南極料理人のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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南極料理人

[ナンキョクリョウリニン]
2009年上映時間:125分
平均点:6.90 / 10(Review 111人) (点数分布表示)
公開開始日(2009-08-08)
ドラマコメディ実話もの小説の映画化グルメもの
新規登録(2009-08-24)【SAEKO】さん
タイトル情報更新(2020-04-20)【イニシャルK】さん
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監督沖田修一
演出飯島奈美(フードスタイリスト)
キャスト堺雅人(男優)西村淳(西村くん)
生瀬勝久(男優)本山ヒデユキ(本さん)
きたろう(男優)金田ヒロシ(タイチョー)
豊原功補(男優)福田マサシ(ドクター)
高良健吾(男優)川村ヤスシ(兄やん)
古舘寛治(男優)御子柴ケン(主任)
黒田大輔(男優)西平リョウ(盆さん)
西田尚美(女優)みゆき
小出早織(女優)清水さん
嶋田久作(男優)船長
宇梶剛士(男優)鈴木
小野花梨(女優)友花
脚本沖田修一
作詞奥田民生「サラウンド」
尾崎豊「僕が僕であるために」
作曲奥田民生「サラウンド」
ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト「フィガロの結婚」
リヒャルト・ワーグナー〔音楽〕「ワルキューレ」
エドワード・エルガー「朝の挨拶」
尾崎豊「僕が僕であるために」
主題歌ユニコーン「サラウンド」
奥田民生(ボーカル)
製作川城和実
東京テアトル
バンダイビジュアル
ポニーキャニオン
朝日新聞社
配給東京テアトル
特撮小田一生(VFXスーパーバイザー)
美術安宅紀史
照明豊見山明長
その他IMAGICA(協力)
東京現像所(協力)
宮崎美子(specialThanks)
高橋由美子〔1974年生〕(specialThanks)
森田まさのり(specialThanks「ろくでなしBLUES」森田まさのり 集英社)
集英社(specialThanks「ろくでなしBLUES」森田まさのり 集英社)
あらすじ
南極・ドームふじ基地。彼方の家族を思いながら観測活動する隊員達の唯一の楽しみは、調理担当の西村が作る美味しいごはん。過酷な環境でストレスを抱える隊員たちの胃袋を満たすため、限られた食材をやりくりして、西村は美味しいごはんを作る。8人は、いつしかお互い家族のような心の繋がりを感じるようになっていく。実際に南極観測隊の料理担当であった西村淳原作のエッセイを映画化。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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91.《ネタバレ》 猛吹雪の雪原、建物らしき黒い影。その中を駆け抜ける3人の男たち、倒れて揉み合う。逃げ場のない氷原、生きるために仲間を励ます。
「遊星からの物体X」みたいなサバイバルアクションでも始まるのかな?と思ったらぬくぬくとした部屋で麻雀始めちゃうんだもんなー。
撮影は「トウキョウソナタ」といった黒沢清作品でも腕を振るう芦澤明子。冒頭シーンの凍りつく画面、その後の居心地が良い画面が素晴らしい。

麻雀、漫画、ビデオ、音楽、ボウリングでストライク、カクテルとバー、卓球。極寒の密室、その極限状態に耐えるための娯楽、美味い飯! 
命懸けで仕事に挑む人間たちが、飯を美味そうに食っているシーンの多さ。なんて腹の減る映画なんだ。心は満腹になるけどね。
飯を食いながら登場人物の紹介、好き嫌い、トマトに悪戦苦闘、丹精込めた料理に調味料をかけられすぎるのは料理人のプライドが見過ごせない。

空が晴れると白い建物。太陽が遮られた時はあれほど黒く見えたのに。

朝、ドアをめぐるやり取り、ラジオ体操と“目の保養”、落花生の箸置き、仕事内容の確認。

1年だけの付き合い、1年も務めなければならない厳しさ。

意気揚々と仕事にかかるプロフェッショナルたち、掲げられる旗、旗、旗。風の強さをストレートに教えてくれるし、時には誕生日といっためでたい日を祝う。


ボーリング調査といった仕事。
天然の冷蔵庫から材料を運び入れ、一品一品真剣な眼差しで作っていく。

サングラスをして何かを待つ男たち。「ワルキューレ騎行」と共に自転車に乗ってやってくる飯時。
飯めがけて全力で駆け、転ぶ。

読書中の主任に弁当の配達、積み重ねられ始める不平不満。基地のアチコチに張られた異性のポスター、受話器の向うの甘い声、家族の写真や宝物。すべてはホームシックの叫びを抑えるために。

雪を掘って水作り。他の面々も生きるために食飲み食いするものを作る。8人にとって無限に等しい原料。伊勢海老につられてくる面々、エビフライコール。

回想、揺れる船、帰りを待つ家族、胃がもたれる嫁の手料理は母の味。文句を言いながら食う食卓の団欒。
願った人間に訪れる事故、願わなかった人間に降りかかる仕事。
「家族と相談させて下さい」
「おめでとう」
「家族と相談・・・」
「行ってらっしゃいお元気で」
ああ殴りたいあの笑顔。

節分のお面、裸の鬼を締め出す・・・て殺す気かwww
劇中の面々は度々裸になって氷点下を満喫する。記念撮影もトライアスロンの特訓もパンツ一丁。
時間の限られた電話、砂時計、天然の氷で乾杯。

夜食を目の当たりにして「もう勝手にしろよ・・・」とドアを閉じる。人が何のために丹精込めて飯を作っているんだよと。
でも食う本人たちもそれはそれ、これはこれ。

凍傷への対応で怒る男たち。真剣な者と嫌々でやっている者たちの対立。

でっかい肉を外で火をつけて肉を振り回すシーンの面白いさこと。
「楽しいwww」

巻き込まれる主任、誕生日ケーキと肉のステーキでパーティー、料理人を支える娘の歯。

いちごの原液をかける天然のかき氷、原液はそのまま野球のベースラインに。

太陽を拝めない日々の鬱屈とした様子。
誰のための正装か解らない祭、凍傷が治った手と伸びた髪が物語る日数。

料理人もお母さん状態。
「あ~ぐ~ら」

ラーメン中毒者とバター中毒者が出てくる状況。重症です。

さあクソ主任との対決だ!後ろから迫る怒り、料理人も有無を言わさず蹴る、フラれたショックで自殺行為、医者「はい凍傷ね」

そして娘の分身に等しかった歯ああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!
精神的にグロッキー。

胃にもたれる母の味が料理人に涙と活力を与える。仕事仲間たちが、家族たちが食べさせてくれていた愛情。お母さんと娘の計らい。

本土との通信。
「可愛い動物は~?」
こんなに可愛いおっちゃんたちがいっぱいいるじゃありませんか。おっさんは非売品。 

“冠水”作り、ラーメン>>>>>>>>>>>>>>>>>越えられない壁>>>>>>>>>>>>>>>>>>オーロラ。

いつもの朝食風景が、食卓を囲む人々が消えていく瞬間の何ともいえない寂しさ。

再会、そして出会う人々。“声”だけで出会った恋人たち。

成長した子供たち、氷原と灼熱のアスファルトを駆け抜ける男の生き様。
すかあふえいすさん [DVD(邦画)] 9点(2015-06-11 23:36:31)(良:1票)
90.《ネタバレ》 事前知識なしで見たら意外に笑わせる映画だった。こんなふざけた隊員が実際いるかとも思うわけだが、まあ男所帯の中で現実に起こりうる範囲のことであり、非現実的というほど羽目を外した印象はない。基本的にがさつでむさい感じの連中ではあるが、1年ほども一緒にいればまあ愛着もわくだろうという気はする。
隊員の中では主人公の調理担当がなぜか例外的に爽やかで、これは役者の持ち味ということもあるだろうが、多少何があろうと柔らかく受け止める人柄のよさが好印象だった。当初はこの一家の人間関係がよくわからないところもあったが、最終的にはこの男あってこその妻子のあの態度だったのだろうと思わせるものがある。ほかに弄られキャラの若い男もなかなか愛嬌のある奴だった。
劇中の感動ポイントとして用意されているのは主に家族関係であり、最後の「本さん」の顔つきもよかったが、東京との中継で主人公が娘と話したところも何気に泣かせるものがある。そのほかKDDインマルサットオペレーターの清水さんは、出演者としてクレジットされていながら声だけなのかと心配したが、最後にちゃんと顔出ししていたので安心した。
別に誰かの人生を変革するほどのドラマでないのは終盤の「本当に南極になんて行ったのか」という台詞の通りだろうが、帰って来てみての感慨はあったようだし、観客としてもここに出る人々の気持ちを感じ取って共感できればそれでいいのだろうと思われる。

ところで劇中では専門の観測スタッフと、サポート役の医師や通信・車両担当などとの間で気合いの入り方に微妙な差があったようだが(暇の度合いも違っていたようだが)、調理担当に関しては基地の運営を根底から支える点で日々責任重大だったらしい。食というものが単に生存だけでなく、人間としての文化的な生活を維持する機能について、いわば極限状態(というほど厳しくもないが)のもとで描いてみせた映画というように取れる。劇中人物の中では「本さん」の感覚が自分に最も近いわけだが、こういう場所であればやはりそれなりに料理人に感謝する機会も多いだろうとは想像する。
かっぱ堰さん [DVD(邦画)] 7点(2015-05-25 19:55:21)
89.好みのわかれる作品だと思う。このゆるいなにもおこらない実情を淡々と描いている雰囲気を楽しむ映画だろうが、私のように何かしら期待をしてしまうと、ものすごく物足りない。内容は出演人をみれば想像がつくとは思うが、そこから想像したそのままの内容で、それ以上でもそれ以下でもない。
シネマファン55号さん [インターネット(字幕)] 5点(2015-01-26 13:42:00)(良:1票)
88.《ネタバレ》 登場人物のほとんどが髪ぼうぼうの小汚いおっさんたち。ですが、実際は各分野のエキスパート。その実力を見せる場面が・・・ほぼありません。地下の氷採取くらいですね。あくまでのんびりまったりと基地での暇つぶしと食事の楽しみを描いた映画です。精神的に追い詰められ、おかしくなりかけている隊員も出てきますが、あくまでライトにコメディテイストで済ませます。ずっぱり割り切ったことは英断だと思います。観測対象のオーロラが出現しても一瞥もせず一心不乱にラーメンを食べ続ける場面など、映像作家ならオーロラの場面は挿入したいものだと思いますがそこもずっぱり割り切っています。ただすこし尺が長く感じられたのは話にしまりがなかったせいのような。最後、遊園地で食べたファストフードのハンバーガーで、うまいなぁ、と漏らしたセリフが真に迫っていて笑ってしまいました。
kirieさん [DVD(邦画)] 6点(2015-01-07 15:03:59)
87.半分以上は食事のシーン。食に関しても深く掘り下げることはなく、大したことは何も起こらない。よく2時間以上見させたなと感心します。俳優陣の自然な仕草は魅力的ですし、現代では南極の観測基地の活動もシステム化されているらしいことが分かったことも収穫ですが、それでも何か山場になるドラマがほしかったと思います。一番強く印象に残ったが奥さん(彼女?)に裏切られてKDDのオペレーターと仲良くなろうとした隊員のわずかなエピソードですよ。二度観ることはないですね。
次郎丸三郎さん [DVD(邦画)] 5点(2014-12-13 22:13:32)(良:1票)
86.うまい映画。
 
情緒があってくすっと笑える。
日本人特有のひねくれた人間関係が微笑ましい。
結婚したくなる映画。
おでんの卵さん [DVD(邦画)] 7点(2014-11-16 19:11:19)
85.全体的にコメディタッチでユルい作風でまとめられていますがそんなユルさの中にも、
南極勤務への複雑な思い、家族と離れて暮らす淋しさ、ストレス、厳しさが巧く織り交ぜられています。
もっと厳しい事は一杯あると思うけど、作品が重くなりすぎないちょうどいいところで描かれています。
日本でも一緒に働いていた気心の知れた仲間ではなく、
それぞれの専門分野で企業や研究所から派遣されてきた、男だけで寝食を共にする寄り合い所帯の難しさなんかも。
ムシャクシャしても飲みに行く所も娯楽施設も何も無い南極。日々の食事が最も大きな楽しみの1つであり、
今日の夕飯の食材が伊勢エビだと分かると作業しながら「エビフライ!エビフライ!」とみんなで合唱するくだりや、
終盤のラーメンからはそれがすごく良く分かります。
時には季節ごとの行事や誰かの誕生日をみんなで祝い、御馳走を食べる。
食事って空腹を満たしたり栄養をとったりするだけじゃないんだな。
そんな当たり前の食の大切さ、ありがたさに改めて感謝したくなる。
長かった南極勤務が終わり、空港での家族との再会と「清水さん」の登場が良かったですね。
ラストの堺雅人の「旨っ!」も。
とらやさん [DVD(字幕)] 7点(2014-10-05 16:36:18)
84.《ネタバレ》 冒頭の「お前が強くなるしかないんだよ!→麻雀」のくだりで掴みは完璧。それからも南極観測所という極寒の地ならではのギャグが大変面白かった。あと職場の描き方が素晴らしい。普通に考えたら男だけの職場で、家族にも恋人にも会えずに1年以上を過ごすのは本当に過酷と思います。しかもやっぱり職場だから色んな人間がいる訳で、ズル休みする奴もいれば、折角忙しい中で手伝ってるのに悪態つく人もいる。でもそんな生活の中で「なにか面白いことを詰まらない生活から探そう!」という姿勢を忘れない主人公たちが本当に魅力的でした。節分したり、かき氷したり、野球したりね。多分こういう姿勢がないと職場ってのは本当に詰まらない場所になってしまいますから。
家族との話もベタながら、主人公の嫁さんが実は主人公が南極に行ってから元気がないのが娘によって語られるのには、ちょっとホッコリ。ラストで人ごみの中で抱き合う一家の姿は印象的でした。生瀬勝久演じるちょっと気難しい技師のおじさんが関係が拗れていた筈の奥さんと最後に抱き合うシーンも良かったです。
あと何より日々の食事が本当に美味しそう!映画の後半では、劇場内で何度か「グ~~」という腹の虫がどこからか聴こえてきた。
民朗さん [映画館(邦画)] 7点(2014-07-01 08:04:02)
83.《ネタバレ》 主人公への家族からの仕打ちにどうも違和感を感じて・・
主題である南極でのエピソードは確かにほのぼのして良かったのですが
小学生3年生くらい?の娘が父親のお尻を思いっきり蹴るシーン
しかも前半後半で2度
こりゃ駄目だと思い、付いていけず
秘密の交信が無かったら2点でした
あれがあって救われました
※醤油ラーメン食べたくなりました
こちらはトンコツばかりで・・・
yoshi1900olololさん [DVD(邦画)] 4点(2014-06-16 13:45:09)
82.大事な任務なのだろうが、なんとも退屈な気持ちを紛らわせ一生懸命仕事をして暮らしている中での喜怒哀楽が面白おかしく描いてある。それもとてもとても豪華で美味しそうな毎日の料理に載せて。この映画は映画館で見るよりも、とてもゆったりしたお休みの日におウチでぼんやり見て頂きたい。 『かもめ食堂』とかゆるい映画がお好きな方にオススメです。
movie海馬さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-05-05 20:42:02)
81.全編ユーモアに溢れ、それぞれキャラ立ちしていて飽きないし、それでいて世界観も良かった。高良健吾が良かった。
なこちんさん [DVD(邦画)] 8点(2014-03-14 00:14:53)
80.《ネタバレ》 “食”という字は『人を良くする』って書くんですよぉ~(金八風)。

体調が優れなかったり、心が落ち込んだり、やる気が起きなかったり等、それらの事を解決するのが“食”であったりする訳です。

ラストシーンの『うまっ』って思える瞬間は本当に幸せな事だと思う。

大袈裟だが、生きる為に欠かせない“食”は人生そのものでは?・・・と。

因みに“飲”という字は『人を良くするのに欠かせない』って書くんですよぉ~(再び金八風)。
飲兵衛には、有り難き御言葉だ(飲むのは酒だけじゃないが・・・)。

劇中の本さん誕生日ソング、本さん、本さん、めがねが似合ってるぅ~♪
本さん、本さん、喋ってくれないよぉ~♪奥さん~はツボだった・・・

んでも『酒は百薬の長』とは言え、年末年始飲み過ぎには注意しませう!!

ごちそうさま・・・
ぐうたらパパさん [インターネット(字幕)] 8点(2013-12-29 11:58:51)
79.《ネタバレ》 ラスト近くの堺さんの割烹着姿の朝食の場に、ほっこりとした気分でたどり着きました。日常のご家庭の朝食時、お母さんはお父さんの身体を
心配しながらも腐し、息子のジャージを勝手に着、髪ぼーぼーなのであります。そこにたどり着くまでも、仲間の喧嘩あり、パーティーあり、失恋あり、過食(笑)あり。そんな人達をささえる料理人の反乱
もあり。大きな波はなくとも、飽きる事なく、クスクスと胸元を心地良くくすぐられながら、ふっくらと楽しめました。ラーメンのシーンは秀悦!運悪く夜中に鑑賞した時は、なんとしてもラーメンたべなくては!という葛藤と戦わねばなりません。きたろうさん、恨みます(笑)

ぽてころさん [DVD(邦画)] 8点(2013-10-26 02:02:01)
78.《ネタバレ》 えびのお頭をテーブルの上に置いた時の音が最高でした。が後はあまりおもしろくはなかったです。
pokobunさん [DVD(邦画)] 6点(2013-09-07 20:58:21)
77.何でもないストーリーなのに最後まで飽きずに観れる。何でだろう?
東京ロッキーさん [地上波(邦画)] 7点(2013-05-30 16:51:36)
76.《ネタバレ》 「食べ物を粗末にするんじゃ無い」
 爺さんは僕にいった。なんて事をするんだお前は、と、大好物の鶏を猫に与える孫をにらみつけた。人間様の食べ物は人間様が食べるのであって、猫様には猫様にふさわしい食べ物がある。彼の言いたいことはしまいには大義名分になって、僕の棒々鶏は取り上げられてしまった。脇の甘いところを見せた孫に一発良いのを入れられたことで、なにやら上機嫌でもある。
 いやだって猫も時々は美味しいものを食べたいんじゃないでしょうかと言い返すも、テレビに見入ってしまった彼は全く聞いておらず、そうだねーうん、などと一モルも理解していない生返事をよこした。

 南極で辛苦を共にする八人の隊員は、自分の仕事を大切にし、誠実に向かい合いつつも観測所での食事を楽しみにしていた。食事に見せる変な、他の言葉に何となく置き換えたくない、変な執着が耐えがたい極寒をイベント程度の日常に変えてしまっているかのようで見ているこちらは楽しくもあったのである。
 事件らしい事件が起きない随筆の様なこの映画で、八人が起こした最大の凶行に僕の目は釘付けになってしまった。伊勢エビ。豪華食材である伊勢エビを、身では無く殻に風味が詰まった高級魚介をよりによってフライにしてしまった彼らは、やりきれない食卓の上で転がらない会話を無理にでも放り投げていた。

 あのさ爺さん、「棒々鶏だけどさ、ほんの少し僕の分をニャン吉にあげて僕はその分は食べたつもりになって満足で、ニャン吉も満足なのでは?」どうよ、と次の日にもう一度訊ねる。
「そうなの?」まるで覚えていないが、あああのことね程度に孫の相手をする。
「いや、そうではないんだ。戦争中は敵地で食べ物というもののありがたみがあった。戦争が終わったら今度はありがたい食べ物そのものが無いんだ。物理的に手に入らない。戦争中の方がましなくらいだ」なにやらまじめに答える祖父に、意外性すら感じた。
 だから、満足がではないんだと言う。お膳に上がったものだけじゃ無くて、お膳に上がる前の食べ物にだって礼儀を払いなさい、と。
 伊勢エビを見て、ただ大きいからやりたいと言うだけでフライにしたがる大の大人たちはこの言葉を思い出させた。

 が、そう言えば祖父は海軍学校でタダ飯を喰い、終戦直前に軍服を着て写真を撮ったら戦争が終わっていたなどと舌長であった。油断ならない男である。
黒猫クックさん [地上波(邦画)] 8点(2013-05-09 20:08:01)(良:1票)
75.《ネタバレ》 ゆるいですね~♪
食べ物もとてもおいしそうです。


KDDIオペレーターお迎えのくだりは、
少々やり過ぎ感がありますが、ゆる~いこの映画には、
何となくスパイスにもなっていて好きです。


ラストの「うまっ!!」は、
色々な状況から出てきた最高の終わり言葉だったな。


食べてる場所、一緒に食べる人、他人が作った物。
常においしい料理を提供しようとしてた作り手の西村君には、
この何でもないハンバーガーが感動的なうまさだったんだろうな♪
しんしんさん [DVD(邦画)] 9点(2013-05-09 10:54:53)
74.ほのぼのとした雰囲気がよかった。かもめ食堂とかそういうテイストでした。
カルーアさん [地上波(邦画)] 7点(2013-05-06 09:27:19)
73.特にこれといって事件があるわけではない、南極基地の淡々とした日常を描いた作品です。個々のエピソードはありきたりなのですが、役者陣の好演で淡々具合がかなり絶妙です。その中でも主演の堺雅人は素晴らしい。楽器に例えるならベースギターですね。映画の中で静かに確実にリズムを刻み続けます。生瀬勝久得意の押しの強いオッサンも南極という舞台のお陰で丁度良い具合にデフォルメ感が薄れ文句無しの好演となっておりました。あと西村さん一家が台詞、演技ともクオリティ高すぎです。スピンオフ作品を作ってほしいとさえ思いました。
Robbieさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-05-05 08:56:39)
72.《ネタバレ》 ラストのファストフードであるハンバーガーを食べて「うまっ!」と言うシーンは、やたらとハイブラウなものに対する強烈なアンチテーゼを感じたし、爽快だった。しかしこれは不思議な映画だ。食に関する映画かというとそうでもない気もするし、人間を描いているかというとそうでもない気がする。だからといって面白くないかというと、そうでもない。
Balrogさん [DVD(邦画)] 7点(2013-03-26 23:58:55)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 111人
平均点数 6.90点
000.00%
110.90%
210.90%
321.80%
443.60%
51210.81%
61513.51%
73329.73%
83027.03%
9109.01%
1032.70%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.70点 Review10人
2 ストーリー評価 7.50点 Review14人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review14人
4 音楽評価 7.08点 Review12人
5 感泣評価 5.07点 Review13人
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