GODZILLA ゴジラ(2014) の 鱗歌 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > コ行
 > GODZILLA ゴジラ(2014)
 > 鱗歌さんのレビュー
GODZILLA ゴジラ(2014) の 鱗歌 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 GODZILLA ゴジラ(2014)
製作国,
上映時間123分
劇場公開日 2014-07-25
ジャンルSF,シリーズもの,パニックもの,特撮もの,モンスター映画,3D映画
レビュー情報
思えばエメリッヒ版『ゴジラ』なんて、ずいぶんマトモな作品で、ゴジラを生き物として捉えている。だもんで、生き物が口から熱線吐くワケもないし、生き物が近代兵器で攻撃されりゃひとたまりもないから必然的に足を速くして弾を避けさせることになる。物語だって荒唐無稽でバカバカしいけれど筋は通している。エメリッヒ版のそういったこと一切が、豪快な映像のせっかくのスケール感を損なわせて、映画を小さくまとめてしまい、評判の悪さにもつながっているのでしょう。一方、今回のゴジラ。ストーリーはまとまりが無く、破綻してると言ってもよいでしょう。主人公フォードの、父との関わりと、妻子との関わりとが、物語の中心なんでしょうが、両者の関連はあまり感じられないし、そもそもこういう市民的な家族の物語を背景に一応は入れておきながら、途中からはフォードの軍人としての行動がメインに描かれ、まるで両立していない。でもでもでも。この、圧倒的な、とにかく圧倒的な、怪獣の戦い、これだけでも充分。というか、物語が破綻するほどに、人間はチッポケで、怪獣はデカイのです。主に登場するのは、ムートーという不気味な怪獣。主に暴れるのはコチラであって、ゴジラの雄姿はなかなか存分には拝めない。こういう、出し惜しみというか、ちょっと食い足りないくらいに留めるのって、本家東宝ではできなくなっていたことでもあります。で、この程度かと思っているととんでもない。クライマックスの怪獣対決の物凄さ。鬼神ともいうべきゴジラの怒りの形相、耳をつんざく咆哮。ひや~すごい、これはもう地獄の光景。それを前にした人間という小さな存在は、圧倒されるしかないのです。ゴジラは神か悪魔か、少なくともマトモな生物ではないので口から熱線も出すし、そこには理由づけも不要。熱線を出す前にはちゃんとセビレを光らせてみせるのだけど、その場面だけとっても、ゴジラのデカさがこれでもかと伝わってくる。怪獣の巨大さをこれほど見事に描いたのには、本当に驚かされます。で、長い地獄の一夜が終わって、夜が明けると、戦いの凄惨な爪痕がそこには残されている一方で、再会、そして再生への希望も感じさせる。いやはやスゴイ映画を作ってくれたと思います。 (なお、パラシュート降下のシーンで流れる音楽は、2001年宇宙の旅でも使用されたリゲティのレクイエム。まさに異界への入り口。)
鱗歌さん [映画館(吹替)] 8点(2014-08-19 23:00:22)(良:1票)
鱗歌 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-05-06ベイビーわるきゅーれ7レビュー6.71点
セルラー9レビュー7.09点
騎兵隊8レビュー6.00点
風来坊探偵 岬を渡る黒い風7レビュー6.00点
恋愛準決勝戦8レビュー7.10点
2024-05-05悪魔の赤ちゃん3 禁断の島7レビュー4.75点
2024-05-04アルティメット7レビュー6.22点
2024-05-04ゆすり(1929)9レビュー5.63点
2024-05-01デッド・ドント・ダイ7レビュー4.88点
2024-05-01ストレンジャー・ザン・パラダイス8レビュー7.13点
GODZILLA ゴジラ(2014)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS