キル・ビル Vol.1(日本版) の トマシーノ さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > キ行
 > キル・ビル Vol.1(日本版)
 > トマシーノさんのレビュー
キル・ビル Vol.1(日本版) の トマシーノ さんのクチコミ・感想
作品情報
レビュー情報
私はこの映画を笑い飛ばして終わりにする程度のものだとは思わなかった。なので結構真剣に吟味する感じで観た。で、思ったのは「もったいないな~」ということ。映画自体のコンセプトはいいのに、活かしきれてない気がする。ツメの甘いところを監督の確信犯的演出だと思うのは映画ファンとしては監督に対し失礼だと思うがどうだろう。具体的に言えば二部構成とはいえ主人公の復讐のモティベーションが明確になっていないのは致命的な失敗だ。今作ではタランティーノの作風である時間軸の前後が仇になっている感もある。もっとシンプルでもよかった。あと千葉真一の場面だが、寿司屋のシーンが無駄に長い割に印象が薄いのは何故か。ここは師匠(千葉)が弟子(ウマ)を鍛える修行のシーンが絶対必要だと思った。こういうシーンはカンフー物の定番なはずだが、何故監督がカットしたのか理解に苦しむ。キャストで言えばウマや栗山やジュリーは正解だが、ルーシーは頑張ってはいるが失敗だと思う。やはり英語のできる日本人にした方がよかった。誰かスターが必要だったのはわかるが、凄絶な過去を背負った重みを出せていない。個人的には工藤夕貴あたりが意外性もあってよかったんじゃないかと思う。全体的にいえるのは編集がマズいということ。シーンの重要性の序列がはっきりしないせいで、全体の流れがスムースでない。あと従来のタランティーノ作品の特色だったセリフ回しやブラック・ユーモア、また音楽のマッチ度もイマイチだと言わざるを得ない。まぁ彼の新境地だと見ることもできるが・・。しかしこれだけけなしてはいても、私は後編を観たいと思わずにいられないし、この映画の存在価値を疑うことはできない。それだけに監督にはもっと完璧に作ってほしかった。DVD用にもっとましなバージョンがあるなら救われるんだが。
トマシーノさん [映画館(字幕)] 6点(2003-11-02 15:31:50)(良:1票)
トマシーノ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2018-10-04テス3レビュー6.44点
2009-08-22フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白6レビュー6.46点
2008-01-15バブルへGO!! タイムマシンはドラム式1レビュー6.06点
2007-12-10サンダカン八番娼館 望郷5レビュー7.25点
2007-12-04ロスト・イン・トランスレーション1レビュー5.79点
2007-11-24ソナチネ(1993)3レビュー7.05点
2007-11-22無法松の一生(1958)8レビュー7.73点
2007-11-13飢餓海峡8レビュー7.64点
2007-10-15小さな泥棒5レビュー6.53点
2007-10-15ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール4レビュー5.85点
キル・ビル Vol.1(日本版)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS