アメリカン・サイコ の ザ・チャンバラ さんのクチコミ・感想

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アメリカン・サイコ の ザ・チャンバラ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 アメリカン・サイコ
製作国,カナダ
上映時間102分
劇場公開日 2001-05-03
ジャンルドラマ,サスペンス,シリーズもの,犯罪もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 親の金で有名大学を卒業し、親の力でウォール街のエグゼクティブになった男の物語。趣味の音楽について長々と講釈を垂れるものの、彼が愛する音楽はヒューイ・ルイスにホイットニー・ヒューストン。日本で言えば、音楽通を名乗る人間がEXILEや西野カナについて真剣に語るようなものでしょうか。実際のところ、彼は音楽など好きではないのです。好きではないが、ファッションとして音楽好きであろうとしているだけ。こんな調子で趣味、仕事、友人、恋人、彼の周りにあるものはすべて上っ面のものばかりです。そんな上っ面ばかりの空虚な生活にはさすがに嫌気がさし、ここは自分がいるべき場所ではないと感じながらも、同時にこのコミュニティを離れては生きられないことも認識できている点がこの男の悲しいところ。自分には能力がないことをよくわかっているのです(ホームレスに長々と説教を垂れる場面、自分より教養のない人間の前でのみ小難しい話をしたがる点に、彼のコンプレックスがよく現れています)。顔面のお手入れや筋トレ、名刺作りに精を出したところでこの根深いコンプレックスを払拭することはできず、さらには妄想の世界にも逃げ場はなく、最終的に彼の人格は破綻してしまいます。。。
以上が本作の内容です。私は人生のある一時期、頭がよくて洗練された人々のコミュニティに間違って紛れ込んでしまって、非常に息苦しい思いをした経験があります。その時には”ホンモノの人たち”を見て完全に自信喪失するという感覚を痛いほど味わっただけに(ポール・アレンに出会った時の主人公と同じ感覚でしょうか)、本作の主人公には大変共感できました。もしあの感覚が一生続くとしたらまさに地獄。仮に貧乏であっても、ほんの些細なことで自信を持てる人生の方がきっと幸せです。。。
興味深いのは、本作が「ファイト・クラブ」や「マトリックス」と同時期に製作されたこと。ホワイトカラーが物質主義から脱却し、本当の自分を模索する物語が3本も続いたことは偶然ではないでしょう。
ザ・チャンバラさん [DVD(吹替)] 7点(2012-05-12 02:30:07)(良:1票)
ザ・チャンバラ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2018-07-30IT イット “それ”が見えたら、終わり。5レビュー5.60点
2018-07-17オールウェイズ4レビュー6.46点
2018-07-09黒い家(1999)7レビュー4.31点
2018-07-09ストリート・オブ・ファイヤー4レビュー7.43点
2018-07-04復讐するは我にあり7レビュー6.67点
2018-06-26愛と死の間で3レビュー4.85点
2018-06-26スイッチバック4レビュー6.00点
2018-06-22ゴースト/ニューヨークの幻8レビュー7.02点
2018-06-22ビバリーヒルズ・コップ26レビュー6.23点
2018-06-18危険な情事7レビュー6.47点
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