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吉祥寺駅54号さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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自己紹介 吉祥寺駅54号と申します。

以前はYAHOO!映画上でレビューをしていたのですが、訳あってこちらにお引越しすることにしました。

主に2000年代日本映画のレビューを行います。

文面など以前私が書いたヤフー映画上のレビューをそのまま使わせて頂く場合がございます。ご了承下さい。


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1.  女囚701号 さそり 《ネタバレ》 
本作の突っ込みどころその①  「お味噌汁で敵を攻撃」  まず本作の見所は女達の骨肉の争いにあるのですが、女達の攻撃がシリーズ通して斬新です。 熱いお湯、熱い電球、そして熱いお味噌汁というように基本ダチョウ倶楽部的な攻撃方法を多様するのですが、  ここで驚くべき事が!!   味噌汁浴びた敵が・・・え?血まみれ?? 何故か味噌汁をかけられると血まみれになるのです。  ここで本作1番の名言、警察の尋問でのセリフ  「両手両足縛られていながらどうして味噌汁かける事が出来たんだ!(大真面目に)」   ちょっと!その前に、そんな血の出る危険な味噌汁を刑務所で与えないで・・・。   その②  「オシャレすぎる刑務所生活」  刑務所バラが咲き誇っている事にも疑問を感じずにはいられませんが、本作の女囚人の服は相当おしゃれです。 ジャーナルスタンダードとかに売ってそうです。クラムボンとか着てそうです。  しかも囚人服なのに、何故かカラーバリエーションがあります。  基本悪役はオレンジ色、いい奴は青色といった、余りにも都合の良すぎる色分けが行われているのも特徴です。   その③  「警察の尋問、刑罰が面白すぎ」  本作での警察の尋問は何故か服を破く事から始まります。 また刑罰の「閻魔落とし」・・・爆笑ですw  しかし、そんな警察達に女囚人達からの復讐が! 本作のクライマックスは何と裸の女囚人達が警察達を裸にし、ワッショイ!ワッショイ!!   このシーンっていったいw
[DVD(邦画)] 8点(2010-07-28 22:03:26)
2.  鉄男 THE BULLET MAN 《ネタバレ》 
鉄男最新作「鉄男 THE BULLET MAN」は期待してただけに! いい所も一杯あるだけに!!   ある種の残念さも感じた映画になってしまいました。   端的に言ってしまうと初期鉄男で見せた「無茶苦茶さ」「思い切りさ」「訳分からなさ」 そういった若かれし頃の塚本晋也のエネルギーが半減してるように思ったのです。   よく言えば映画監督として大人になってしまったんでしょうね。   その最たるものが物語における「鉄男誕生の理由づけ」 少なくとも私が鉄男に求めてるモノはそれなりの物語なんかじゃない!!    理屈じゃない圧倒的な音楽と映像体験でしょ!!!  劇場に椅子なんかいらない!  そんな風に思いたかったのに!(悔)   そして私が本作が残念に思ってしまうのは、 そんな圧倒的な映像体験が出来る寸前までは表現出来ているのに、 その寸前で塚本晋也監督自身があえて そういった映画が無茶苦茶になってしまう事を放棄しているように感じたトコロにあります。   例えば本作のラストシーン主人公アンソニーの静かであり且不気味な通勤風景は、 塚本監督の傑作「双生児-GEMINI-」のラストを連想させられ大変印象的なシーンですが、「鉄男シリーズ」に個人的に期待するのはやっぱりそういった余韻じゃないんですよね。 石川忠の音楽と共に街を大暴れするアンソニーが凄く観たかった!!    初代「鉄男」のラストで感じた「地球どうなってしまうんだよ~」って気持ちもう一度感じたかったんですけどね~・・・  そしてそう思うのは塚本ファンなら結構いると思うんですけどね。  面白くはありますが少々がっかり。
[映画館(邦画)] 5点(2010-07-28 21:59:30)
3.  AIKI/アイキ 《ネタバレ》 
本作「AIKI」    私はこんなにも「障害者」と真意に向き合った日本映画に初めて出会いました。  主人公の加藤晴彦演じる芦原太一は障害を負ってからというもの最低のロクデナシ。 私は劇中何度も彼の車椅子を蹴飛ばしたくなりました。   そんな彼の閉ざされた心を象徴するかのような、散らかったベッド・・・。   しかし物語の終盤、その散らかったベッドで 彼はそれまで築き上げた自分の力で、 ともさかりえ演じる愛するサマ子と一夜を共にします。   ただただ、涙、涙、涙のベッドシーンでした。   だって彼は良くある日本映画に出てくる「特別な障害者」じゃない。 ただの足の動かないロクデナシなんです。   そんな彼が自力で幸せを、生きる喜びを掴もうとする行為だからこそ 私は涙が止まらなかったのです。     そして、そんな彼が変わるきっかけになった合気道。     彼が車椅子になった葛藤と、この合気道との出会いをリンクさせた事が この映画の何よりも素晴らしいトコロだと思います。  「なんちゃらボーイズ」や「なんちゃらガールズ」とは また違うスポ根青春映画のカタチがそこにはあります。  楽しい楽しい青春の1ページなどでは決してない。  彼にとっての「合気道」とは自己の尊厳をかけた戦いだったのです。   何故なら本作で語られる合気道の思想    合気道は相手を拒絶するのではなく、まず受け入れること  それは合気道の修行と同時に 正に障害を追い廃人同然になっていた太一が 自身の障害を受け入れる修行そのものだったように思います。 
[DVD(邦画)] 7点(2010-07-28 21:55:13)(良:1票)
4.  沈まぬ太陽
ザーボンさん、ドドリアさん、渡辺謙さん  日本映画ファンなら誰しも感じる事ではあると思いますが、 渡辺謙の眉間のしわの深さはドラゴンボール級です。   本作「沈まぬ太陽」は3時間以上に渡り そんな渡辺謙の眉間のしわを観続ければならない映画でした。  ありえない左遷、海外赴任、金、裏切り、汚い汚い大人の世界。 そんな逆流の中で渡辺謙演じる恩地は己の大義を貫きます。  本当に繰り返し観たらハゲるシーンの連続。 渡辺謙の顔も険しくなるのも当然です。   なので私は本作を鑑賞中、終始スクリーンの中に飛び込んで 渡辺謙演じる恩地に何度もこの言葉を言いたくて仕方がありませんでした。    「転職しろ!リ○ナビNEXTに登録しろ!」    しかしどんなに酷い人事を強いられても自らの会社に報いる恩地の姿に 改めて働く事、そして生きる事の意義を考えさせられます。  私は普段は社員数十人の小さな企業で働いています。 もちろん皆自分の生活がかかっている。そこではもちろん利益確保が一番大切。   そんな日々の業務に追われ忘れかけていた私に「働く」という事の意義を本作は問いかけてくれたような気がします。 スケールは随分と違いますがw
[DVD(邦画)] 6点(2010-07-28 21:51:42)
5.  夏時間の大人たち HAPPY-GO-LUCKY 《ネタバレ》 
今だからこそ中島監督は日本映画監督陣の中でも特異な立ち位置にいる監督ですが、 その根底には「映画」に対するしっかりとした「理解」と「情熱」がこの頃既に出来上がっていたのだと感じました。  物語は逆上がりが出来ない主人公のたかしの「何故」を描いた映画。 作中では彼が生活の中のあらゆる物事、あるいは自身の感情に疑問を抱く事こそがテーマの話です。   そんな様々な疑問の中で本作の主軸となるのが 「大人になるとはどういうこと?」という疑問です。   その事をたけしに諭す登場人物として2人の人物が登場します。  一人は学校の先生。この先生は大人になる事をいわゆる社会の常識で語ろうとする役柄です。  一人はたけしの父。父は子供時代をひきずり「大人も分からない事しちゃうんだ」とたけしに言う役柄です。  もっと単純に比較すると、  大人と子供は違うんだ!と説く先生 大人と子供は変わんないよ!と説く父ちゃん  そのような2つの考えが作中で対峙します。   そして本作の結論は後者に傾きます。  何故ならたけしはいつの間に逆上がりが出来たから。 何故なら父ちゃんも母ちゃんも子供の頃から地続きで 今もあらゆる「何故」を引きずりながら生きているからです。  そして巨乳派なたけしが何故貧乳のともこが好きなんだろうと疑問を持った時、たけしはまた一つ大人の階段を上がります。  大人になるという事は「何故」の積み重ねである事、 そこにはゴールが無い事を本作は教えてくれるのです。   さらに個人的には小品ながらも中島監督らしい個性も垣間見る事が出来、 また今の中島監督があまり表には出さない表現方法も観る事が出来ました。  まず現在の中島監督の作風と大きく違うのはカメラワークだと思います。  遠巻きで、しかも中心から少しずらした所に登場人物を配した草原のシーンがあるかと思えば、 古い家屋に少女が座り込むシーンはシンメトリーだったりと、  地味なんだけど、しっかりとその場の情景で、 美しいシーンを押さえている印象を受けました。  今の中島監督の画とはまた違う面白さがあります。   あえて苦言を書くと物語の本筋を解説で済ませてしまうのは、 中島監督の常套手段とはいえ不満が残りました。
[DVD(邦画)] 6点(2010-07-28 21:48:23)(良:1票)
6.  嫌われ松子の一生
中島監督の「下妻物語」本作「嫌われ松子の一生」は 映画にCM的な手法を取り入れるというそういった次元ではなく、 CM的な表現法の積み重ねで映画をつくろうとします。  そういった中島流演出法の極地が本作だと私は思います。   何故なら誰かの不幸を、これほどまでに楽しく描ききってみせたのだから。 それが出来る人は中島監督をおいて他にはいないでしょう。  それは不幸のどん底で半ば廃人になっている松子。  本作はこのどうしようもない主人公を2時間かけて売り込むという 正にCM、コマーシャルだと思うからです。  ここからは例え話 不謹慎ではありますが 本作の登場人物  中谷美紀演じる川尻松子を売り込みたい「商品」 瑛太演じる川尻笙を「客」  と仮定します。 まずこの松子という欠陥商品。 売り込む為にはどうしたら良いでしょうか?     ①商品(松子)の魅力に客観性を持たせる  世間では物を売りたいとき、時に体験者談が大きな意味を持つことがあります。 それは社内の人物ではない利害関係のない他人の発言だからこそ信頼できるものであります。  本作序盤から終盤まで決して松子は人生の殆どを客観的に観ると「不幸」な生活を送ります。 嘘、人殺し、廃人・・・ただそんな松子が魅力的に写るのは上の考えと同じ事がいえます。  物語上に登場する龍洋一、沢村めぐみが正に本作での客観視点での体験者で、 とにかくこの2人が松子の魅力を語りまくる事で、客(笙と観客)は最終的には松子の魅力に気付かさるのです。     ②セリフにキャッチコピーを持たせる+α   物を売るCMには必ずといっていい程気の利いたキャッチコピーが設けられます。 本作の会話劇、物語の展開を観てみた時に不思議なことに気付かされます。  本作の物語進行は大筋  ①松子の人生談の解説→②客観視点での体験者の気の利いた一言→③笙のドライな発言orギャグ  という流れでループしているようにも感じるのです。  つまりここでは松子のキャッチコピーを体験者が言い、 それに対して直ぐには信用しない観客の心情を 瑛太演じる笙が代弁しているのです。  なので本作を拝見していると変な登場人物ばかりの中、 笙だけが話が分かりそうな奴に思えてしまう事こそ本作の狙いなのでしょう。  笙が松子の魅力を感じる頃、 同時に観客も松子を好きにならずにはいられないのです。
[DVD(邦画)] 8点(2010-07-28 21:44:01)(良:1票)
7.  アサルトガールズ 《ネタバレ》 
個人的には09年NO.1のおバカ映画。 Avalonという架空世界(オンラインゲーム)を舞台にした映画。  以下本作のおバカな点    ①出てくる敵はデカイみみずだけ  本作で主人公含む4人のプレイヤーが倒す対象として登場するのが、 デカいみみずです。  物語を終始このデカいみみずを倒す事を目的に繰り広げられます。  敵はデカいみみずしかいません。  「オンラインゲームならもっと色々な種類の敵いないの??」  そう思った矢先登場したラスボスは・・・なんと!!     デカいみみずより少し大きいみみずです。 色がチョット違います。   「同じモンスターの色違い」   ゲームの世界でありがちな事。 この作品はしっかりと表現しているように思います。     ②仲間同士のケンカがラウンド5まである  本作の中盤、黒木メイサ演じる主人公グレイと藤木義勝演じるイェーガーが内輪もめし、 決闘をするシーンがあるのですが、  架空ゲーム上では何度もコンテニューが出来るからなのでしょうか? なんと同じ決闘が5回も繰り返されます。  しかもこの決闘、実力差がありすぎてケンカというよりも 黒木メイサが藤木義勝を一方的にボコボコにしている映像が永遠と流れます。  私はこれはケンカではないと思います。   プレイだと思います。   アサルトスーツを着た黒木メイサのSMプレイ  需要はあると思います。     ③永遠と写されるかたつむり  本作は70分という短い尺でありながら、  その多くの時間を  「歩くイェーガー」 「かたつむり」   この2つを写すシーンに使うという不思議な映画です。  程よい眠気を誘うこのシーン。  「早く敵出てきて!」   そう私は願いました。   そう思った矢先!  なんと出てきた敵は!!   はい、そうです。 デカイみみずです。   ④押井監督、映画として歪な情熱のかけ方。  本作は物語は退屈、 CGクオリティも低く、 このレビュー上の評価も正直納得の作品なのですが、  個人的に好きだったのが藤木義勝演じるイェーガーの衣装。  背中に担いだデカイみみず・・・じゃなかったデカイ銃。  そして背中にぶら下げたフライパンがなんともいえない哀愁を漂わせます。  そしてそのフライパンで作る料理「ベーコンエッグ」の美味そうな映像は、 誇張でも何でもなく「かもめ食堂」を超えてますw
[DVD(邦画)] 3点(2010-07-13 00:57:51)
8.  愛のむきだし
園子温監督の映画はいつもエネルギーに満ちています。 それは日本映画にありがちなリアリティとは無縁の世界。  圧倒的な「熱量」で嘘を描ききるのです。  本作ではその「熱量」(エネルギー)が「愛」とリンクします。  車をぶつけるアクション、 押し倒すアクション、 殺陣のアクション、  この映画のアクションシーンとは直接的な愛情表現なのです。  「愛=アクション」  その最も象徴的なアクションが「勃起」です。  「勃起」は卑しい事ではなく究極の愛情表現なんだとこの映画は提唱します。  本作は「勃起」で私達を感動させるのです。  この矛盾、歪な感動こそ映画的体験なのではないでしょうか?  「女囚さそり」「太陽を盗んだ男」等かつての日本のB級映画はそのような感動に満ちていました。  そのような熱気を再び取り戻す本作は  今までの日本映画界において「良し」とされているものに中指を立て、 今までの日本映画界において「悪し」とされてるあらゆる要素を盛り込んだ、  今の日本映画では稀有な立ち位置の映画。 紛れもない傑作。
[DVD(邦画)] 10点(2010-07-13 00:45:27)(良:3票)
9.  うた魂♪ 《ネタバレ》 
クライマックスの「青い鳥」の合唱。素晴らしかったです。 映画の力というよりも歌の力に感動してしまいました。  一方、ライバルの湯の川学院高校の歌う尾崎豊。こちらも負けていない。 ゴリ演じる権藤洋はじめ、キャラクターも魅力ある面々がそろっていたように思います。 そもそもヤンキーに合唱。  そんな素晴らしい着眼点、魅力あるキャラクター、そして純粋な唄の素晴らしさ。 確かにこの映画にはそれらの魅力があります。    ですが、それらの魅力のある設定を活かしきれないまま終わってしまったように私には思えてしまいました。  勿体ない!!    その勿体なさが顕著に出ていたシーンがあります。  それが、ゴリ率いる湯の川学院高校の部員たちが主人公の荻野かすみに「かっこなんかを気にするな!」と悟られ改心して合唱にのぞむシーン・・・。   自分らの信じる事しかやらないのが、湯の川学院高校の合唱部じゃなかったの? じゃああのダサイ振り付けはいったいなんなのでしょう??   恐らく製作者側はこの湯の川学院高校の合唱をコミカルなシーンにしたかったのかもしれませんが、私としては話中盤でのゴリのセリフに矛盾しているように感じてしまいました。やめたほうが良かったシーンだと思う!   一方で、七浜高校合唱部部内の友情であったり、あるいは主人公荻野かすみの学校生活が殆どといっていいほど描かれていないため、私はこの映画にどうもリアリティを感じることが出来ませんでした。   また、薬師丸ひろ子演じる瀬沼裕子の存在も権藤洋のエピソード以外あまり活かされておらず、 主人公の荻野かすみが思いを寄せる牧村純一にいたってはただのムカつく奴!になっちゃっているように思えました(涙)。    という感じで全編に渡り、ストーリーに演出に「??」の2時間。   でもラストの合唱は本当に素晴らしいシーン! そのシーンだけでも観る価値はあるとは思います。   総じて感想としては、いい所半分、悪い所半分といった感じでしょうか。
[DVD(邦画)] 5点(2010-07-12 21:45:36)
10.  ただ、君を愛してる
日本映画流行の難病モノですが、その展開は置いといても、主演の二人の人物設定がこの映画では面白く最後まで楽しめました。   まず玉木宏演じる瀬川誠人の役が良かったです。 内気で人見知り、女の子に対して強く主張する事が出来ず、 謎の病気持ちetc・・・。  思わず応援したくなるような主人公でしたw  特に宮崎あおいの演じる里中静流とのケンカシーンは個人的には面白かったです。 本当に理不尽な理由で一方的に怒られていて本当に出来る事ならブラウン管の中に飛び込んでケンカを止めたかったのですが、いつしか、彼女の激怒に瀬川誠人が笑うようになります。  そこの静流を好きになってゆく微妙な心の変化の描き方がこの映画では、退屈せずいいテンポで描けていて良かったと思います。   また、この映画で静流は現実ではありえない(?)ような不思議な病気にかかっています。 最初は何故わざわざこんなリアリィティのない病気にしたのだろうと思いましたが、最後のシーンの伏線と知った時は、なるほどと思いました。  このような系統の映画の場合一般的にリアリィティのある病気にする気がしますが、私は安易に「死」を取り扱うよりもこの映画のように完全な一つのフィクションとして扱っている方がまだ好感が持てる気がします。   ただ、元々疑問に思っている類の映画である事と、 音楽が全体的にチープな感もあったので、 総じて4点というところでしょうか・・・。
[DVD(邦画)] 4点(2010-07-12 21:40:31)
11.  未来予想図 ~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~
私はドリカムのファンです。  私が思うドリカムの曲の良いところはまず吉田美和さんの歌詞だと思っています。 まるで、現実の世界が浮かんでくるようなその世界に時に自分の過去の恋愛を照らし合わせて涙したりします・・・。  映画であればどんな名作でも人を感動させるのに一時間はかかるものを、5分以内でやってのける・・・。ドリカムに限った事ではありませんが音楽が持つ力を感じてしまいます。  まず、この映画を観て思ったこと・・・。 ストーリーの良し悪し以前に私思った事です。  それはこの映画を製作した監督はドリカムの事好きなの??という事です。   ネット上の監督のインタビューにその辺の事が載っていました。 以下監督の発言。(日本映画専門情報サイトから抜粋)  Q、この映画はDREAMS COME TRUEの曲を題材としていますが、監督はこの曲にはどんな印象を持っていらっしゃいましたか?  蝶野監督「正直に言うと、そんなにじっくりと聴いたことはなかったんですよ。映画の話があってから改めて聴いてみたら、歌詞がすごい純粋なんですよね。こんなに純粋な曲があるのかとすごく驚いたんです。」    インタビューを読む限りでは映画の依頼が来てから未来予想図を始めてじっくり聞いたようです。 ドリカムの最も有名な曲である未来予想図も映画の依頼が来るまでちゃんと聞いたことない方が、アルバムの隠れた名曲の数々なんて知るわけがなく・・・。  結局ドリカムの曲が持つ魅力を十分活かす事のないまま辺り触りのない作品になってしまったような気がします。  少なくともドリカムを好きな私なら、劇中に未来予想図だけでなく、「サンキュ」「めまい」等もっとドリカムの素晴らしさを伝えられたような曲を入れたと思います。  例えば岩井俊二の映画のスワロウテイルのようにたとえそれがJ-POPでも時にそれが映画の質を損ねずに時に素晴らしい感動を呼び起こします。  「未来予想図」の映画化というコンセプトの時点でもっとドリカムの魅力を伝えようとは考えなかったのでしょうか?
[DVD(邦画)] 3点(2010-07-12 21:34:33)
12.  ぼくたちと駐在さんの700日戦争 《ネタバレ》 
監督は「時効警察」など数多くの脚本を手がけている塚本連平さんという事で、独特のテンポでしかも立て続けに笑いどころがやってきます。 例えば一つのネタふりで笑えなくとも、次々に笑いどころがあるので、結果何度も観てみたい好きなシーンはいくつかありました。例えば・・・  ・心臓が悪いはずなのにダッシュで走り抜ける神主さんw ・SM本を駐在所に隠している時に見つかるシーンw ・主人公達が山奥に置き去りにされるシーン(感動シーンと思って観ていました)w   等、恐らく笑いどころの数という意味では末恐ろしい映画だと思います。 私はこの映画なんとなく、漫才師「笑い飯」の漫才のような映画だと思ってしまいました。一つ一つのネタはしょーもないけどそれが立て続けにくると何故だか面白い。  ただ、私は残念ながらツボにはまるまでに至りませんでした。 これからは、私が個人的に残念に感じたところです。  ①ノルタルジックな描写が微妙  時代は70年代ということだったのですが、時代の表現の仕方がポスターや音楽などのアイコン的な物でしか表現しておらず、私にとっては当時の時代の空気感がまったく伝わって来ませんでした。  最近では戦後の懐かしさを題材にした邦画がヒット、あるいは評価される傾向にありますが、例えば、高度経済成長時の炭鉱町を題材にしたフラガールでは、当時の細かな町並みの描写だけでなく当時の人物の考え方まで映画の中で考慮されており当時の時代感がブラウン管からひしひしと伝わって来ました。  私は、少なくともこの映画にはそのような時代感をあまり感じませんでした。   ②金太郎飴のような映画  ここは好き嫌いが分かれるところかも知れませんが、この映画は恐らくどこから観てもそれなりに楽しめる映画になっています。 金太郎飴のような映画です。  もしかしたら、テレビのチャンネルを変える視聴者に直に注目されなければならない手法のまま映画が製作されているように思います。  テレビ畑監督特有の病。 本作に限った事ではありませんが・・・。
[DVD(邦画)] 3点(2010-07-12 21:30:03)(良:1票)
13.  グミ・チョコレート・パイン
まず、私は大槻ケンヂの原作本が大好きです!(特にグミ編) そしてその映画化と聞きDVD化を楽しみにしていたのがこの映画でした。  映画も原作ファンでも中々楽しめる内容でした♪ 初見の方ならばかなり新鮮な内容だったのではないだろうかと思います。   ここからは原作も含めた「グミ・チョコレート・パイン」(以下グミチョコ)の魅力について書きたいと思います。  一般的に青春映画というと、そのほとんどが部活などにその情熱を捧げるスポ根作品、あるいは学生ながらに素敵な恋に青春をかける恋愛作品に分けられるとするならば、この作品はどちらかというと、後者の恋愛作品といえるでしょう。  ただ、個々で描かれている主人公とヒロインの間にはとても埋められそうもないヒエラルキーが存在するのです。 そこの描かれ方が原作含めこの映画の一番面白いところなのではないかと思います。   日本人は確かに国民としては平等に扱われているかも知れませんが、 日本の高校には確かに見えない(恋の)カースト制度存在すると思います!  そして、今までの青春映画ではそのカースト制度のスードラ、すなわちモテない帰宅部に属する学生たちが表に出る事はほとんどありませんでした・・・。  そんな彼らにスポット当てただけでも、グミチョコの存在意義はあります!  ただ、そんな彼らに本当ならばクラスの南ちゃん(この作品の山口美甘子)が振り向いてくれるはずもないのが現実です。 だって同じクラスには男前でスポーツも出来るたっちゃんみたいな男子がいるはずだから・・・。  でも、この作品では「映画」というファクターで主人公の大橋賢三と山口美甘子が心の通う友達(ここ重要!)になってしまうのです。恋のカースト制度に反旗をひるがえしたわけです。  なんて素晴しい☆  ただ、若干映画版だと主人公である大橋賢三の悶々とした感が、オナニーシーンだけで済まされているのが残念でした。 原作だと彼はもっと病んでいます・・・。黒いマントの男とか出てくるんだけどな。 あえて言うならばそこが若干残念でした。   でもこの映画には間違いなく、美男美女、運動部という言葉では決して語られないであろう悶々とした青春が描かれています。  ある意味独特の存在感を放つ青春映画です。 観て損はないと思います!
[DVD(邦画)] 5点(2010-07-12 21:24:11)(良:2票)
14.  崖の上のポニョ
以前、崖の上のポニョを製作する宮崎駿のドキュメンタリーがありました。  その中で最も印象深かったシーンは、宮崎駿がこの作品の絵コンテを描きながら涙をするシーンでした。 その時流れていた曲は「ひまわりの家の輪舞曲」という曲でした。もう年齢的にもモチベーション的にも最後の監督作品になるかもしれないといわれている今作品、宮崎駿はどんな気持ちでこの作品を作り上げたのだろう・・・。  ポニョを観終わった時(以前の話にはなってしまいますが)、  私はこの映画は宮崎駿しか作れない子供の為の映画だと感じました。 素晴しい作品です。    昨今の日本映画は、アニメーションの世界の飛躍がめざましいと聞きます。 「スカイクロラ」の押井守監督、「時をかける少女」の細田守、「東京ゴットファーザーズ」の今敏監督などクオリィティが高い作品はもうジブリの専売特許ではなく、正直なところ私個人的にも、ジブリの新作よりも細田守監督の新作の方が楽しみだったりもしますw  ただそれら映画と異なるポニョの魅力は、上記の映画が主にティーンエイジ、20代の若者が楽しめるように作られている事に対して、この映画がどこまでも子供目線につくられている事だと思います。  映画を観ていて、まるで絵本を観ている様な素晴しい映像。 ことごとくシンプルな登場人物描写。 そして、例えば怒った母親の足音が微妙に大きいように感じたのも子供の目線にたった細かな気配りなのでは?と感じました。  宮崎駿だからこそ作る事が出来る映画。
[DVD(邦画)] 5点(2010-07-12 21:21:04)(良:1票)
15.  ヒーローショー 《ネタバレ》 
井筒監督のケンカシーンのお約束として報復(やったやつは必ずやられる) がありますが、その先に誰かが死んでしまいとてつもない後悔が生まれてしまうという展開だったのが、 初期井筒作品の「ガキ帝国」のラストシーンでした。  本作はそのガキ帝国の続きを観る作品。  人を殺してしまった「勇気(ジャルジャル・後藤淳平)」と 友を見殺しにしてしまった「ユウキ(ジャルジャル・福徳秀介)」の  葛藤を描いた作品です。  まず本作のとにかくストイックな描写はそんな中盤の殺人シーンを 事細かに・・・ まるで私達がその場に居合わせたかのような臨場感で描ききってみせるトコロにあります。  リンチされゆく3人。  殴られる・・・死なない。  ゴルフパットで殴られる・・・まだ死なない。  バットで殴られる・・・まだ息してる。  直視する事が出来ないシーンの連続。   しかし・・・本当の不幸はここから。  今度は殺した者達の葛藤。   報復への怯え、仲間への不信感、将来への絶望感。 描かれる圧倒的な不幸。  そこでもがく勇気・・・。 恋人とつかめるはずだった幸せ。 でも彼の犯した罪はあまりにも重い。  ラストのアパートの廊下での勇気の姿に心打たれないはずがありません。  言い方は失礼ですがとても井筒作品とは思えない 何か格調高い映画を観たような気分にさえなってしまいます。  井筒バイオレンスの臨界点・・・ それは暴力という行為のその先にあるとてつもない不幸。  それを描ききった本作は近年の日本映画には決して類を見ない 反暴力映画だといっても過言ではないと思います。  個人的には誇張でも何でもなく 「パッチギ」と並肩するもう一つの井筒監督の代表作になると思います。
[映画館(邦画)] 8点(2010-07-12 21:16:19)(良:2票)
16.  きょうのできごと a day on the planet 《ネタバレ》 
行定監督といえば印象的なのが   沢尻エリカの「別に」問題でも話題になった「クローズド・ノート」や 本腰を入れて製作したものの映画ファンから総スカンをくらった「遠くの空に消えた」等で  「世界の中心で、愛をさけぶ」の商業的な成功以降、 迷走している感が否めない監督のような気がします。  しかし行定監督にしか描けない世界観というのも 存在するとも考えています。  それが本作を含むモラトリアム3部作で、 恐らく行定監督作家性を語る上で最も重要な作品群でしょう。  鑑賞後、こんなにもかつてを思い起こさせてくれる映画を私は他に知りません。  社会に出る手前で怠惰な日常を過ごしている若者の 幸福感、絶望感、そしてその日々が刹那であるという事。    日本映画において良く用いられるキーワード   「何もない系」  その何もないという事を 行定監督はこんなにも魅力的に描いてみせるのです。     本作「きょうのできごと」では、 そんな若者達のモラトリアム、他愛もない日常を彩る要素として  二つの出来事が同時進行で繰り広げられます。  一つは「鯨が砂浜にうち上げられ座礁した」という出来事。 一つは「人がビルに挟まり抜け出せなくなった」という出来事です。  一見関係のないような出来事ですが、 実はこの二つの出来事は若者のモラトリアム期を描いたメタファーであると考えます。  例えば、本作の鯨の出来事。 社会をいうものを「海」だと例えた場合、  座礁した鯨は 社会から切り離されたモラトリアム期の若者そのもののように見えるからです。  座礁した鯨にある選択肢は、  海に戻るか このまま死ぬか  終盤、本作の鯨が辿った運命は正に 大学卒業期の私達そのもののように思えました。  またそこに主人公達が鯨になんとなく会いに行く。 しかしそこに鯨はいない。  という展開を加える事で、彼らの過ごすモラトリアム期もまた、永遠でない事を示唆しています。
[DVD(邦画)] 6点(2010-07-12 21:09:03)
17.  告白(2010)
まず本作レビューの前に原作である  湊かなえ著「告白」について少し書きたいと思います。  というのもこの原作本はどことなく不完全で、 悪く言ってしまうとどこか素人臭い文章のような気がしてならなかったからです。  そしてその不完全さこそが原作本の大きな魅力だと思います。  つまりは本作に書かれてあること全てを読み込んで信じるだけでは不完全のまま  モノローグ形式で書かれる本作の「真実」と「嘘」を自分で解読しながら読んでいくというのが 原作「告白」の楽しみ方だと個人的には考えます。    本作の監督である中島哲也も 脚本執筆に辺りまず始めに手がけた事も原作の虚実の選別だったそうです。  映画は小説と違い人の表情が垣間見えるモノなのでこの選別はある意味必然の作業だったともいえます。     次にこの原作本を出演者の生徒全員に読ませ、一人一人と面談 リアルな13歳の感想を聞き、作中に反映させたそうです。  そこで分かった事は本作を読んだ13歳の生徒の多くは 本作の内容を一点の曇りも無く「真実」と判断。  それは原作で描かれた13歳とは余りにもかけはなれた純粋な13歳でした。    マスコミは煽ります「少年犯罪の凶悪化」   はたしてそうでしょうか?   管賀 江留郎著「戦前の少年犯罪」を読めば明らかなのですが 過去の少年犯罪の方が遥かに残酷 現代の子供達はむしろどんどん安全になっている。  最近の子どもを怪物扱いする事の浅はかさに気付かされます。 正に私の思う湊かなえ著「告白」の最大の問題点はここで 現代の少年少女達をさも怪物のように見立てまるで現代の社会問題のようにしているところにあると思います。  例えば本作の一文に  『親殺しは近年ニュースで取り上げても「ああ、またか」と思う程度』  という文がありますが国の統計では少年による凶悪犯罪は1958~1966年までがピークでその後は急激に減少しているのです。    なので私は本作を楽しむ際、  現代を生きる13歳をキチ○イのように描く事こそ「嘘」つまり「ファンタジー」  だと解釈して楽しむ必要があると考えます。  だからこそ本作の映画化に日本が誇るファンタジー系映画監督 中島哲也が手を挙げた事は、大変幸運な事だったといえるでしょう。
[映画館(邦画)] 7点(2010-07-12 21:02:15)
18.  かもめ食堂
荻上監督作品の代表作であり、 彼女のキャリアの中で個人的にも最も好きな作品。  舞台はフィンランド。 個性的な3人の日本人女性が繰り広げる物語。  小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ  3人の関係性はいつもながらに安定感があります。 私が特に好きだったのが小林聡美演じる主人公のサチエでした。  夢はあるけれど片意地をはらない、素晴しい女性像を演じます。  そんな彼女は作中、印象深い言葉をいくつか残しました。 その中に、ミドリ役の片桐はいりさんに 「サチエさんは好きなことして暮らしていていいなー」  と言われた時の回答  「嫌いなことはしないだけですw」  という言葉がありました。  現在の日本では戦前に比べ女性は自由になったと聞きます。  しかし現状は30代で独身の女性を「負け犬」と揶揄したりする社会が悪いのか、 本当の意味で自由な女性というものには中々お目にかかりません。  ちょっと拡大解釈しすぎなのかも知れませんが、 この映画はそんな現代人に「こんな幸せもあるのだよ」と投げかけてくれるような気がします・・・。  沢山のお金。誰もがうらやむような仕事。庭付き一戸建て。素敵な結婚相手。 そんな風に「社会につくられていない幸せ」が確かにこの映画にはありました。  今の日本の社会に欠けている「何か」を見つけられる一本。
[DVD(邦画)] 7点(2010-07-12 20:50:08)
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