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ひとり狼

[ヒトリオオカミ]
1968年上映時間:83分
平均点:7.75 / 10(Review 8人) (点数分布表示)
公開開始日(1968-04-20)
ドラマ時代劇ヤクザ・マフィア小説の映画化
新規登録(2005-12-02)【バカ王子】さん
タイトル情報更新(2014-08-02)【イニシャルK】さん
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監督池広一夫
キャスト市川雷蔵(男優)追分の伊三蔵
長門勇(男優)上松の孫八
小川真由美(女優)(女優)由乃
岩崎加根子(女優)お沢
長谷川明男(男優)半次
丹阿弥谷津子(女優)秋尾
小池朝雄(男優)平沢清市郎
遠藤辰雄(男優)荒神の岩松
新田昌玄(男優)斉藤逸馬
五味龍太郎(男優)鬼頭一角
浜村純(男優)新茶屋の吾六
水原浩一(男優)
内田朝雄(男優)上田吉馬
伊達三郎(男優)多賀忠三郎
南条新太郎(男優)
玉置一恵(男優)
杉山昌三九(男優)
南部彰三(男優)清滝徳兵衛
原聖四郎(男優)与左衛門
尾上栄五郎(男優)
浜田雄史(男優)
黒木現(男優)石太郎
戸村昌子(女優)お松
行友圭子(女優)お美代
福井隆次(男優)
志賀明(男優)
藤春保(男優)
伴勇太郎(男優)
伊東義高(男優)
原作村上元三
脚本直居欽哉
音楽渡辺岳夫
撮影今井ひろし
企画辻久一
配給大映
美術太田誠一
編集菅沼完二
録音林土太郎
照明山下礼二郎
その他東京現像所(現像)
あらすじ
渡世人の中では名うての男、追分の伊三蔵。信頼を置く仲間もいない「ひとり狼」で通していた男が助けた父なし子は、婚姻の約束をしたにも関わらず身分違いの為に引き裂かれた女との、すなわち自分の子供だった。だが汚れきった渡世人となってしまった彼は女からの拒絶にもあい、自ら名乗る事も無く立ち去ろうとする。そんな時、嘗ての恋敵が女と息子を人質に取り恨みをはらさんと襲い掛かる....。
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6.《ネタバレ》  市川雷蔵、良いですねぇ。
 正直に告白すると、これまで観賞してきた彼の主演作にはあまり「当たり」が無かったりもしたのですが、これは間違いなく「面白かった」と言える一品。
 主演俳優のカリスマ性の高さに、映画全体のクオリティが追い付いているように感じられました。

 オープニング曲で映画のあらすじを語ってみせるかのような手法からして、何だか愛嬌があって憎めないのですが、本作の一番面白いところは「理想的な博徒とは、こういうものだよ」と、懇切丁寧に描いてみせた点にあるのでしょうね。
 賭場で儲けても、勝ち逃げはしないで、最後はキッチリ負けてみせて相手方の面目を立たせる。
 出された食事は、魚の骨に至るまで全て頂き、おかわりなどは望まない。
 たとえ殺し合っている最中でも、出入りが片付いたと聞かされれば「無駄働きはしない」とばかりに、刀を収めてみせる。
 一つ一つを抜き出せば、それほど衝撃的な事柄でも無かったりするのですが、映画全体に亘って、この「博徒の作法」とも言うべき美意識が徹底して描かれている為、そういうものなんだろうなと、思わず納得させられてしまうのです。

 数少ない不満点は、主人公の伊三蔵が「卒塔婆が云々」と、声に出して呟いてしまう演出くらいですね。
 これには流石に(気障だなぁ……)と、少々距離を感じてしまいました。
 その他、ヒロイン格であるはずの由乃の言動が、ちょっと酷いんじゃないかなとも思いますが、まぁ武家の娘なら仕方ないかと、ギリギリで納得出来る範囲内。
 
 そんな由乃から、手切れ金のように小判を渡され、一人で逃げるようにと伝えられる場面。
 そこで、雨の中に小判を投げ捨て、啖呵を切って走り去る主人公の姿なんかも、妙に恰好良かったりして、痺れちゃいましたね。
 たとえ本心では無かったとしても、ここで自棄になって「堕胎」を仄めかしてしまったからこそ、最後まで伊三蔵は我が子から「おじちゃん」呼ばわりされるまま、親子として向き合う事は出来なかったのだな……と思えば、何とも切ない。
 「父上は亡くなられた」「立派なお侍だった」と語る我が子を見つめる際の、寂し気な笑顔のような表情も、実に味わい深いものがありました。

 そして、それらの因縁が積み重なった末に発せられる「これが人間の屑のするこった」「しっかりと見ているんだぞ」からの立ち回りは、本当に息を飲む凄さ。
 同時期の俳優、勝新太郎などに比べると、市川雷蔵の殺陣の動きは、少々見劣りする印象もあったりしたのですが、それを逆手に取るように「傷付いた身体で、みっともなく足掻きながら敵と戦う主人公の、泥臭い格好良さ」を描いているのですよね。
 その姿は、傷一つ負わない無敵の剣客なんかよりも、ずっと気高く美しいものであるように感じられました。 

 終局にて発せられる「縁と命があったら、また会おうぜ」という別れの台詞も、完璧なまでの格好良さ。
 市川雷蔵ここにあり! と歓声をあげたくなるような、見事な映画でありました。
ゆきさん [DVD(邦画)] 8点(2016-07-20 01:21:28)
5.《ネタバレ》 村上元三がなかなか映画化の許可を出さなかった原作を雷蔵主演で映画化した股旅時代劇。雷蔵の股旅ものはあまり見た記憶がないが、こういうアウトローな役柄を演じていてもピッタリとハマっているし、カッコいい。それに雷蔵念願の企画だけあって、本作の雷蔵がそうとうこの役に入れ込んでいるのが分かり、その演技は素晴らしいの一言で、この前見た「眠狂四郎 女地獄」と同じく雷蔵にとって晩年の主演作だが、本作はその雷蔵晩年の代表作とも言っていいのではないかと思う。映画としても見ごたえじゅうぶんで長門勇演じる渡世人(これがいい味出してる。)の回想形式でストーリーが展開していくという構成がいいし、主人公 伊三蔵の渡世人としての悲しみや孤独がうまく描かれていてドラマ性も高く、作り手の良い映画を作ろうという意気込みがよく感じられる傑作である。前半で渡世人の作法を細かく描いていたのも新鮮だった。(ほかに今まで見た時代劇では市川崑監督の「股旅」くらいしか思い浮かばない。)印象に残るのはやはり伊三蔵が自分の息子と話すシーン、実子を前に父親と名乗ることのできない伊三蔵の辛さには思わず感情移入せざるを得ない。それにラスト、伊三蔵が息子にいう「見ろ!人間の屑のすることを。」というセリフがなんとも切なく、心に残る。
イニシャルKさん [DVD(邦画)] 8点(2014-08-08 00:04:31)(良:1票)
4.市川雷蔵による股旅物で、見応え十分です。何と言っても市川雷蔵が格好良く、後ろ姿といいただ歩くだけでも絵になる。そんな市川雷蔵に語り掛けるようにして寄り添ってくる長門勇も良い味出してる。雪の中での決闘シーンも迫力十分な上に美しい。小池朝雄の悪人ぶりも良いし、作品全体から漂う格好良さとロードムード的な時代劇としての面白さを十分に味わうことができた。眠狂四郎とはまた一味違う市川雷蔵の魅力を感じる事ができる作品。

青観さん [DVD(邦画)] 8点(2014-01-26 13:35:34)
3.《ネタバレ》 私も主題歌に引いたクチです。最初に見たとき、それだけで気持ちが萎えてしまって、あとがひたすら辛かった記憶があります。十数年ぶりに、改めて、主題歌を軽く受け流して、本編を見たら、まあ、すばらしいこと! 過去に心に傷を負った一匹狼ってのは、雷蔵の演じるキャラのひとつの典型だけど、それをここでの雷蔵は期待以上にこなしている。ただ、もう、最晩年の病に蝕まれつつある雷蔵の顔は、本当に見ていて辛い。表情の鋭さはあるものの、決して健康的ではない。映画のすばらしさの一方で、その雷蔵の容色の衰えが気になって仕方ないのが玉に瑕。
いのうえさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-07-03 20:39:09)
2.《ネタバレ》 オープニングから流れるウィリー・沖山の「ひとり狼のテーマ」にガクッ。ダサい、ダサすぎる。ところが雷蔵の映画としてはベストの演技、最高の一本でしょう。渡世人であることの悲しみと寂しさ、感情を表に出さない「ひとり狼」が自分の息子に向かって叫ぶ「見ろ、人間のクズのする事を!」涙なくしては見れません。 これが雷蔵の「白鳥の歌」。
Nbu2さん [映画館(邦画)] 8点(2006-04-15 02:05:19)
1.「俺にドスを抜かせるな 無駄な死人がまた増える 月の木曽路に影をさく 一本どっこの凄い奴!」 雷蔵主演の股旅もの。今まで見てきた股旅ものでも最高クラスに面白かった。長門勇から語られる展開ってのがいい。小池朝雄・遠藤辰雄・内田朝雄と、この悪役三人が共演してる作品ってのも珍しいんじゃないかな。マイナスは女優さんに魅力を感じないというかいまいち印象に残らないことか...。
バカ王子さん [DVD(字幕)] 8点(2005-12-06 00:32:29)
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【点数情報】

Review人数 8人
平均点数 7.75点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
600.00%
7225.00%
8675.00%
900.00%
1000.00%

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