J・エドガーのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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J・エドガー

[ジェイエドガー]
J.Edgar
2011年上映時間:137分
平均点:5.90 / 10(Review 48人) (点数分布表示)
公開開始日(2012-01-28)
公開終了日(2012-06-02)
ドラマ政治もの伝記もの
新規登録(2011-12-24)【8bit】さん
タイトル情報更新(2019-06-18)【Olias】さん
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監督クリント・イーストウッド
キャストレオナルド・ディカプリオ(男優)ジョン・エドガー・フーヴァー
ナオミ・ワッツ(女優)ヘレン・ギャンディ
アーミー・ハマー(男優)クライド・トルソン
ジョシュ・ルーカス(男優)チャールズ・リンドバーグ
ジュディ・デンチ(女優)アンナ・マリー
エド・ウェストウィック(男優)エージェント・スミス
ジョーダン・ブリッジス(男優)弁護士
ケン・ハワード〔男優・1944年生〕(男優)ハーラン・F・ストーン
ジェフリー・ドノヴァン(男優)ロバート・F・ケネディ
ダーモット・マローニー(男優)シュワルツコフ大佐
ザック・グルニエ(男優)ジョン・コンドン
デイモン・ヘリマン(男優)ブルーノ・ハウプトマン
スティーヴン・ルート[男優](男優)アーサー・ケーラー
デヴィッド・クレノン(男優)上院議員
カイル・イーストウッド(男優)バンドのメンバー
リー・トンプソン(女優)リーラ・ロジャース
アマンダ・シュル(女優)アニタ・コルビー
クリストファー・シャイアー(男優)リチャード・ニクソン
ガンナー・ライト(男優)ドワイト・D・アイゼンハワー
アダム・ドライバー(男優)ウォルター・ライル
小森創介ジョン・エドガー・フーヴァー(日本語吹き替え版)
谷育子アンナ・マリー(日本語吹き替え版)
園崎未恵ヘレン・ギャンディ(日本語吹き替え版)
檀臣幸チャールズ・リンドバーグ(日本語吹き替え版)
脚本ダスティン・ランス・ブラック
音楽クリント・イーストウッド
撮影トム・スターン〔撮影・照明〕
製作クリント・イーストウッド
ブライアン・グレイザー
ロバート・ロレンツ
ロン・ハワード
配給ワーナー・ブラザース
美術ジェームズ・J・ムラカミ(プロダクション・デザイン)
衣装デボラ・ホッパー
編集ジョエル・コックス〔編集〕
ゲイリー・ローチ
録音ジョン・T・ライツ
グレッグ・ルドロフ
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2.思い切り殴られた口元を押さえつつ、部屋を出て行く部下の背をやや虚ろな目で追う主人公のジョン・エドガー・フーバー。
彼は痛みを感じているのではない。殴られた直後に奪われた唇の感触に恍惚としているのだ。
映画中盤に用意されたこのクライマックスとも言える衝撃的なシーンの余韻が、この風変わりな伝記映画を唯一無二のものにしている。

この映画を悪名高いFBI元長官フーバーの人生を描き出すことで、当時のアメリカという国の「正義」に対する真実を導き出した社会派ドラマだと高を括って観たならば、きっと大いに面食らってしまうことだろう。
なぜならこの映画は、見まがうことなき“ラブストーリー”なのだから。

米国の政府内外のほぼすべての人間からから忌み嫌われ続けた男が、なぜ約50年に渡りFBIの最高権力者の地位に君臨し続けることが出来たのか。
ジョン・エドガー・フーバーという人間の行為、発言、思想、人格、人間関係、彼の人生を象ったそれぞれの要素を努めて冷静にフラットに描き連ねることで、この人物の悪行と功績、闇と光が一対となって見えてくる。

悪しき伝説に溢れたこの元FBI長官の人生をベースにすることで、社会の裏側をえぐり出していきある意味サスペンスフルな娯楽性に溢れた映画を導き出すことは容易だった筈だ。
しかし、イーストウッド監督はそれをせず、非常に挑戦的で危ういまったく別の試みに挑み、映画を完璧に仕上げてみせている。

人々に忌み嫌われ、謎にまみれ、闇にまみれ、それでもこの男が貫き通したかったものは何だったのか。そして、彼が本当に“隠したかったこと”は何だったのか。
映画はあくまでもこの人物のパーソナルの深淵へと突き進むように進行していき、人間としての“闇”のさらにその奥まで踏み込んでいく。

むしろ醜ささえ感じる地味な描写で映画は終焉する。
しかし、そこには言葉には表しづらい複雑な人間そのものの余韻を感じる。

「正義」という“闇”の中を突き進んだ男が、最期に辿り着いたものなんだったのか。何処まで行っても変わらない闇だったのか、一寸の光だったのか、それとも虚無だったのか。
捉え方は人それぞれだろうけれど、少なくとも個人的には“救い”が見えた気がする。
そして、その“救い”こそが、まさに愛だったのではないか。
それは、すべての人間に与えられた免罪符のようにも思え、感極まった。
鉄腕麗人さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2012-07-16 15:47:45)(良:1票)
1.《ネタバレ》 自分の自叙伝を口述筆記させる冒頭に始まって、この映画は、FBI長官だったエドガー自身が語る歴史的な「事実」と、彼が決して語ろうとしなかった人生の「真実」とを合わせて描き出す。たぶん脚本家としては、この20世紀アメリカを代表する人物のひとりの、その“虚実”の皮膜をこそ浮き彫りにしたかったんだろう。そんな「事実」の“嘘”をそれこそ露悪的なまでに暴き立て、「真実」の“醜悪さ”を白日のもとにさらすことで、「J・エドガー」という人物の〈実像〉に迫り得るのだと。

けれどイーストウッドは、主人公の、そこにある虚や実などほとんど関心がないかのようなのだ。エドガーによるFBI創立や発展にいたる「事実」も、母親の抑圧的な愛情ゆえの複雑な内面や、かたくなに認めまいとしたホモセクシュアルな性向という「真実」も、ただ映像において“等価[フラット]”なものとして見せてしまう。その結果、ひとりの人物像を通して現代アメリカ史を物語る叙事的な「歴史映画」としても、偶像視された人物像のその特異な人間性を追った「伝記映画」としても、どこか曖昧な印象を与えることになったのは否めないだろう。

そう、いつの世でも精いっぱいの虚勢をはって生きざるを得なかった主人公の生きざま、その卑小な生を、映画は否定も肯定もせず、ただそのものとして映し出す。だがそれにより、観客はいつしかそんな“みじめさ”こそがこの男にとって生の所与であり、ひとつの過酷な「運命」、あるいは絶望というかたちでしかあがらえない「原罪」であることに思い至るだろう。その時、エドガーもまた極めて「イーストウッド的」な人物に他ならないのだと。

その上で、前作の『ヒア アフター』がそうであったように、イーストウッドはここでも「救済」を用意する。それは、生涯にわたって彼を支え続けその死後も彼を守り抜いた個人秘書ヘレンと、副長官クライドという2人の“守護天使(!)”の存在だ。とりわけクライドとのそれは、男同士の“老いらくの恋”という以上に穏やかさと慰安に満ちたものとして、とりわけ感動的だ。なるほど、エドガーの人生は哀れでみじめなものだった。が、そのラストに流されたクライドの涙と、ヘレンのとった行動によって、その最期の最期で「救われる」のだーー彼はじゅうぶんこの世界で「愛されていた」のだ、と。・・・この映画が用意したその“優しさ”の、何と美しく感動的なことだろう。
やましんの巻さん [映画館(字幕)] 10点(2012-02-15 22:35:55)(良:3票)
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【点数情報】

Review人数 48人
平均点数 5.90点
000.00%
100.00%
200.00%
312.08%
4612.50%
51429.17%
61633.33%
724.17%
8714.58%
900.00%
1024.17%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.80点 Review5人
2 ストーリー評価 5.44点 Review9人
3 鑑賞後の後味 5.00点 Review7人
4 音楽評価 5.60点 Review5人
5 感泣評価 4.40点 Review5人
chart

【ゴールデングローブ賞 情報】

2011年 69回
主演男優賞(ドラマ部門)レオナルド・ディカプリオ候補(ノミネート) 

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