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ヤークト・パンターさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 9

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1.  ワンス・アンド・フォーエバー
この映画は、出征前の部分や銃後の妻達の不安を描いたところが、60年代という時代背景を考慮したのか、映像も内容も意識的にか少し古めかしさを強調していたように見える。しかし大半を占めるベトナムの戦場シーンは今風のリアリスティックな描写になっている点、その間に若干のギャップが生じたようだ。出征前の部分はもう少し刈り込んで2時間10分くらいにまとめたほうが座りがよかったのではないかな?北ベトナム側の描写も残念ながら付け足しの感は否定できない。ただし戦闘シーンは迫力満点で、米軍の苦しい戦いがうまくとらえられていたように思う。空爆シーンなどまことに凄まじい。また終わりの方ではメルギブのマッチスモ全開といった趣があり、エンターティメント作品として大いに満足でした。そう、戦争映画は高い意味でのエンターティメントなのだと思う。反戦メッセージが見つからなければダメ、では心が狭すぎるし、なんの為に映画をみているんだということになってしまわないか?ところでこの作品を批判するのはもちろん自由だが、一言たりとも根拠を示さず、一方的な罵詈雑言を書き連ねている人が2,3いるのは情けない。それでは所謂荒らしと同じで、とてもこのサイトの趣旨に沿っているとは思えない。意識の改善を望む。
7点(2003-07-18 16:31:43)
2.  蜘蛛巣城
シェイクスピア戯曲で最も日本人にぴったりくるのは「マクベス」だろう。戦国乱世の下克上そのままがドラマ化されているからだ。黒沢としてもこの作品を選んで大いに正解だった。年代はかなり離れてはいるが「リア王」によった「乱」がいささか歯切れの悪いものになったのとは対照的だ。「七人の侍」も傑作だが、「蜘蛛の巣城」の方が簡潔でまとまりがよい点、一日の長があるように思う。奥方役の山田五十鈴は三船の女房としてはちょっと老けた感じだが、その見事な演技は圧倒的だ。マクベス・ドラマは夫人が巧くなければ確かに話しにならないのだ。ヴェルディのオペラ「マクベス」でも夫人役は超絶技巧のアリアをこなさなければならない。三船はやっぱりなんらかの髭面が一番似合う。武将としての強さと人間としての弱さを見事に演じてくれた。10点。
10点(2003-07-11 17:56:37)
3.  影武者
この作品を歴史劇として眺めたら、ほとんど滅茶苦茶といってよい。確かに武田信玄をはじめ、歴史上の著名人が続々登場し、長篠・設楽が原の合戦がクライマックスになっているが、影武者の話がフィクションというだけでなく、様々なディテールにわたって歴史的実証性はないがしろにされている。まず長篠の戦場はあのような地形ではまったくない。あんなだだっ広い場所ではないのだ。また武田騎馬軍団などという捏造の産物を疑いもせずに使っている。当時の日本にはヨーロッパの騎兵のごとき兵種は存在しなかった。こういったことについては鈴木慎哉氏の著作を薦めたい。もっとすごいのはラストシーンでの風林火山の旗標の川流れだ。このような武田家の精神的象徴物を投げ捨てて敗走するような兵がいたとはとても考えられない。この件に関しては、かつて松本清張も指摘していたらしいが、筆者はそれを読んだことはない。映画「影武者」に対する最も好意的な扱いは、あくまで戦国ファンタジーとして鑑賞することである。「蜘蛛の巣城」「隠し砦の三悪人」「用心棒」「椿三十郎」「乱」などいずれも歴史あるいは時代ファンタジーである。風林火山の川流れもその文脈でとらえるべきで、これはすでに瀕死の重傷を負った影の男の目に映った幻覚であろう。それは誰かの単なる旗さしものにすぎなかったのだが、影の男にはそう見えたということなのだろう。それを掴もうと男は川に入って行くが力つきて倒れてしまう。虚像の信玄を演じた男は幻の風林火山に手を触れることも成らず、潰えたのである。ふさわしい最後と言うべきだろう。やや滑稽味も漂わせた悲劇であった。
6点(2003-07-08 18:21:35)(良:2票)
4.  アレクサンドル・ネフスキー
一種の大規模国策映画だが、それを超えた見応えのある作品。ショスタコーヴィチの交響曲第七番「レニングラード」がやはり感動的な楽曲であるのと同じだ。氷結したチュード湖上での大会戦のシーンは語り尽くされた感があるものの、両軍激突までの緊迫感の描写は何度見てもすごい。悪役ながら白衣のドイツ騎士団が突撃を始めるシーンなど実に美しい。映画の前半ではドイツ騎士団が、占領したプスコフで住民を殺戮するエピソードが強烈な印象を与える。プロコフィエフの重厚な音楽をバックに展開されるが、昔の映画なので首が飛んだり血が噴き出したりといった描写はないが、中世北欧の陰惨な雰囲気がリアルに描かれている。アメリカ製の歴史映画ではこういう感じは出せないだろう。それと関連して俳優達の風貌が主役をはじめとして実に良い。北欧、東欧、旧ソ連圏の映画にはこういった地方色を備えた役者達を見る楽しみもある。アレキサンドル役のチェルカーソフは先日他界したグレゴリー・ペックとちょっと似ているようにおもわれるのだが・・・・。「戦艦ポチョムキン」のような作品はちょいと??だし、「アレキサンドル」の方では農民たちも雄々しく防衛戦争に加わったといった史実歪曲があるが、ま、そこはソ連映画のご愛敬。これはセルゲイ・エイゼンシュタインの才能がかなり幸福に開花した好例ではなかろうか。
8点(2003-06-24 16:33:22)
5.  インデペンデンス・デイ
みなさん、反語、皮肉、批判、非難など様々なレトリックを駆使して語っておられますね。しかし、かつてエイゼンシュテインが監督して作られたソ連の大国策スペクタクル巨編「アレクサンドル・ネフスキー」と本質において大差ないというのが私の総合的感想です。ネフスキーが見応えあったという意味においてはインディペンデンスも面白かったです。両方ともかなり好きですよ!
8点(2003-06-19 21:08:20)
6.  薔薇の名前
原作を読了してから観たので、インパクトの低下は避けられなかった。それでも映画作品としてはかなりの佳作といえる。あの奇怪な顔のサルバトーレは「エイリアン4」や「スターリングラード」にも出ていたね。それにしてもヨーロッパ中世には暗黒面も含めて汲めども尽きぬ深さがある。中世をすっとばしてルネサンスを語っても意味はないのだ。
8点(2003-06-19 20:24:47)(良:1票)
7.  13日の金曜日(1980)
13金シリーズは3,4作みていると思うが、すべては地上波のテレビ放映だった。そのことは私にとっての13金シリーズの在り方を示している。つまり映画館に足を運んだり、ビデオをレンタルするほどの気にはならないが、テレビでやれば大体見る。まあそんなていどの作品ということになる。そういう意味ではかの「寅さん」シリーズと似ていなくもない。実際ジェイソン=寅さん説というのもあるくらいだから(笑)。それはともかく、さすがにパート1は記念すべき作品に仕上がっている。基本的なパターンは殆ど出そろっているといっていいからだ。ナンパな若者たちが次々殺戮されていくさまは、とっくにオヤジの部類にはいっているこちとらには痛快といえなくもない。それは「桃太郎侍」や「暴れん坊将軍」でヒーローにバッタッバッタと切り伏せられる悪家老や悪代官の家来たちの扱いと大差はないからである。
7点(2003-06-19 17:47:50)
8.  ブラザー・サン シスター・ムーン
辛口採点している人があまりいなかったことに驚き。マイスター・エックハルトと双璧の神秘思想家アッシジの聖フランチェスコがこんな具合にいじられては全く浮かばれないね。映像美とドラマが乖離しまくっている。思想的には当時のトレンドのようなものだったが、今見ると古くささは否定できない。こういう現実離れのユートピア的思想はフランチェスコの実像とは似て非なるものだろう。同監督の「ロミオとジュリエット」は厚い原作のおかげで足らざるところが目立たなかった(ただし、よく観ると役者の演技を強調するような演出になっていない。主役2人の未熟さも考慮したのだろう。)が、こちらの薄いシナリオではどうしようもなかったようだ。それにしてもゼッフィレッリはここでも「ロミオと~」同様、美青年のスッポンポンを巧みに映像化して、おのれの秘めたる嗜好を満足させているなー(笑)。
3点(2003-06-16 15:48:09)(良:1票)
9.  ブラックホーク・ダウン
皆さんのご意見を読ませていただくと、なんだか反戦や反米で頭をいっぱいにして、それから自由になれずに映画をみておられる方が多いようですねー。もっと素直に楽しんだら?これはすごい作品でした。ドラマ性の薄いところにちょっと物足りなさがありましたが、その分戦闘描写の凄まじさと、映像表現のすばらしさに驚きました。とくに映像は見事で、オープニングから引きこまれました。この映画にはこれといった女優らしい女優は出てきませんが、そのかわりヘリコプターが(笑)実に美しく撮られていました。まさにメカニックな硬質の美です。そう、リドリー・スコットにはこうした甲殻類的美しさへの嗜好があるのかもしれませんね。「エイリアン」「グラディエーター」などにも言えそうです。
8点(2003-06-14 20:33:24)(良:1票)
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