1. ウィンダミア夫人の扇
《ネタバレ》 ルビッチ監督の作品は、サイレント映画でも会話がお洒落です。ヴィンダミア夫人に恋心を寄せるダーリントン卿が「奇妙なことになりました。貴方を愛しています。」といって夫人から距離を置いて座るシーンで切ない想いが伝わってきました。あと3人組のお喋りおばちゃんグループがでてきて、いかにも意地悪そうなのが面白かった。20年代の映画とは思われないようなお洒落な映像に圧倒されました。 10点(2004-02-07 19:49:13)(良:1票) |
2. メリィ・ウィドウ(1934)
ルビッチを尊敬していたビリー・ワイルダー監督は、よくこの作品の印象で会話をしたと言う話を聞いたことがありますが、それほどにルビッチらしいテンポのよい、お洒落で面白い作品でした。小道具の使い方が上手いです。 9点(2004-02-07 19:42:45) |
3. 桃色(ピンク)の店
若きジェームズ・スチュアートの、背が高くってちょっと猫背な姿がかっこよい。相手役のマーガレットサラバンはジェームズの初恋の人だったというから、何を思ってジミーは演技をしていたのでしょう・・・などと空想を膨らませてしまいました。 9点(2004-02-07 19:36:18) |
4. 小津と語る
《ネタバレ》 アキ・カウリスマキ監督が「小津作品は暴力等を用いないで人間の本質を描いている」というようなコメントを寄せておられたのが、素晴らしく小津作品を言い表していると思った。赤いやかんの変わりに赤い魔法瓶みたいなのを持ってこられてたのが可愛らしい。 7点(2004-02-07 19:30:54) |
5. 赤線地帯
《ネタバレ》 どんな時代でも、どんなに規制しても売春という商売はなくならない。溝口監督は娼婦達の生活の悲しさやたくましさを踏まえて彼女達の生きる世界を描いている。売春禁止法が制定されるか否かと言う頃に、新たに処女の女の子がデビューを飾る。怯えながら客を勧誘するあどけない少女の顔がその後の彼女の行く末を案じさせて、ちょっと怖いラストが印象的だった。 8点(2004-02-07 09:48:35)(良:1票) |
6. 長屋紳士録
《ネタバレ》 長屋の人々の率直な人情が描かれて面白くも感動的でした。始めに子どもがやってきたとき「いらないよ」と本気で言い合う大人の姿が描かれているから、終わりに子どもとのお別れのシーンで、「ほんとうの父親が見つかってよかった」というのも本気でおばちゃんがそう言っているというのが感動的に伝わってくる。おばちゃんも子どももいいお顔立ちをしているのもリアルでいい。 10点(2004-02-07 09:33:53) |
7. 小早川家の秋
中村雁治郎氏が出演されていると、小津映画でも軽快さが加わってなかなかとっつきやすい。雁治郎氏は歩くだけで、どこかユーモラスで味わい深い。笠さんはどこに出演しているのだろうと思っていたらラストの方にしっかり出演されていた。ほんのちょっとの農夫の役だったが、素晴らしかった。 9点(2004-02-07 09:21:30) |
8. 東京の合唱
《ネタバレ》 家族4人が手遊びをしているシーンで、全てがうまく行くわけではないが、ささやかに幸せという感じがうまく伝わってきた。素晴らしいシーンだ。小道具など細部にまでこだわったと言う小津監督ですから、「一皿満腹主義、これ如何に」なんてのぼりは笑いながら作ったのだろうと思う。 9点(2004-02-07 09:15:08) |
9. 東京物語
《ネタバレ》 人間の本質を、静かに細やかに表現しているその完成度に圧倒されました。画面から押し付けるような演出はなく、いつのまにか映画の世界に引きずり込まれた感がありました。おばあちゃんと孫が外で遊んでいるシーンが感動的でした。親はいつまでも子どもに対して片想いなんだな。東山千栄子さんが倒れてもう先が長くないと言われたときの小さく映っている笠智衆さんの抜け殻になったような表情が凄かったです。 10点(2004-02-07 09:07:18) |