ラブリーボーン の 六本木ソルジャー さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ラ行
 > ラブリーボーン
 > 六本木ソルジャーさんのレビュー
ラブリーボーン の 六本木ソルジャー さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ラブリーボーン
製作国,,ニュージーランド
上映時間135分
劇場公開日 2010-01-29
ジャンルドラマ,サスペンス,ファンタジー,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 素晴らしい作品だと思うが、同時につまらない作品でもある。ジャッジするのはかなりやっかいな作品だ。ただ、ピーター以外には作れないような作品に仕上がっており、独創性は評価したいところ。初見では上手く感じ取れなかったが、何回か見ることがあれば、評価は変わると思われる。
「事件の真相」「殺された少女が幽霊になり、家族にメッセージを送って犯人を暴く」「残された家族が犯人に復讐をする」といった視点からみてしまうと、はっきり言ってつまらない作品としか思えないだろう。本作はそういった視点をメインには描こうとしていない。大人の事情からかサスペンスタッチが前面に出ているテイストとなっているが、ピーターはそういった面はもっとカットしたかったのではないかと思えるほどだ。スタンリー・トゥッチが必要以上に頑張り過ぎてしまったのも誤算だったか。おかげでバランス感が悪くなった点は否定しがたい。
本作は「殺された少女が天国に行くまでの過程」及び「残された家族・関係者が再生していく姿」を描いた作品であると思われる。そういった視点から見てみると、本作の評価はがらりと変わると思う。ピーターにとっては、犯人の存在なんて本当はどうでもよかったのではないかと思われる仕上りだ。
殺された少女の少女らしい想いや、家族の苦しみや悲しみが、ストレートではないものの、時間を掛けてゆっくりと丁寧に描かれている。しかし、本来描きたい部分を何故か真正面から十分なヒカリを当てずに描こうとしており、豪華な俳優を起用しているのも逆に計算外だったか。各キャラクターを活かしきれていないと感じてしまうのは仕方がない。
面白いと感じられる点は、関係者それぞれが“愛”を見出して、スージーの死を受け入れていくところだ。スージーのボーイフレンドや妹は新たなパートナーを見つけて愛を感じたことで、スージーの死を受け入れることができたのではないか。また、娘の死という事態に上手く向き合っていくことができなかった父母も時間の経過とともに悲しみを癒して、それぞれの壊れかけた“愛”を再認識することで娘の死と向き合うことができるというまとめ方はなかなか感動的なところだ。喪失感・無力感から救われていく“希望”のような光が見えたような感じがした。しかし、つまらなさを否定しにくく、アプローチが監督の思惑とはズレていったようなところがあるので、賞賛しにくい映画ではある。
六本木ソルジャーさん [映画館(字幕)] 6点(2010-02-09 23:03:10)(良:1票)
六本木ソルジャー さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2011-05-14ブルーバレンタイン8レビュー6.87点
2011-05-09アンノウン(2011)6レビュー5.77点
2011-05-03塔の上のラプンツェル7レビュー7.50点
2011-05-03SOMEWHERE7レビュー6.69点
2011-05-03ブンミおじさんの森4レビュー5.07点
2011-04-23デュエリスト/決闘者8レビュー6.83点
2011-04-23戦場にかける橋6レビュー7.20点
2011-04-23勇気ある追跡6レビュー6.08点
2011-04-23エンジェル ウォーズ6レビュー5.78点
2011-04-23イリュージョニスト(2010)7レビュー6.92点
ラブリーボーンのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS