桐島、部活やめるってよ の 民朗 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > キ行
 > 桐島、部活やめるってよ
 > 民朗さんのレビュー
桐島、部活やめるってよ の 民朗 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 桐島、部活やめるってよ
製作国
上映時間103分
劇場公開日 2012-08-11
ジャンルドラマ,青春もの,学園もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 同じシーンを異なる視点から描き様々な情報を小出しにしていくという手法は「バンテージ・ポイント」を思い出させますが、結構ミステリーには良くある手法ですよね。本作もこの手法をふんだんに使ってはいるのですが特に桐島の正体は明らかにされず映画は終わる。桐島は単なる話を転がすマクガフィンに過ぎず、明らかになるのは日本の高校社会での明らかなヒエラルキー。何故か体育会系の部活が文化系の部活よりえばっていて、帰宅部にさえ小馬鹿にされる文化部。その中でも秘宝系の映画が大好きな映画部の前田達はヒエラルキーの最底辺に属している。前田はショートボブの美少女栗原と「鉄男」の上映で偶然一緒になりフラグが立った!(実際そんな訳無いのだが)と歓喜するが結局栗原は帰宅部のイケメンと付き合っていた。そして最後愛するロメロの「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」を夢想し栗原をゾンビに喰い殺させる、自分たちを馬鹿にしている体育会系の奴らもろとも。このシーンは前田の高校社会への憎しみが爆発するシーンとして非常に感動的でカタルシスを感じられる物となっていた。しかし結局それは夢想であり現実は何も変わらないのだ。非常にリアルな残酷なまでの現実、監督はそれを描きたかったのだろうか?体育会系の奴らにオタクが復讐する映画と言えば「ナーズの復讐」「アニマル・ハウス」を真っ先に連想するが、本作はそんな筋肉主義というか見た目主義な高校社会に文化部が復讐する話ではない。運動部は将来の展望が薄いのに努力を続ける素晴らしい存在として描いている。それは確かにそうかもしれないが、映画監督として映画部の彼らにもう少し救いを与えられなかったのか?単に夢想では無く現実として"ドラマ"を展開して欲しかったように思います。私も学生時代は吹奏楽部として文化部に属しており何となーく小馬鹿にされていた部分がありますのでここは文化部が救われる瞬間を少しでも欲しかった。吹奏楽部の部長も可哀そうだったなあ。
民朗さん [映画館(邦画)] 7点(2012-08-16 07:32:13)(良:2票)
民朗 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2017-12-18スター・ウォーズ/最後のジェダイ8レビュー5.79点
2015-10-28アラビアのロレンス9レビュー7.94点
2015-10-23ジョン・ウィック7レビュー5.90点
2015-10-23フレンチアルプスで起きたこと9レビュー6.41点
2015-10-23テキサス・チェーンソー5レビュー5.77点
2015-10-14マイ・インターン6レビュー6.69点
2015-10-08バクマン。8レビュー6.79点
2015-10-02キングスマン8レビュー6.80点
2015-09-24バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)9レビュー6.37点
2015-09-23クロニクル8レビュー6.60点
桐島、部活やめるってよのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS