当然スッパにはならないが、濡れて服が透けるため彼女のナイスバディが堪能できる。しかも悩殺された敵軍の列車をまんまと足止めさせた上で、振り向きざまに構えたショットガンで敵兵を次々に射殺するワイルドさ!コレに匹敵する正しい活用例は「恐竜100万年」での”ロアナの皮ビキニ”くらいじゃないか?しかし、クライマックスでは何の活躍場面も無いまま戦い済んだらいつの間にか彼女は戦死してました!と土壇場で詰めを誤っているのが惜しい。ブラウンとのベッドシーンもさほど魅力にはなっていないし(人種差別的な話題にはなったらしいが)。4点マイナスてことで。
[DVD(字幕)] 6点(2012-01-28 02:33:07)
2.  フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ 《ネタバレ》 
前作「フランケンシュタイン対地底怪獣」の姉妹編?的ポジションだが、前作よりも完成度が高い稀有な一例。成功の要因は幾つか有るが、何と言っても本多監督自身が馬淵薫と共に書き上げた渾身のシナリオであろう。とにかく極力ムダを省いた抜群のテンポで一気呵成にラストまで見せる物凄い馬力に圧倒される。第2にサンダとガイラを俳優に演じさせる愚を繰り返さず、(成田亨デザイン・利光貞三造形の)着ぐるみにしたこと!殊にガイラはスーツアクター中島春雄のパワフルな演技により出色の出来映え。海を目指して疾走する姿は従来の鈍重にノッソリ歩く東宝モンスターとは完全に一線を画していた。第3に皆さんご指摘のメーサー殺獣光線車による抜群の視覚効果。漲るハイテンションのL作戦シーンは伊福部昭の勇壮な「L作戦マーチ」の音響効果と相俟って屈指の名場面に仕上がっている。難点は…強いて挙げれば「ビアガーデンの女性歌手が歌うシーンの冗長さ」、「ラス・タンブリンのスチュワートがやや木偶の坊」と「終盤の海底火山噴火が唐突で不自然」辺りか。しかし満足度の高さで8点進呈。怪獣映画かくあるべし!
[DVD(邦画)] 8点(2010-02-21 02:48:27)
3.  座頭市地獄旅 《ネタバレ》 
名匠・伊藤大輔のシナリオなんだが、お種が実は…ってのはチト反則。そもそも近づきになるキッカケも、市からドロップキック(!)を食らって転落してきた藤岡琢也と子供(みき坊)が激突した偶然からであって、狙って意図的にという訳では無かったハズ。山本学の仇討ちやらラストの戸浦六宏一味との対決やら色々蛇足っぽく盛り込み過ぎて、肝心の成田三樹夫演じる十文字がやや描写不足。あと、お種が岩崎加根子じゃなくって、もっと色っぽい女優だったらなぁ…惜しい!でもタイトに引き締まった三隅演出はやっぱりイイ!!
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-06-26 05:07:03)
4.  ウエスタン 《ネタバレ》 
え~と、私の頭が悪いせいだとは思うんですが…。モートンにそそのかされてフランクを襲った手下共が返り討ちにされた後、フランクがリベンジせんと列車に戻るとゴロゴロ死体が転がっててモートンが水溜りの縁で這いつくばっていた状況が全く理解不能なんですけど…。ハーモニカかシャイアンの仕業ってコトなんすか?それとも仲間割れの同士討ち??もしやアルジェント先生がシナリオ(原案)を書いたのってこの辺なのかなぁ。だったらナットク(いやハナシとしては全然つながらないし不条理でちーとも納得できないんだけど)w。それとヤッパ165分は些か冗長っす。4点マイナスてコトで悪しからず。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-01-31 01:58:35)
5.  偉大な生涯の物語
ジョージ・スティーヴンスの演出にも風格があり、オールスター・キャストの顔触れも相当に賑やかなので思ったよりは楽しめたけど…いかんせん230分にも及ぶ上映時間は非キリスト教徒にとって余りに長い!「ベン・ハー」みたいにストーリー上のスパイスとしてイエスが絡む程度ならまぁ我慢できなくもないが、延々と出突っ張りの主人公だとチョット…。ヘストンのヨハネは今イチだったけど、デヴィッド・マッカラム扮する”イスカリオテのユダ”はイメージにピッタリ。シドーのキリスト役は…ムニャムニャw。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2005-12-22 02:25:28)
6.  オーシャンと十一人の仲間 《ネタバレ》 
「七人の愚連隊」でも書いたけど、もうこのダラダラ馴れ合いまくりの”シナトラ一家”ムードが生理的にどうにも受け付けません。それでも観たのは名匠マイルストンの鮮やかなディレクションぶりに期待したから。でも全然ダメ。テンポ悪いってか悪杉!マイルストン老いたり。大体が前半60分(11人揃うまで)が余りに冗長。まぁリチャード・コンテのエピはオチに関わるから仕方ないとして、他の香具師らの紹介なんざスパッと編集でカットできたんじゃ?そもそも11人て多過ぎなんだよ。しかもコンテ以外のメンバーって(シナトラ親分さえ!)特技をストーリーに活かす描写が皆無なもんだから、劇中で全くキャラが立ってないし(あ、ディーン・マーティンとサミー・デイヴィス・Jr.が能天気に歌うシーンはあったっけ…でも、ハッキリ言ってカナーリどうでもいいし)。良かったのは精々サントス役のシーザー・ロメロくらいかなぁ?DVD特典のアンジー・ディッキンソンとの対談でシナトラが「あの撮影は仲間内でメッチャ楽しかったよな」とか回想してたけど、「そりゃアンタらは楽しかったかもしれんが、観てるこっちはちっとも楽しくねーYo!」と言ってやりたかった。5点マイナスゥ!
[DVD(字幕)] 5点(2005-11-28 01:17:14)
7.  妖刀物語 花の吉原百人斬り 《ネタバレ》 
原作は河竹新七の歌舞伎「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」。廓を舞台にしたデスペレートな悲劇を内田吐夢が格調高く色彩鮮やかに描ききった傑作時代劇。次郎左衛門が花魁の八ツ橋に心底惚れ抜くキッカケが単に肉欲に溺れるのではなく、ほんの気まぐれから発した何気ない彼女の台詞「心の中にまで痣が~」だった、という依田義賢の脚本アレンジが何とも素晴らしい。ラストの村正を振るっての大立ち回りは千恵蔵の他を圧する風格あればこその名場面。時代劇の所作を重厚に演じきれる本物の役者が絶滅した今、その存在感は一層光芒を放つように思えてならない。昭和は遠くなりにけり、か…。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-10-29 03:28:53)
8.  妖女ゴーゴン 《ネタバレ》 
コレも見所がメチャ薄いハマープロの怪奇映画。まぁ美女が(なぜか月夜に)ゴーゴンへと変身するコントラストが売りなんだろうけど、ゴーゴンのメイクが相当チャチいので禿げしく興醒め。アレじゃただの(化粧に失敗した)オバチャンじゃん。見た者は恐さの余り石化する設定に説得力が皆無。ロイ・アシュトンの特殊メイクなら「蛇女の脅怖」の方が数十倍マシ。強いて言えば、カッシング(正義)、リー(悪)というハマーお馴染みの構図が何故か本作では逆転しており、リーがゴーゴンを退治する正義役だったのがチョット新鮮だったかも。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2005-10-21 14:49:39)
9.  甘い生活 《ネタバレ》 
「道」でも触れたけど、コレなんかもイヤらしい(別にイヤらしくなくてもいいけど)中年になって以降に見るとマストロヤンニ扮するゴシップ記者マルチェロへの感情移入度が(そりゃもうとんでもない程に)激変する典型的な作品だと思う。人間誰でも若い頃には胸に掲げる理想があり、将来への輝かしい展望を持つ。勿論、それを見事に達成する者も(ごくまれには)いるだろうが、やはり現実は厳しくこと志と違った地点に敢え無く到達してしまう人生の侭ならなさを痛感する者が大半だと推察する。私も御多分に漏れず今ではしがない塾の講師として辛うじて口に糊する日々なだけに、マルチェロの「流石にいつまでもこんな頽廃した暮らしを続けていてはマズイ。何とか脱却しなくては…!」という思いも束の間、いつの間にかズルズルと慌しくも気だるい日常に引き摺られてゆく描写は痛いほど共感してしまった。全くもってフェリーニの旦那は容赦ないッス。ラスト、砂浜に打ち上げられた巨大な腐魚の象徴する余りに重い後味に9点。嗚呼、意志弱き者よ。汝の名は…!
[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-08-19 00:32:32)(良:2票)
10.  宇宙大怪獣ドゴラ 《ネタバレ》 
ごめん、悪いけど平均点下げちゃうよんw。だってさー、仮にも肩書きは“宇宙大怪獣”だぜ?あの稀代の名悪役キングギドラに先立つ快挙!と思わせておいて終盤辺りに海月モドキがヘロヘロしてるだけなんて…。もう”肩透かし”とか”拍子抜け”とかでは割り切れないYo!着ぐるみ怪獣に代わる新境地を開拓せんとした東宝スタッフの高い志はマァ分からなくもないけど、生憎と映像のセンス・オブ・ワンダーで観る者を圧倒するパワーというかオーラが今イチ感じられない。要するに「絵」に華が無いんだな。【なにわ君】さんが楽しめたと仰る宝石強盗のくだりなんかもそれなりに悪くはないんだけど、怪獣による都市破壊のスペクタクルを堪能しようという観客にとっては微妙なワケ。例えるなら「懐石料理を注文したら冷やし中華を出された」みたいな。コレはコレで不味くはないけど何か違うだろ?と。だったら、こんな煽情的な題名にするんじゃねぇよ、と。「ダイヤモンドGメン対宝石強盗団!」とかなら笑って許せたのに。とにかく半端じゃない虚脱感に襲われた幼少時の記憶に従い、無情に5点マイナスさせて貰います。円谷英二特技監督お許しあれ…。最後にひとこと、「特撮怪獣映画における真の名作・傑作とは老若男女を問わない懐の深さを有するものである!」というのが私の持論。悪しからず。
[ビデオ(字幕)] 5点(2005-06-03 13:16:14)(良:1票)
11.  蛇女の脅怖 《ネタバレ》 
ロイ・アシュトンによる”蛇女”の特殊メイクのみしか見所は無い英ハマー・プロ製の駄作ホラー。何よりも腰砕けなのは”蛇女”の死に様。割れた窓から吹き込んだ北風に当たって「寒い」と凍えて死亡ってのは…絶句!!いくら爬虫類は寒さに弱いにしても冬眠する程度であって別に死にはしないだろう?主人公たちが警戒心を持たずにホイホイ危険な所へ行くのもヴァカ過ぎて頂けない。悪いが6点マイナスゥ~!
