仕立て屋の恋のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

Menu
 > 映画作品情報
 > 映画作品情報 シ行
 > 仕立て屋の恋の口コミ・評価
 > (レビュー・クチコミ)

仕立て屋の恋

[シタテヤノコイ]
Monsieur Hire
1989年上映時間:80分
平均点:7.44 / 10(Review 75人) (点数分布表示)
公開開始日(1992-07-17)
ドラマサスペンスラブストーリー小説の映画化
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2022-01-05)【Olias】さん
Amazonにて検索Googleにて検索Yahooにて検索
Twitterにて検索
ブログに映画情報を貼り付け
監督パトリス・ルコント
キャストミシェル・ブラン(男優)仕立て屋 イール氏
サンドリーヌ・ボネール(女優)向いの娘 アリス
アンドレ・ウィルム(男優)刑事
リュック・テュイリエ(男優)エミール
原作ジョルジュ・シムノン「イール氏の婚約」
音楽マイケル・ナイマン〔音楽〕
作曲ヨハネス・ブラームスピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 op.25
撮影ドニ・ルノワール
あらすじ
人間嫌いの仕立て屋イール氏(ミシェル・ブラン)はその近所での評判もあってか、近くで起きた殺人事件の容疑をかけられている。そのイール氏の唯一の楽しみは向かいの部屋の女性を眺めること。彼は女性にほのかな恋心を抱いていたが、彼女には婚約者がいた。この恋の行方は?そして、真犯人は誰なのか?
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
(ネタバレを非表示にする)

【クチコミ・感想(8点検索)】[全部]

別のページへ(8点検索)
【新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順
1
>> お気に入りレビュワーのみ表示
>> 全レビュー表示

>> 改行なし表示
※ 「改行」や「ネタバレ」のデフォルト表示のカスタマイズは「カスタマイズ画面」でどうぞ
16.《ネタバレ》 恋に殉じた孤独な中年男の悲恋物語。男は孤独を友としている。世間との接触は最低限にかぎり、仕立屋の仕事を事務的にこなす毎日だ。人づきあいの下手さ故に隣人からは嫌われ、子供達からはからかわれるが意に介さない。趣味はボウリングで、慰みとして二十日鼠を飼っている。ある日転機が訪れた。隣の集合住宅に美女が引っ越して来たのだ。忽ち恋に落ちた男は、女の部屋を覗き見するのが習慣となる。甘美な音楽をかけながら女に見惚れるのが、彼にとっての壺中の天地だった。男はそれだけで満足していた。女に恋人がいるのを知っていたし、何より安寧な心を乱されたくなかった。しかし、殺人事件を契機として、女が積極的に接触してくるようになる。男は戸惑った。偶像であったものが、ギリシア神話で彫像から人間に変身したピグマリオンのガラティアのように肉化した現実の女性として出現したのだから。女の目的はただ一つ。女の恋人が殺人犯で、男がその真相をどこまで知っているかを探るためだ。男は女の意企を十分承知しているが、彼女への愛を堰き止めることはできない。希望は無いと知りつつも、万が一に賭けて、彼女に駈け落ちを持ちかける。失望した男が部屋に戻って知ったのは、彼女の裏切りだった。女は刑事に男を殺人犯として告発していた。このときの男の台詞が泣かせる。「きみを少しも恨んじゃいないよ、ただ死ぬほど切ないだけだ」自死に近い形で男は亡くなるが、その手には女の香水の染みた手巾が握られていた。純情ここに極まれりである。男の一方的な恋だが、それは命をかけて守るほどの価値があるものだった。女の存在は、それほど幸福をもたらしてくれるものだったのだ。次の点で演出が光る。殺人事件を絡めて緊迫感を出した点。鳩を毒殺した老婆の逸話を持ち出して、女の本性を暗示した点。その一方で女が男に惹かれてゆくようにも思わせる演出。氷上で転倒した男の姿と、転落死した姿を重ねた点。女と香りを結びつけた演出。心理描写が多く閉塞的になりがちなのをボクシングなどの運動を持ち出して開放感を出した点。最大の美点は男の愛を濃密に描いた点だ。女を拒絶したり、寝台の残り香を嗅いだり、待ち合わせの女を盗み見たり、墜落中に女の姿を映しだしたりと多種多彩だ。レコード、香水、二十日鼠、隆とした服装などの小道具の使いかたも巧い。残念なのは、男に性犯罪歴があること。これでは純愛が台無しである。
よしのぶさん [映画館(吹替)] 8点(2015-01-12 21:09:58)
15.《ネタバレ》 演劇はどうしても人間と人間のドラマという要素が強く、言葉の構築物なので、孤独を描くにも不自然なモノローグに頼るしかない。だが映画は人間と世界の関係を描くことができる。縄跳びをしていた少女とのかすかな接触や、飼っていたネズミをレールのそばに放す行為だけで、男の孤独が描ける。映画の利点だ。しかもこの主人公イールそのものが、映画を見るように向かいの娘アリスを見ているのである。スクリーンの中のヒロインへの観客の愛のように、四角い窓枠というスクリーン越しに、自分でBGMを流しながら、ロマンチックなメロドラマを演出する。現実との暖かな交流を断念したイールには、こういう傷のつかない関係しか考えつけなかったのだろう。この造形が見事。しかし覗かれる女が覗かせる女に変わり、スクリーンの境が溶け出して、話は悲痛さを帯びてくるのだが、この作品で面白いのは、静かな映画であるにもかかわらず、スポーツが多く登場することだ。まず競技者が横一列に並ぶボーリング、ランダムに交錯するスケート、そして向かい合うボクシング、と二人が向かい合っていくのにあわせるように、登場するスポーツも変化する。恋とスポーツが相似形を成していく。アリスの態度は最初はフェイントだった。しかしフェイントのつもりだったものが、正確に相手に向けられた強打になっていく。もしかすると彼女は違う相手とするべきではないゲームをしてしまったのかも知れない。決勝の自殺点を入れて途方に暮れている競技者。イールは、ゲームのルールを是認することが出来ないまま、映画を見る観客のつもりで競技場に入ってしまった競技者だ。望んでもいなかったのにいつのまにか走らされ、誰の声援も受けずに死のゴールへ一直線に導かれていった不運な競技者。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 8点(2009-08-18 12:06:43)(良:2票)
14.喜びをくれた相手にそれ以上見返りを求めず、ひたすら思い続ける。。

「髪結いの亭主」もそうですが、どちらも主人公の愛が、独りでに完成されてる感じがして、だからこそ余計にその純粋さが切ない。

イールを変態だとは全く思いませんでした。
カモネギさん [DVD(字幕)] 8点(2008-10-09 00:45:54)
13.悲しいラスト。音楽がいいー物悲しさを倍増させる。サントラ欲しい。ほとんどメインの1曲しか使われてないけど。この主人公、何故かこういう変態は嫌いじゃない。
Michael.Kさん [DVD(字幕)] 8点(2007-01-19 02:54:23)
12.主人公は確かに変質者でもあるけど、それ以上に異端者として描かれてたと思います。映画としては、やっぱり彼に同情してしまって、あの女はヒドイ!と思うのだけど、もし自分があの女だったとしたらきっと同じ事をするに違いない。最後刑事さんに真相が明かされたのがせめてもの救いかな。
羊飼いさん 8点(2004-12-18 01:46:53)
11.《ネタバレ》 ミシェル・ブラン演じる仕立て屋の目線と、まるでブラック・ジャックのような風貌が如何にも怪しくて良い。女はなぜ男に近づいて来たのか、殺人とは一体どんな関係があるのか?という謎が解明されていくストーリーの巧みさには思わず唸らされる。最後はイールが落下したところで終っても良かったかな、とも思ったけれどやっぱり手紙の文章は秀逸。
かんたーたさん 8点(2004-12-12 19:23:07)
10.ああああ・・・・せつない・・・ラストは毎回見るたびにキャリー同様「神よラスト変えておくれ!」と思います。仕立て屋は最後落ちながら彼女を見て、何を思ったんだろう・・人間の一途さとエゴがすごくうまく描かれてるとおもいます。
マミゴスチンさん 8点(2004-05-23 05:42:19)
9.《ネタバレ》 ホントはコメディ俳優さんだという仕立て屋さん役の人(の頭)と、たまごやボーリングの玉の画面構成が、おかしみを与えてくれました。『髪結いの亭主』と同時期に製作されたとのことで、相性がよい気がします。窓の内/外、という点で共通しているように思います。
itsさん 8点(2004-01-05 00:26:27)
8.この監督は何か…女に対して何か歪曲した妄執があるのか?と毎回思う。この監督にとってはいつも女性は聖女なのだ。偏執狂的で一途で純粋で不毛な、中年男の恋を描かせたらこの監督は一流。この人の右に出る者はいない。彼の作品は結構どれも尺が短いけれど、その短い時間でコレだけの情念を表現するというのは凄い。毎回思う。究極の恋って何?と聞かれたら、やっぱりこういうものを言うのだと思う。自意識だけで完結している、ある意味完成された恋。切ないです。
ひのとさん 8点(2003-12-30 17:09:02)(良:1票)
7.暗~い映像,変態を極めた主人公,切ない展開,やるせないラスト。好きです,パトリス・ルコント。
ロウルさん 8点(2003-12-23 22:53:08)
6.人を好きになるのは自由だよねぇ~。
あずきさん 8点(2003-12-06 19:12:50)
5.よい映画です。勿論、大作と言える作品ではないのでしょうが、色々なシーンに魅せられてしまいました。一途に人を愛したことがある人ならば誰もが、仕立て屋の醸し出す情感に共鳴できるのではないでしょうか。一方通行の愛の形の中で、実際には見えない「心の腕」を用い、彼女を抱く姿がとても印象的でした。
さん 8点(2003-07-21 20:50:09)
4.《ネタバレ》 うーん・・・やはり多くの方が言うようにこの映画は文句なしに切ないです。個人的に前半は退屈で、ただの覗き見の変態オヤジの話かと思っていましたが、話が進むにつれて次第に面白くなっていきました。【後半】好きな女に騙されてサツに捕まりそうになり、屋上に逃げるも転落死してしまうなんて・・・しつこいようですが『切ない』です。また、私が一番印象に残ったのは、捕まりそうになった時の仕立て屋の「笑うだろうが・・君を少しも恨んでいないよ。ただ切ないだけだけだ。でも構わない。君が喜びをくれた。」というセリフなんてジーンときました。仕立て屋は本当に女のことが好きだったんだなあと思いました。ラストの仕立て屋と女のシーンなんか本当に泣けるよ。しかし点数に関しては9点にしたいけど仕立て屋の死にかたがあんまし好きじゃないんで8点かな。
ピルグリムさん 8点(2003-07-19 18:57:46)
3.ロマンチストな世間に順応出来ない男が、妄想から現実の女性を愛する事で、真実の愛へと向かうのだが、儚くも現実は冷たい。でもその中での甘美さ儚さを最上のものと、とらえるんだけど、見ている私には、その美学はとても悲しいです。人間の生まれもっている善悪を皮肉をもって表現していると感じました。個人的にはルコンド作品は「髪結いの亭主」の方が好きですが、この作品もとても良い作品でした。
風太郎さん 8点(2003-06-25 02:17:30)
2.主人公はある意味変態です、がその一途な恋愛を貫き通す、そしてスクリーンを通して彼の純粋な気持ちが伝わってくる。最後まで女性の方は彼のことを愛しているかどうかは・・・。しかし彼はただ不幸というわけではない、結ばれこそしないが彼の気持ちは貫き通すことが出来た。実はそこに悲しい結末以外にある意味幸福だという観念が存在する。閉鎖的な男の一途な恋愛がひっしと伝わってくる良い映画だと思います。
恥部@研さん 8点(2002-12-18 17:56:50)
1.これがパトリス・ルコントの最高傑作だと思います。
眼力王さん 8点(2002-01-23 23:36:53)
別のページへ(8点検索)
【新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順
1
マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 75人
平均点数 7.44点
000.00%
100.00%
200.00%
311.33%
411.33%
5912.00%
679.33%
72128.00%
81621.33%
91114.67%
10912.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 10.00点 Review1人
2 ストーリー評価 10.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 10.00点 Review1人
4 音楽評価 9.50点 Review2人
5 感泣評価 10.00点 Review1人
chart

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS