夏至 の にじばぶ さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ケ行
 > 夏至
 > にじばぶさんのレビュー
夏至 の にじばぶ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 夏至
製作国,ベトナム,
上映時間112分
劇場公開日 2001-07-14
ジャンルドラマ
レビュー情報
撮影を担当するのは、リー・ピンビン(マーク・リー)。

彼が撮影を担当した作品の中で、既に私が観たのは『花様年華』『フラワーズ・オブ・シャンハイ』『珈琲時光』『ミレニアム・マンボ』『戯夢人生』等で、意外に沢山あったりする。

しかしそれに気付いたのは、今回の『夏至』を観てのこと。

それまでリー・ピンビンがこれらの作品の撮影担当だったことは知らなかったし、名前すら知らなかったのだ。


彼の映し出す映像は、かのクリストファー・ドイルを思わせる。
上の作品群を見て気付いた方もいらっしゃると思うが、『花様年華』はドイルの代表作の一つだ。

じゃあなぜリー・ピンビン?となると思うが、『花様年華』に関しては二人で撮影を担当している様だ。

ドイルは『地球で最後のふたり』を観て以来ファンだが、この『夏至』を観てリー・ピンビンのファンにもなってしまった。

『青いパパイヤの香り』はまだ荒削りの感じがあった。
トラン・アン・ユン監督の描く、いわば“癒しの映像”がまだ中途半端だったのだ。

しかし今作『夏至』では、その瑞々しき映像が徹底的に追究されている。
これは半端じゃあない。

「ベトナムはきっとこんなには美しくないんでは・・・」と、余計なことを考えてしまうほどの、息をのむ美しさなのだ。

ストーリーは何てことのないものだし、正直、途中で少し眠くなってしまう様な内容だ。

しかし、この監督の描き出す「ベトナムを超越したベトナム」と、リー・ピンビンによる「美しすぎる映像」とが、それを帳消しどころかプラスにしてくれる。

特に三女とその兄とが暮らす部屋のインテリアは、“素晴らしい”の一言。
この部屋のインテリアを観れただけでも、この作品を観た価値があったと思える程だ。
その色合いの美しさに圧倒されてしまった。

よく、「映像だけ素晴らしい映画は映画とはいえない」みたいなことを耳にするが、そんなことは関係ない。
観ていて心地よくなれる映画なら、それでいいのだ。

どんなに名作と呼ばれ、どんなに評判の高い娯楽作品でも、“心地よさ”が得られなければ、私にとってはどうでもいい作品であるからして。

そういう意味でこの『夏至』は、今後繰り返し観ることによって、ぐんぐん点数がアップしていくことになるかもしれない。
にじばぶさん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-01 20:39:50)(良:1票)
にじばぶ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-05-27一分間タイムマシン(2014)5レビュー7.00点
良いビジネス5レビュー5.00点
かざあな8レビュー8.00点
2024-05-25コレクター(1965)8レビュー7.32点
2024-05-25わたしの見ている世界が全て8レビュー8.00点
2024-05-23人生は四十二から6レビュー7.75点
2024-05-21逃避3レビュー3.00点
2024-05-20居酒屋兆治7レビュー6.30点
2024-05-18赤い私と、青い君7レビュー7.00点
2024-05-18復讐は俺に任せろ5レビュー6.90点
夏至のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS