花束みたいな恋をしたのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

Menu
 > 映画作品情報
 > 映画作品情報 ハ行
 > 花束みたいな恋をしたの口コミ・評価
 > (レビュー・クチコミ)

花束みたいな恋をした

[ハナタバミタイナコイヲシタ]
2021年上映時間:124分
平均点:6.76 / 10(Review 25人) (点数分布表示)
公開開始日(2021-01-29)
ドラマラブストーリー青春もの
新規登録(2021-02-12)【simple】さん
タイトル情報更新(2024-01-27)【にじばぶ】さん
Amazonにて検索Googleにて検索Yahooにて検索
Twitterにて検索
ブログに映画情報を貼り付け
監督土井裕泰
キャスト菅田将暉(男優)山音麦
有村架純(女優)八谷絹
清原果耶(女優)羽田凜
韓英恵(女優)川岸菜那
瀧内公美(女優)原田奏子
古川琴音(女優)中川彩乃
八木アリサ(女優)卯内日菜子
宇野祥平(男優)ラブホのおじさん
水澤紳吾(男優)胃を半分切除したおじさん
萩原みのり(女優)本條朱音
オダギリジョー(男優)加持航平
押井守(男優)押井守
岩松了(男優)八谷芳明
戸田恵子(女優)八谷早智子
小林薫(男優)山音広太郎
広田亮平(男優)
岡部たかし(男優)エンジニアの男性
萩原利久(男優)小村勝利
脚本坂元裕二
音楽大友良英
佐々木次彦(音楽製作)
作詞GReeeeN「キセキ」
作曲GReeeeN「キセキ」
挿入曲GReeeeN「キセキ」(劇中カラオケ曲)
SEKAI NO OWARI「RPG」(劇中カラオケ曲)
製作東京テアトル(「花束みたいな恋をした」製作委員会)
テレビ東京(「花束みたいな恋をした」製作委員会)
毎日放送(「花束みたいな恋をした」製作委員会)
朝日新聞社(「花束みたいな恋をした」製作委員会)
TBSスパークル(「花束みたいな恋をした」製作委員会)
配給東京テアトル
美術杉本亮
ヘアメイク豊川京子
録音加藤大和
動物
その他大友良英(ギター)
アキ・カウリスマキ(劇中使用映像作品「希望のかなた」監督・脚本)
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
(ネタバレを非表示にする)

【クチコミ・感想】

別のページへ
【新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順
12
>> お気に入りレビュワーのみ表示
>> 全レビュー表示

>> 改行なし表示
※ 「改行」や「ネタバレ」のデフォルト表示のカスタマイズは「カスタマイズ画面」でどうぞ
25.同じだと思っていた2人が時間と共に変わっていく。ありふれたカップルの話ですが役者と、脳内言葉が洒落ていて良いです。爽やかです。
東京ロッキーさん [インターネット(邦画)] 7点(2023-11-30 09:50:56)
24.《ネタバレ》 いやーシンクロし過ぎでしょ。お子様向けの映画だった。

今週の気づいた事: Google Mapは昔から
ほとはらさん [インターネット(邦画)] 3点(2023-07-14 13:26:05)
23.《ネタバレ》 この2年あまりの間、いつ観ようかいつ観ようかとずうっと思いつつも、そのタイミングを逸し続けていた恋愛映画をようやく観た。
巷の評判から想像はしていたけれど、やっぱりものすごく堪らない映画だった。

公開当時、最初にこの映画の予告をテレビCMで観たときは、何とも甘ったるいタイトルと、人気の若手俳優を配置した安直なキャスティングに対して、なんて安っぽい映画なんだろうと嘲笑してしまった。
実は個人的に、菅田将暉と有村架純という本作の主演俳優の両者をあまり好んでいなかったこともあり、全く興味を持てなかった。
ただその直後、脚本が「最高の離婚」「カルテット」他数多くのテレビドラマの傑作を生み出している坂元裕二であることを知り、各方面からの評判が耳に入ってくるようになり、次第に「あれ、まずいな」と思うようになった。さてはこれは「未見」は不可避な作品なんだろうと。
そうして鑑賞。僕は結婚をして12年以上になる。「恋愛」という概念からはもう遠く離れてしまったれっきとした中年男性の一人としても、本作が放つ短く淡い輝きは、儚く脆いからこそ、忘れ難いものとなった。


最初のシーン、カフェに居合わせた主人公の二人が、同じ価値観のもとにある行動を起こそうとしてふいに目を合わせる。
そのさまは、誰がどう見ても恋の“はじまり”に見える。
そこから紡がれる二人の5年間の恋模様と到達点が、美しく、切なく、愛らしく描き出される。
決して、特別な恋愛を描いた作品ではない。
本作の終盤でも描き出されるように、世の中のあらゆる場所、あらゆる時代において、まったく同じように若い男女は出会い、花束みたいな恋をする。
ただし、その恋は、両者の成長や変化と共に形を変え、次の全く別のステージへと両者を促す。
花束は、次第にしおれて枯れてしまうこともあろうし、別の場所で根をはることもあろう。

彼らの道のりはとても美しかった。あと一歩だった。
それ故に、あまりにも瑞々しくて輝かしい新しい“花束”を目の当たりにしたとき、もうあの時と同じには戻れないということを思い知り、届かない一歩の大きさを痛感したのだ。

はじまりは、おわりのはじまり。
有村架純演じる絹は、自らの恋のはじまりに、その言葉を思い浮かべる。
菅田将暉演じる麦は、自らの恋の終わりのその先に、ささやかな奇跡を見つける。

そう、この映画の終わりが、“おわり”なのか“はじまり”なのかは、実は誰にも分からない。
鉄腕麗人さん [インターネット(邦画)] 9点(2023-05-22 10:59:04)
22.《ネタバレ》 これを見たカップルは別れると聞いて怖くて1人で見た。
サブカルや文学が好きなカップルならそんな単純に影響を受けないと思う。
話し合いがうまくできないのはまあ、若いからなんだろうけど、そこまでうまく冷めていくか?
あと趣味のマッチングが出来すぎなので、どうしてもリアリティに欠ける。
というか欠けてて助かった。
流れとしては完璧だった。
泣いた。
ただ、家庭不和の生育歴があるのでああいう暴力的なプロポーズは辛いものがあった。
でも、また観れる映画だ。
あれだけ「アイツならどう思ったかな」と気にするぐらいなら復縁の可能性もゼロじゃないしな。
つうか、お前らホントに作品が好きか?
何を学び取ってるんだ?
もっとルーツを追いかけろよ。
掘り下げこそが我々の使命だろうがよ。
作家名や作品名を語るより中身と自分の変化や影響、そこから生み出したものを語れや!
ちょっとマイナーなカルチャーを知ってるからって世間を馬鹿にするような態度はよくないわけだが、
だからこそ「語り合える相手」を求めてやまない我々の「寂しがり屋体質」に起因する病を取り出して
煮詰めたソースは坂元味で美味でしたよ。
ただ、岩松了とオダギリジョーを出すなら絹ちゃんのお母さんには、
ふせえりか、江口のりこをアサインして欲しかったが、それをやると軸がブレちゃうから無理なんだな。
つまりこの映画が物語たいポイントはサブカルではない。
気持ちがすれ違っていくタイプを現代版に、そして固有名詞を織り交ぜて親しみを持たせてる作りになってる。
よこやまゆうきさん [インターネット(邦画)] 8点(2023-04-08 16:49:46)
21.《ネタバレ》 花束を受け取ると、花が萎れた後も、心は残る。

奇跡的な程に似た価値観の2人は、
共に親に庇護されていた学生時代に、出会う。

彼氏は、
同棲生活を維持する為に
夢を諦め就職したのだが、
責任ある仕事を任されるにつれ仕事優先の
考え方となり、
彼女との時間を犠牲にするようになった。

彼女は、
出会った時と変わらぬ彼氏でいて欲しいと願っており、
現実を受け入れて変わっていく彼氏の考え方を、
「ハードルを下げていっている」ように感じる。

私は、互いの変化を許容して行けない恋の場合、
「恋の始まりは終わりの始まり」という事になり
不幸にしか向かわない、と感じた。

ラストで学生時代と同様に
ストリートビューで
懐かしいパン屋を探す元彼氏は、
元彼女と自分の姿を見つけて歓喜する。
多忙で気付いていなかったが、
よく探してみると、ふとした日常に
幸せな2人は存在していた。
しかし、今となっては、感動を伝える相手は
犬しか居ないのだ。

振り返ってみると、完全一致していたかに思えた価値観も、
劇場版ガスタンクやミイラ展など個々には不一致の箇所もあった。
恋愛も音楽も誰かと共有しているようだが
価値観は1人に1つずつ存在していたのだ。

冒頭のシーンに戻り、自分の意見を他人に述べよう
とする所で2人は再会し、それを止める。
出会いと同棲を経て、互いに贈った花束は形を消したが、
相手への思いやりが大事だという
気付きとなり心に残っていたのだと思った。
こまさん [インターネット(邦画)] 7点(2023-01-15 05:01:44)
20.《ネタバレ》 どうしようもないくらい気があってどんなことでも共有できる…と思いきや劇場版『ガスタンク』やミイラ展は実はつまらなかったり内心引いていたり、それは好意を持っていた互いと互いの好きなものに気を遣ったに過ぎない。そういうことから回り始める恋愛関係。嫌いではないけど、あまりにも始まる時はうまくいきすぎてて、そしてダメになる時は典型的すぎて、なんだかいまいち感情移入はしにくい印象だった。

絹ちゃんはとても良い子だと思った。どれだけ蔑ろにされても麦のことを気遣い労ってあげて、でもどれだけ労ってもらってもどうしようもない距離感になってしまうということもわかる。自分だけのことではなく、相手も含めてのことだから。ただ、仕事を始めたことがきっかけであそこまで変わってしまうのかな。若いうちは、まああるのかもしれないけど少し腑に落ちなかった。
自分は、場所やタイミングにもよるがけっこう仕事は楽しむほうだと思っている。もちろんストレスを感じることもあるが、それ以上に仕事をしながら楽しめる時もきちんと存在する。仕事と家庭、家庭とそれ以外のプライベート、それ以外のプライベートと仕事、それぞれに使い分けや考えの切り替えは必要であろうが、若い彼にはなかなかそれは難しいか。ある意味じーさんのような達観を備えた自分のような人間ならなんとかやりくりできるのかもしれないが。
わかる部分もある。自分もあれだけ若いころ夢中になっていたゲームに全く没頭できなくなった。何がきっかけかはわからないが。でも、もし誰かが一緒にやってくれたらめっちゃ嬉しいけどなあ。絹ちゃんと楽しむ未来はなかったのだろうか。

そしてラスト、結局別れる二人。ファミレスで出てきた二人はまた展開が神がかり的に奇跡すぎてあり得なくてまた萎える。まあ、あんなことあれば嬉しいのは当然ですが。あそこまで一致したことは流石にない。
そして別れてさらっと次の彼氏、彼女が見つかる二人。そんなもんかなとも思ってしまう。

きっと、作った人のなんらかの思いはあったんだろうけど、いつもタイトルとのつながりを考えてしまいます。どこらへんが花束だったのかな、、?いくらでも会話に花が咲くからなのか、はじめは満開でも後々枯れていくからなのか。はてさて。。。誰か答え知ってたら教えてください。
TANTOさん [インターネット(吹替)] 6点(2022-11-16 01:03:51)
19.映画の出来は良い。俳優も自然な感じで気持ちよく鑑賞出来ました。話もサクサク進んで飽きずに見れます。でも話の内容がつまらなすぎです。
紫電さん [ブルーレイ(邦画)] 6点(2022-07-14 23:22:08)(良:1票)
18.どっちの気持ちもわかるから見ててつらかった。
Yoshiさん [DVD(邦画)] 5点(2022-03-07 06:36:48)
17.《ネタバレ》 全編、おシャレでカッコイイ。
アメリカやヨーロッパのお洒落な映画のようなテイストがある。

男には2パートあるんじゃないか?

自分の可能性をかけて社会にぶつかってる時。
もうひとつは、現実的な問題にぶつかり、
組織の中に身を置いて、自分を殺すとき。

この2パートの自分を知ってもらえる女性って本当に特別だよね。

花束(ブーケ)になった恋をした!になるといいな♪
トントさん [DVD(邦画)] 8点(2022-03-06 19:55:03)
16.あそこまで実写版 魔女の宅急便をディスってもいいのだろうか。
ケンジさん [インターネット(邦画)] 6点(2022-02-14 22:46:14)
15.《ネタバレ》 韓英恵が言う様に「若い時の恋愛と、結婚って違う」という、その変化の過程を描いている映画である(最終的には結婚なんかには辿り着かずに終わっちゃうお話だケド)。だからある種、これもまた人の成長を描く映画だとも言えるのかと。


趣味・好み・つまり「価値観」が似ているとゆーのは、人間関係を築く取っ掛かりとしては非常に分かり易くて効果的な要素だとは思う。しかし、ソレが恋人を選ぶ重要なポイントだった…とゆーのは、例え部分的にはそーであっても(=ある部分の価値観がドンピシャでも)他人同士なんて価値観が異なってるモノの方が絶対に多いのだから、その時点でも若干その「継続性」の面には危うさがあるとも思うし、そもそもソレがポイントになる時点でカップルの各々としては「自分の価値観が結構大事」という人たちなんだろう、とも思えるのだよね。人間関係ってやっぱり「妥協」が何より大切だと思ってるので、その意味でもまた危ういなあ、ともね。

若干、女のコの方がよりチャランポランに見える、という人も多いのかも知れないのですケド、どーでしょうかね。確かに彼女は自分が幸せに生きてゆくにはごく「感覚的」に自分が楽しいコトをやってゆけば好いと思っている、その点は(方法論としては)少し浅薄だ、とも思います。ただ男のコの方も、自分が仕事を頑張れば(収入が安定すれば)・或いは結婚というカタチに持ち込めれば多分ナンとかなると思ってる(+ワリとそーとしか思ってない)という点で、コッチも結構テキトーだとも思うのですよね(キョウビ尚更)。だからやはり、彼らは両人とも同じ様にまだまだ成長過程にある二人だ…と見えていて、で、人間ってやっぱり一直線に向上していくワケでもなくて、上がったり下がったりグネグネと波打ちながら徐々に徐々に少しずつ上向いていく…てなモンか、とも。個人的には結局のトコロ、それでもだからその山谷の巡り合わせが生んだ結末…てなコトでしかなかったのではないか、と。まァ~ねェ~~~中で一つ、私が菅田将暉に思いっ切り感情移入してしまった…てのが、仕事がマジでヤバい時って(私の様な映画オタクでさえ)映画観ても全然楽しくない…てなコトも実際あるんだよなァ~という場面すね(ソレを「彼は変わっちゃった」とか思われると、ちと辛い…てなモンで)。

主演2人は、別にルックス的にもとても魅力的な若人だと思いますが、超絶的美男美女というワケでもないごく近寄り難くない感じも大いに纏っている、そのコトは今作が「ごく普通の恋愛」を描こうとしているという点においては非常に適切なキャスティングだったと思います(ただ、有村架純ちゃんは演技力的にもごく等身大なこの役はピッタシだったと思いますが、菅田将暉が全力で演じるにはこの役はちょっと「簡単」だったかも知れませんね)。あと、年代を明確にし、かつソコで流行ったカルチュラルな諸々は全部実際の名前を出している、そのコト自体は、この映画が「刺さる」世代や地域、的な面での普遍性を損ないかねないという意味で(映画としては)若干リスキーな選択だったかな…とも思います。が、私の様なごくターゲットド真ん中のジェネレーションにとってはコレもまたお話を一般的なモノに見せるのには非常に効果的だったとは思います。だから私としては、その点への一種の感謝を込めて、1点足しておくコトと致します。
Yuki2Invyさん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2022-01-29 18:54:22)
14.《ネタバレ》 普通の大学生から社会人までの恋愛を描いていて、おおよその人が同じような恋愛をしてきたのではないでしょうか?刺さる人には知るのかもしれないけれど、私には予定調和を見せられた感じで映画に非日常を求めるものにとっては少し退屈な内容でした。
いっちぃさん [CS・衛星(邦画)] 5点(2021-12-31 22:23:47)
13.二人の5年間の出会いから別れまでがうまく表現されていました。別れた直接の原因の描写はありませんでしたが、恐らく価値観の違いや喧嘩に明け暮れたのでしょう。最後に笑顔で別れるあたりは非現実のような気もしますが、二人は本当はあのような笑顔で別れたかった、というファンタジーなのかもしれませんね。。。なお「花束みたいな恋をした」というタイトルはいまいちピンときませんでした。。。
みるちゃんさん [DVD(邦画)] 6点(2021-12-12 02:02:27)
12.押井守に興奮して意気投合。麦と絹は趣味が重なるお似合いのカップルだった。しかし「始まりは終わりの始まり」で徐々にすれ違いが多くなり冷めていく。今日、別れを告げると決めて最後に楽しい思い出を作る二人… しかし麦は未練たらたら状態になって「別れたくない。結婚しよう」と迫る。恋愛なんてそんなものだと。妥協して結婚すれば幸せになれると。そして、そうかもしれないと頷く絹。映画的にはやはり別れるだろうと思いながらも、そうならなかったからといって必ずしもバッドエンドじゃないし、正解、不正解のない選択は人ぞれぞれ違った捉え方になるんだろうなぁ。2021年を代表する邦画の一つだけあってさすがの完成度、クオリティ。面白かった。
リーム555さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2021-11-29 00:33:03)
11.《ネタバレ》 坂本裕二さんのファンなので観ました。
前半二人が出会いから付き合い始め迄は、自分が体験しているかの如く幸せな気分になりました。
お互いの趣味や感性が合えば、付き合う上で最高ですよね。
でも、就職をし、お互い生活環境が変わるうちに価値観に違いが生まれ、ギクシャクし始めるというよくあるパターン。
世の中、そこで折り合いを付け結婚するケースが多いのだが、劇中では、彼女が妥協出来ず、別れてしまう。
後半、上手くいかない二人に切なくなりますが、最後は、今時らしく、明るく爽やかに別れていきます。
脚本がしっかりしているので、安心して最後まで観れます。坂本氏には、年1作ぐらいは映画の脚本を書いて欲しいですね。
とれびやんさん [DVD(邦画)] 8点(2021-07-24 17:13:54)
10.《ネタバレ》 瀧波ユカリさんがnoteで大絶賛していたので気になり会社を出た後映画館に滑りこんだ。

端的に言うと映画史に残ると思いました。
この映画のGoogleのストリートビューに映り込む(資本主義に包括される)ラストは、「麦にとっては幸せな結末だった」という予感のみを提示してくるが、それが観客、日本人にとってどうなのか?という問いを、劇中にもメンバーが出演し、広告でも使用されたシティポップバンドのヒットソングをエンドロールに流さないという演出によって余韻と共に残している。ある意味、シンゴジラのラストに近い。

また、今村夏子のピクニックという小説名が何度か出てくるが、あれは記号的な意味ではない。なぜかと言うと、ピクニックは特に顕著だが、今村夏子という作家の特徴として「語り手が情報を提示しない」という面があり、それによって、物語内の見え方をまるで読者の想像力によって万華鏡のようにガラッと変えてしまうという作品を多く執筆している。このピクニックという小説の構造は花束みたいな恋をしたという映画の構造と似ており、観客によって、メリーバッドエンドにもビターエンドにも単なるハッピーエンドにもバッドエンドにも見えるどころか、ラストに至る過程ですら、ホラーを見せられているのか、純愛映画を見せられているのか、ドキュメンタリー映画を見せられているのか、みている人間にとって感想どころか物語そのものへの認識がバラバラになるように作られている。これは、この映画のテーマである「同じ物を見ている、聞いているつもりでも感じていることはそれぞれ違う」というイヤホンのRとLの反復される蘊蓄から作品内の細部でも示され続けている

また、まだコンビニもなかった時代の深夜の街が印象的に語られるビューティフルドリーマーの作者であり全共闘世代の押井守が現代の大学生である麦と絹と邂逅する引用の必然性。また、麦が忙殺され始め2人の予定がすれ違い見れなかったエドワード・ヤン監督による1991年の長尺台湾映画『牯嶺街少年殺人事件』への必然的な引用についても既に評論されているので省くが、表層的には2人の関係性の親密さを表す暗号的な役割として固有名詞が効果的に使われているが、それと並行して、メタメッセージとしても巧妙に引用されていると言っていいし、この引用について記号的という指摘は、単なる受け取る側の問題でしかないように思える。なんならここまで固有名詞を効果的に使った例は殆どないのではないだろうか。メンバーも脱退し、低迷していたオーサムシティクラブが現実で売れているのも、ラストシーンのきのこ帝国解散、今村夏子の芥川賞受賞によって日々の移り変わりを表す演出も相まって面白い。

そして、この映画の一番恐ろしく凄まじい面として、絹と麦は押井守や『ゴールデンカムイ』、『希望のかなた』、『牯嶺街少年殺人事件』などの「社会的」と呼ばれるマイノリティを取り扱った作品を好んでいる描写が目立つが、『花束みたいな恋をした』そのものは賞レース向きの題材を避けた上で、『パラサイト 』『万引き家族』『ノマドランド』『ミナリ』『あのこは貴族』『すばらしき世界』『希望のかなた』『ヤクザと家族』などの賞レース向けに作られたマイノリティを題材にした「社会派」映画の主人公達を「鑑賞」しているであろう麦と絹2人を恋愛映画という大衆的な題材のまま「社会的」な視点で「鑑賞」仕返している面にある。これは、それこそ映画をよくみているであろう我々みたいなカルチャーを消費している人たちへの鋭い視線ではないか。

カルチャーを好む我々は大衆映画を斜めに構えて鑑賞しがちだが、マイノリティの社会問題を消費している我々もそう変わらず俗な大衆の一部なのではないか?そして、深刻な社会問題は賞レースに則りみんながみんなマイノリティを題材にせずともすぐ身近にあるのではないか?という問いかけを感じた。

私はこの映画を、東京のカルチャーを写実的に捉えることに成功しながら、尚且つ現代の恋愛映画として新しい答えを提示し商業的な成功を収めた上で、若い世代に広く見られる画期的な社会派映画としてカルチャーを好む人たちへ大きな問いかけを残す日本映画史の金字塔的大傑作映画だと思いました。

今も評価されている映画だとは思いますが、冗談ではなく、後々小津安二郎の『東京物語』のような大きな評価を貰うべき映画だと感じています。
むす子さん [映画館(邦画)] 10点(2021-04-17 03:35:20)(良:1票)
9.《ネタバレ》 私も若かりし頃は、ポップカルチャー大好きだったので、好きなものに二人の恋が彩られるさま、共感しました。
ただ、ドキドキの引力は、他の青春映画に比べると弱めのような……。

うまくいきそうで、いかないカップルっているものですね。
二人とも、親がかりで生きていた時はキリギリスだったんですよね(決してアリではない)。
「好きな事の技能で生きていくぜ!」な気合の入ったキリギリスではなく、ふわふわなキリギリスちゃん達。
パズルがうまく組み合わさるようなカップルとして、一生の思い出に残る恋をした。
このシーンは見ていて楽しかったなぁ。

だけど男の方は途中でアリ君にジョブチェンジし、女は多分一生ふわふわキリギリスちゃんのまま。

私の知っている、ふわふわキリギリスちゃんは、殆どが結婚していないし、それで楽しそうに生きている。
結婚しても、旦那も大抵ふわふわキリギリス君で、だから結婚したし、うまくいきもする。
でも、このカップルは、男が見事なアリ君にジョブチェンジしてしまったから……うまくいかないのはしょうがないのかもしれないですね。

となりの女子高生の二人は、始まる前までは楽しそうにおしゃべりしていたのに、終わった後は一言もなかった。登場人物とひとつも共通点がなく(多分)、また恋愛模様もこれから経験するであろう世界だから、感想も出なかったのかな。
大学生~30代の方々にお勧めしたい映画かな、と思いました。

私は、出てきた小説家たちが全く分からずビックリ(漫画はわかったけど、小説家は全滅)。昔はよく本を読んだものだけど、あの当時の作家たちは今どうしてるんだろう…。
また本を読んでみたいな、と思いました。
りんどうさん [映画館(邦画)] 6点(2021-03-17 21:21:29)
8.上映前の何で日本映画はこうなんだという駄作の羅列ほどではないにしろ、初っ端からのありえない会話や言動にげんなり気味になりました。その後は何とか持ち直しますが、話に深みがない。と言うよりも、深めようとしていないよいうにかんじました。もっとダイナミックに(方向性によってはドロドロに)できるだろうに、と。はやりの草食系ということなのかなあ。なあなあで分かれましたというラストからはカタルシスが得られません。これなら凡庸なハッピーエンドの方が良い物になった可能性を感じました。
有村架純を見るのはTVドラマに続けて2回目に過ぎませんが、意外に大根ですか?。
傲霜さん [映画館(邦画)] 6点(2021-03-16 20:44:12)
7.《ネタバレ》 毎週映画館行くのが定番化してるのは良いのですが、観たいものが無くなってきたところ、こちらの評価が良さげだったので行ってきました。簡単に言えば付き合って別れるまでのあるある話なんだけど、二人とも「花束みたいな恋をした」てのが表現されてて後味も悪くなく良かった。嫁とのピンポイント原因の感想は女が夢見すぎ歩み寄りが足りないのでは?とのことだったが、僕は彼の価値観の変貌とその押し付けかなと思えた。まあ、今後もよく話し合おうというか言いたいことは言おうという話になりました。
関係ないけど3つぐらい横に居たお姉さんが鼻すすってたので何か刺さったみたいですね、これを嫁に話すと何処にそんな要素があんねん?とバッサリでしたw

【追記】お二方とも十二分に名の売れた俳優さんで今更だけど、僕にとっては菅田将暉と有村架純の名前をちゃんと認識した作品になりました、その他の出演作も観てみたいとも、お思いました。。。もともと苦手なんだけど、おっさんになったせいか名前を全然覚えられないというか忘れて出てこない。。。花束みたいな恋をしたというタイトルは、割とすっと出てくるんだけどね、それほど知名度が無いので映画をおさえてる人以外には伝わらない。

【追記2】嫁が映画ジャンキ―化、観る作品を選ぶのは主に僕でこちらの評価も参考にしつつ、嫁専属ソムリエのつもりで選んでるつもりなんだけど結構ハズレます。。。二人とも共感できる作品に当るのは悪くないよね。本作の序盤みたいな感じ
ないとれいんさん [映画館(邦画)] 7点(2021-03-01 10:20:27)
6.《ネタバレ》 なんとなく、この映画は映画館で見た方がいい、という思いに駆られ、本当に久々(ほぼ1年ぶり)の映画館での鑑賞。休日午前の映画館は、若い女性2人組、カップル、そして4〜5人くらいの若者グループがメインで、その隙間に中年くらいの男性や女性が1人で見に来ていて(私もその1人)、まずまずの入りでした。上映前、普段まず見に来ないタイプの映画の予告編(すべて邦画と韓国映画)が立て続けに流れ、少しアウェイ感を感じる。

映画の序盤、目立たないタイプの麦と絹が、文化系ネタでの共通点を次々と見つけていく過程は(実際に登場する作家やアーティストはわからないものも多いながら)とても楽しい。あの長い一晩を2人とともに過ごし、互いに相手を「運命だ」と感じていくプロセスをすぐ隣でみているような気分になる(この流れは同じ坂元脚本のドラマ『最高の離婚』を思い出します。あっちはむしろ「違った」2人の遭遇でしたが・・・)。しかも、そのきっかけに世代関係なく2人の共振ぶりを実感できる押井守を持ってきた絶妙な設定! しかし、就職活動あたりから2人のバランスは崩れはじめ、麦の夢が行き詰まったあたりから大きな溝が生まれ、そうなればお互いの小さな努力やがんばりも空しく、決定的に瓦解していく。もともと『アニー・ホール』から『(500)日のサマー』『マリッジ・ストーリー』までこの手の恋愛プロセス映画が好きな私は、とくに中盤以降はどこか冷めた視点でみてしまい、いずれ来るであろう「修羅場な口論」シーンを期待(?)して待っていただけに、自分の感情をぶつけるよりも先に状況を「読み」、自分で結論を出してしまう2人に、やや消化不良な印象が否めませんでした。そして、物語の顛末も、鮮やか過ぎるラストも相まってさわやかな後味が先に来てしまい、もっと苦みを・・・と思ってしまいました。

ただ、映画上映後、クレジットが終わり会場が明るくなっても、みな席を立とうとしない。いつも映画館を最後のほうに去る私が、なんと一番最初に席を立っていた。それだけ、当日映画館にいた若い人たちには「刺さっていた」模様。やっぱり映画館で観たのは正解でした。そうか、彼らにとっては、この描写や台詞が「リアル」であり、「切実」だったのだ。残念ながら、この作品は「私の映画」ではなかったけれど、ここにいた人たちにとっては、この後もしばらく引きずりつづける1本になったのだろうな。そういう現場に立ち会えるのも映画館の醍醐味だったことも思い出しました。
ころりさんさん [映画館(邦画)] 6点(2021-02-25 22:12:47)
別のページへ
【新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順
12
マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 25人
平均点数 6.76点
000.00%
100.00%
200.00%
314.00%
400.00%
528.00%
6936.00%
7624.00%
8416.00%
928.00%
1014.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 5.00点 Review1人
2 ストーリー評価 7.50点 Review2人
3 鑑賞後の後味 8.50点 Review2人
4 音楽評価 10.00点 Review1人
5 感泣評価 8.00点 Review2人
chart

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS