オール・ユー・ニード・イズ・キル の サムサッカー・サム さんのクチコミ・感想

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オール・ユー・ニード・イズ・キル の サムサッカー・サム さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 オール・ユー・ニード・イズ・キル
製作国,カナダ
上映時間113分
劇場公開日 2014-07-04
ジャンルアクション,サスペンス,SF,戦争もの,小説の映画化,3D映画
レビュー情報
《ネタバレ》 非常に良い出来だった。昔よくゲームをしていたのを思い出した。
実際にプレイしてみて、敵やトラップにやられて、残機が1減ってリスポーン。前回の失敗を教訓に、攻略法やショートカットを模索して次のステージに到達する。
戦う、死ぬ、戦う、死ぬを繰り返す。
時間旅行ものなんて、映画の世界では、それこそ手垢がつくくらいに使い尽くされた題材。しかしながら本作は、この「ゲーム感」を押し出したおかげで、かなり新鮮で(同時に懐かしく)、面白い作品に仕上がっている。
普通に訳せば「見たことない場面」となるところを、「次のステージ」と表現するなど、戸田奈津子先生の翻訳もキレッキレだ。

僕が個人的に面白いなと思ったのは、ウィリアムがリタにコーヒーを出すシーンだ。
今までウィリアムの目線で話を追っていたが、ここにきて、実は複数回繰り返されたシーンであることを、リタはもちろん、観客も知ることになる。トリック的な演出の巧さもさることながら、この場面から本作は、ラブストーリーとしても完成していることが分かる。
つまり、ウィリアムはリタを救うために何度も何度も戦って、そして死んでいる。あの時リタが気づいたのは、シーンの繰り返しではなく、自分の為に繰り返し闘っているウィリアムの気持ちだったのだ。だからこそ死にぎわに、教えるのを拒んでいた、自分の本名を打ち明けたのではないか。繰り返しという、この題材を上手く活用した演出だったと思う。


時間を行き来する題材だが、複雑さは感じさせず、適度な難しさが保たれているので、置いてかれることもない。映像については、かなり熱がこもっており、絶望的な戦いの中で成長していくトムの姿に達成感すら覚える。
さすがはトム・クルーズ版「恋はデジャ・ブ」(←強引)。
万人向けの娯楽作としては、かなりハイレベルなバランスを実現したと言えるのではないか。

サムサッカー・サムさん [映画館(字幕)] 7点(2014-07-02 00:12:27)(良:4票)
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