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41.  プラダを着た悪魔 《ネタバレ》 
題名に引かれて観たのですが、おじさんにはあまり縁のなりファッション業界を描きながら、基本になる筋書きはオーソドックス(戦争物で言えば士官学校出たての坊やが厳しい戦場に来てショックを受けながらも一人前に育ってゆくというような)であり、ファッション業界においても仕事に対する姿勢は他業種と同じということが理解できて何だか安心して観ることができました。といってもファッション業界というのはやはり感性がないと成功しない。感性と努力、政治力があって成功したからこそあれだけ我がまましていても上司が務まるのでしょうなあ、とちょっとやっかみも。そのような気にさせた作りのうまさも含めてこの点で。
[DVD(字幕)] 7点(2008-09-22 21:24:50)
42.  マッカーサー 《ネタバレ》 
米陸軍の太平洋方面司令官で、戦後日本の占領政策を決定し、朝鮮戦争前半の国連軍の指揮をした大人物の半生を簡潔に描いた大作と思う。簡潔な大作というのは矛盾している評価だけれど、軍神と評しても良い軍人としての能力を持ちながら、パットンほどの癖のある人物ではないし、日本の占領政策で見せた優れた政治能力を持ちながらもアメリカ国内で政治家としての活躍がなかっただけに、どろどろした人間模様もなく人生が簡潔に描けてしまう所が映画としての見所を少なくしてしまったのかもしれない。それでも日本における天皇の立場を評した所、日本が軍隊を持たず、戦争放棄をうたった憲法を持つ過程(異論もあるけど)、ソ連代表に北海道に進駐することは絶対に許さないと言ったりした史実はそれなりに描かれていて、70年代後半のアメリカ人にとっては新鮮な部分も多くあったのではないかと思われる。朝鮮戦争において、台湾の蒋介石と個人的?に何らかの約束を交わして大統領に不評を買うところも描かれているが、70年代では、鴨緑江を超えて新生間もない中共に突入し、中華民国再興という野望まで視野に入っていた可能性にも触れるのは難しかったかもしれない。いずれにせよ米国内、米軍内での親共産主義勢力との確執やその後のレッドパージなどについてはあえて触れていないところが何か物足りなさを感ずる所以かも知れません。結局パットン同様できすぎて人気のありすぎる軍人は政府の力で現役から降ろされ「老兵は消え行くのみ」と語って表舞台を去るのですが、この辺が戦前の日本との大きな違いと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2008-05-05 17:51:09)
43.  オール・ザ・キングスメン(2006) 《ネタバレ》 
ぞふぃさんほか皆さんのコメントに同意です。この作品は純粋な動機で政界に入ってゆき、そこを支持されて当選した知事が政治を進めてゆく上で「清濁併せ呑まなければやってゆけない状況」になってゆくところが主題でありだからこそショーン・ペンの昔を振り返った所の熱演が光ってくるはずなのに。どうでもよい所を時間かけて描いて主人公が殺されておしまいではね。主人公が感ずる政治の難しさや葛藤は?そんな状況が分かっていたからこそ付いていったジュードロウ扮する側近の心理描写は?そのような事を描くのは現在のアメリカでは禁止になってしまったのでしょうか。
[DVD(字幕)] 4点(2008-02-13 20:13:52)
44.  シンドラーのリスト
話しが進んでゆくにつれて最後はどうなってしまうのか心配になりました。我々日本人が理解できず、欧米人が当然の知識として理解していることとして「何故ユダヤ人は迫害されたか」という問題があります。この映画では「迫害の事実あり」として「何故」は全く描かれていません。同じ言葉を話し、一緒に生活し、労働できるから「役に立つのだ」と言う理由でリストのユダヤ人達は助かるのですが、本当に共通の理念として「ユダヤ人抹殺すべし」があるのならばシンドラーが何を言おうが抹殺されていたはずです。入れ墨などでマークをしないと区別つかないユダヤ人を迫害する(嫌う)のは何故か、シンドラーが理由を付けて賄賂をくれれば「まあいいか」で済む迫害具合というのが欧米人には共通の理念としてあるけれども、日本人である私にはユダヤ人と分かれば即殺されるのではという感覚があるので始めに書いた感想になったのです。それでも実際に迫害されて生き延びた人たちにとっては過酷すぎる時代だったのでしょうし、だからこそ最後の献花の場面が生きてくるのでしょうが、あうんの分からない日本人の私には最後の場面は付けたしにしか思えず感情移入できませんでした。
[DVD(字幕)] 6点(2007-10-17 23:42:06)
45.  プライベート・ライアン 《ネタバレ》 
私はスピルバーグが何故この映画を作ったか、何故このストーリーを採用したかが長い間理解できませんでした。スターウオーズもそうですがスピルバーグは観客が十分楽しめて嫌みを感じさせない間にアメリカ帝国の赤裸な一面を描く術に長けているように思います。直接祖国が侵略された訳でもないのに関係ない遠くの戦場にはせ参じて若者たちが次々と死んで行ったことは、顔も知らない二等兵一人を戦争から連れ戻すために大勢が命を懸ける「くそ任務」と同じことだったのではないか。始めとおわりに多くの家族と共に、つまり戦後のアメリカの繁栄を象徴するような幸せそうな家族に見守られて「私は恥ずかしくない人生を送ってきたか(大戦を機に帝国になったアメリカはこれでよかったか)」と白々としたアメリカ国旗とオーバーラップしながらミラー大尉に問い掛けるシーンは「くそ任務」で死んでいった先人達への監督なりのこの映画を作った思い入れのように感ます。上陸場面での戦場のリアリティは第二次大戦で虫けらのように死んでいった先人達のために絶対に必要だったのでしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2007-08-17 19:27:09)(良:1票)
46.  チャップリンの独裁者 《ネタバレ》 
国際情勢が険悪化していたとしても現役の他国の国家主席をここまで茶化し、しかも地球儀風船を弄ぶなど現在でもさすがと思わせる芸術性のある喜劇を作り上げる手腕は素晴らしいと思いました。突撃隊に虐げられるユダヤの人々を描き、ただ普通の平穏な生活を送りたいだけなのにという純朴な気持ちは収容所から脱走した床屋がヒンケルと入れ替わって行う最後の演説に集約されていて、それがこの映画を作ったチャップリンの思いでもあったでしょう。しかしこの最後の演説の主張はそのまま米国が第二次大戦に参戦する理由となり、戦後も「だから米国のやったことは全て正義である。」という免罪符にされてしまいました。未来において米国によりドイツの都市が無差別爆撃による殺戮を受けたり、その同盟国に原爆が落されるとは、この時点でチャップリンは思ってもいなかったでしょう。いろいろと考えさせられる作品でした。
[DVD(字幕)] 7点(2007-08-16 13:53:54)
47.  日本のいちばん長い日(1967) 《ネタバレ》 
原作を読んでから見たが原作の内容をよく映像化していて改めて感動した。それぞれの俳優陣の熱の入った演技は勿論だが天皇に対する特別な感情はやはり日本映画、日本の監督でないと描ききれないのだろう。外国映画の描く日本軍は明らかにどこかおかしいのであるが、外国人がこの映画を見てもこの感情を理解することができないことと同根であると思われる。同じ敗戦を扱った映画でも「ヒトラー最後の12日」との違いが印象的である。さすがに内容のあるコメントをされる方が多いけれど、数が少ないことからやはり見る人が少ないのだろう。日本人は、特に高校大学生らの若い人たちは見てほしい映画だと思う。皆が真剣に生きていて、どの生き方をした人に対しても現代から笑える者はいないと思うが、戦後生まれの私はあそこで戦争を終わらせてくれて本当によかったと感謝している。
[DVD(吹替)] 8点(2007-07-16 17:06:30)(良:2票)
48.  16ブロック 《ネタバレ》 
予告編を見て少し楽しみにしていた映画です。いろいろな意見はあると思うのですが私はDVDに未練がましく付いていたもう一つの結末の方が良いように思いました。監督?ウイリス?はこちらの終わり方で行きたかったのではないかな。でないと映画の始めの遺言めいた台詞も護送される黒人との友情に次ぐ20年来のコンビの友情というテーマも人が変われるというテーマも生きてこないでしょ。興行的にはダイハード別番としての終わり方をファンは期待していると言う意見と、この映画の独自性を出したいというバトルが製作場面であったのだろうなと思わせます。作った側としてはせめてDVDには入れたいと。ウイリスさんが渋い役作りのまま渋く終わる映画ならばもっと良い点を出したのですがこの点で。
[DVD(字幕)] 5点(2007-07-04 22:23:43)
49.  パリは燃えているか
原作を読むと自由主義連合軍とレジスタンス革命政府とドイツ占領軍の三つ巴の攻防でよくフランスは開放後社会主義国にならなかったなあという感想を持ったのですが、映画ではあくまで占領軍であるドイツがいかにパリから駆逐されて撤退するかに焦点があてられています。特に軍人として命令通りにパリを破壊するか、一人の人間としてヨーロッパの文化を守るかの決断を迫られるコルティッツ将軍の動静が焦点とも言えます。規模の違いはあれ日常生活でも意に反する命令の実行を迫られることはあり、自分ならどうできるかを考えさせられる作品でもあります。映画の出来も去る事ながら、困難な時代に軍人である前に文化人としての良識を持ちえた将軍を讚えてこの点数で。
[DVD(字幕)] 8点(2007-06-20 22:36:03)
50.  ファースト・コンタクト/STAR TREK 《ネタバレ》 
スタートレック特にTNGファンの私としては十分に楽しめた作品でした。確かに予備知識なしでは良く分からないと思いますが、作る側もそれを十分承知で作ったのでしょう。ボーグとQはTNGで最高のキャラクターと思いますが、その一方がこのような形で解決?してしまうのはやや残念かも。もっと理解と想像力を超えたような存在であり続けてほしかった。スタートレックシリーズは現代を暗喩する内容を多く含んでいて、異星人とのコンタクトの形を借りて違う分化への対応、対決や理解を物語る所が見どころなのですが、未来の社会背景についてそれとなく語るところも見逃せないところです。この映画でも「21世紀は資本主義社会で金儲けが労働の目的だったけど、未来社会は人々を良くすることが労働の目的で資本や金銭の概念はない」みたいなことをさらっと説明する所があって思わず身を乗り出してしまいました。資本主義も共産主義も行き詰まった感のする現在、ベーシックインカムに基づく新しい労働対価や世界共通の通貨に代わる経済概念なんて夢を考えさせてくれるのもスタトレの楽しみ方と思いました。
[DVD(字幕)] 7点(2007-06-20 22:12:17)(良:1票)
51.  スパルタカス(1960) 《ネタバレ》 
成熟発達した帝国において秩序を乱す者は「悪」であるから圧倒的な軍事力で制圧する、というのはいつの時代も一緒。一方で帝国の中は権力闘争や腐敗でけっこう危ういものになっているというのも現代に通じるものがあり、元老院における討議のシーンなどは近作スターウオーズにも類似点があったように感じました。映画の出来は皆さんご指摘のように大掛かりな古きよき時代のハリウッドという感じでキューブリック味が前面に出ることが興行的に抑えられてしまったのでしょうか。スパルタカスが良い人すぎて地味、あまり大帝国を震撼させた人に見えませんでした。キューブリック作としては4点位ですがスケールの大きな映画なのでこの点で。
[DVD(字幕)] 6点(2007-03-07 22:07:32)
52.  ヒトラー 最期の12日間
勝敗がついた戦争において、敗者はどのように終わりを迎えるかをナチスとヒトラーをテーマに描いた作品である。日本の敗戦においても恥や意地ではなく国家の再生を考えて国民の犠牲を少しでも少なくすることを優先する人々と降伏など考えず民族が絶滅しても最後の一人まで戦うのが良いとする人々の確執が起こった。冷静に考えればどちらが本当の愛国者であるかは明らかなのだが戦中では軟弱、裏切り者という批難に耐えて前者を主張し続ける事は難しい。首都が陥落するまで戦い抜いたドイツは前者を主張する多数の良識を持ちながらナチスとヒトラーが後者であり続けたことが映画からも分かる。この映画は敗戦国だからこそ作れた映画であると思うがこのテーマは現代の国家においても、例えばイラク戦争や北朝鮮などにおいても、またもっと卑近な例では会社や組織のあり方においても我々自身の問題としてとらえなおすことができるのではないだろうか。真摯な作風と丁寧な映像にこの点で。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-02-20 18:03:15)(良:1票)
53.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 《ネタバレ》 
数少ない場面設定とはめ絵のような航空シーン、僅かな屋外の戦闘シーンで構成されていてどこか舞台演劇を見ているような印象をもってしまう。それだけにこの場面設定で世界の運命が決まってしまう怖さを感じました。しかし皆さんご指摘のように映画の原題にもなっているストレンジラブ博士の出番が少ない。それでも彼のラストの喜びようを考えると酒池肉林ということの他に「第三帝国を滅ぼした米ソ自ら、そして少し英国がからんで(派遣将校)とうとう総統閣下の野望を達成しましたぞ」という意味があるかも。そう考えるとあと一役ピーターセラーズが演ずるとしたらソ連の大使かソ連首相だったかも知れませんね。
[DVD(字幕)] 8点(2007-02-13 13:37:57)
54.  ドク・ソルジャー 白い戦場 《ネタバレ》 
あれれジョン○のようなストーリー展開だなあってこちらの方が10年早くできているから逆ですね。しかし原題ではチンプンカンプンだからといってドク・ソルジャーもパニックインホスピタルも題としては違う気がします。(しかしぴったりくる邦題は浮かびません)喜劇仕立てだけど内容は米国の医療事情を反映していてけっこう深刻、戦傷とちがっても前立腺手術は良いけど心臓はだめとか実際の在郷軍人病院の実情に即しているような。しかし最終的に院長が個人的に悪物になるのはおかしいし心臓手術が簡単にできてしまう設定もいまひとつなのでこの点。
[インターネット(字幕)] 4点(2007-01-31 23:16:28)
55.  トラ・トラ・トラ! 《ネタバレ》 
日本軍の真珠湾攻撃を描いた壮大な記録映画という感じで、特に強いメッセージや政治性は感じないために莫大な費用と手間をかけて製作した割には印象がやや薄い気がします。米国映画にしては日本を悪、米国を善という描き方はせずに、真珠湾攻撃に至る過程を日米相方から淡々と描くという手法で、日本側は山本五十六指揮の下かなり組織立って着々と準備を進める一方で米国側は日本の暗号を全て解読していながら政府・軍中枢が一丸となっていなかったために大損害を受けたという対比が描かれています。日米開戦の真相(特にどちらが開戦したかったか)については米国の機密文書公開によっていまだに新しい事実が出てきています。この映画が作られた1970年においても開戦30年の節目になぜ米国はルーズベルトの選挙公約を破って戦争に参戦したのかについての事実を示して置きたかったのでしょうか。それにしては暗号解読で明日開戦になるという情報を大統領に直ぐに伝えるかどうかで逡巡する高官の姿などは米側の何かすっきりしない開戦についての陰謀めいた姿勢を当時の監督も感じていたのではないかと思わせます。攻撃当日港に空母がいなかった事については南方に向かう日本の輸送船団警戒のために一度空母のみを派遣して直ぐに戻ってこさせる予定だったという説明があり、真珠湾空襲自体を知っていたのではないという内容になっています。日本人としてはこのようなスケールの映画を作ることは不可能なので良く作ってくれましたとうことでこの点数です。
[DVD(字幕)] 9点(2007-01-31 22:45:38)
56.  頭上の敵機 《ネタバレ》 
戦争活劇というよりも皆さんがお書きになっているように管理職の苦悩を描いた作品といえると思います。後半に実戦のフィルムを多用した空中戦の場面が出てきますがそれまでの人間ドラマがあるが故に一機また一機と撃墜されてゆく爆撃機にかけがえのない多くの隊員達が乗っていることをリアルに感じます。1949年という勝った戦争が終わって4年目に何故米国万歳でもなく、ナチス憎しでもない管理職の映画が作られてまた皆に受け入れられたのかは興味深い所です。この映画でも若い隊員達から語られる「自分たちと関係のないヨーロッパの戦争に何故命を懸けて参加しなければならないのか」という疑問は大戦中米国民が持ち続けていた切実な問題であったことは確かです。管理職の悩みの原因はまさにそこにある訳です。米国の古い戦争映画を見ると常に底流にその問題が描かれていると思います。一方でヨーロッパで製作された映画は侵略国ドイツをやっつけることに何の疑問もありません。「使命から逃げる事はできない、欧州の空に米国の飛行機が満ちて戦争を勝利に導くことは素晴らしいだろう。」というのがサベージ准将の説得の言葉ですが言葉の虚しさを彼自身も感じているように表わしているところが大人の映画を思わせます。さらに上官として部下達と一体になってゆき、死地に追いやる事に耐えきれなくなってしまうというヒューマニズムがこの映画が皆に受け入れられた要因であると思いました。大人の戦争映画にこの点で。
[DVD(字幕)] 8点(2007-01-31 22:31:03)
57.  ジョンQ-最後の決断-
公開後米国に行く飛行機の中で見た。米国の医療事情はWHO2000年のレポートで総合15位(日本は1位)で、所詮は金持ちのための医療でしかないから、医療に不満を持つ一般庶民たちが父親の取った行動に対しても日本ではありえないような応援をしたくなるのは分かる気がした。米国では個人破産の最大の原因は医療費が払えないことにあるという統計もある。米国は「医学は一流、医療は三流」と言われている。米国に医学留学した私には登場した心臓外科医が患者の背景に捕われず医者として一流の仕事をする姿にむしろシンパシーを感じた。映画としてはデンゼルさんの本当は常識人だけど子供を思う余りにという所を感じさせる父親の演技は○だけどやはり展開に無理があるように思えたからこの点数で。
[ビデオ(字幕)] 5点(2007-01-02 21:17:43)
58.  パットン大戦車軍団 《ネタバレ》 
軍神と呼ぶに相応しい用兵の天才、しかし一芸に秀ですぎた者にありがちな社会性の欠如から組織に利用されるだけで終わってしまう男の生きようを描いた快作。史実をスケールの大きなロケーションで積み上げてゆくのみでなく、敵である独軍側からの評価もまじえて周囲との人間模様も丁寧に描いてゆくところが圧巻。しかし私はマークさんのご指摘のように監督よりも原作と脚本に携わったコッポラの目指したものを感ぜざるを得ません。出だしの星条旗をバックにしたパットンの演説は「戦って世界に冠たるアメリカの礎になることが誇りとなる」と主張し、単に枢軸軍に勝てとは言っていない。この聴衆を一切映さないカットはアメリカ=パットンを象徴しているように見えます。70年という共産圏との戦いが激化している時、アメリカの目標はソ連に勝ち、世界の覇者になることでした。同時期(73年)に作られた映画「追憶」でも明言されていたようにFDルーズベルトは共産主義シンパであったことは当時米国では常識で、パットンが述べたように第二次大戦直後のソ連への処置は間違っていたとアメリカ人の多くが感じていたことでしょう。しかし79年の地獄の黙示録がアメリカの新植民地主義への非難と考えると、コッポラはアメリカの覇権主義には批判的であったと思われます。この映画の最も最後に出てくる、帝政ローマ時代の凱旋行進で後ろに続く奴隷が主人に囁く言葉「主よ栄光は移ろいやすいものです。」という台詞が大きな意味を持ってくると思います。
[DVD(字幕)] 9点(2006-12-30 21:19:58)
59.  空軍大戦略 《ネタバレ》 
航空ファンの私にとって小学生の時初めて見たこの映画はバイブルに匹敵します。全て実機を飛ばし、絶好のロケ日和を選び、ドイツ側も公平に描く。これ以上の映画は見た事がありませんし、多くの航空映画のみならずフライトシミュレーションゲームもこの映画に感化されています。勿論DVDも買いました。10年ほど前英国の友人が「毎年この時期(7月終わり頃)になるとこの映画をテレビで恒例のようにやるよ」と話していたのを思い出します。英国は陽が沈むことがない帝国であったのに、第二次大戦を機会に多くの植民地を失い没落しました。あろうことかここで描かれる時はまさに新興ドイツに本国が負けそうであったのです。この映画でも「我々は敗ける」という台詞が何度も語られるのですが、当時の英国人は100年以上語る事のなかった台詞でしょう。第二次大戦の戦勝国なのに没落した国としての忸怩たる思いを戦後の英国人達は持っていたはずです。この戦いでは少数の英国空軍パイロットの活躍で窮地を脱するのですが、映画の節目節目で出てくるスピットファイアの勝利の旋回(victory roll)はこれを見ている1970年の英国人達にそれとなく「我々はやれる」という過去の栄光を復活させる勇気を与えようとしているかに見えます。(1回目は今はそれどころではない、2回目はまだ早い、そして3回目は?)ドイツを悪や卑怯者として描かず、どちらも正々堂々の勢力として描いた目的もそのあたりにあるのかも知れません。皆さんご指摘のようにあまり脚色をせずに史実を忠実に描き込む映画が少ないだけに素晴らしさが光ります。
[DVD(字幕)] 10点(2006-12-27 19:59:42)(良:1票)
60.  フローレス 《ネタバレ》 
「性同一化障害」「男色」「女装趣味」の違いを明確に説明できる人は少ないと思いますが、この映画はこのあたりが分かっているとより興味深く見れます。 男性を起点に考えると「性同一化障害」の人は自分の心は女性であると信じている男性で、男の服を着て男として振る舞うことが苦痛でなりません。女装をして女性として生活することが自然に感ずるのです。一方、男色、女装趣味は「心は男」で性の対象が男であったり、女装をすることに性的興奮を感ずるに過ぎません。従って性同一化障害の男性は表現形が男である「女性」ということになります。映画は頭の固い元警官、現在脳梗塞で半身麻痺のロバートデニーロ扮する初老の男とフィリップSホフマン扮する性同一化障害で性転換手術のために金を貯めている、ゲイバーでショーを指導する中年になりかかりのオカマの奇妙な「友情」を描いたもの、と一言で片づけられます。オカマと頭の硬い男の友情というだけではつまらない映画と言えますが、このフィリップシーモアホフマンの性同一化障害者ぶりがあまりに堂が入っていて監督は性同一化障害をかなり意識して映画を作り込んでいると思われます。男色の人たちに対して「この人たちとは考えが合わない」と言わせたり、自分の女装は少しも綺麗でないと分かっているのになぜ女性でいたいかといったことを懇々と語らせたりします。しかし映画内で小難しい説明を加えることもないし、この主人公ラステイの周りにいる「オカマ」達があまりに怪しげ(どの部類なのか見分けられない)のでやはり芸達者のロバートデニーロとの掛け合いの面白さだけで何となく過ぎてしまうように思えます。結果的に心の上での男女の愛情でなく友情として描こうとしているあたりの微妙さが私には面白く感じました。この映画はメッセージ性のある社会派映画ではありませんが、性の悩みを持つ人たちという視点でみるといろいろな事が描かれていると感心する映画です。
[DVD(字幕)] 7点(2006-12-27 18:10:31)
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