バファロー大隊 の 鱗歌 さんのクチコミ・感想

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バファロー大隊 の 鱗歌 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 バファロー大隊
製作国
上映時間111分
劇場公開日 1960-08-13
ジャンルアクション,ドラマ,法廷もの,ウエスタン,犯罪もの
レビュー情報
主人公は、黒人を中心に構成された騎兵隊の中尉。部下の黒人軍曹が強姦・殺人の容疑をかけられ、中尉自身が彼を逮捕するが、軍法会議では彼の弁護を買って出る。という訳で、西部劇ですが、法廷ミステリーでもあります。いや、この“法廷ミステリー”というのはあくまで形式上のことであって、やはりこれは“西部劇”なんでしょう、強固な意志たちと、その意志に挟まれ苦闘する主人公の姿を描いた作品なのだから。法廷での証言から過去が徐々に明らかにされていく形式、法廷での証拠のやりとり、意外な結末などは、いかにもミステリーらしい構成ではあります。しかし、証言から始まる回想シーンは、真相究明という点から見ればしばしば脱線もするし、証言者の主観に止まらず客観的な描写(証言者が実際には見ていない場面の描写)もあり、言ってみればこれらの証言で描かれているのは、謎ときゲームのための単なる手がかり、というよりもむしろ、登場人物たちの人物像、彼らの意志そのもの、とも言えるでしょう。信じるべき部下の軍曹、しかし主人公を容易には受け付けない強固な意志。軍曹の無実を信じ主人公を批難する、主人公の恋人の意志。時に人種差別をむき出しにする検察側の攻撃。そしてこれらに挟まれつつ、最後まで真相究明にもがき続ける主人公の姿こそが、本作の大きな魅力となっています(要するに、主人公がイマイチ頼りないから、盛り上がるんですな)。頑固者で強敵と思われていた判事が、意外にもグダグダになり、ユーモアをふりまいて物語の下支えをしているのも見逃せません。ラストはいささか唐突ですが、このあたりはミステリーとしてのサービス、ということで。
鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-11-04 10:02:04)
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