4点(2005-03-16 18:03:07)
12.  ひとりぼっちの青春 《ネタバレ》 
1932年の世界恐慌が吹き荒れる中、1500ドルの賞金と期間中に無料支給される食事目当てに集まった場末のカップル達によって行われる壮絶な耐久ダンス・マラソン!!何と言っても先ず、この他に類を見ない絶妙なシチュエーション設定が勝因だろう。要所にインサートされる過去と未来のフラッシュバックもタイミングの上手さに思わず唸らされる。また、参加者の人物描写も類型的なグランドホテル型とは一線を画す、酷薄無残で容赦の無いモノとなっており、正に”鬼気迫る”迫力である。殊にダンス以前に既に人生に絶望し疲れ果てたヒロインのグロリアを見事に演じきったジェーン・フォンダはお色気専門の殻を打ち破るインパクトで見応えがあり実に優秀。もし、彼女がグロリアを演じていなければ、ラストのマイケル・サラザンの台詞「廃馬は撃つものでしょう?」が全く説得力を欠き、陳腐になってしまったハズ。他にもコンテストの司会でしらじらしいMCを連発するギグ・ヤング、心臓発作で死亡する老水兵役レッド・バトンズ、遂には発狂してしまう無名女優役スザンナ・ヨークも凄まじい熱演だった。シドニー・ポラックという監督は作品の出来にムラが多く、個人的にはどうも今イチ信頼のおけない監督だが、本作では”当たり”といって差し支えない力技の演出を見せてくれたので、ご祝儀で9点進呈。ただ…余りの救いの無さと後味の悪さで1点マイナス。
9点(2005-02-21 01:04:34)(良:1票)
13.  拳銃は俺のパスポート 《ネタバレ》 
日活プログラムピクチャーと言えば”荒唐無稽”の代名詞のような駄作アクションの吹き溜まりをイメージするが、中にはキラリと光る佳作もいくつか生み出された。本作もそんな一作である。先ず、宍戸錠扮する主人公が依頼を受けアラカン親分を狙撃する冒頭の殺しの場面が、銃の組み立てから射殺まで実にキビキビとしてキマっている。哀れアラカンは一言も発することなく退場。凶器の銃も車ごとプレスして証拠も隠滅、後は高飛びするだけのハズだったが、敵の追跡が異様に手際が良く、空路・海路共にたちまち手が回って追い詰められる辺りのテンションもナカナカ。途中で挿入されるジェリー藤尾の主題歌はどうも頂けないが、敵に捕まってからの痛めつけられっぷりがハンパじゃねーくらいにキマってたんでマァ良しw。小林千登勢も若くて可愛い!マカロニウェスタン風の主題曲をバックに決めるラストの逆転劇も鮮やかな演出で結構楽しめた。ただ…敵がちょっと余裕こいて、主人公があれこれ逆転への小細工を弄するに充分な時間的ゆとりを与え過ぎ!油断は禁物、3点マイナス。
7点(2005-02-11 02:56:27)
14.  若い人(1962) 《ネタバレ》 
石坂洋次郎原作、3度目の映画化。監督は日活が誇る”ミスター・リメイク”こと西河克己。今回の舞台は九州(の長崎)に変更されているが、そんな差異など問題ではない。今回のリメイクで最大のセールスポイントは何と言っても芳紀17歳のうら若きサユリが魅力全開で恵子を演じているコト!に尽きる。くわぁ~~!!むっちゃ可愛いじゃねえか、コンチクショウ!!と・こ・ろ・が、ナント何と裕次郎扮する新人教師・間崎慎太郎はラストで恵子ではなく、浅丘ルリ子演じる女教師・橋本スミ子の方を恋人に選ぶのであーーーーーる!!!そんなバナナ!いや馬鹿な!!アンビリーバボ!!インクレディボー!!信じられーーん!!!裕次郎、お前はアフォか??眼医者へ逝け~!!まぁ原作がそうだからと云えばそれまでかもしれんが、原作知らずに観る者には説得力皆無な展開としか言いようが無い(浅丘ルリ子ファンの方、御免なさいw)。なもんで、サユリの類稀な”ぷりてぃ”さにも拘らず、4点マイナスじゃ~~~!!!!
6点(2005-02-04 00:58:22)
15.  五瓣の椿 《ネタバレ》 
何やらNHKのTV時代劇としてリメイクされるらしいですが…。果たして本作の岩下志麻が全身から発散させる”怨念と復讐の炎”を再現できるのかどうか、個人的には甚だ疑問ですな。そもそもお茶の間で見るには余りに際どい内容なだけに「オイオイNHK、ちょっとマズいんじゃ?」と突っ込みたくなります。で、その本作ですが‥野村監督の安定した演出と川又昂のカメラワークの美しさのお蔭で辛うじて悲惨なラストまで何とか観終わることができますた。出演者にかなり曲者を多数配しているので、彼らの演技を見るだけでも充分に堪能できるかとは思います。が、いかんせん長ーーーーーい上に、いくら何でも重苦し過ぎます。救いが無さ過ぎてやりきれません。マイナス2点。もしもNHKリメイクを見て軽い好奇心でオリジナルを鑑賞するつもりでしたら、恐らく凄まじいリバウンドを食らいますから、そこんとこよくよく覚悟して御覧を。先述の岩下の熱演もさることながら、お歯黒メイクの左幸子が演じる業の深いにも程がある”好色一代女”っぷりも隠れた見所かも。
8点(2004-11-21 02:13:16)
16.  十一人の侍 《ネタバレ》 
極端なまでにスーパーマン的な剣豪が、たった一人で大勢の敵をバッサバッサと斬り倒してメデタシメデタシ‥という従来の時代劇へのアンチテーゼなのは分かる。にしても、仮にも映画なんだから娯楽作品としての最低限の礼儀を欠いて、ひたぶるにテーマを追求するのは観客の存在を忘れた本末転倒と言わざるをえまい。工藤監督お得意の”集団抗争時代劇”も斬新に感じたのはぶっちゃけ「十三人の刺客」のみであり、「大殺陣」も本作も二番煎じ・三番煎じの域を一歩も出ていないように思う。特に本作はプロット構成から何から「十三人ー」のモロ焼き直しに過ぎず、しかも著しく見劣りする。まず何よりも菅貫太郎のバカ殿(斎厚)に「十三人ー」時のイッてしまった狂気が(もう大幅に)不足しているのが痛い、イタ過ぎる。あと、夏八木勲も主演としての貫禄が無い上に殺陣や所作が余りにも軽いので、「十三人ー」での千恵蔵の凄みには程遠く、とても作品を支えきれていない。斎厚暗殺の場面も当初の手筈通り木曽山中で決行していれば、少しは見応えもあっただろうに…。雨宿りの斎厚一行を雨中をついて襲撃する場面は「七人の侍」クライマックスを意識したのかどうか知らないが、いかにも取って付けた感じで悲しいくらい緊迫感ナシ!西村晃だけが生き残るラストも、十一人それぞれの個性が全く描写されていないので別に意外性も何も伝わってこない。こうなると「十三人ー」が際立っていたのは、工藤監督が最も否定したかったハズの典型的な時代劇スターである千恵蔵や嵐寛寿郎の功績だったコトになる。図らずも本作が見事にソレを証明した形になったのは何とも皮肉w。
6点(2004-11-20 02:40:57)
17.  鯨神 《ネタバレ》 
原作は官能小説の大家?である宇能鴻一郎先生が未だ純文学を志していた頃に書かれ、芥川賞をも受賞したという(メルヴィル「白鯨」パクリ?っぽい)同名小説。大映による映画化となった本作の出来は…うーーーーん、まず第一にシャキ役の本郷功次郎が全然ダメ。とにかくナヨっちい。祖父・父・兄と親子三代に亘って鯨神に殺され、復讐の一念に燃える精悍な海の男という説得力が画面に致命的に無い。そうそう、その三代にわたる鯨神との闘いってのが冒頭から立て続けにあるんだけど、「鯨神ば倒す!」~返り討ち~「カタキば討つ!」~又もや返り討ち~「カタキばーい!」~懲りずに返り討ち…ってひたすら無策で突っ込んではやられの繰り返しが余りに単調過ぎて、観てるこっちが馬鹿馬鹿しさに退いてしまう。もうチョット見せ方を工夫してよ。また鯨神の特撮もモノクロで誤魔化しているが、いかにも作り物丸出しで今イチ迫力を感じない。伊福部サウンドも精一杯盛り上げようとしてはいるんだが、後の「大魔神」には及ばず。取り分けイタイのはラスト。まず映像で語るべき”主人公シャキの鯨神への偏執的な愛情の吐露”を全部シャキのいかにも説明口調なモノローグでサックリ処理してて拍子抜け。勝新の紀州は男クサさ満点でなかなか良かっただけに惜しい。
5点(2004-10-13 03:13:16)
18.  恐竜100万年 《ネタバレ》 
チッ、昨日の某ウェスタンじゃ全くもって消化不良だぜ。コイツで口直しといくか…てな訳で久しぶりに観てみました!いやぁイイっすねぇ~、ロアナ(ラクエル・ウェルチ)の皮ビキニ最高じゃないっすか。無粋なコスチューム・チェンジもなく、最後まで見せつけてくれて実~に潔し!!ま、アダルトビデオじゃないんだから、こっちも別に”スッパ”になるなんて過剰な期待もしませんし、健康的なお色気って感じ?でロアナの脚線美を堪能させてもらいますた。おまけに水浴びでの濡れビキニ姿あり、女同士のキャットファイトあり、この手の見世物映画のツボってヤツを外さない堅実な作りにむっちゃ好印象っす。加えてハリーハウゼン入魂のダイナメーション恐竜まで拝めるおトクさ!とくれば満点!と言いたいトコですが、矢張り初っ端に本物のイグアナ君を出しちゃイカンでしょう、ハリーハウゼンの旦那。2点マイナスゥ!!そうそう、私はDVD英語字幕で観たんすけど、出だしのナレーション以外は「トゥマク!」とか「ロアナ!」とか名前呼ぶトコだけしか出ないんすよ。わざわざ字幕を2ヶ国語にした意味がある…のか??とチョット笑えました。
8点(2004-10-09 23:24:02)(笑:1票)
19.  妖星ゴラス 《ネタバレ》 
皆様に可成り不評を買っている(終盤になって何の前フリも無く唐突に出現する)あの怪獣は果たして”アザラシ”なのでありましょうか??コレは飽くまで私見ですが、ひょっとしてアレは”セイウチ”なのではありますまいか。よく見ると何やら立派な牙が二本生えているような気がするのは私だけでしょうか。今後の検証が待たれるトコロです。
7点(2004-10-08 20:15:07)(笑:1票)
20.  野望の系列 《ネタバレ》 
オーストリア出身のオットー・プレミンジャーというヒトは(個人的な印象では)作品によって出来にムラが多く”三振かホームラン”という感じが強い、実に評価に苦しむ監督の一人である。本作は彼の監督作中でもそう多くはない”ホームラン”の部類に属するポリティカル・ドラマの秀作。大統領(フランチョット・トーン)が腹心(ウォルター・ピジョン)にも相談せず、独断で次期・国務長官にヤリ手だが党内でも敵の多い急進派のレフィングウェル(ヘンリー・フォンダ)を指名したことから起こる上院議会内でのすったもんだの大騒動の顛末をダレることなくパワフルに描ききって申し分無い面白さだった。(ピューリッツァー賞を受賞した)アレン・ドルーリーのシニカルな原作、及びそれを絶妙にアレンジしたウェンデル・メイズの秀抜なシナリオが第1の勝因。査問会の形式を借りた法廷闘争ドラマと見ることも出来る秀逸なプロット構成は見事!あと、1961年時点で早くも「同性愛」問題にまで触れている先見性も意外なポイント。しかし何と言っても、本作の出演者でのMVPは裏も表も知り尽くした海千山千の古狸っぷりを飄々と体現したクーリー上院議員役のチャールズ・ロートンであろう。今じゃ彼ほど存在感のあるオッサン男優はもう誰もハリウッドにはいない…。彼は本作出演後に死去したので、コレは彼の遺作でもある。流石にロートン、”最後の輝き”とも言うべき屈指の名演を披露してくれた。さしものヘンリー・フォンダも彼の腹芸の前じゃ霞む霞むw。まぁモノクロだし出演者はシブいオッサンばっかりだし派手なドンパチもアクションもへったくれも無い地味さだし、せっかちな”お子様”には決してオススメしないが、「大人のドラマ」ってヤツをじっくり堪能なさりたい方なら是非ご覧になって頂きたい逸品である。(追記)副大統領が地方遊説の為にエコノミークラスの飛行機に乗っていたり、院内総務クラスの議員なのにCAB(タクシー)での移動が専らってのにはビックリした。凄く質素な当時の議員生活描写も隠れた見所かも。
9点(2004-10-04 02:20:31)(良:1票)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS