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日本列島

[ニホンレットウ]
1965年上映時間:115分
平均点:6.00 / 10(Review 5人) (点数分布表示)
ドラマサスペンスモノクロ映画小説の映画化
新規登録(2004-11-13)【光りやまねこ】さん
タイトル情報更新(2022-02-24)【イニシャルK】さん
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監督熊井啓
キャスト宇野重吉(男優)秋山
芦川いづみ(女優)伊集院和子
二谷英明(男優)原島
鈴木瑞穂(男優)黒崎
内藤武敏(男優)日高
大滝秀治(男優)涸沢
北林谷栄(女優)佐々木菊子
紅澤葉子(女優)とよおばさん
佐々木すみ江(女優)栄子
下元勉(男優)警視総監
佐野浅夫(男優)佐々木
加藤嘉(男優)刑事部長
武藤章生(男優)宮川
ハロルド・S・コンウェイ(男優)ロベルト
日野道夫(男優)生沢
雪丘恵介(男優)捜査三課長
長弘(男優)捜査一課長
高山千草(女優)メイド
長尾敏之助(男優)
庄司永建(男優)川北
歌澤寅右衛門(男優)
脚本熊井啓
音楽伊福部昭
撮影姫田真佐久
配給日活
美術千葉一彦
編集丹治睦夫
照明岩木保夫
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5.《ネタバレ》 オープニングクレジットの後景で紙の上に乗せられた蟻の集団が映し出されるんですが、その紙の端から火の手が上がり、蟻の集団にジワジワと迫りくるんですが、さて蟻たちはどう逃げ惑うのだろうと凝視してみる だが、蟻たちは火に対して鈍感なのか、逃げ惑うことがあまりなく、一匹二匹とまるで自然の結果であるかの如く、高温接触で焼け縮まり、その姿全体が火の手に呑まれてく。結果、両端から迫りくる火の手に一匹残らず焼け尽くす。
このオープニングを見た瞬間にこの蟻たちを我ら日本人に例えて見るべしという事なのだろうか、だとしたなら、迫りくる火の手は仮想アメリカなのかという目線で見ましたが、なんや、話はかなり複雑、ロシアだドイツだ中国だ、それにも増して北朝鮮だのキューバだのベトナムだの全世界参加型の話へと突飛してしまい、残念ながら集中力下落。
だが、宇野重吉さんと、分かりやすく落ち着いたスローな展開、モノクロでありながら、色がしっかりと見易く取れる優秀な照明と未だ全く色褪せていない撮影フィルム、そこに対して敬意を評したく思えます。
3737さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2021-10-28 18:01:40)
4. 戦後の日本の闇の部分を描いた小説を映画化したものであるが、真実味を増そうとするあまり、ドラマの部分との違和感がありまくり。役者が頑張るほどせっかくの素材が嘘っぽくなってしまう。

 主人公の宇野重吉はそのひょうひょうとしたキャラと抑えた演技で、まあ我慢できるが、他の役者を絡めたドラマ的なシーン、映像表現がシナリオと全然マッチしていない。

 計画性も組織性もく、数人の憤りあるいは興味だけで、警察や米軍にまで圧力をかけられる巨悪に対して立ち向かうという点で、真実味に欠け、結局巨悪に何の痛手も負わせておらず、謎解きの過程だけ見せて緊迫した駆け引きもない点で、ドラマ性も欠けている。

 ドラマチックにするなら、個人個人の動機をしっかり描き出したり、理屈抜きに感情移入できる描写をすべきだし、ドキュメントタッチを狙うなら、中途半端な心理描写や映像描写は不要で、もっと淡々と第三者的に調べていく様子を描写すればいい。とにかく、どっちつかずの印象。

 おそらく監督は、巨悪に対するどうしようもない憤りを訴えたかったのだろうが、ドラマ的な表現の方向が、その訴えをスポイルしている。

 ドラマ的表現をとことん追求してもしっかりとメッセージを訴えられる映画、あるいは、淡々とドキュメントタッチで描写してもドラマ性のある映画というものを作ってこそ、真の名作になるんじゃないかと思う。

 「謀殺下山事件」でも、同じような印象だった。俺、熊井啓監督とは相性悪いみたいだ。
nobo7さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-05-21 20:46:50)
3.《ネタバレ》 宇野重吉と芦川いづみ、目当てに借りてきた。これは何とも重苦しい映画だ!観ていて何ともやりきれない気持ちにしかならない。モノクロの画面から伝わるその怒りと悲しみ、主演の宇野重吉演じる米軍基地犯罪捜査官(秋山)が日本の黒い霧を告発するのだが、敗戦後の米軍占領下で起こった殺人事件の裏に潜む影の正体を追求しようとした挙句に沖縄で殺されてしまう。その模様が描かれている。政治色の強さがありすぎる為にサスペンス映画として観ると面白くはないし、むしろ、そういう見方をするよりはこれは完全な社会派映画として観る方が正しいと思う。この作品では事件当時の映像が何度も出てくるが、そのモノクロ映像による恐ろしさと米軍のジェット機による爆撃で硝子の割れるラストは米軍によって圧殺される者の絶望の象徴を感じせずにはいられない。とにかく何ともやりきれないほどの怒りというものがひしひしと重く圧し掛かってきて本当に嫌になるが、こういうことが本当にあったんだ。けして、人事のようには思えない。他人事としてほっといてはいけない。社会派の熊井啓監督らしいメッセージというものが描かれた作品だと思いました。
青観さん [ビデオ(邦画)] 7点(2008-06-17 20:49:23)
2.戦争中の日本の謀略機関が、そのままCIAの手に移って、いろいろ新たな謀略を企んでる、って松本清張史観の世界で、それの当否は私なんかには分からない。ある意味ではプロパガンダ映画だが、予想してたよりも面白かった。これが困る。こういう結論を先走る映画はいけない、と『謀殺下山事件』のレビューに書き込んだばかりなのだ。似たようなこと描いてて、どうしてあっちは悪くてこっちはいいのか、と問い詰められたら逃げられない。言い訳させてもらうと、なんかこっちには作者の言いたいことが沸騰してる勢いがあるんだな。平たく言えば、もっと日本人はしっかりしなくちゃ、ってアピール。映画にとってそれが作られて時代って要素は、けっこう大きいんじゃないか。二つの映画の印象の違いは、それが予定されていた観客の違いにあるみたいなのだ。本作では怒りを観客と共有できる確信があった、『下山事件』ではもう観客はただの見物人としての役割になってしまっていた、そんな違いが画面の緊張度にも出てしまうのではないか。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 6点(2008-03-14 12:23:26)
1.現代にも通じる、他国の戦争を踏み台にした「経済成長」のいかがわしさ、そして米国の実質的傀儡としての日本の姿。それは全編にわたって執拗に通奏され、強調される米軍機の暴力的な爆音として示される。

これが効果的なのは、日常場面での状況音・SEが相対的に小さく捉えられているか、あるいは部分消音されているからだ。
その不協和音が最高潮に達した時にシンクロする窓ガラスの破砕音と芦川いずみの絶叫が痛ましい。

ラスト、窓外に国会議事堂を配置した喫茶店内ではアフレコで芦川いずみらの会話だけを残し、周囲のテーブルにいる官僚たちの会話音声を確信的に一切消し去って世界を断絶させる音響演出が製作側の意図を如実に伝えている。

逆光でどす黒くつぶした国会議事堂を背景に、その闇と拮抗しながら毅然と歩く芦川いずみの姿を横移動で捉える長回しゲリラ撮影は、重々しい伊福部音楽と相俟って熊井監督の執念を示す渾身のショットだ。
ユーカラさん [DVD(邦画)] 8点(2008-01-23 22:48:28)
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【点数情報】

Review人数 5人
平均点数 6.00点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
4120.00%
5120.00%
6120.00%
7120.00%
8120.00%
900.00%
1000.00%

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