1. チキ・チキ・バン・バン
小さい頃にこの映画を観られたことを、私はひじょうな幸せと思っております。 10点(2003-02-04 00:28:34) |
2. シャーロック・ホームズの素敵な挑戦
この映画はシャーロキアンには不評だけど、娯楽映画としては一級品。コカイン中毒で妄想を見るようになったホームズがワトソンと共にウィーンへ飛んで(何故か実在人物の)ジグムント・フロイト博士と出会い、誘拐された歌姫の行方を追って活躍する。19世紀ウィーンのクラシックな雰囲気と贅沢な調度。見せ場の配分もうまく、腹黒男爵が借金のカタに歌姫(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)をトルコの大臣に売っ払おうとしていることを知った三人が一路オリエント急行で追跡し、最後には走る列車上での剣戟対決まで観られる。ニコル・ウィリアムソンはホームズ・スタイルがよく似合っているし、ロバート・デュヴァルのワトソンが他のホームズ映画みたいに馬鹿に描かれてないのもいいし(実際はこんな感じなのだろうと思う)、犬のトビーまで出てくるし、何よりも英国騎士道精神みたいなものが感じられるのが嬉しい。ジョン・アディソンのワルツ風の音楽が映画全体を振り付けていて最高。 10点(2003-02-03 11:46:32) |
3. テオレマ
植草甚一氏がかつて「人間の心の中は砂漠だ、とパゾリーニは言っている」とかいうタイトルで文章を書いていた。僕がこの映画を観て思ったのも、やはりこの一センテンスだった。ジュゼッペ・ルッツォリーニの静かだが激情的で張りつめるような美しい画面、そこに虚しいようなけだるいようなエンニオ・モリコーネの音楽がかぶさってくると、現代人の孤独とか終末みたいなものを感じてボーッとなってしまう。 10点(2002-12-17 22:37:12) |
4. リトル・ロマンス
ローレンス・オリヴィエが映画館前で二人を見送ってから自首するところ、この孤独なホラ吹き老人の気持ちが伝わってきて涙した。 10点(2002-12-16 01:16:41)(良:1票) |
5. 逢びき
このラストシーンには「うーーーむ」と唸ってしまった。恋愛映画の得意なリーン監督だが、これは極上。 10点(2002-12-09 22:03:33) |
6. 砂漠の流れ者
ずっと前にTVで何も知らずに観て以来忘れられない映画。時代と共に滅び行く人たちを描いて、「ワイルド・バンチ」と並ぶペキンパーの名篇。ジェースン・ロバーズもステラ・スティーヴンスもデイヴィッド・ワーナーも実にいいが、ストロザー・マーティンのゲスさみっともなさにものすごい味があり、ペキンパーの心を感じた。 10点(2002-12-09 21:54:03) |
7. ワイルドバンチ
観るほどに、これは「七人の侍」のペキンパー版かなと思えてくる。ただアチラは侍の魂を残していたからまだしも、コチラはもはやガンマンの誇りもなにも失った連中が、やっと見つけた花道に狂奔しているように見える。死ねた奴らはまだいいが、それにすら間に合わなかったソーントンはもはや生ける屍か。ネガティヴな男たちの散りざまに感動しました。 10点(2002-12-09 16:07:25) |
8. ダウンタウン物語
一番好きなミュージカル。サムの手下の悪党4人のダンスは僕もやってみたい。最後にサムとダンが仲直りするところで子役の司祭が仲裁に入るとことか、芸の細かいところが全編随所にあって、何度見ても楽しい。 10点(2002-11-25 03:56:39) |
9. イージー・ライダー
中学生の時、深夜TVで観てものすごく感動した。時代性が強いので今観たらようわからん(僕の友人の言葉)、というのは同感する。けど、このピーター・フォンダ(とニコルスン)は今見てもかっこいいし、何よりもバイク乗りには今でもこの魅力は失われてないだろうと思う。(別の友人はコレのおかげでバイク屋を経営している) 10点(2002-11-25 03:48:12) |
10. if もしも....
歴史の先生がチャリに乗って教室へ来るところ(ちゃんとチャリを仕舞う係りの少年もいる)と、↓神父さんが引き出しから出てくるシーンには笑った。英国という国と学校という世界をこれくらい鮮やかに描きだした映画は他にない。全シーン好きだけど、特にウォーレスが鉄棒をする(そしてボビー・フィリップスがセーターを着る)スローモーションと、珈琲店でミックと店の女が虎の真似をするところ(とその後、美しい草原をバイクで走るシーン)にはアンダスンの詩を感じて素晴らしかった。 10点(2002-11-25 03:29:41) |
11. ピンク・パンサー3
笑った映画は多いけど、これくらい笑った映画は空前絶後。あまりにもバカゲたギャグをど真中の真正面から押しまくって、ケッサクなシーンは多いけど、僕が一番爆笑したのは最後のエピローグのところ。ネクタイ、ワイシャツと続いてあと一発やられたらチッ息して死ぬところだった。今回の主役はドレフュスだけど、ハーバート・ロムの痛ましいまでの力演はほとんどカンドー的。 10点(2002-11-25 03:02:27) |
12. 叫びとささやき
かつてイングリッド・チューリン、ハリエット・アンデルソン、グンネル・リンドブロム、ビビ・アンデルソン、リヴ・ウルマンで、ベルイマン映画「女の性の五人衆」と呼んで恐れおののいていた。これはその内三人までが出ているので恐怖も並大抵ではない。意味はようわからんけど、あのドス赤いというのかドス白いというのか、底の知れない、女の深奥を覗かせるような凄愴鬼気迫る色彩美にはただただ圧倒された。 9点(2003-02-03 11:53:23) |
13. フレンジー
ヒッチコックの中でも特に好きな作品のひとつです。何が好きといって、あの開巻からむせかえるような英国ムードがいい。この強い雰囲気と、ツボをこころ得きった演出(と脚本)とが相俟って、なにか上等な犯罪小説でも読むような完成度を持ったと思う。スリラーとしても怖いし、随所にある皮肉でブラックなユーモアもいいし、この監督には珍しい人間的な味もある。ラストシーンも味わい深い。ヒッチコックは根っからのロンドンっ子なのだとあらためて認識した。 9点(2003-01-15 20:50:21)(良:1票) |
14. サイコ(1960)
ベイツ・モーテルへ行ってからも怖かったが、前半、会社の金を着服して車で逃走中のジャネット・リーが、交差点で前を通り過ぎる社長と目があってしまい不審な表情をされる、あのシーンにゾッとした。なにか学校をズル休みしているところを先生に見つかった小学生といった風だった。そのあとに出てくる異様に顔のデカい警官も不気味だった。 9点(2003-01-15 20:02:19)(良:1票) |
15. ドレッサー
たった一回の公演の話なのに、その間に小屋や楽屋や舞台袖の雰囲気、また芝居に携わる人々、役者や裏方ひとりひとりの人生や生活までをも、あますところなく生き生きと描き出してくれた。ボケとプライド、傲慢と弱気の間を揺れ動くワンマン座長アルバート・フィニーと、我こそが座長の唯一の理解者と思い込んで14年間仕えつづけたオカマ付き人トム・コートニー(コンティではありません)の名演技が、夢を与える職業の人々の歓喜と辛さ、孤独と親愛をつかみ出していた。芝居好きの人必見の名画です。 9点(2003-01-06 23:54:43) |
16. タワーリング・インフェルノ
小学生の頃映画館で観ました。あの臨場感と迫力は強烈で、観終わった後、両手のひらが汗でびっしょりになっていたのをよく覚えています。〝手に汗握る〟ということを初めて実感しました。 9点(2003-01-06 21:31:02) |
17. OK牧場の決斗
小さい頃TVで観て、カーク・ダグラス演じるドク・ホリデイのカッコ良さに惚れた。ワイアットに「荷物は?」と聞かれて、「オレにはコレがある」とポケットからトランプを取り出すシーン、肺病で死にかけてるのに最後の決闘にはしっかり現れるところ。ジョー・ヴァン・フリートの情婦が、いかにもこのヤクザな男に付き添う女という感じを出していて良かった。スタージェスの演出とフランキー・レインの主題歌が、全編たたきつけるような男らしさを貫いていて気持がいい。 9点(2003-01-06 00:14:54)(良:1票) |
18. バベットの晩餐会
料理がひとつの芸術であり、優れた料理がいかに人に影響を与えるかが、これ以上は望めないくらいの説得力をもって伝わってくる。晩餐のシーンのこれ以上でも以下でもいけない抑制の効いた素晴らしい演出から、見事なオチへと持っていく。ガブリエル・アクセル監督の映画文学。アシール・パパンとレーヴェンイェルム将軍の人生を見つめる作者のまなざしが、人生の酸いも甘いもかみわけたような人の寛容さと愛情を感じさせて暖かい。 9点(2003-01-02 00:00:42)(良:3票) |
19. 裏窓(1954)
後半のグレイス・ケリーが隣家に忍び込んでいくところでは、「オイ、何をしてるんだ・・・ちょっと待て、待てったら・・・コラ、行くんじゃない・・・やめろ、やめろ、行くとマズいって・・・理性を持て・・・行くんじゃないって!・・・やめなさいって!!・・・ア~ッ!!!・・・」と心の中でわめいていた。 9点(2002-12-20 00:49:59) |
20. アパートの鍵貸します
観た後とてもほのぼのした、ハッピーな気分になれました。この頃のシャーリー・マクレーンは可愛かった。いつからあんな神懸かりなずうずうしいオバハンになってしまったのだ。 9点(2002-12-19 22:51:46) |