十二人の怒れる男(1957) の kirie さんのクチコミ・感想

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十二人の怒れる男(1957) の kirie さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 十二人の怒れる男(1957)
製作国
上映時間96分
劇場公開日 1959-08-01
ジャンルドラマ,サスペンス,法廷もの,モノクロ映画,TVの映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 脚本のお手本として語り継がれる時を超えた名作。構図から人物設定、話の流れなど文句のつけようがありません。初めて見たとき、雨上がりの階段を降りるヘンリー・フォンダの清々しい姿に民主主義の素晴らしさを感じました。正義を貫き、偏見を打破した正義の人といった印象。ところが時を経て再見してみるとまったく印象が変わりました。冒頭でヘンリー・フォンダは、もっと議論が必要だからと無罪に一票を投じます。その後の投票でも、皆が有罪なら自分も有罪で良いとまで言います。少年の無罪を信じているわけでもなく、正義の人でもない。単に自分が気にかかることが見過ごせない神経質な男が議論をふっかけただけ。なのですが、話の流れで嫌みな人間や、頑固な人間、偏見を持った人間といった対立軸ができ、持ち前の弁舌で相手を叩き、巧みに有罪の証拠の信憑性を揺らがせていく中で、相対的に正義の人といった印象が強くなっていく。最後まで抵抗を続けた男が折れた瞬間の、やった、と手を叩きたくなるような爽快感。多数派の同調圧力に従おうとしない人間を叩きつぶした快感。あれこそが民主主義の持つ危うさなのだと改めて思い直しました。優れた扇動家の怖さを感じてしまった映画です。
kirieさん [DVD(字幕)] 10点(2015-01-25 22:39:58)(良:1票)
kirie さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2023-03-24アリータ:バトル・エンジェル5レビュー6.06点
2019-11-17ターミネーター:ニュー・フェイト5レビュー6.01点
2019-06-30X-MEN:ダーク・フェニックス5レビュー5.19点
2019-04-30アベンジャーズ/エンドゲーム9レビュー8.02点
2018-12-07ヴェノム6レビュー5.91点
2018-06-16アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー8レビュー7.00点
2018-06-15レディ・プレイヤー17レビュー7.01点
2018-05-23リメンバー・ミー(2017)8レビュー7.54点
2018-05-16その男ヴァン・ダム4レビュー6.23点
2018-05-09ジャスティス・リーグ(2017)6レビュー6.38点
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