アナーキー(2014) の 鱗歌 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ア行
 > アナーキー(2014)
 > 鱗歌さんのレビュー
アナーキー(2014) の 鱗歌 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 アナーキー(2014)
製作国
上映時間98分
劇場公開日 2015-06-13
ジャンルアクション,ドラマ,犯罪もの,ヤクザ・マフィア,戯曲(舞台劇)の映画化
レビュー情報
シェイクスピアの戯曲を、現代を舞台に蘇らせる。ってのは良いとしても、よりによって「シンベリン」を選ぶというのが、実に冒険的、いや、実に無謀。実にアナーキー。原作はシェイクスピア晩年の「ロマンス劇」期の一作。荒唐無稽。特にこの「シンベリン」は近年まで失敗作とみなされていたらしい。
こういう作品を、そのまんま、ギャング映画に仕立てちゃってます。ちくま文庫のシェイクスピア全集で読めますけどね(ヒロインの名前が版によって2つの説があり、ちくま版はイモジェンではなくイノジェンを採用)。いやホント、そのまんま。って言うか、この内容でオリジナル脚本だったら、ビックリしまっせ。
という訳で、あくまでコレ、シェイクスピアをやってるんですよ、というのがわかるように、いかにも演劇調のセリフ回し。元のストーリーが不自然な上に、セリフ回しも不自然で、もはやヤケを起こしているような映画ですが、ある意味、バランスが取れてると言えば、取れてます。
セリフが多くなってしまっているとは言え、映像はしっかり陰影に富んでいて、雰囲気、悪くありません。ヒロインが森を歩く場面なんかも鮮やかで、いいですね。
劇冒頭の紳士の会話は、映画ではテロップ表示に置き換えられ、断片的な映像が示された後、舞台は一週間前へ。夜の雰囲気。ここで流れる音楽が、おや、これは、ジョン・ケージ作曲の「ある風景の中で」、じゃなかった、これは「夢」の方ですね。どうもこの2曲、ごっちゃになる。ここでジョン・ケージの曲が使われているということは、もしかして、我々が気づいていないだけで他にもケージ作品が劇伴に使われてたりして。例えば、劇伴が流れていないと思しき場面でも、実はケージの「4分33秒」が流れている、ってことなんだろうか、んなアホな。
それはともかく、この作品。どうしてこんな作品を作ろうと思ったのかが最後までナゾなんですが、それでも何でもちゃんと見応えがあるもんだから、狐につままれた気分になる。悪い気分ではありません。
鱗歌さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-12-24 18:06:55)
鱗歌 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-06-15がんばれ!!タブチくん!!7レビュー4.84点
2024-06-09座頭市の歌が聞える7レビュー6.45点
2024-06-09陽のあたる場所8レビュー6.61点
2024-06-02悪と仮面のルール6レビュー5.25点
2024-06-02さいころ奉行6レビュー6.50点
2024-05-26007/美しき獲物たち7レビュー6.02点
2024-05-26任侠清水港8レビュー7.75点
2024-05-19ドッペルゲンガー8レビュー5.74点
2024-05-19デモリションマン7レビュー4.74点
2024-05-06ベイビーわるきゅーれ7レビュー6.71点
アナーキー(2014)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS