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コメント数 178
性別 男性

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1.  カンフーハッスル 《ネタバレ》 
男なら誰でも一度はヒーローに憧れたことはあると思いますが、中でも功夫映画で活躍するドラゴンたちの勇姿は少年たちの“強くなりたい心”を活性化させてくれるものでした。 彼らに憧れ、努力に努力を重ねプロの格闘家として大成した人がいる一方、努力が嫌なボンクラ少年たちは本を読めば強くなれるという手軽な通販グッズに飛びつきましたが、彼らは達人となることは出来ませんでした。 チャウ・シンチーという男は映画の中でドラゴンになろうとしましたが、俳優養成所の試験に落第し、デビュー後も鳴かず飛ばず。 ようやく成功を掴んだ作品がコメディであったが故に、彼はドラゴンならぬ喜劇王への道を歩まざるを得なくなってしまったのです。 そんな失敗続きの人生を歩んできたからか、彼の映画は“社会的弱者の成功”という一貫したテーマを描くことに終始しているのですが、そんな彼の念願の功夫映画である本作で彼はかつての自分、そしてボンクラ少年たちの夢をシンという一人のボンクラの物語に注ぐのです。  不幸にも功夫を会得できず、力無き正義に失望してチンピラに身を落としたこの男は、達人たちの活躍を「ちきしょう」と指を銜えて見ていることしか出来ずにいますが、彼も最後の最後で正義の心を取り戻し、とある力で最強の達人となります。 そうです。彼は体を鍛えずに気の力で達人となってしまうのです。 そんな反則業で達人と化したシンが活躍する姿はドラゴンに憧れ続けたボンクラ少年たちが求めてやまなかった姿であり夢なのです。 夢をかなえたシンチーの彼らに対するプレゼントなのだと思います。 やっぱりこれはコメディではなく、彼流の功夫映画です。 その後“大いなる責任”が伴う達人の道を歩むことなく、自分の人生を変えたあの日の少女とささやかな幸せに着地する最後も実にシンチーらしいと思います。  最後に。 強くなるのが唐突で強引という批判をよく耳にしますが、ごもっともです。 シンをいじめた不良少年が言うように、本を読んで気の力で達人になることなど不可能ですからね。 だからこそ、ドラゴンになり損ねたかつてのボンクラ少年たちはこの甘美な筋立てで達人と化したシンの勇姿に頬を感動の涙で濡らすのです。 浮浪者から買った胡散臭い通販グッズが実は伝説の技の教則本で、夢を諦めかけた大人になった今達人として覚醒するなんて、なんとも夢のある素敵なお話じゃありませんか。
[映画館(字幕)] 10点(2005-12-29 02:26:27)(良:7票)
2.  スネーキーモンキー/蛇拳 《ネタバレ》 
仮に「ジャッキーの初期作品の仲で一つを選べ」と言われたら迷わずこの作品を選びます。 もちろん『酔拳』も好きだけど、個人的にはこの『蛇拳』に軍配を挙げたい。  『酔拳』の主人公フェイフォンは父親が高名な武道家であることを鼻にかけるドラ息子だったけど、本作の主人公チェンフーは孤児であるがゆえに理解者もいないし、身を寄せる道場からもいじめられるという身の上で、知らずの内に感情移入出来てしまう。 そんな人物です。 そんな彼がある日出くわすホームレス(実は蛇拳の達人パイ・チャンティエン)いじめの光景。 普通ならば見て見ぬ振りでしょうが、それが出来ずにすぐさま助けに入るチェンフー。 その優しさに打たれたパイは彼に蛇拳を教え、その条件の一つとして「ワシを師匠と呼ぶな」と提示するのですが、この一連のシーンと師匠を“いじめられるホームレス”と描写した冒頭部分だけで、本作はカンフー映画の「師匠は高尚なものであらなければならない」と云う既成概念を打ち砕き、すでに一線を画しています。 確かに彼は汚い。蛇拳の達人であるけれども、金持ってない乞食同然の身であることには変わりは無い。 だけど、飾ってなく嫌みでなく、限りなく小市民で、それでいて強く、優しく、英雄の言葉を発する。 そんな素晴らしい人物を理解者に持つことができたチェンフーは実に幸せ者です。 師匠ではなく、友人、そして次第にそれ以上の関係で結ばれていく二人の関係はなんとも微笑ましく、私は軽い感動を覚えてしまいました。  やがてチェンフーは蛇拳を強化すべく、猫の動きを取り入れた蛇形豹手を編み出し蛇拳の仇敵・鷹爪流派を打ち倒すのですが、蛇拳流派を倒すことだけに躍起になっていた鷹爪流派とは違い、この拳法はそれとは何の関係もない、流派のしがらみを超えた所で生み出されました。 だからこそチェンフーは流派争いのみに固執する敵を越えることが出来たのだと思います。 それでクライマックスで見せたパイ師匠のあの喜びよう。 私にはそれは“鷹爪拳が滅びたから”というより、流派争いに終止符が打たれた事、そして弟子が純粋な気持ちで己を超えた事に対する祝福であるように見えました。   とにかく、本作はこのテの映画に見られがちな敵討ちという、安易なテーマからの脱却に成功したばかりか、師弟愛を高水準で尊く描いた傑作であると私は確信しております。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-03-04 03:29:40)(良:4票)
3.  英雄十三傑 《ネタバレ》 
唐の時代。ここに“十三太保”と呼ばれ、世に恐れられた十三人の義理兄弟がいた。彼らには素晴らしい才能があった。大勢の兵を率いることも出来た。兄弟の結束も絶対であった。進むべき道はすでに見えていた。天下の統一、即ち皇帝・黄巣の首を討ち取ること。それは彼らにとって容易い事のはずだった。  しかし、彼らの進む道を光が照らしたのはほんの一瞬だけ。 矢を放とうにもそれは外れ、そして二度と見えてこない。 絶対であったはずの兄弟の絆。光を見失い、憎悪や嫉妬という心の闇が彼らを蝕み始めたその時からそれは脆くも崩れ、彼らは“天下を統一する”という大きな争いから“手柄を立て兄弟の王になる”という小さな争いに身を投じて行く。 広大な中国。その全てを統一するということ。敬思や存孝ほどの才能に溢れた人物でさえもそれは果たせず、それ以前の小さな争いの前に尊い命を散らしてしまった。勝ち続けること、それは才能だけではなく、大勢の軍隊だけでなく、あらゆるものが揃っていなければならないのかもしれない。天下への道のりはそれほどまでに険しい。   映画を見終わり、邦題を読み返した。 『英雄十三傑』 なんと皮肉な・・・。 真の英雄などここにはいない。 この物語は“英雄になり損ねた者たち”がいるだけなのだ。
[DVD(字幕)] 8点(2005-10-08 10:05:15)
4.  片腕ドラゴン
最近世間では“ありえねーカンフー映画”が漫画的とか奇抜だとか話題になっているそうだが、ちょっと待てゴルァ!誰に断ってモノ言っとるんじゃ!カンフー映画ファンにとってこの『片腕ドラゴン』こそ未来永劫に“ありえねーカンフー映画”の金字塔なんだよ!この映画抜きにして「これが史上最強のありえねー戦いだ!」とは無礼極まるじゃないか!そうそう、『燃えよドラゴン』に続け!とばかりに日本上陸を果たした亜流ドラゴン第一号だということも付け加えておこう。そのストーリーは「ありえねー」ほど奇想天外で、「ありえねー」ほどに革新的!・・・というわけでもなく、カンフー映画にありがちな実にシンプルでシリアスな復讐もの。しかしこの映画。どこかおかしい。イヤ、明らかにおかしいです。そのおかしさ(怪しさ?)は敵の道場が世界各国から武芸者を集めるところから徐々に頭角を現してきます。集まったのは、上体ガードガラ空きのムエタイボクサー。腰入っていないのに軽々と対戦者をぴゅぃーんと投げ飛ばしてしまう柔道家。空気吸い込んでぷくーっと膨らむラマ僧。手技オンリーで相手をノックアウトするテコンドー使いetc。どいつもこいつも胡散臭さと妙な味わいがある超個性的な奴ら。そんなおかしな奴らに仲間を皆殺しにされ、悔しくてたまらないジミーは修行を開始!その修行ってのが、“残った片腕の神経をすべて焼き払って腕を強化する”っていうのは凄い。そんなムチャクチャな修行であっという間に(ホントあっという間・笑)強くなったジミー。決戦の時は来た!道場の門弟誰一人として敵わなかったバケモノどもを、唯一つの拳と不気味な技で次々ブチ殺しまくる狂乱のジミー!悪夢かこれはッ!?この、あっ!と驚く(噴出す?・笑)驚愕の激闘の模様については、実際に本作をご覧になってからのお楽しみということでここでは書かないことにしておきます。いやしかし「ドラゴンボール」「北斗の拳」「ストリートファイター」すら誕生していない72年にこんな破天荒な格闘映画を発表したジミーさんってやっぱ凄い。こんなケッサクは是非とも続編『~空とぶギロチン』同様に“これが元祖ありえねー戦いだ!”のキャッチコピーと共にリバイバル上映して頂きたいですな。もちろん豪華仕様のDVD化も頼みますぞ!
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-09-22 09:21:15)(良:2票)
5.  少林寺・激怒の大地
正直全く期待しないでレンタルしたんですがこれがなかなかの掘り出し物でした。 個人的に邦題に“少林寺”と付くカンフー映画の中で五本の指に入る傑作! 追う者と追われる者という一切の妥協を許さない関係に生じるサスペンス!主人公とヒャイヤンが荒涼な大地を馬で颯爽と駆け抜ける際の躍動感。(BGMは何故か『宇宙戦艦ヤマト』の「真っ赤なスカーフ」だ!) 主人公絶体絶命のその時、遊牧民の娘たちと散々辱めを受けてきた門弟たちが開放され加勢に駆けつける高揚感。そして観客を全く飽きさせないリズミカルなテンポと『少林寺』にも引けをとらない素晴らしいカンフーアクションの数々。 ハッキリいって映画としての出来栄えは『少林寺』より格段上かもしれないです。 どこかのレンタル店で見かけたら迷わず手にとって欲しい一作。
[DVD(字幕)] 8点(2005-06-18 03:53:25)
6.  アルティメット・ディシジョン
これは香港格闘アクション好きにとっては思わぬ拾い物なのでは?「島内にはガスが充満しているから銃器使用禁止ネ」ということで銃撃戦を封印。ほぼ全編ひたすら格闘アクションに徹したつくりはこのテの映画が好きな人にはまず嬉しいところ。出演者は知らない人が多いけど皆動けるメンツ揃いだし、ド派手な立ち回りと今や本場香港でも滅多にお目にかかれなくなった仰々しい効果音等バイタリティ溢れる演出で魅せる、素直に燃える格闘アクションモノになっています。(とはいえ、ささいな動作にもいちいち「シュッ」という効果音が入るのは流石に苦笑したけど)ジャケや邦題からは想像しがたいだろうけど、格闘アクション好きには大推薦の一作。
[DVD(字幕)] 7点(2013-04-29 21:17:18)
7.  ツーフィンガー鷹 -Two Finger Fist- 《ネタバレ》 
無難なカンフーコメディではありますが、冒頭に『カンフーハッスル』の女将がさり気無く出ていたり、『008 皇帝ミッション』でユエン・シュンイーが使っていた移形換影が先駆けて描写されていたりと、気になる要素がチラホラ見受けられるあたりはなかなか興味深い。そしてまさかの元祖黄飛鴻登場に拍手・歓喜するも、終盤で彼の一番弟子の梁寛がオニクマによってむざむざと殺されてしまうという前代未聞の展開が待ち構えており、ワンチャイシリーズをはじめとする黄飛鴻作品を知っている者としてはかなりショッキング。アクションの方は袁家班らしいダイナミック且つトリッキーな殺陣が存分に堪能出来ます。年齢を感じさせない關徳興の柔軟な動きもお見事。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-12-26 23:45:58)(良:1票)
8.  デッドポイント ~黒社会捜査線~
凶悪犯と対峙する警官、激しい銃撃戦というのは一般的な警察映画のイメージですが、そこに敢えて厳格なイメージのある香港警察の重案組(精鋭部隊)の面々の日常を描くことによって、警察映画を再構成することに成功した作品です。  小道具や役作りに関しては日本の連続ドラマを参考にしたというパトリック・ヤウの演出はやや静観的ではあるものの、日常と職務上の出来事を切れの良い演出で交差させることによって警察映画と呼ぶには新鮮すぎる魅力を兼ね揃えています。  チェ・ゲバラさんが仰っておりますように、何気ない日常で運悪く犯人グループと遭遇してしまい“警察官としてのしがらみ”が常にまとわりついているがゆえに悲劇的な末路を辿るクライマックスは圧巻です。  警察映画と云うのは我々と同じ平凡な日常を生きる人間が、非日常的事件に遭遇した際に英雄的な行動を示すことで観客にカタルシスをもたらすのですが、それを敢えてシニカルに提示したクライマックスは衝撃以外の何者でもないでしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2006-03-31 22:54:14)(良:1票)
9.  史上最大の作戦
セミ・ドキュメンタリーの体裁を取っている事は明らかなので、単純に“ノルマンディー上陸作戦の再現”として観るのが、正しい鑑賞法なのでしょうね。 ですが、市内の真ん中に降下してしまったパラシュート部隊とか、ライフルのボルトアクション音の勘違い等、細かく挿入されるエピソードが映画の中にストーリー性や緊迫感を持たせていると思います。 錚々たる豪華出演者の面子を拝むだけでも楽しく、三時間全く飽きずに観る事が出来ました。  一番好きな場面は、ドイツ軍の沿岸監視要塞に連合軍が迫り来るシーン。 水平線にズラリと並ぶ大船隊のあのド迫力! モノクロ画面も相まって、自分も逃げ出したくなる焦燥感に駆られました。
[DVD(字幕)] 7点(2006-01-29 03:39:09)
10.  ドラゴン覇王拳 《ネタバレ》 
馬永貞とは1800年代末期に実在したヤクザで、善悪両方の顔を持ち、武術の腕前もすごぶる強かった彼は上海でシマを広げたが、敵対する斧頭党に卑劣な手段で惨殺されてしまったという伝説の英雄の事であります。  ゴールデン・ハーベスト社のブルース・リーというカリスマに対抗すべく、ライバルであるショウ・ブラザース社が発表した大作がこの人物を題材にした『馬永貞』(邦題:『上海ドラゴン英雄拳』)ですが、そこに台湾のジミー・ウォングが同時期に同じ企画をぶつけるという暴挙に出たのが本作『ドラゴン覇王拳』であります。  さて、いつもは奇抜さで作品をてらうジミーさんですが、この作品はどうしたことか”奇抜”を封印したかのような手堅い演出。…いや、若干変なところもあるっちゃーあるんですが(ヒロインがいつの間にか一人消えていたりとか)、並みのクンフースターでは到底持ち得ないジミーさんの圧倒的な凄みも手伝って、全体としては素晴らしい出来栄えの一大ハードボイルド大作に仕上がっていると思います。  その実態はもっとも馬永貞に近い(笑)ジミーさんですが、彼の馬永貞は善悪二つの顔を持ったヤクザを、ここでは徹底して”正義の味方”として描いておりまして、フラリと上海に現れたジミー版馬永貞は、他人が困っていると、それがどんなに些細なことであっても放ってはおけないらしく、女性を食い物にする組織と闘い、世捨て人や子供を守って悪辣な武術家と戦うという、正に真の英雄を颯爽と演じております。 最後は子供への優しさが仇となって罠に嵌り、義理兄弟の契りを結んだ配達人のホーと共に、無数の斧を体中に浴びて壮絶に朽ち果てという最期を遂げてしまいますが、これこそまさに英雄像ですな。  なんとも劇画的でリアリティの無い話ですが、この“リアリティ”の無さこそがジミーさんならではの“リアリティ”だと私は思う。 この奇妙なリアリティを引っさげ、ショウ・ブラザースとブルース・リーというツワモノと真っ向から勝負して見せたこの気概。 この気概こそがジミーさんの人気の秘訣なのではないでしょうか。
[DVD(字幕)] 7点(2005-10-19 18:07:20)
11.  ドラキュラ'72
へちょちょ様、何やら謝らせてしまったようで申し訳ございません。 そして、レビューしてから実に9ヶ月経ってこうしてコメントするなんて重ね重ねのご無礼お許し下さい。  さて、肝心の映画ですが…確かにへちょちょ様ご指摘のようにこの作品ホラーとして、そしてハマー伝統のドラキュラ映画として多大な欠陥・粗だらけでございます。 ドラキュラの餌食になったというのに何故か吸血鬼にはならないキャロライン・マンローやシャワーを浴びただけで何故か昇天する下僕アルカード(さぞかし異臭に満ちていることでしょう。w)。ヘルシングの娘にしては魅力薄!なヒロイン。 せっかく現代に復活したというのに、教会から一歩も出られないドラキュラ伯爵に至っては「何のために現代に復活したんじゃゴルァ!」と、夜のロンドンを徘徊するドラキュラ伯爵を期待した方にとっては怒り心頭なことでしょう。  しかし、これだけの欠点を指摘しておきながら、本作に7点という点数を献上するのはこの映画が私をハマーホラーに、そしてホラーというジャンル自体に興味を持たせてくれた作品であるからに他なりません。  客観的に評価するとやはり5点くらいが妥当な気もしますが、そんな特別な思い入れがある本作はいくら否定しても否定しきれない映画なのです。 一作目以降、久々にリーとカッシングが対決する作品(意外にも本作を含め三作品しかない!)ということもあって私は結構好きですね。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-10-10 02:17:27)
12.  マックィーンの絶対の危機(ピンチ)
どうもB級、B級と小馬鹿にされているようですけど、なかなか良く出来た作品じゃないですか、コレ。 ま、低予算という本来の意味で云うならば確かにB級ですし、A級映画を見慣れた方にしてみればチト辛いかと思うんですが・・。マックイーンファンならともかく、自分のようにB級大好きなボンクラ映画ファンにとっちゃ全く持って無問題なわけでして、寧ろ私好みのB級モンスター映画にマックイーンという大スターが主演されているんですから、これは思わぬ幸福と喜ぶ他ありません。 別な考え方をすれば、「B級モンスター映画に大スターが!!」という、そんな不思議な高級感が味わえる作品ではないでしょうか。  マックイーンがB級映画職人たちの生み出した手作り感溢れるゼリーエイリアン・ブロブに仲間たちと果敢に立ち向かう姿を見ていると何やら微笑ましいですよ。いや、マジで。 他愛無いティーンエージャームービーと言ってしまえばそれだけなんですけど、単純にその後輝かしいスター街道を歩むことになる、彼の俳優人生の一輪が確実にフィルムに納められた作品と割り切って楽しむのも一興なんではないでしょうか? 「マックイーンにも確実にこんなショボイ時代があったのだ」ってね。 
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-09-20 12:58:14)(良:1票)
13.  嵐を呼ぶドラゴン
映画にはどのようなジャンルにも“古典”と呼ばれるものがありますが、クンフー映画というジャンルにおいてはこれがそれだと思います。  話自体は実にオーソドックスでシンプルな勧善懲悪ものですし、アクションは後の映画のようなスピード感や派手な演出はありませんが、キメ細かく迫力は充分でして、型の一挙一足が格好良くバシバシと決まっております。  また、ラマ僧や彼らに武術を習ったというチェ将軍の拳法も、少林派が使うそれとは少々個性付けしてあるのも特筆すべき点です。 普通のクンフー映画ならば、空手の衣装なのに格闘スタイルはクンフーというように格好だけというのが定石パターンですから、この演出センスは貴重です。 特に剛健なチェン・カンタイと柔軟なフー・シェンといった対照的な個性の立て方は見事。 武術指導の唐佳、劉家良の技量や監督の演出力の高さが見て取れますね。  とにかく気軽に見るのにうってつけなクンフー映画の良作です。 マカロニウエスタン調のテーマ曲も燃えます!
[DVD(字幕)] 7点(2005-09-06 14:43:56)(良:1票)
14.  水滸伝(1972) 《ネタバレ》 
ごくごく当たり前のことを言うようですが、元となった物語が膨大な原作の一部なので、原作未見者としてはどうもシックリ来ないというのが正直な感想です。  冒頭は酒飲みシーンは梁山泊の英雄たちに扮したおなじみのスターがズラリ。その顔ぶれの豪華さを眺めるだけでも嬉しくなったり。 続いて首領が殺され、話し合いの結果、盧俊義の助けを請うということに…と、ここまでは結構ワクワクして見ていたんですが。物語はその後、盧俊義が下男・李固の裏切りによって捕まり、梁山泊の連中が盧俊義を助けようという話に突入。こっからは「危ういところで救出→結局捕まる→危ういところで救出」の繰り返しで単調さを生んでしまっております。  結局のところこの映画は“盧俊義救出作戦”。 ただそれだけに終始しており、原作未見者としてはこの部分だけ見せられても「?」になってしまい、中途半端な印象を持ってしまってもそれはしょうがない。(そもそも原作見ていない私が悪い)  となれば、ここはひとつ思い切って見方を変えるしかない。 黒沢氏曰く「感心するどころか逆に呆れた」というくらい贅沢にしっかり作ってある(作りすぎている?)セット・衣装。ズラリと並ぶ豪華なスターの顔ぶれ。流麗な剣戟アクション。豪華な作りの映画なので、とにかく純粋にそれを堪能したいところ。  クライマックスには“梁山泊の英雄VS史文恭率いる軍隊”という見せ場を持って行き、しっかり盛り上げてくれる上、丹波哲郎と黒沢年男が剣を交えるという何やら奇怪な見せ場がメインとして用意されており、“やらされている感”が見え隠れするんですけど、日本人としてはなんか嬉しくなったり。  また、全体的にウエスタンを意識した画作りをしているらしいので、今の目で見てもユニークで斬新な演出が多いのも、この作品の捨てがたい魅力のひとつであります。 特に真剣なシーンに、エレキギターや女性ボーカルのハミングが飛び交うという奇抜な選曲センスは必見でしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2005-09-06 14:25:55)
15.  霊幻少林拳
どうもこの『霊幻道士』の二番煎じみたいな邦題のせいで、世間ではあまり食指が動かない向きがあるみたいですけど、鑑賞してみるとこれがなかなか面白い。  カンフー映画一筋のラウ・カーリョンの作品だけあって、やはり妖術よりもカンフーに重点が置かれたアクション映画に仕上がっております。 本作の最大の見所は矢張り、本作の主役であるワン・ユーが披露するキョンシー拳でしょう。 読んで字の如くお札に書かれた呪文(キョンシー出発!キョンシー納棺!キョンシー拝礼!等)を唱えると、しばらくの間キョンシーの動きを模した武術が使えるという奇っ怪な拳法で、札を読みながらピョンピョン飛び回るその様はハッキリ言って滑稽そのもの。 どう考えても普通に戦ったほうが強いと思われるのですが、誰も彼にかなわないところを見るとやっぱ強いんでしょうなぁ…。  アクションシーンは少なめで、しかも他のカーリョンの作品に比べてややアクションのトーンが違う気もするし、彼の監督作作品にしてはちょっとケレンミが足りないかなと思うところがあるんですけど、チャーフィ演じるチャンチェが小便を我慢できなくなってこっそり放尿したり、腹を減らして食べ物を盗んだ結果、番犬に追われて無表情で爆走したりと随所にちりばめられた笑いはそこそこ可笑しい。 ヒロインのセシリア・ウォンとワン・ユーの夫婦漫才みたいな掛け合いもダレを感じさせません。 特にチャーフィ(今回は準主役級で出番少なめ)が鷹爪拳を駆使してくれてからは巨匠の面目躍如という出来栄えで流石に魅せてくれます。
[DVD(字幕)] 7点(2005-09-03 01:31:47)
16.  イースタン・コンドル 《ネタバレ》 
中国戯劇七小福トリオ作品のなかでも、とりわけ出血量・死体の数・残酷シーンが多い作品を作るサモ・ハンがゲリラ戦に題材を採ったということもあってか、ナンセンスギャグは少なめで、結構陰惨なシーンも多いです。  しかし、迫力の爆発シーンやユエン・ウーピンの非常に珍しい熱演(コーリー・ユンとのツーショットは貴重)。名優ハイン・S・ニョールの知的障害役というかなりアブナイ役どころや自分の妻の腕を豪快にぶった切るサモ・ハン等々…チト違うようなものも混じっているような気がしますが(笑)、とにかく見所満載です。  忘れてはならないのが、本作で敵の親玉という大役を得たユン・ワーの存在感。 激闘を傍から見ているだけで、挙句倒れた仲間の顔を足で踏み「ヒヒヒヒヒ」と笑い(なんと腹の立つ奴!)、常にハンカチで顔を拭いている、このいかにも弱っちそうな細身の男。 しかし、いざ戦ってみるとこれが強い強い! 怪しげな拳法でユン・ピョウを絶体絶命にまで追い込み、加勢に駆けつけたサモ・ハンまでも苦戦に追いやるそのキャラクターの凄まじさは一度見たら忘れられません。 見た目の貧相さゆえに、それまで大した役をもらえなかったと嘆くユン・ワーの風貌を逆手に取ったサモ・ハンの目論みは見事で、自身の代表的役柄というのも頷けます。  自分の足をわざと相手に打たせて注意をそらし、瞬時に相手に打撃を食らわすという目にも止まらぬ早業が見もののサモ・ハンVSビリー・チョウも短いながらなかなかの完成度。 唯一、倉田師匠の扱いが勿体無かったかな?  全体的にテンポ良く見れる良作です。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-08-24 17:09:17)
17.  プロテクター
なかなか面白いと思うのですが、評価低いですな…。 確かにコミカル要素は殆ど皆無だし、話も薄っぺらいですが、それを繋ぐアクションに次ぐアクションの連続。 所謂ノンストップアクションムービーとしての作りが作品のテンポの良さに貢献していて飽きることなく見終わることが出来ました。 寧ろ中だるみが多いジャッキー自身が監督した作品よりも完成度は上であると思います。(個人的に)  前半のNYを舞台にしたパートはアメリカンアクションムービー調なんですが、後半、香港に舞台が移ると急にジャッキーアクション映画の雰囲気になるのが凄い。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-07-27 14:43:58)
18.  燃えよドラゴン
カンフー映画のレビューとなると余計なことをダラダラ書き連ねる私も、この作品については多くを語る必要なぞ、かけらもありません。 ただ単に、観る。  燃える。  そして、讃える。  それだけで十分です。
[DVD(字幕)] 7点(2005-07-21 17:07:31)(良:3票)
19.  ブレード/刀
ジミー・ウォングの出世作である『片腕必殺剣』のリメイクですが、共通しているのは主人公が片腕になってしまうところとヒロインが電波という点ぐらい。あとは殆どツイ・ハークのオリジナルで、ここで示される殺伐で混沌とした世界観とそこに息苦しくも這いつくばって暮らしている人々の息遣いが見て取れる一連の描写などはワンチャイシリーズに代表される彼の武侠映画独特のものです。けれどもワンチャイほど魅惑的でスタイリッシュではなく、まどろっこしくて禍々しい。登場人物たちの息づく世界の倦怠感、焦燥感がまるで見る側にもそのままのしかかってきそうな気迫が全編に漲っております。それらはここで散々言われている「ダルい」「かったるい」という不評系の声を産み出す要因にもなったわけですが、ツイ・ハークが表現したかったのは寧ろその“かったるさ”なんじゃないかなぁと再見してみて思うようになりました。唯一一点張りで評価され続けているクライマックスの決闘なんか顕著な例ですよね。切れ味の鈍そうな刀で血みどろのガッチャガチャしたチャンバラ。終いには刀の勝負そっちのけで殴り合ったり、首を絞めあっちゃう。体裁や名誉なんてこの闘いには関係無い。ただあるのは生死を決する闘い。露呈されるのは死に物狂いで生きようとする人間の生への執着心です。とにかくこのかったるさを含めた息苦しさ。私は好みです。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-07-11 02:26:57)
20.  ドラゴン危機一発'97
これはカンフー映画ファンには見逃せない一本だったことを拝見して初めて知りました。とにかくドニーのカンフーの速いこと速いこと。こんなに速いと一歩間違えれば何をやっているのか分からなくなるのがオチなんですが、この作品はカメラが被写体をきちんと捉えてくれるので全然問題無し。戦いのバリュエーションも椅子をトンファー代わりにして戦ったり、竹筒を応用したカウンターで攻撃したりとこれまた趣向を凝らしていて観るものを大いに楽しませてくれます。拳が雑魚共にヒットする打撃音がまた気持ち良いこと。鑑賞後に思わず体を動かしたくなる事は請け合い。そしてドニー先生のサイドキックの真似をしてタンスの角に思いっきり足の小指をぶつけて「Ouch!」となり、妹に白い目で見られること請け合い(私)お話は結構暗めですし暴力描写もキツめですが、ストレス解消には持って来いです。でもでも金×に目×と、何故かヒトが持つタマというタマを片っ端から潰していくドニー。結構惨い事します…。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-07-06 11:57:58)
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