殺し屋ハリー/華麗なる挑戦 の S&S さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > コ行
 > 殺し屋ハリー/華麗なる挑戦
 > S&Sさんのレビュー
殺し屋ハリー/華麗なる挑戦 の S&S さんのクチコミ・感想
作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 リキテンスタイン風の思いっきりポップなタイトル・ロールと続く“水中墓場”のオープニング・シーンは、この映画がカルトと呼ばれる所以です。そこに被さるTV放映版の藤村俊二のナレーションもいまや伝説となっていますが、残念ながら私は観たことがないので判りません。でも原語版ではリチャード・ハリスのちょっと諧謔味がするモノローグでして、これを藤村俊二にナレーションさせるってのは吹き替え版スタッフのセンスも大したものです。 実はジョン・フランケンハイマーは「この映画は私の生涯で最悪の仕事だった」とインタヴューで語っているんです。たしかに所々に散見されるナンセンス調のギャグ・シーンとフランケンハイマーらしいアクションがなんか上手く融合していない感じも有りますが、この全篇に漂うアンバランスさがいい味になっているんですけどね。脇を固めるのもくせ者俳優ばかりで、とくにブラッドフォード・ディルマン、いつも悪役か卑劣漢ばかり演じているイメージの彼が強烈で、「ウヒヒ」なんて感じで笑う脂ぎった敵ボスなんです。 散りばめられているギャグはナンセンス系で、片腕マシンガールみたいなチャック・コナーズがアタッチメントにガジェットをつけかえて娼婦を脅かすところ(『カジノロワイヤル』でピーター・セラーズがやったギャグのパクりです)や下水道に入ったら捨てられたペットのワニが巨大化してウロウロしているとか、センスが良いのか悪いのか良く判りません(笑)。でもラストのリネン工場での対決は自分には大受けでしたね。周りでハリーとギャングたちが銃撃戦を繰り広げているのに平気な顔で作業している従業員たちが、お昼のベルが鳴ったらこれまた平気な顔して食事に行っちゃうんですからね。 万人向けとは思えませんけど、毛色の変わった映画をお求めの方には超お奨めしたくなります。アクションからミュージカルまでこなした芸達者リチャード・ハリスの、唯一のコメディ(?)演技をご堪能ください。
S&Sさん [ビデオ(字幕)] 7点(2015-08-26 20:54:51)
S&S さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-05-15決戦は日曜日8レビュー7.83点
2024-05-12軍用列車4レビュー5.00点
2024-05-09マーニー5レビュー5.51点
2024-05-06ジェイド3レビュー4.37点
2024-05-03オーシャンと十一人の仲間5レビュー4.66点
2024-04-30ペトラ・フォン・カントの苦い涙5レビュー5.00点
2024-04-27オースティン・パワーズ ゴールドメンバー7レビュー5.40点
2024-04-24レインメーカー8レビュー6.68点
2024-04-21アルプススタンドのはしの方6レビュー6.88点
2024-04-18ワイルド・リベンジ7レビュー7.00点
殺し屋ハリー/華麗なる挑戦のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS