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1241.  腰抜け巌流島
森繁久弥主演の時代劇コメディーで、吉川英治の「宮本武蔵」をパロディー化したような映画。森繁久弥演じる武蔵と大泉晃演じる小次郎のクライマックスの決闘シーンや冒頭の関が原のシーンの又八とのやりとりをはじめ、全体がどこかコントのような感じで、サイレントの喜劇映画のような素早い動きをするシーンなどかなり演出が漫画的で何も考えずに楽しめる。森繁久弥の陽気なキャラクターは見ていて飽きないし、大泉晃の少しオカマチックな小次郎も面白く、ほかにも当時の喜劇俳優がたくさん出ていて、ストーリーはそんな大したものではないが、彼らを見ているだけで楽しい。でも、なにか物足りなさも残るのも事実だったりする。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-03-18 13:35:53)
1242.  太平洋奇跡の作戦 キスカ
キスカ島に残された日本兵五千人を米軍に全く気づかれずに全員を無傷で救出することに成功したキスカ島撤退作戦を映画化した東宝の戦記映画。第二次大戦を背景とした邦画、それも実話を題材としている場合だとどうしても悲劇的な映画という印象が強いのだが、これはそんな実録戦争映画でありながら、純粋な娯楽映画として楽しめた。邦画の戦争ものにありがちな「お国のために命を捧げよう」とかではなく反対に絶対に全員を生きて救出するという作戦を描いたストーリーで、この救出作戦をいかに成功させるかが物語の骨子となるわけだが、もちろんこの部分だけでもハラハラドキドキもので見ごたえがあるのだが、キスカ島に残された側のドラマも平行して描かれており、そこでのいつ玉砕するかもしれない状況下で一縷の希望を持って救出を待つ兵たちのドラマも見ごたえがあり、これがあるから、ラストのカタルシスも大きい。この作戦の存在自体をこの映画で初めて知ったのだが、やはり、日本兵は消耗品とされていたであろうこの時代において、この人道的なエピソードが実話というのには正直驚かされる。
[DVD(邦画)] 8点(2010-03-18 02:50:24)(良:2票)
1243.  眠狂四郎 無頼剣
前年の「座頭市地獄旅」の三隅研次監督と伊藤大輔脚本のコンビが再び手を組んだ「眠狂四郎」シリーズ第8作。「座頭市地獄旅」は面白かったけど、ちょっと不満も残る作品だったのでどうかなあと思っていたが、この映画ではそういった不満も特になく、むしろ時代劇としてもかなりの傑作に仕上がっていると思う。俳優陣ではなんといっても悪役である愛染を演じる天知茂が最高だった。同じ三隅監督の「座頭市物語」でも印象的だった彼だが、ここでもすごく良い芝居を見せていて印象に残る。ラストの屋根の上での狂四郎と愛染の対決もすごかったが、最後のシーンで思わず「座頭市物語」の平手造酒の最期がオーバーラップしてしまった。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-03-16 13:13:37)
1244.  金田一耕助の冒険 《ネタバレ》 
大林宣彦監督が初めて手がけた角川映画で、当時空前のブームを巻き起こしていた金田一耕助シリーズをはじめ、公開当時の時事ネタをこれでもかと言わんばかりに盛り込んだパロディー映画。当時をリアルタイムで知らなきゃつらい映画かと思ったが、ついていけない部分は確かにあるものの、古谷一行演じる金田一と田中邦衛演じる等々力警部のコミカルなやりとりや大林監督らしい遊び心あふれる映像は見ていて楽しいし、絶対見ていて呆れるだろうと思っていたパロディー部分も石膏の首を持った東千代之介が「柳生一族の陰謀」の錦之介のマネをしていたり、(やや芝居が真面目すぎる気もするが、同じ東映のスター俳優であった東千代之介がやっているというところが妙に笑える。)紙吹雪が舞う中で行われる「八甲田山」のしょーもないパロディー(元ネタと同じ木村大作が本作も撮影してる。)、麦藁帽子が飛んでいくシーンでかかる「人間の証明」の主題歌など自分がこの当時の映画をけっこう見てるからか面白く見ることが出来た。出演者もかなり豪華で、劇中劇のサイレント映画で金田一を演じる三船や、同じ劇中劇で等々力警部を演じる三橋達也(市川崑監督の金田一もので加藤武が演じる警部の真似をする姿が笑える。)、それに岡田茉莉子などよくこんな映画に出たなと思うような名優から、原作者である横溝正史やほかの作家、大林監督自ら演じる老人ホームの入所者や角川春樹はもちろんのこと、普段はスタッフとして映画に携わっている人まで出ているのはすごい。どう収集をつけるのかと思っていたらラストはちゃんと余韻を残す終わり方だったのは良かった。脚本を斎藤耕一監督が書いているのにはビックリするし、僕自身が古谷一行の金田一を見たのが本作が初めてなのもいいのかなと思ってしまうのだが、こういう映画は嫌いではない。
[DVD(邦画)] 7点(2010-03-09 18:09:51)(良:1票)
1245.  菊五郎の鏡獅子
かなり久しぶりに見た小津安二郎監督の映画だったのだが、これは劇映画ではなく、歌舞伎「鏡獅子」を舞う尾上菊五郎(六代目)を丹念に撮った記録映画で、冒頭部分に歌舞伎の解説ナレーションまで入ってどうやら海外に日本の伝統芸能を紹介する目的で作られた映画のよう。75年ほど前の映像なので今見るとかなり貴重な映像だが、正直、歌舞伎にほとんど興味がないのでちょっと退屈に感じられた。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-02-27 02:00:46)
1246.  ルパン三世 the Last Job<TVM> 《ネタバレ》 
今回もなんとなく見てしまった「ルパン三世」のテレビスペシャル。今回は銭形の死が大きく放送前に言われてたけど、どうせ納谷悟朗を長時間出さないためのハッタリだろうと思っていたらまさにその通りで、全体的に見てもいつもと変わらず、「まあ、こんなもんだろう。」という感想しか出てこないのだが、やはり津嘉山正種の悪役は渋くていいなあ。ところで、今回、サブタイトルに「ラスト」って入ってるけど、とくにこのシリーズに思い入れはないのだが、クリカン以外のレギュラーメンバーの年齢を考えたらもう本当に「釣りバカ日誌」シリーズのように潔くおわったほうがいいかもしれないと少し思う。まあ、また新作が出れば惰性で見てしまうだろうけど。
[地上波(邦画)] 5点(2010-02-26 21:27:27)
1247.  白昼堂々 《ネタバレ》 
「男はつらいよ」シリーズ以外の渥美清の主演作を見るのは実はこれが初めて。共演者が倍賞千恵子、佐藤蛾次郎、それに田中邦衛に藤岡琢也と、「男はつらいよ」シリーズのレギュラーやゲストで出てる役者が多い。渥美清と倍賞千恵子に寅さんとさくらというイメージが強すぎるゆえか、この二人が殴り合うシーンや、恋仲になって契約結婚しちゃうという展開には微妙な違和感を感じてしまう。(渥美清は結婚する役を見るのも初めてだったが、その相手が倍賞千恵子というのがなんとも。)渥美清とフランキー堺という二大喜劇スター(そういえばこの二人、同じ年に亡くなってるんだなあ。)の共演は見る前かなり楽しみだったのだが、一緒のシーンが一度もなかったのは残念。映画としては傑作とまではいかないものの娯楽喜劇映画としてはじゅうぶん楽しめる出来で、サスペンス映画のイメージが強い野村芳太郎監督のサスペンス以外のジャンルでの職人ぶりがうかがい知れるプログラムピクチャーの一本となっていて、クライマックスのデパート売上金強奪作戦の部分の見せ場もよく心得ていて全体としてはとても面白かったものの、やはり渥美清とフランキー堺が一緒に出てるシーンがないことへの物足りなさと、渥美清と倍賞千恵子が結婚して夫婦になるという展開に最後まで違和感が消えなかったので惜しいけど1点マイナスの6点。
[DVD(邦画)] 6点(2010-02-25 13:05:35)
1248.  秘密戦隊ゴレンジャー
「秘密戦隊ゴレンジャー」のテレビシリーズのエピソードを再編集して劇場公開したもの。小学生の頃に再放送で見ていたので懐かしく見たが、再編集版ゆえかシーンがいきなり飛んだりして違和感を感じる部分もけっこうあった。このシリーズはシュールなコメディー色が強いという印象が小学生の頃からあったが、本作はまだ放送初期のエピソード(ナレーションも大平透でなく田中信夫だし。)だからか、ゴレンジャーの関連施設が破壊されるとかけっこう正統派なヒーローものという感じ。ところで、アカレンジャー役の誠直也はいかにも東映系の強面で昨今のイケメンヒーローブームから考えると確実に現在ではあり得ないが、今見ると逆に最近のイケメン若手俳優にはない味があって新鮮かも。
[DVD(邦画)] 5点(2010-02-13 13:13:22)
1249.  いのち・ぼうにふろう
のちに無名塾で舞台化(「いのちぼうにふろう物語」)もされた山本周五郎の「深川安楽亭」の映画化作品。主演は無名塾主宰で舞台版にも出演している仲代達矢で、監督は小林正樹。このコンビの映画は「切腹」も「人間の条件」も傑作だったが、この映画はどうだろうか。舞台も原作も見てないのだが、時代劇としてはそこそこよく出来ていると思うし、クライマックスのモノクロ画面に浮かぶ御用提灯の群れなど映像的に印象に残るシーンもあり、ゾクゾクするような武満徹の音楽も良かったものの、脚本が舞台的な感じで盛り上がりに欠け、主人公たちが命をかけて救おうとしている若者(山本圭)が典型的なグズなダメキャラで彼のために命をぼうにふろうという主人公たちにイマイチ感情移入が出来ず、また全体的に展開がもたついていてどうも退屈で2時間がちょっと長く感じる。なんかタイトルのインパクトの強さのわりにそれほどでもない映画という気がする。それから見る前に興味を引いたのが仲代達矢と勝新という黒澤明監督の「影武者」で主役を降板した側と代わって演じた側の共演だったんだけど、それもなんだか期待はずれという感じで少々残念だった。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-02-11 18:15:19)
1250.  恐喝こそわが人生 《ネタバレ》 
深作欣二監督によるバイオレンスアクション映画。スタイリッシュな演出や、音楽のテンポなど時代を先取りしたかのような印象で、あまり古さを感じさせていない深作監督の手腕は見事だと思う。松竹映画といえばホームドラマや人情喜劇といった映画がウリなんだけど、ストップモーションが多用されていたり、派手な爆発・炎上シーンがあったりと本当にこれは松竹映画なのかと思うほど松竹のカラーとかけ離れすぎていて異色な感じで、松竹映画という気がほとんどしないのもすごいが、深作監督らしいパワフルでエネルギッシュな映画でなかなか面白かった。主演の松方弘樹は若くてまだ貫禄不足という気がしないでもないが、それでもなかなかいい演技をしているし、あまり出演作を見たことがないのだが、ヒロイン お時を演じる佐藤友美も素敵だった。80年代まで深作作品の常連となる室田日出男が無名の頃から主役メンバーの一人として出演しているのはやっぱり深作監督の人脈なのかな。丹波哲郎は短い出番ながらもさすがに存在感がある。(主役メンバーの一人として配役する構想もあったとか。)ラスト、主人公を殺す暗殺者役を川津祐介が演じているが、このラストシーンはほとんどゲリラ撮影だったらしく、その効果もあってか、この映画の中でいちばん印象的だった。
[DVD(邦画)] 7点(2010-02-09 13:24:40)
1251.  古畑任三郎スペシャル しばしのお別れ<TVM>
1996年に放送された「古畑任三郎」のスペシャル版で、今回の犯人役は山口智子。この頃に放送されていた第2シリーズはどの回を見てどの回を見てないかよく分からないのだが、(ちなみに第1シリーズは初回の中森明菜の回しか見てないような気がする。)この回は見たのは今回(ローカル枠の再放送)が初めてだった。話としては平均的ないつもの古畑という感じだが、なんといっても山口智子。クールでかっこよく、存在感があり、舞台上で踊るシーンや古畑との対決シーンなど演技も実に堂々としたもので素晴らしく、今まであまり彼女の出ているテレビドラマや映画を見ていないせいもあってか、こんなにいい女優だったのかと驚かされた。殺人のトリックはなんら驚くようなことはなくありがちなように思うし、セリフ中に「なるほど!ザ・ワールド」が出てくるところは今見ると時代を感じてしまうが、古畑と今泉のコミカルなやりとりも面白く、安心して楽しんで見ていられた。しかし、本当にこの回は山口智子につきると思う。
[地上波(邦画)] 6点(2010-02-05 22:33:21)
1252.  大怪獣ガメラ
ガメラシリーズの記念すべき一作目。昭和ガメラシリーズは20年ほど前の小学校の頃にビデオでよく見ていたが、本作を見たのは今回が初めて。当然この当時のヒットシリーズであった東宝のゴジラシリーズに便乗して作られた怪獣映画だと思うのだが、カラー映画で作ってもおかしくないような時代に敢えて白黒で作っているあたりにゴジラシリーズの一作目を意識しているような感じがしなくもない。(単に制作費をケチっただけかもしれないが。)しかし、「ゴジラ」のような重厚感は微塵もなく、軽い仕上がりで、ドラマ的にも盛り上がる部分はなく、脚本もご都合主義全開な感じで、船越英二、浜村純といった大映映画でよく見かける俳優陣も生かしきれておらずイマイチな感じ。だが、1作目である今回から既にガメラと子供を絡ませるというシリーズのカラーが出ているのはちょっとすごい。(まだこの頃はシリーズ化なんて考えてなかったろうに。)それにやはりゴジラにないものをと考え出されたと思われるジェット噴射で空を飛ぶというシーンが初めて登場したシーンが印象的だった。でもやはりさっきも書いたように深みのないご都合主義なストーリーははっきり言って面白くないし、「ゴジラ」には確かにあった恐怖感というものがないので、ラストもカタルシスに欠けるのも本当のこと。なので、一本の映画としては完成度は抜群に低いと言わざるを得ない。だけど、昭和ガメラに対する懐かしさがあるので、まあ5点が妥当かな。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-02-04 15:28:29)(良:1票)
1253.  黒の超特急 《ネタバレ》 
全11本作られた「黒シリーズ」最後の作品で、増村保造監督が手がけた「黒シリーズ」としては3本目となる。今回は汚職事件をテーマに互いに金の事しか頭にないような二人の男(田宮二郎、加東大介)の対決を描いていて、互いに腹黒く、加東大介扮する中江に騙された田宮二郎扮する桔梗が中江が汚職話を持ちかけた船越英二扮する新幹線公団専務理事 財津の愛人 田丸陽子(藤由紀子)と組んで、彼らともう一人の仲間である工藤(石黒達也)を逆に強請ろうとする展開はスリリングで面白い。ヒロインの田丸陽子はどことなくミステリアスで、こういう女を描かせると増村監督はうまいし、演じる藤由紀子の存在感も相まってとても印象に残るし、いかにも増村映画に出てくるヒロインという感じでとても良かった。陽子が中江に殺されるシーンは生々しさがありながらも彼女の悔しさ、悲しさといったものがストレートに見事に表現されているのも増村監督らしい。そしてそんな陽子を本心から愛していた桔梗のやるせなさが画面から伝わってきて、ラストはなんともいえない無常感が漂い、ここに増村監督がこの映画で言いたいことが全て集約されている気がして、今まで見た増村監督の「黒シリーズ」の中でも本作はいちばん増村監督らしい映画になっていると思うし、実際この映画が3本中ではいちばん面白かった。もう少し書かせてもらうと基本的にいい人役の印象が強い加東大介がここまで腹黒い悪人を演じているのも珍しく、しかもなかなかの好演で、普段悪人を演じているイメージがない分かなり新鮮に感じた。
[DVD(邦画)] 8点(2010-02-02 22:57:12)
1254.  黒の報告書
増村保造監督による法廷サスペンスで「黒の試走車」に続く「黒シリーズ」第2作。増村監督の法廷劇といえば「妻は告白する」という傑作があるのでこの映画は少し分が悪いのではと思っていたが、重苦しい雰囲気の法廷ドラマで、登場人物たちの描き方も増村監督らしく、見る前に想像してたよりは面白かった。しかし、やはりというかなんというか「妻は告白する」のようなインパクトや深みがないので全体としては普通の法廷サスペンスという印象。宇津井健の主演映画を見たのが初めてだったのだが、どうもテレビドラマに出てる俳優というイメージが強くて、映画の主人公役としては弱い気がして、途中から本当にテレビドラマを見ているような感覚に陥ってしまった。演技にしてもこの後の「新幹線大爆破」の方がうまいと感じるし、法廷シーンでは小沢栄太郎と神山繁に完全に食われているという感じしかしなかった。「黒の試走車」に続いてヒロインを演じる叶順子。ラストの訴えなどなかなかいい演技を見せているし、印象にも残るのだが、何か物足りない。そんな中にあって小沢栄太郎が演じる弁護士。まだこの俳優に馴染みがない頃に「犬神家の一族」を見たこともあってか、小沢栄太郎と名前を聞くと古舘弁護士を真っ先に思い浮かべてしまうのだが、この映画では善良な古館弁護士とは真逆の悪徳弁護士を演じており、もし、この映画を見た後で初めて「犬神家の一族」を見たとしたら、古館弁護士も悪徳弁護士に見えてしまうであろうほどの嫌味ぶりがなんとも言えず。やはり小沢栄太郎は悪役俳優だなと改めて思った。神山繁も「女王蜂」でインパクトのある役柄を演じていて、市川崑監督の金田一シリーズで印象に残った二人の俳優が市川監督の助監督を努めていた増村監督の映画でそれ以前に弁護士役と被告役で共演しているのは偶然かもしれないが、ちょっと興味深いものがある。
[DVD(邦画)] 6点(2010-01-28 00:57:11)
1255.  黒の試走車(テストカー)
増村保造監督が自動車業界を舞台にメーカー同士の争いを描いたサスペンスで、この後大映で連作される「黒シリーズ」の第1作。体調があまり良くない状態で見たのだが、メーカー間のスパイ合戦やラストの高松英郎が船越英二を問い詰めるシーンなどなかなか緊迫感にあふれていて面白かった。ある業界のメーカー同士の争いを描いた増村作品というと「巨人と玩具」があるが、この映画でも高松英郎はかなりテンションの高いキャラを演じていてちょっと「巨人と玩具」と被って見えるが、やはりとてもはまっていて良かった。会社のためなら恋人も平気でスパイとして送り込むところは何か怖かったが、己のためなら他人がどうなろうとかまわないという人間の身勝手な態度はじゅうぶん現代にも通ずるような感じでさらに怖く、社会派サスペンスとしては今見ても映画のメッセージ性が失われていないと感じる事のできる見ごたえのある映画だと思うものの、一方で増村作品としてはさきほど書いたスパイとしてライバル社に送り込まれる田宮二郎の恋人を演じる叶順子の描き方にそれらしさを感じさせるものの、ほかの増村作品と比べるとその描き方がなんか弱いような気がするし、何か物足りなさも残る。そうそう、田宮二郎の単独主演作を見るのはこれが初めてだと思うが、どう見ても高松英郎が主人公のような感じなのもちょっとびっくりした。
[DVD(邦画)] 7点(2010-01-21 14:17:49)
1256.  最高殊勲夫人
最初にタイトルだけを見た時は若尾文子が悪女を演じるドロドロ系の映画かと思ったが、「青空娘」の源氏鶏太が原作ということで、ドロドロした重みの全く無い軽快なラブ・コメディーに仕上がっており、「青空娘」同様にとても気楽に楽しめた。初期の増村保造監督らしいハイテンションでスピード感あふれる演出は見ていて気持ちがいいし、電車の中で噂が広まっていくシーンやその後の会社で若尾文子を口説きまくる男性社員たちの滑稽さをコミカルに描いているほか、書道の先生のオーバーなアクションや生放送ドラマの本番直前にしゃっくりが止まらなくなる主演俳優などちょっとしたさりげない笑いも盛り込まれていてこういう喜劇でも増村監督はうまいと感じさせるし、後年のドロドロした人間ドラマで魅せる作品群とはまた違った魅力がある。若尾文子も「青空娘」で見せた清純な可愛さがまさにそのままでとーっても素敵で魅力的だった。はっきり言ってあの会社の男性社員たちや川口浩が羨ましくなってしまうほどの可愛さではないか。おっとちょっと興奮しすぎたか。脇の船越英二の女房の尻に敷かれたダメ男ぶりもいつものことながら見ていて楽しいし、ヒロインの父を演じる宮口精二も良かった。作風上、増村作品って他人に気軽に薦められる映画が少ない気がしてたけど、「青空娘」とこの映画は何の気がねもなく気軽に他人に薦められそうだ。
[DVD(邦画)] 8点(2010-01-12 14:06:31)(良:1票)
1257.  からっ風野郎 《ネタバレ》 
増村保造監督が大学時代の同期生でもある作家・三島由紀夫を主演に迎えて作ったヤクザ映画。冒頭のタイトルロールの音楽からして大映っぽくなく、むしろ日活アクション映画を髣髴とさせるような出だしに少し違和感が。はっきり言って増村作品云々よりは俳優としての三島由紀夫に興味がいって見た映画だったが、主演の三島由紀夫の演技は共演者たちと比べてしまうと素人の分だけあって下手ではあるが、まあ思ったほど酷くはないと思う。(よくもないが。)話のテンポは増村監督らしくよくて分かりやすく楽しめるものの、出来としては普通のヤクザ映画の域を出ておらず、平凡な印象で、若尾文子に関しても印象は普通で、妊娠を三島由紀夫に告白するシーンや、堕胎薬を飲まされそうになるシーンで、増村監督の映画のヒロインらしい強さを見せるもののそれでも何か物足りない。ラストのエスカレーターのシーンがいちばん印象的だけど、増村映画として特に見るべき点は少なく時期的に「氾濫」同様に発展途上の作品と言ったところか。そういえば主人公のおじさん役で志村喬が出てるけど、増村映画に志村喬というのはちょっと珍しいなあ。
[DVD(邦画)] 6点(2010-01-10 13:48:40)
1258.  超新星フラッシュマン
これもテレビシリーズは4~5歳の頃に見ていた記憶があり、この劇場版もその頃に見た記憶があるのだが、今回DVDにて約20年以上ぶりくらいに再見。今見ると突っ込みどころがけっこう目についてしまい、子供の頃に見た面白さは感じられなかったが、これも「チェンジマン」に続いて懐かしさは充分感じることが出来た。悪役メンバーの一人を演じているのが清水鉱治なのだが、出番が少ないながらも独特の存在感を放っていて印象に残る。ところで戦隊ヒーローの黄色といえば、ゴレンジャーのキレンジャーというイメージが今は強いが、(「ゴレンジャー」は小学校の頃だったかに再放送で見てた。)初めて見た戦隊シリーズの黄色の戦士がイエローフラッシュだったため、子供の頃はしばらく黄色イコール女性戦士というイメージが強かったことを覚えてる。
[DVD(邦画)] 5点(2009-12-31 19:37:22)
1259.  座頭市(1989)
勝新による「座頭市」シリーズ最終作で、勝新本人が監督・脚本・製作も兼任するという相当な意欲作。シリーズとしてはテレビシリーズを経た久々の劇場公開作品ということもあってか、勝新の並々ならぬ意気込みが感じられる映画になっていて、勝新の座頭市への思い入れの深さも伝わってくる。勝新の殺陣はもうこの頃は晩年だというのにスピード感があり年齢を感じさせないほどの凄まじい迫力で、とても見ごたえのあるものになっているし、「座頭市二段斬り」に出演していた三木のり平(この人の起用はなんか嬉しい。)とのやりとりなども見ていて微笑ましく、かつてのシリーズのようにさりげなく笑えるシーンを挿入しているなど娯楽時代劇としてはじゅうぶん満足いくものになっている。しかし、昔、勝新の追悼番組でテレビ放送された際も見ている作品だが、大映のシリーズをほとんど見た状態で改めて見てみると妙な違和感を感じてしまうのも事実で、市を演じる勝新に貫禄がつき、一層渋みが増しているのはいいのだが、それがかえって市のキャラクターが大映のシリーズとどこか違うなと感じてしまい、また流血シーンのリアルさは黒澤明監督の「用心棒」や「椿三十郎」を意識してるのかもしれないが、「座頭市と用心棒」でも少し思ったんだけど今回はそれ以上にやりすぎ感があるような感じがするし、樋口可南子との濡れ場も大映のシリーズを見慣れているとかなり違和感がある。それに主題歌が英語というのもこのシリーズにはそぐわない感じがしたのが残念。とはいえ、さっき書いたように純粋な一本の娯楽映画としては存分に楽しめる出来になっているので見ていて退屈はしない。でもやはりシリーズとしては大映時代のもののほうが好きだな。(2009年12月17日更新)
[DVD(邦画)] 6点(2009-12-17 19:50:24)(良:1票)
1260.  麻雀放浪記
麻雀とは自分は全く縁がないのではじめのうちは淡々としていてちょっと退屈だったが、登場する男たちがみんな魅力的で見ているうちについ引き込まれてしまった。とにかくみんなそれぞれ個性がきっちりと描き分けられていて、演じる俳優たちがみんな実にいい芝居をしいている。鹿賀丈史は普段はあまり意識していないが、味のある存在感をじゅうぶんに発揮していてとても印象に残り、いい役者だなと思った。名古屋章もいつもの感じでいい味を出していて素晴らしいが、ここはなんといっても高品格だろう。これまでも悪役などで何本か見ている俳優だが、この映画ではまさに本作が代表作と言っていいくらいの名演を見せていて、とても素晴らしい。それから俳優だけではない、終戦直後の日本を舞台にしているのだが、それを描くのに全編白黒で撮影したというのも正解で、これにより時代の雰囲気を出すことにより一層成功していると思う。小栗康平監督の「泥の河」もそうだったが、やはり、過去を舞台にした映画の場合にはカラーより白黒の方が効果的だと思うし、これが監督デビュー作となったイラストレーター出身の和田誠監督もそれを分かっていたんだなあ。構図もちゃんと練られていて長まわしなどのショットも美しく印象的だった。80年代の角川映画と言えばアイドル映画全盛の印象が強いのだが、こんな味のある渋い映画もあるんだと少し意外に思ったが、面白かった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-12-04 22:22:38)
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