十二人の怒れる男(1957) の かわまり さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > シ行
 > 十二人の怒れる男(1957)
 > かわまりさんのレビュー
十二人の怒れる男(1957) の かわまり さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 十二人の怒れる男(1957)
製作国
上映時間96分
劇場公開日 1959-08-01
ジャンルドラマ,サスペンス,法廷もの,モノクロ映画,TVの映画化
レビュー情報
ヘンリー・フォンダが壮年期だった頃のアメリカ、そして今のアメリカや日本でも共通していると思いますが、国選(アメリカでは公選)弁護人がもらえる報酬というのはすごく少ないんだそうです。特に殺人事件なんて任されたらウェイターやったほうが儲かるどころかまともに取り組んで労力と時間を費やしたら最低賃金を割ってしまうほどなんだそうです。ましてや、この映画の被告人のような英語が不自由で貧しいマイノリティーが殺人を犯したら・・・法廷では通訳がついても弁護士にはつかないでしょう。だから、調査はちゃらんぽらん、「物的証拠がない限り推定無罪」なんて刑法適用上の原則もめちゃくちゃにないがしろにされて、「こんなやつは虫けら同然。死んでも自分にとっては痛くも痒くもない。だからこいつを犠牲にして一件落着にしてやろう。」なんて弁護人も証人も思うようになってしまうのです。こんな状況において陪審員が頑張らなければ誰が無実の人を救うんでしょうか?陪審員が何とかしなければ結果は火を見るよりも明らかです。この映画は検察庁(弁護人と異なって給料をもらっている検察官や通訳者がいる)に代表される国家権力と個人が犯罪行為をめぐって対峙した場合における「疑わしきは罰せず」という刑法の大原則、あるいは法治国家の原則を示している教科書です。 なぜ十二人の陪審員が「怒れる男」なのかわかっていただけるでしょうね。
かわまりさん 10点(2004-01-27 14:52:51)(良:1票)
かわまり さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-03-30オッペンハイマー9レビュー6.43点
2024-03-20ゴジラ-1.08レビュー7.50点
2022-07-05クイン・メリー/愛と悲しみの生涯7レビュー7.00点
2022-04-06ドライブ・マイ・カー8レビュー6.62点
2021-09-01蝶々夫人8レビュー8.00点
2021-02-20地獄門5レビュー6.39点
2021-01-01博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか6レビュー7.69点
2020-06-12タクシー運転手 約束は海を越えて9レビュー7.24点
2020-06-01大いなる遺産(1998)8レビュー6.17点
2020-06-01炎の人ゴッホ8レビュー6.18点
十二人の怒れる男(1957)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS