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581.  機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星 《ネタバレ》 
最終回となるシリーズ第6作。ファーストで語られていたレビルが黒い三連星に捕虜にされていたという気になっていた部分が少しでも出てきたのは良かったかなと。でもこの部分はやっぱりもうちょっと詳しく見たかった気もして前作同様ちょっと残念な気もする。このシリーズのキシリアはずっと素顔で登場していたが、今回はファースト同様素顔をマスクで覆った姿で登場していて、やはりこのほうが見慣れているし、ファースト最終盤の展開につながるような言動などもあり、興味深かった。マ・クベはファーストでもインパクトの強いキャラであったが、やはりここで登場してもインパクトは強く、演じる山崎たくみの声が塩沢兼人そっくりに聞こえることもあって違和感もまったくなかったのがすごい。ラストはレビルの演説で締めくくられるが、それと並行してのちのホワイトベースの乗組員たちの姿も描かれていて、いよいよファーストに近づいているというワクワク感があり、本当に第一話の直前で終わる感じなので思わずまた続き(ファースト)が見たくなってしまう。(原作の漫画ではこのあとの話もやってるみたいだけど。)でも、逆に言えばファーストにつなげるための最終回という気がしないでもなく、このシリーズ単体で見た場合に最後という感じがあまりしないのも事実で、原作はまだ先の話があるとはいえ、もっと最終回らしい雰囲気は欲しかったような。また、最後の最後に流れるナレーションも永井一郎のものを流用するこだわりがあっても良かったような気はするが、ファーストを見終わってすぐにこのシリーズを見たガンダム初心者としてのシリーズ全体の感想としては、作風的に深みはあまりないが、見る前に思っていたよりはまあまあ面白く見れたということ。なんか6本見ての全体の感想としてはすごくありきたりだけど。
[DVD(邦画)] 6点(2020-03-29 23:27:18)
582.  機動戦士ガンダム THE ORIGIN V 激突 ルウム会戦 《ネタバレ》 
シリーズ第5作。今回から第二部であるルウム編前後編になるわけだが、一年戦争が開戦したその日である宇宙世紀0079年1月3日から話が始まっていてこの冒頭こそワクワクするものの、話としてはいろんなエピソードがとっ散らかっている散漫な印象で、しかもその一つ一つがじっくり描けば深みが出るような内容だっただけに残念だった。とくにコロニー落としの部分はファースト初期に毎回ナレーション(永井一郎)が語っていた部分なのでもっと詳しく見たかったし、それに今回のセイラに関する部分も興味深かったのでもっとじっくり描いてほしかったところ。逆に今回登場するユウキとファン・リーのエピソードや、ハモンが歌うシーンなど本筋にあまり関係のない部分は思い切ってカットしたほうがすっきりしただろうし、ドズルのミネバへの親バカぶりを見せるシーンもはっきり言っていらなかった気がする。それからファーストのカイって皮肉屋だけどもっと冷静なイメージなのだが、本作ではアムロとハヤトを連れて立ち入り禁止区域に入ろうとするのはなにか違う。このシリーズはとくになにか期待しているわけではないが、さすがに前作までのほうが面白かったと思えた。上映時間がこれまでよりも30分ほど長くなっているが、毎回ある前作までのダイジェスト部分とエンドロールを省くとこれまでとあまり変わらない尺なのではと思ってしまったのもちょっとマイナス。一部を除いてのファーストからの声優の変更は仕方がない部分もあり、気にしていないのだが、本作の成長したセイラを見て、やはりこのあたりからのセイラは井上瑤のほうがいいなと思ってしまった。かなわぬことだけど。なんだかマイナス面ばかり書いてしまったが、5点以下をつけるほどでもないのでまあ5点。
[DVD(邦画)] 5点(2020-03-27 21:43:18)
583.  キートンの化物屋敷
後半の化物屋敷でのドタバタはドリフのコントのようなチープさがただよってていいんだけど、印象に残るようなキートンのアクションもそれほどなく、全体としては可もなく不可もなくって感じ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-03-21 16:05:08)
584.  機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜 《ネタバレ》 
シリーズ第4作。今回がシリーズの第一部完結編にあたるらしいが、ついに一年戦争開戦が間近という不穏な空気の雰囲気は出ている。その一方でランバ・ラルと黒い三連星が乗った四機のザクがガンキャノンを撃破するシーン、それにテムがガンダム開発を進言するシーンはいよいよモビルスーツが本格的に登場するというワクワク感もあり、そしてアムロの同級生としてフラウやカイが登場しているのは見ている側としてはなにか安心感も出てくる。家に帰って来たテムがアムロをあることで注意するシーンはどこにでもある家庭の風景という感じで微笑ましくもあるのだが、この二人にとってこういうやり取りは非常にまれなことかもしれない。
[DVD(邦画)] 6点(2020-03-16 22:39:20)
585.  トッポ・ジージョのボタン戦争 《ネタバレ》 
最初はほのぼのとした作品かと思っていたが、いきなり核爆弾のスイッチを狙う悪人グループが登場し、ラスト付近で警官隊との銃撃戦があるなど、トッポ・ジージョという可愛らしいキャラクターが主人公の映画としてはけっこう内容が異色かもしれない。日本側主導で作られているのか陽気な国という印象のあるイタリアのキャラクターを使っているにしてはジージョと赤い風船のエピソードなんかは見ていて切なくなるような展開でなんか日本的でちょっと暗い印象が残ってしまう。でも、バナナにトランシーバーを仕込んで悪人たちに指令を送るボスがちょっとユーモラスで楽しかったりもした。人形劇と実写を組み合わせたような実験的な映像も市川崑監督らしい。2/14追記:市川監督の訃報・・・。つい最近もテレビで「木枯し紋次郎」について語っている姿を拝見して元気そうだと思っていた矢先のことだったんでとても驚いた。この映画も先週見たばかりなのもあってご高齢だったとはいえ、ショックが大きい。市川監督のご冥福をつつしんで心よりお祈りしたい。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-03-10 22:19:13)
586.  機動戦士ガンダム THE ORIGIN III 暁の蜂起 《ネタバレ》 
シリーズ第3作。今回はジオンの士官学校に入学したシャア(キャスバル)とガルマの話で、ファースト序盤でもこの二人の過去は気になっていたので興味深く見ることができたし、一年戦争のきっかけとなる出来事も描かれていて前作よりも面白かった。ガルマはファーストで見たときから坊ちゃん育ちのちょろい若者というイメージなのだが、シャアに乗せられたとはいえ200人以上の学生の蜂起を先導する姿はやはりそんな彼もザビ家の人間であることを感じることができ、ガルマのイメージが今回で少し変わったように思う。シャアとガルマの関係もこれで知ることができてスッキリ。また、デギンがガルマを気にかけている様子も描かれているあたりもこれがファーストにもつながっていくのねという感じがあって良い。シャアも前作では若い感じが出ていて演じる池田秀一の演技も無理してる感があったのだが、今回の後半あたりではようやくシャアらしくなってきて、演技への違和感も消えていた。(前半まではまだもう一人のシャアを演じている関俊彦の二役のほうが・・・とか思っていたが。)シャアやガルマの同期生の生徒の一人としてゼナが登場し、蜂起に際し校長であるドズルを軟禁しているが、まさかこれが馴れ初めなのかな。エンドロール後のエピローグではアムロとテムがサイド7に到着するなど、この回から話が一気に一年戦争に向かいはじめたというワクワク感のある終わり方で、思わず次も見なければという気になってしまう。
[DVD(邦画)] 6点(2020-03-08 22:15:57)
587.  機動戦士ガンダム THE ORIGIN II 哀しみのアルテイシア 《ネタバレ》 
シリーズ第2作。今回は前作のラストで地球へ向かったキャスバル(エドワウ・マス)とアルテイシア(セイラ・マス)の三年後の様子が描かれていて、もう一人のシャア・アズナブルの登場や、今後につながるであろうジオンによるモビルワーカーの戦闘実験、それにチョイ役で一年戦争以前のアムロやミライが登場するなど見どころもあるのだが、全体的に見ると平凡な感じで、2作目にして既に少し中だるみ感もあって、出来としては別に悪くはないんだけど、物足りないといえば物足りないかなといったところ。青年になったキャスバルもといエドワウの声を池田秀一が演じているが、いくらのちにシャアになるからといってティーンの頃から任せていることにちょっとおいおいと思ってしまうし、実際その演技にも無理を感じる。これは本人からの申し出によるものらしいのだが、スタッフは潔くその申し出を断る勇気が必要だったのではないか。いっそもう一人のシャアを演じている関俊彦の二役でも良かったような気がする。一部ファーストとの矛盾もあるがまあ許容範囲。エドワウがセイラのもとを去るラストシーンはこれからのこの二人の運命の歯車がいよいよ動き出したという感じがして、次回に期待を持たせるにじゅうぶん。
[DVD(邦画)] 5点(2020-03-05 22:23:19)
588.  機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル 《ネタバレ》 
ガンダムシリーズは今までほとんど見たことがなかったのだが、このたびファーストガンダムを初めて全話見て純粋に面白かったので、最終回を見て間の空かないうちに前日譚となるこちらのシリーズも見てみようと鑑賞。ファーストでアニメーションディレクターをつとめていた安彦良和が自ら描いた漫画を原作に総監督を担当しているが、コミカルな要素があったりして作風はかなりソフトに感じるものの、思ったよりドラマとしての見ごたえはあり、想像してたより面白かった。ファーストではアムロに影響を与えることになるランバ・ラルにすごく魅力を感じたが、今回はそのランバ・ラルとハモンがキャスバルとアルテイシアを地球に逃がすために奮闘する姿が描かれていてその辺も見どころだったと思う。でも、この後、一年戦争でランバ・ラルとハモンはアルテイシア(セイラ)と敵同士として再会してしまうのだなあと思うと複雑な気持ちになるし、それはキャスバルとアルテイシアにも言えることだ。そのキャスバルとアルテイシアの境遇はこうやってじっくり描写されるとなんか同情してしまうし、幽閉されてしまった母・アストライアとの別れのシーンでは思わずジーンとさせられた。無事に地球に向かったキャスバルとアルテイシアが月を見るラストシーンも印象的だったが、そこにかかる主題歌もこのラストの映像によく合っていて、曲自体も非常に美しい。
[DVD(邦画)] 6点(2020-02-25 23:46:32)
589.  インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
シリーズ第2作。昔見たこのシリーズではいちばん記憶にある作品だったが、猿の脳みそだとかトロッコアクションだとか見ていて懐かしかった。ジェットコースタームービーと言われているシリーズだが、トロッコのシーンなんてまさにジェットコースターに乗っているような気分で楽しい。(今やるとしたら間違いなく3Dだろうなあ。)今回はインディとヒロイン、それにインディが連れている少年という三人のメンバーが冒険を繰り広げるわけだが、これが疑似家族のようであるところなど前作に比べてよりファミリー向けな印象でコメディー要素も強く、それが少し意見が分かれるところでもあると思うのだが、個人的にはやっぱり前作よりも娯楽要素の強い本作のほうが好きだな。多少の思い出補正も含めて少し甘めだけど7点を。(2018年9月24日更新)
[CS・衛星(吹替)] 7点(2020-02-24 09:13:41)(良:1票)
590.  浮雲(1955)
成瀬巳喜男監督の映画はまだそんな見てなくて、高峰秀子とのコンビ作を見るのが初めてならば、林芙美子原作の成瀬作品を見るのもこの「浮雲」が初めて。腐れ縁の男女を見事に描ききっていて、主演の高峰秀子と森雅之のうまさもあって暗い内容ながらもなぜか引きつけられた。特に森雅之が川島雄三監督の「風船」で演じた役柄からは想像もできないダメ男をうまく演じていて、実に憎たらしい。本来、彼はこういうダメ人間の役の方が多いのは知っているが、思わず「風船」とのギャップに少し驚いてしまった。俳優の演技もそうだが、味のある渋いモノクロの映像(撮影 玉井正夫)や斎藤一郎による音楽、そしてなにより成瀬監督の演出力の高さを証明するような質の高い作品になっていて、名作と言われる理由も分かるのだが、やっぱりちょっと全体的な雰囲気が暗すぎて、また見たくなるかは微妙なところ。個人的には同じく男女の腐れ縁を描いた作品ならば川島監督の「洲崎パラダイス 赤信号」のほうが好み。
[DVD(邦画)] 7点(2020-02-20 18:29:58)
591.  四月物語
大学進学のため、北海道から東京に出てきて初めて一人暮らしを始めた女性の日常を描いた岩井俊二監督の映画。取り立てて何か起こるわけでもなく、淡々としているが、爽やかな青春映画となっていて、思ったよりは面白かった。光の使い方が印象に残り、映像的にも美しく、岩井監督の映画はまだ何本も見たというわけではないが、初めて見た岩井作品である「Jam Films」の「ARITA」も、光の使い方がうまかったような印象があるので、これが岩井監督の個性なのだろう。初主演となる松たか子も初々しく、見知らぬ土地で初めて一人で生活する期待と不安をよく表していて良かったと思う。ひょっとしたら主人公を初主演の女優に演じさせることで、役柄と演じる側の状況をある程度ダブらせてリアリティーを出そうという岩井監督の演出意図があるのかもしれない。冒頭の松本幸四郎一家総出演はこの映画で初めての主演を飾る松たか子にエールを送っているようにも見える。(ここの主観ショットはけっこううまい。)上映時間も短くサクッと見られるし、後味もいいのだが、名画座で「生きていた信長」を見るシーンだけは、いちいち劇中劇として挿入しなくても、劇場で映画を見ているというシーンだけでじゅうぶんだったような気がする。
[DVD(邦画)] 6点(2020-02-20 18:07:14)
592.  清須会議 《ネタバレ》 
歴史マニアでもある三谷幸喜監督が織田信長が死んだあとにその跡目をめぐって行われた評定である清須会議を題材に執筆した小説を自ら映画化した時代劇。いつものコメディー調は控えめで、実在の人物(かなりデフォルメされてはいるが。)を登場させ、真面目に歴史の一幕を描いているのがこれまでの三谷監督の映画と比べれば異色な感じがするが、会議をめぐる駆け引きなどがうまく描かれていて、そのあたりは面白い。しかし、それゆえに三谷監督が本来得意とするコメディー部分が足を引っ張っていて、そのおかげでかなり間延びした印象がある。とくに旗取り大会のシーンは笑わせようという意図があるのは分かるのだが、なかったほうが良かった気がするし、会議終了後にもダラダラと映画が続くのは前作「ステキな金縛り」以上のくどさを感じる。もっと清須会議だけに的を絞ったほうがドラマとして面白くなったのではないかと思うのだが。でも、三谷監督の映画では恒例となっている前作の登場人物の登場は今回は更科六兵衛(西田敏行)で、若干の違和感を感じてしまうこともあったが、これは時代劇であるせいかこれまででいちばん違和感がなかった。(登場の必然性もなかったが。)いつも豪華な面々が登場するわりに印象に残るキャストが少ない三谷監督の映画だが、昔からの常連のひとりである鈴木京香演じるお市の方はなかなかはまっていたし、松姫(剛力彩芽)と寧(中谷美紀)が言葉を交わし、松姫が金平糖を食べるシーンも印象的で、代表作になるというほどではないが、女優陣はけっこう印象に残る。それにしても秀吉(大泉洋)の軍師である黒田官兵衛を寺島進が演じているが、去年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」をちょっとでも見ているとやはりこの役は岡田准一のほうが良かったかもとか、印象はまるで違うんだけど中谷美紀は秀吉の妻じゃなくて官兵衛の妻だよなと思えてくるのは仕方ないか。
[DVD(邦画)] 6点(2020-02-15 17:53:22)
593.  シェルブールの雨傘
噂には聞いてたけど、本当に最初から最後までセリフが歌になっているのが驚きだった。この見たこともない手法に最初はちょっと面食らってしまったが、30分もすれば慣れていた。ストーリーは本当にオーソドックスすぎるが、全編に流れるミシェル・ルグランの美しい旋律を聴いているだけでも満足。雪のガソリンスタンドでのラストシーンがちょっと切なかった。本当はこの映画の点数を8点にして、音楽評価を10点にしようかと思ってたが、音楽がこの映画の魅力の大半だと思うので、ちょっと甘いかもしれないが両方10点にしておこう。
[ビデオ(字幕)] 10点(2020-01-27 23:26:14)(良:1票)
594.  監督・ばんざい! 《ネタバレ》 
北野武監督の「芸術家三部作」の第二作。オムニバスとして前半に出てくる作品群は実際にたけしの新作映画として企画にあがったものらしく、どうせなら一気に映像化してみようという意図があったのかもしれない。でも、「小津作品に比べて風格がない。」、「これでは目の開いた座頭市ではないか。どうせなら座頭市2をやれ。」などとナレーション(伊武雅刀)に突っ込ませるあたりはヤクザやバイオレンスを絡めずにもっといろんなジャンルの映画を撮ってみたいけど、どうもいまいち自信がなさげなたけしの心情を代弁させているようで、すごく自虐的に見える。(実際はヤクザやバイオレンスがメインでない映画も作っているのだが。)そんな中で「ALWAYS 三丁目の夕日」(劇中でははっきりとは言わないが。)にヒントを得た「コールタールの力道山」はなかなか面白く、これだったらちゃんとした一本の映画として見てみたい気がする。藤田弓子は「泥の河」や「さびしんぼう」の母親役の印象が強い人なのだが、やはりこの母親役も良かった。後半のベタなギャグの連続もそれなりに面白いが、この部分の劇中劇である「約束の日」がSFパニック映画として始まったのに脱線してそれとは無関係のようなコントまがいの映画になってしまうのはどうだろうか。それにやたらとテンションの高い井手らっきょはちょっとくどい。たけし自身は「TAKESHIS」とこの映画はもっとも気持ちが沈んだ最低の状態で作った映画と語っているのだが、「TAKESHIS」のほうが見ているこちらにもたけしの葛藤が伝わってきたのに対し、本作はあまりそういうのは無い。しかし、全体としては「TAKESHIS」よりも単純で見やすく、個人的にはそこまで退屈な感じはなかった。でも、けっして面白い映画でもないので他人には薦めないだろうし、自分ももう一回見ろと言われたらたぶん無理だろうなあ。一応6点。
[DVD(邦画)] 6点(2020-01-25 00:03:02)
595.  デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム! 《ネタバレ》 
テレビシリーズ一度も見たことない状態だったので、一見さんお断りな映画だったらどうしようかと思っていたが、これが本当に東映アニメフェアの子供向け映画として公開された映画なのかと思うほど緻密に作られていて、ネットの中に現れたモンスターがデータを食い荒らすという展開もリアルにコンピューターウイルスを連想させていてひょっとしたら実際にこんなことが起こるかもしれないと思わせる設定で見事だし、細田守監督の演出もしっかりとしていて大人の鑑賞にじゅうぶん堪えうる作品に仕上がっていたのでかなり驚いた。NTTやペンタゴンなど実在のものがそのままの名前で出てくるのがちょっと子供相手の東映アニメでは異色な感じだが、そうすることでなおも映画にリアリティーを生むことに成功している。それに下の方も書かれているけど主人公たちが戦っているのを知らないで日常生活を送っている一般の人々の描写も細かで丁寧でこれが入ることによってストーリーに厚みが出ているのもうまい。確かにテレビシリーズ見ていないから登場人物たちのバックボーンとかがよく分からない点は少し残念だが、この映画は今まで見た東映アニメ映画の中でもいちばん面白いと思うし、純粋に映画という枠で考えても快作といえる作品だと思う。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-01-20 20:04:09)(良:1票)
596.  お早よう 《ネタバレ》 
昔見た時もすごく楽しめた映画だったが、やはり久しぶりに見ても面白かった。小津安二郎監督の映画に登場する子供はどの映画でもみんなイキイキとしているが、子供が主役の喜劇映画である本作はとくにそれが感じられ、子供たちのオナラ遊びや、実と勇の兄弟が母親(三宅邦子)に「アイラブユー」、「オフコースマダム」とませた英語を話すシーンなどほほえましく、とにかく子供たちが本当にイキイキと元気に描かれていて、小津監督の子供の使い方のうまさや、喜劇のセンスの冴えもあり、やっぱり小津監督は喜劇映画の監督だと思わずにはいられない。中でもテレビ欲しさに一言もしゃべらなくなった兄弟が給食費のことを家族に伝えようとするジェスチャーのシーンはとくに笑ってしまったが、ここに小津監督のサイレント時代の経験が活かされているのは明白だろう。(筆談すればいいのにと思うのは野暮というもの。)そんな子供たちだけではない、舞台となる集合住宅の住人たちの噂話も、冒頭の会費の行方についてのシーンからこんな噂話してる人、周りにもいるなあと妙に親近感がわいて、本当に近所の主婦たちの井戸端会議を見ているようで面白い。この部分では会費の問題が解決したあとに実と勇がしゃべらなくなり、杉村春子が挨拶をしても返さないのを会費を横領したのを疑われた親がそれを根に持って子供に相手をしないようにしてるんだと話すシーンがとくに印象に残り、笑える。(三宅邦子、かわいそうに。)この杉村春子も良いのだが、キャラがたっているのが三好栄子演じる彼女の母。会費の行方の真相についてもそうだが、なんといっても押し売り(殿山泰司)とのやりとりが愉快痛快で楽しかった。笠智衆のセリフで大宅壮一の言葉を引用している(前に見た時も印象に残った言葉だった。)が、この当時の映画業界人の中にはこの言葉に共感する人も多かったのではないかとつい思った。なにはともあれ、肩の力を抜いて気軽に楽しめる喜劇映画で、もし、小津監督の映画にまったく触れたことがないような人がいたら、まず最初にすすめてみたい映画だ。(2020年1月13日更新)
[DVD(邦画)] 9点(2020-01-13 23:11:17)(良:1票)
597.  黒部の太陽 《ネタバレ》 
長年見たい映画の一本だった本作をようやく見れたのがまず嬉しい。黒部ダムのトンネル工事を描いた三船と裕次郎の共同プロデュース、初共演の大作映画で、二人の本作にかける思いはじゅうぶん伝わってくるし、上映時間の長さ(3時間超え)やキャストの多さからしてもこれぞ超大作という映画になっている。内容的には正直あまり期待していなかったのだけど、(リアルタイムで映画館で見たという母親は「画面が暗いだけだった。」と言っていた。)見る前の予想よりははるかに面白かったし、時間の長さもあまり気にならずに引き込まれることができたのは良かったと思う。裕次郎が映画館だけで見てもらいたいと言っていた映画なのだけど、確かに工事現場の天井が崩れて大水がくるシーンなどはすごい迫力だし、メインとなる破水帯との戦いもサスペンスフルに描かれていて見ごたえじゅうぶんで、まさに映画館で見る映画とはこういうのを言うのだという感じで、その言葉にも納得。工事と並行して描かれるドラマとしては裕次郎演じる岩岡と父親(辰巳柳太郎)の確執や、三船演じる北川の娘(日色ともゑ)が白血病にかかってしまうエピソードが描かれていて、二つともこの手の映画にはありがちなサブエピソードだと思うものの、岩岡と父親のエピソードは、辰巳柳太郎の味わい深い演技も相まって印象に残り、これがいいアクセントになって厚みを加えていて良かったし、終盤、工事終了直後に娘の訃報を知らされた北川が悲しみを押し殺して工事関係者に感謝のスピーチをするのは素直にカッコイイと思えた。寺尾聰の俳優デビュー作とのことだが、デビュー作にしていきなり早くも実の父である宇野重吉と親子役で共演しているのがなんだか微笑ましい。熊井啓監督と言えばメッセージ性の強い社会派監督で、こういうスター同士の共演を売りにした大作映画とは縁遠い印象だが、どちらかと言えば本作では職人監督に徹している感じが強く、(社会派の側面がまったくないわけじゃないと思うけど。)監督としての器用さを感じられたことが新鮮だった。
[DVD(邦画)] 7点(2020-01-11 17:41:42)
598.  東京物語 《ネタバレ》 
「晩春」、「麦秋」に続く小津安二郎監督と原節子の紀子三部作の最後の作品。尾道から子供たちに会うために東京に出てきた両親と子供たちのすれ違いが描かれた映画だが、ここに現代でも通じる普遍性を感じることができるし、やはりこの普遍性こそが本作を不朽の名作たらしめるゆえんではないかと思う。実際に今見ても現実味を感じられるし、真に迫るものがあり、なにか身につまされるものもあった。子供たちの両親への対応がとても冷たいのだが、それは彼らには彼らの生活があるからであってたとえ親子であってももう別の人生を生きているということがリアルに伝わってくる。だから終盤の京子(香川京子)と紀子(原節子)の会話の部分も、兄姉を非難する京子を諭す紀子の言葉にすごく納得できる。(この部分、初めて見た時は京子のほうに共感してたと思ったんだけど、見方が変わったみたいだ。)周吉(笠智衆)が再会した友人(東野英治郎)と酒を飲みながら交わす会話も二人のさびしさをよく表していて印象的だったし、とみ(東山千栄子)が紀子の部屋へ泊るシーンのやりとりもすごく良い。笠智衆はもちろんだが、このとみを演じる東山千栄子がなんといっても素晴らしかった。この老夫婦が「それでもやっぱり、孫より子供のほうがかわいい。」と話し合うシーンは親のわが子への愛情が永遠であるということをあらためて感じることができ、素直に感動してしまった。(今、これを言えるような親が少ない気がする。)でも、当の子供たちは自分たちの人生を生きるのに精いっぱいで両親にかまっていられないという現実の悲しさ・・・、そういうものが見事に描かれていて、見終わった後には「家族」や「親子」というものについていろいろ考えさせられた。二十歳くらいの頃に初めて見た時は正直、そこまでの良さは分からなかったのだが、久しぶりに見て世界的な名作と言われる理由も分かるし、そしてもちろん、小津監督の最大の代表作、間違いなく日本映画の美しい名作の一本であると確信することができたし、再見して本当に良かった。何度でも繰り返し見たくなる映画というのはあるが、この「東京物語」は自分が年を経るごとに繰り返し見たくなるような映画だと思う。もう10点以外ありえない。(2020年1月6日更新)
[DVD(邦画)] 10点(2020-01-06 01:28:35)(良:1票)
599.  赤穂城断絶 《ネタバレ》 
深作欣二監督による忠臣蔵。組織対組織、権力への反抗といった物語の描き方や、決して美談だけに終わらせないところ、そして赤穂城を明け渡すか否かのシーンの浪士たちの熱気や討ち入りシーンの血なまぐさい派手な斬り合いといった部分に深作監督らしさは感じるものの、全体的にはかなりオーソドックスな作りで安心して見られる反面、深作監督なのだからもう少しドラマ的に激しさや盛り上がりがあってもよかったのではと思えなくもない。吉良を演じているのが金子信雄で、見る前は山守のようなキャラの吉良を期待していたが、確かに憎々しさはよく出ているものの、インパクトはそれほどなくやや肩透かしといったところ。浪士の一人である橋本(近藤正臣)にスポットがあてられ彼が主役のサイドストーリーが描かれているのは本作の中でいちばん深作監督らしさを感じる部分で、実際にこの部分は面白かった。(いつもの深作監督のヤクザ映画ならこういう人物こそ主人公だよなと思う。)忠臣蔵映画では珍しく討ち入り後の四十七士の切腹までを描いているのが新鮮だった。ここがけっこう長いのだが、ここがあることで最初に書いたように決して美談では終わらせないぞという深作監督の意地も感じることができる。深作監督は当初吉良を主人公に本作を構想していたみたいだが、一度はそういう吉良側から見た忠臣蔵を見てみたい気もする。それともう少し、深作監督は後年になって「忠臣蔵外伝 四谷怪談」を手掛けているが、あの映画は本作に不満を持っていた深作監督のリベンジの意味もあったのかなあと思ってみたりもする。これで深作監督の時代劇映画はすべて見たことになるのだが、思えばいちばん最初に見た深作作品が「忠臣蔵外伝 四谷怪談」だった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-01-02 22:20:25)
600.  映画 聲の形 《ネタバレ》 
見る前はあまり期待もなかったが、始まるや否や一気に見入ってしまった。内容は確かに障害者やいじめの問題を描いているが、単に差別やいじめは良くないというこういう作品にありがちな単純なメッセージよりも、根本的なテーマはもっと深いところにあり、とても重いが、同時にとても考えさせられる映画だ。小学生の頃、転校してきた聾唖者である西宮に対するいじめの中心人物だった石田がやがてスケープゴートになり逆にいじめられる側になるというのはリアルだし、それが原因で五年たって高校生になっても周囲と打ち解けずにいる石田の西宮に対する贖罪や、彼自身の成長と再生が本作のもう一つのテーマだ。そんな石田の目から見た同級生たちの顔には全体に×印がついているというのも、わかりやすい演出ではあるが、石田の心情をうまく表していると感じるし、そうしていることで、石田にとても感情移入しやすくなっている。そんな中であるきっかけで友達になってくれた永束と、西宮を必死で守ろうとする彼女の妹であるゆづるの存在は石田にとってどれほど心強く、大きな存在だっただろう。出てくる同級生や小学校の担任の教師、西宮の母は問題のある人物として描かれていて、とくに同級生は小学校から高校まででなにも変わっていないような連中が多く、中でもとくに川井と植野は見ていてイライラするほどだったが、同時にそこにリアルさを感じられる部分もあり、映像の美しさや作画の丁寧さもそうだが、人物描写も繊細で丁寧で、作り手が石田をいじめる側の同級生たちも決して完全な悪役のように描かず、どこか愛が感じられる描き方なのがいい。そしてもちろん石田という主人公をきっちりと描いているのが良かった。他人と交わり、完全にではなくても分かり合えることの大切さ、話すことの大切さ、そういうことをあらためて教えてくれる映画で、もちろん、賛否両論はあるのは当然のことだと思うけど、素直に見て良かったと思えたし、じゅうぶん見る価値のある映画だ。最後にこの映画で京都アニメーションの制作作品初めて見たんだけど、実際に作品を見ると、あんなひどい事件が起こってしまったのはあらためて非常に残念で哀しく思う。
[DVD(邦画)] 8点(2019-12-31 12:20:40)(良:1票)
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531921.40%
634423.07%
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828018.78%
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