道(1954) の くなくな さんのクチコミ・感想

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道(1954) の くなくな さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 道(1954)
製作国
上映時間104分
ジャンルドラマ,モノクロ映画,ロードムービー
レビュー情報
《ネタバレ》 この主役2人の関係は日本人から見ると共依存に見えかねないかも知れませんが、相手が2000年もの歴史を持つキリスト教徒の国民(カトリックは本拠国)だと考えると、そうはいえないと思います。ジェルソミーナが祭りの十字架の前でひざまずくシーンが象徴するように、信仰心が深いジェルソミーナやキ印に対し、ザンパノは解りやすい実利主義で、最重要は体を痛めつける芸で飯のタネを稼ぐこと。不器用すぎる彼の行動は、ジェルソミーナを喜ばすことはあってもつかの間で、大体において悲しませるばかり。そして、キ印の悲劇の後は急転落。精神を病んだ彼女を持て余す彼は、とても強い人物に見えません。最後、ザンパノの強さの象徴だったオート三輪車はどこにも見当たらず、若さも力にも翳りが出た彼は、孤独を知ることで救われるのでしょうか。それが「役に立った」ということなら、キリスト教の神の愛は辛いというか、残酷な愛情だと思いました。
それにしても、演技とカメラワークが素晴らしい映画です。特にキ印が引きずられるときのマシーナの目だけの演技、ジェルソミーナからゆっくりと遠ざかって彼女を置き去りにする場面が凄かったです。火が好きな彼女が白い彫像のような姿で「火が消える。」と言った時、彼女の死はなんとなく予感しましたが、それでもラスト10分の展開、そしてクインの浜辺での慟哭シーンは引き込まれました。未亡人に修道女など脇役もいいし、なんといっても、ベイスハートが代表作といったら、即「道」と出る名演ぶりです。あと蛇足ですが、現代人から見て2人の演じるアヒルの喜劇はあまり面白くないのがご愛嬌でした。
くなくなさん [DVD(字幕)] 9点(2004-06-23 21:15:29)
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投稿日付邦題コメント平均点
2009-07-15北北西に進路を取れ8レビュー6.98点
2009-06-10用心棒9レビュー7.97点
2009-04-30赤い河8レビュー7.70点
2009-03-31雨月物語8レビュー7.39点
2009-01-14キートンのセブン・チャンス9レビュー8.62点
2008-09-11ブリキの太鼓7レビュー6.85点
2008-09-03天空の城ラピュタ6レビュー8.71点
2008-06-16赤ちゃん教育6レビュー6.55点
2006-07-27波止場(1954)9レビュー6.31点
2006-07-10ウエスト・サイド物語(1961)9レビュー7.13点
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