元禄忠臣蔵 後編 の ゆき さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ケ行
 > 元禄忠臣蔵 後編
 > ゆきさんのレビュー
元禄忠臣蔵 後編 の ゆき さんのクチコミ・感想
作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》  何と吃驚。まさかの討ち入り場面カット!
 「忠臣蔵」におけるクライマックスが、事の仔細を書状にて読み上げる形で、台詞のみで表現されてしまうのだから、唖然とさせられました。

 後に色々と調べてみたところ
 「溝口監督としては、忠臣蔵を撮るとしても、戦意高揚のプロパガンダ映画にはしたくないと考えており、血生臭い討ち入りの場面が存在しない『元禄忠臣蔵』を原作に選んだのではないか?」
 なんて推測も浮かんできたのですが、真相や如何に。

 いずれにしても、楽しみにしていた「溝口監督の描く吉良邸討ち入りの場面」を観られなかった事は、非常に残念でしたね。
 映画としては、その代わりのようにクライマックスとして「十郎左と、おみの」のエピソードを用意しており、それに関しては、実に溝口監督らしい仕上がりとなっていた為、満足。
 作中の台詞で「女の心」なんてワードが飛び出すだけでも(あぁ、溝口映画だなぁ……)と、奇妙な安堵感を味わえましたね。
 いっその事、もっとこのエピソードを中心に据えて、オーソドックスではない、外伝的な忠臣蔵映画として纏めた方が良かったんじゃないかな、と思えたくらいです。

 この映画を楽しむ上では
「忠臣蔵のストーリーを、殆ど知らない」
「討ち入りの場面が存在しない事を、予め知っている」
 という、いずれかの状態である事が望ましいのでしょうが、自分はどちらにも当てはまらなかったようで、実に無念。

 とはいえラストシーンにて、これから切腹を行う大石内蔵助の、満足気な笑みを湛えた姿を映し出して終わる形なのは、好みであり、嬉しかったですね。
 悲劇的でありながらも、仇討ちを遣り遂げた達成感が窺えて、ハッピーエンドとも呼べそうな雰囲気。

 期待していた内容とは違っていたけれど、その格調の高さゆえに「期待外れ」と評する事は憚られる……そんな映画でありました。
ゆきさん [DVD(邦画)] 5点(2016-09-13 18:13:33)(良:1票)
ゆき さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-03-01映画ドラえもん のび太の地球交響楽8レビュー8.00点
2024-02-17グリーンブック8レビュー7.97点
2023-12-26あなたが寝てる間に・・・6レビュー7.21点
2023-12-20メリーに首ったけ6レビュー6.23点
2023-11-28メイズ・ランナー 最期の迷宮5レビュー5.50点
2023-11-28メイズ・ランナー2 砂漠の迷宮6レビュー4.78点
2023-11-28メイズ・ランナー5レビュー5.82点
2023-11-03魔法にかけられて6レビュー7.05点
2023-10-24キートンの蒸気船8レビュー7.78点
2023-10-19ロイドの要心無用9レビュー7.36点
元禄忠臣蔵 後編のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS