めぐりあう時間たち の MEL さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > メ行
 > めぐりあう時間たち
 > MELさんのレビュー
めぐりあう時間たち の MEL さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 めぐりあう時間たち
製作国,
上映時間115分
劇場公開日 2003-05-17
ジャンルドラマ,小説の映画化
レビュー情報
心が弱った時に見るととても共感でき、元気づけられる映画。といっても決して大きな声で「がんばれ!がんばれ!」と励ましてくれたり、楽しい話をして気分を紛らわしてくれる映画という訳ではありませんが…。この作品は主人公達が悩み戸惑う姿を丁寧に描いてます。決して彼らがとった行動を正しいとも間違っているとも決めつけず、ただただありのままを描いています。なのになぜ癒されるのでしょうか?それは恐らく彼らを見つめる視点が終始優しいものだからだと思います。例えるならばもし何か悩み事を抱えてカウンセリングにかかった時にカウンセラーから「そう、とても辛い思いをしたのね。でもあなたは強いんだから負けずに頑張らないとダメよ。」って言われるのと「そんなに辛いのなら思いっきり泣いていいんだよ。」って言われるのとどちらがあなたは救われるでしょうか?この映画は後者です。彼女達の心の弱さを描きつつも決して頭ごなしに糾弾はしません。(そんな事をせずとも彼ら自身が自分の弱さに十分気づいているのだから…。)確かに作中で主人公達のとる行動には迷いが多いですが、この映画はそんな主人公達を決して拒絶したり冷たく突き放す事はせず、弱さを曝け出す彼らを優しく見守っています。だから最後の場面でクラリッサ(メリル・ストリープ)を訪ねて来た年老いたローラ(ジュリアン・ムーア)をジュリア(クレア・デーンズ)が優しく抱擁するシーンはほんのさりげない場面なのにとてもジンときます。(余談ですがこのシーンのジュリアン・ムーアは本当に素晴らしい演技です!)身近な人々との関係に悩み、彼らとのポジションを上手く築けない自分に傷つき、苦悩の果てに愛する人々を捨ててしまった事を終生後悔し続けてきたであろうローラの人生の最後の局面で、初対面だったジュリアが見せてくれたほんのさりげない共感がどんなに彼女にとって救いとなった事か!このクレア・デーンズの存在がこの映画にぬくもりを与えていると思います。この映画は自殺を肯定していると一部で揶揄されたりしますが決してそうではなく、むしろこのシーンこそ製作者が本当に訴えたかった主題なのではないでしょうか?印象に残る場面が多いこの作品の中で、とびきり温かく優しさに満ちた素敵なシーンだと思いました。
MELさん [DVD(字幕)] 9点(2006-05-07 04:22:09)(良:1票)
MEL さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2006-10-10極寒激戦地アルデンヌ~西部戦線1944~7レビュー6.50点
ナバロンの嵐7レビュー6.29点
ナバロンの要塞6レビュー6.77点
2006-10-09ウインドトーカーズ6レビュー4.68点
2006-10-08頭上の敵機7レビュー6.87点
2006-10-08眼下の敵8レビュー7.46点
2006-10-07最前線物語6レビュー6.72点
2006-10-04パール・ハーバー7レビュー3.11点
2006-10-03炎の戦線エル・アラメイン6レビュー6.68点
2006-10-01パットン大戦車軍団8レビュー7.09点
めぐりあう時間たちのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS