羅生門(1950) の 哲学者 さんのクチコミ・感想

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羅生門(1950) の 哲学者 さんのクチコミ・感想
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映像の美しさと構図の斬新さが際だつ。真実は見るものに相対化される、というメッセージが、神の死以後の欧米人を深いところで揺すぶった。相対主義は彼らには無神論につながるとんがったタブー。今でも「ラショモン」は真実の相対性の比喩になっていて、芥川の原作「藪の中」はジャームッシュの『ゴースト・ドッグ』でも意味ありげに言及される。日本では、人によって真実が違うなんて言いぐさはタブーどころか社会生活の前提だから、黒澤は、ラストでヒューマニズムを唐突に持ち出すことで、相対主義を越える希望を観客に見せたつもりだったと思われる。欧米と日本とで、思想的意味が食い違っている興味深い作品ということになる。
哲学者さん 8点(2004-06-17 14:16:43)(良:1票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2005-11-11TAKESHIS’8レビュー4.10点
2005-07-24パットン大戦車軍団4レビュー7.09点
2005-07-24ヴァキューミング4レビュー6.25点
2005-05-04バーバー8レビュー6.65点
2005-05-04プレッジ8レビュー7.04点
2004-12-04ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲8レビュー7.30点
2004-09-01アバウト・シュミット8レビュー6.56点
2004-08-22ドグマ7レビュー5.56点
2004-08-20ブルース・オールマイティ7レビュー6.43点
2004-08-10HANA-BI8レビュー6.36点
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