博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったかのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか

[ハカセノイジョウナアイジョウマタハワタシハイカニシテシンパイスルノヲヤメテスイバクヲアイスルヨウニナッタカ]
(博士の異常な愛情)
Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb
1964年上映時間:93分
平均点:7.69 / 10(Review 300人) (点数分布表示)
公開開始日(1964-10-06)
ドラマサスペンスSFコメディ戦争ものモノクロ映画政治もの小説の映画化
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2024-02-16)【Olias】さん
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監督スタンリー・キューブリック
キャストピーター・セラーズ(男優)マンドレイク英空軍大佐/マフリー米大統領/ストレンジラヴ博士
ジョージ・C・スコット(男優)"バック"・タージドソン将軍
スターリング・ヘイドン(男優)ジャック・D・リッパー将軍
キーナン・ウィン(男優)"バット"・グァノ陸軍中佐
スリム・ピケンズ(男優)キング・コング少佐
ピーター・ブル〔男優〕(男優)ソ連大使アレクシ・デ・サデスキー
トレイシー・リード〔1942年生〕(女優)タージドソンの秘書
ジェームズ・アール・ジョーンズ(男優)爆撃隊員ゾッグ少尉
ジャック・クレリー(男優)ステインズ
山路和弘マンドレイク英空軍大佐/マフリー米大統領/ストレンジラヴ博士(日本語吹き替え版【ソフト】)
宝亀克寿"バック"・タージドソン将軍(日本語吹き替え版【ソフト】)
佐々木勝彦ジャック・D・リッパー将軍(日本語吹き替え版【ソフト】)
辻親八キング・コング少佐(日本語吹き替え版【ソフト】)
田原アルノステインズ/ナレーション(日本語吹き替え版【ソフト】)
島香裕フェイスマン(日本語吹き替え版【ソフト】)
斎藤志郎エース(日本語吹き替え版【ソフト】)
楠見尚己"バット"・グァノ陸軍中佐(日本語吹き替え版【ソフト】)
大塚周夫ストレンジラヴ博士(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
愛川欽也マンドレイク英空軍大佐(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
中村正[声優]マフリー米大統領(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
家弓家正ジャック・D・リッパー将軍(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
富田耕生キング・コング少佐(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
滝口順平ソ連大使アレクシ・デ・サデスキー(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
田中信夫爆撃隊員ゾッグ少尉(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
渡辺典子【声優】タージドソンの秘書(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
矢島正明ナレーション(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
青野武(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
大竹宏(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
勝田久(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
原作ピーター・ジョージ「赤い警報(破滅への二時間)」
脚本スタンリー・キューブリック
テリー・サザーン
ピーター・ジョージ
音楽ローリー・ジョンソン
作曲民謡「ジョニーが凱旋するとき」(アメリカ民謡)
撮影ギルバート・テイラー〔撮影〕
製作スタンリー・キューブリック
ヴィクター・リンドン(製作補)
制作東北新社日本語版制作(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
配給コロムビア・ピクチャーズ
特撮ウォーリー・ヴィーヴァーズ(特殊効果)
美術ケン・アダム(プロダクション・デザイン)
ピーター・マートン(美術監督)
衣装ブリジット・セラーズ
ヘアメイクスチュアート・フリーボーン
編集アンソニー・ハーヴェイ
レイ・ラヴジョイ(編集助手)
録音ジョン・オルドレッド
日本語翻訳木原たけし(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
あらすじ
ソ連は極秘に大量殺戮兵器「皆殺し」を開発し、完成させたという。しかし、だれもこのことは知らない。ある日、アメリカ軍の司令官が突如発狂し、水爆搭載の飛行機にソ連基地への爆撃指令を行なった。司令官の命令に不審を感じた副官は異を唱えるが逆に監禁されてしまう。事態に気づいた政府はなんとか防ごうと躍起になるが・・・
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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【クチコミ・感想】

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300.《ネタバレ》 いわゆるブラックコメディというジャンルの中でずば抜けてブラックな作品ですね。まず、ピーター・セラーズの一人三役は神がかっていますよね。この作品を見た後に、調べてみたんですが大統領の役はアメリカ英語、イギリス将校の役はイギリス英語、博士の役はドイツ語訛りの英語らしいです。それを知った時もう一度セラーズの凄さを思い知りました。そして、その中で、ストレンジラブ博士のラストシーンは笑いの絶句の一言です。だって、これからの栄光の未来(苦笑)を想像し、あまりに興奮しすぎて不治の病である足まで立っちゃうんですよ(笑)他にも、筋違いなことを語りながらもハードボイルド色むんむんで渋すぎるリッパー将軍、なにかとちょこざいことしてるロシア大使、最高にファンキーなコング少佐、etc。ところで、原爆に跨り、落下するコング少佐のあのシーンですが、あまりにリアリティのない描写です。あれこそ下手なコメディ映画のワンシーンです。しかし、この作品の監督は完璧主義者であり、かつ、同時期にあの「2001年宇宙の旅」で物凄い映像を撮ってるキューブリックですよ。なんで、このシーンだけここまでリアリティに欠けるシーンにしたんだろうと考えたとき、現実の世界で原爆投下なんてことは絶対に起こってはいけないことです。キューブリックはこのシーンだけはリアル(現実)なものにしてはいけないんだろうか?と考えたんじゃないでしょうか。彼は原爆投下を痛烈に馬鹿げたものとして我々に訴えていたんだと思います。
ジョニー・デブさん [DVD(字幕)] 10点(2008-01-26 14:39:57)(良:3票)
299.《ネタバレ》 むかし第一回の「ぴあテン・もあテン」に参加した。雑誌「ぴあ」で読者投票により一位となった作品を鑑賞するフェスティバルだ。しかし、もう一度見てみたい映画第一位の「2001年宇宙の旅」は当時日本で公開不可能な状況だった。当日、「2001年」を上映できない旨の説明があり、替わりの映画が、タイトル不明のまま上映開始された。それが「博士の異常な愛情」だった。脳天にがつんと一発、衝撃的だった。後年、渡米した最初の夜に、海江田四郎が原子力潜水艦やまとからニューヨークに向けて水爆を発射する夢を見てしまったではないか。映画上映後、予告編特集と称して、いろいろな映画の予告編をさらに3時間もぶっ続けで見せられた。企画した「ぴあ」もすごいが、耐えた俺も若かった。 追記;2011年8月4・18日号で「ぴあ」が廃刊となった。映画情報誌として、かけがえのない存在だった。ありがとう。
ジャッカルの目さん [映画館(字幕)] 10点(2006-12-29 20:33:54)(笑:3票)
298.《ネタバレ》 当時の冷戦に右往左往する人間を皮肉ったブラック・コメディの傑作。
原爆や水爆を狂信的に作る「博士の異常な愛情」が時代を後押しする。

物語はミサイル攻撃を巡ってそれを阻止する者、実行する者の対立をシリアスかつコミカルに描く。
生きるか死ぬかの瀬戸際にコカコーラからのクレームを気にするような人間ばっかりだ。

いざ戦争になれば秩序も道徳も崩壊する。
会議場に集まる高官どもに、外で戦う人間の苦しみなんざ解るわけがない。
気にかけるだけで労いの言葉一つ送れない。
隅々まで届かない命令に何の意味も無い。

そんな人間が人々の上に立てばどうなるか?
無意味な実験や虐殺だけが繰り返されていくだけなのさ。

ラストシーンもまた印象深い。
敵の本拠を目の前にして投下装置が故障。
それを命懸けで外しに行き、爆弾もろとも基地にダイブしていくパイロット。
その時のソイツの顔は、黒い笑みで歪んでいた。
戦争の狂気がとり憑いた結果だ。

それを人々はどう思うのか?
英雄として見るか?
戦争を引き起こした愚か者と見るか?

答えは戦争を勝ち抜いた勝者か、後世に生き残った民衆のみぞ知る所だ。
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-01-31 10:34:30)(良:2票)
297.《博士の》⇒ 《未知への》⇒ 《博士の》⇒ 《未知への》⇒ 《博士の》⇒ 《未知への》⇒ 《博士の》 と、なんのこっちゃか、つまり自分の場合はこうなのです。自分、常にDVDを両方手元に持っているからという理由もありますが、常に〝未知への飛行〟と共に交互に観ています。もう連鎖反応的になってしまいましたが、そのどちらにも未だ飽きる事がなく、好き好んで何度だって観ちゃっています。とにかく必ず交互に観ています。 そんな訳から、例えば、〝博士の異常な愛情〟は目にされたんだけども、〝未知への飛行〟 がまだな方、一度、未知への飛行をご覧になった後で もう一度、博士の異常な愛情の世界へと戻って来られてみたりしませんか。きっと前回観られた時の 『2倍、もしくは3倍は』 楽しめる事になってるんではないかと思うんですが、いかがでしょう。私の場合は10倍にもなってしまってたんですよね。ほんと。 以上をもって、博士の異常な愛情をより以上に愛する方法の報告でした。ほんと未知への飛行も見てみてください。 では。
3737さん [DVD(字幕)] 10点(2009-12-06 22:03:22)(良:2票)
296.《ネタバレ》 スタンリー・キューブリックに興味を持ちDVDを集めていた時にこの作品を初めて見て、今回見るのは2回目。1回目よりも2回目の方がストーリーが理解できて、色んな場面でちょいちょい挿んでくるブラックジョークに気が付き笑うことができた。見終わってからピーター・セラーズが3役こなしていることに気付いた。そのぐらい演技が良かったってことか。博士の意思に反して動く右手が面白い。頭脳と体は別ってこと?上層部と兵士が別の意思で動いてて、、、なるほど!
VNTSさん [DVD(字幕)] 7点(2009-06-06 01:00:39)(良:2票)
295.《ネタバレ》 冷戦状況下の世界、「自由を求める為の戦い」とか「社会主義は理想的な世界」という名の下で進められていた軍備拡張の風潮の理由として「ただヤリたいから」と男の性欲と同レベルで説明されちゃぁ、カックンてなものでしょう。選民思想(もろナチスドイツ)下、地下で繰り広げられる世界は男のパラダイスでストレンジラブ博士もおっ立っちまうだろうし、溜めていたものを吐き出したコング少佐、「イヤッホー!」と言っちゃいますよね。この映画を見て笑った、というのはまったく無く「あ~あ、 やっちゃった」という感想のみでした。100年後に「冷戦とはこんな状態だったのよ」という資料として名が残るかもしれません。
Nbu2さん [DVD(字幕)] 9点(2006-05-06 12:02:27)(良:2票)
294.ここまで真っ黒なコメディに抵抗なく笑ってしまった自分の人格を疑った(自分の右手と戦う博士に爆笑)。それはさておき、キューバ危機当時の国防長官のインタビューから構成されたドキュメンタリー映画『フォッグ・オブ・ウォー』をこれと併せて観ると、また興味深い。『13デイズ』ではかっこよく描かれていたケネディらだけど、マクナマラ元国防長官は「核戦争を避けられたのは単に運が良かっただけ」と断言していた。「ケネディもフルシチョフもゲバラもみんな、理性的な人間だった。それなのに、もう少しで核戦争というところまで行ったのだ。理性は、あてにならない」。そう、この映画、実はまったく洒落になってない。このどうしもうもなく狂っていて滑稽な連中は、現実の人間とそう遠くないところにいる。米軍幹部には当然のようにソ連との全面戦争を主張した人物もいたことも思い出す。ここまで強烈かつ秀逸な風刺は、映画であれ小説であれ見たことがない。ラストシーンの核の輝きは、一度観たら絶対に忘れることのできない、人間性に対する最大限の皮肉だ。
no oneさん [ビデオ(字幕)] 10点(2006-01-03 02:42:40)(良:2票)
293.《ネタバレ》 ずっと見たいと思っていてやっと見れたこの1本!期待以上のおもしろさでした。キューブリックがまともじゃない人間描いたら誰も太刀打ちできませんね。ピーター・セラーズ最高ですね。一気にファンになっちゃいました。
描かれている内容っていうのは、実際こんなことになってたらホントしゃれになんないって話なんだけど、ブラックユーモアで見る人の注意をうまく散らしてるっていうか、核の恐怖っていう観点だけに捉われさせないっていうか。そのあたりがやっぱりうまいところなんだと思います。オチがわかればタイトル最高!ってなりますね。戦闘機が飛んでるシーンは少々しょぼかったですが・・・w ところどころ笑わせてもらって、ラスト、博士が立ち上がったシーンは、同時に脳内で「クララが立った!!」って映像が流れたんですけど、僕だけですかね?笑。みなさん仰るように「また会いましょう」もいいですね。核爆弾に文字書いてあるのを見て、広島に落とされた核爆弾にも「little boy」って名前がついてたって聞いたことがあるのを思い出しました。キューブリックはそのへん意識したのかどうなのか。元ネタが定かじゃないんでなんとも言えませんが。
アンダルシアさん [DVD(字幕)] 10点(2005-11-22 15:21:40)(良:1票)(笑:1票)
292.困ったなあ、これが好きじゃないとキューブリックファンには入れてくれないんだよなあ。
みんな嫌いさん 5点(2004-10-25 14:22:40)(笑:2票)
291.米ソ冷戦時代の核戦争の恐怖とその愚かさを、ブラックな感覚で描いたS・キューブリックの傑作SF。この作品で特に印象的なシーンは、終盤、米軍爆撃機のたった一機が旧ソ連ミサイル基地上空で、水爆投下のハッチが故障して開かなくなってしまう。しかし少佐(=名前がキングコング)が水爆ミサイルに乗っかったまま修理しようとしたとたんハッチが開いてしまう。その彼がロディオのカウボーイよろしく落下していく様子を上空から俯瞰でとらえ、やがて小さく見えなくなった途端、水爆が爆発してしまう。それから、やがて世界中にキノコ雲が立ち上がるわけだけど、この悲惨な中、“♪いつかまた逢いましょう・・・”と女性ボーカルの甘いラブ・ソングが流れて映画は終わる。他にもドクター・ストレンジラブが時折、自分の意思とは関係なく右手がナチスの挙手のように上がってしまうのを、必死になって押さえるおかしさや、彼がラストで「私は立てる」と車椅子から立ち上がるシーン等、意味深く印象的なシーンは多い。この公開時期、日本では東京オリンピックが開催されていたこともあり、記録的な不入りとなった不幸な作品でもありますが、かえってS・キューブリック(当時はカブリックでした)の名前を高めた作品として記憶に残る。
ドラえもんさん 9点(2000-10-09 00:08:20)(良:2票)
290.《ネタバレ》 映像の面白さに飽きることがないです。出動した飛行機と上空からの大パノラマ、コクピット内計器類のこだわり、首脳会議の大円卓の無駄な壮大さなどなど。内容は、アメリカがソ連向けの核爆弾攻撃を誤って発動してしまい、アメリカ首脳部が大円卓会議を開いて、てんわやんわするというもので、大統領は、ソ連の首脳にホットラインで事態を伝え相談するも・・・というようなシンプルな筋書きです。役者達の演技が、必要以上にパニックに陥ってなくて、熱演なのだけれど、どこか事の重大さが実感できてないような感じがいいです。一言で言えばシニカルなブラックコメディとなるのですが、現実もこんなものかもと思えてしまうところに怖さがあります。終盤では、初代ガンダムのカイ・シデンのお気に入りで、幼い弟妹持ちの女スパイことミハルを思い出しました。案外ありがちな事故なのかも知れません。
camusonさん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2023-11-22 17:47:09)(良:1票)
289.《ネタバレ》 これは最高に出来のいいブラックコメディーだ。核兵器による恐怖を描きながら、しかも狂気を取り扱っていながら、それをユーモアに変えてしまう手法は見事としかいえず、脱帽するほかない。
一人三役のセラーズの演技は、言われないと分からないほどの怪演で傑作。
ちなみに出てくる女性は将軍の愛人?だけで、会議の最中に痴話電話をかけてくるが、将軍が必死で応対するところも最高に風刺が効いている。
当然ながら、死ぬまでに一度は観るべき映画のひとつ。
mhiroさん [CS・衛星(吹替)] 8点(2021-02-18 09:05:53)(良:1票)
288.絶対教養を得るためだけに鑑賞してしまったせいか、内容がまともに頭に入っていない…。
ドクターストレンジラブという猛烈にカッコイイタイトルからさぞかしエキサイティングな内容だろうと期待して見たのだが、
高校生の自分にはあまり楽しめなかった…。
いつかもう一度挑戦したい。凡庸な高校生には大学生になってから観るのを勧める。
よこやまゆうきさん [DVD(字幕)] 4点(2017-05-31 01:29:45)(良:1票)
287.《ネタバレ》 主演が三役を演じるなんてふざけている。気づいて見ればタイトルからふざけてた。妄想から越権行為を行うリッパー将軍。抑止力の意味を成さない「皆殺し装置」。徒労な活動を続けるスパイ。選民議論に熱を帯びる首脳陣。そして冷ややかな視線の中、自身の手と戦う博士。青天の霹靂、博士が叫ぶと同時に、こっちもふざけんなと心の中で絶叫するとともに物の見事に世界滅亡の後、無事終幕。一見重厚感のある空気感と間の抜けた科白のギャップが最高でした。歴史を振り返ったら呆れれるような私利私欲に塗れたことから大事件が勃発することもしばしば。人間の理性はそれほど不確かなもの。「ウザい」や「キモい」などの言葉をLINEやTwitterで使おうとしたら一旦警告サインを促すだけで使用率がグッと下がるらしいです。この大発明は馬鹿になりません。論理立てて相手を非難しても誰の心には響きません。なら相手に悟らせるユーモアこそ唯一の手段かもしれません。冷戦で一触即発の中放り込まれた今作によって第三次世界大戦が踏み止まったと思うのは少々大袈裟ですが、行動する前に一旦冷静に立ち止まって考えることは人を正しい行いに導いてくれます。反戦映画というより根源的なテーマをユーモアで伝えてくれる馬鹿な人類に送る最高の教育映画でした。
うーさん [DVD(字幕)] 7点(2015-03-13 01:44:59)(良:1票)
286.《ネタバレ》 キューブリックは数少ないフィルモグラフィの中で色んなジャンルの映画をとっているが、彼が撮った唯一のコメディはブラックコメディとしては究極の域に達したと思います。なにがすごいと言ったら、P・セラーズ、G・C・スコット、S・ヘイドン、S・ピケンズ、P・ブルといった主要登場人物が全員で映画史に残る強烈な怪演を繰り広げてくれるところでしょう。良くこの映画ではセラーズの三役が話題にされますが、そんな彼を上回る凄まじい怪演でもっと評価されるべきなのはG・C・スコットのタージドソン将軍ですよね。この将軍のキャラは、当時の空軍司令官のC・ルメイ大将(太平洋戦争でB29による無差別爆撃戦略を実行した張本人)がモデルだそうですが、実は狂人なんじゃないかという説まであったルメイを強烈にカリカチュアしていて見事です。 いきなり空中で交尾しているB52爆撃機を見せてくれるオープニングは洒落てます。このB52が飛ぶシーンのチープな特撮がまた曲者で、完璧主義者のキューブリックですから低予算を逆手にとって狙った映像なのは明白です。地上戦闘のシーンも手持ちカメラで撮ったニュースフィルムみたいで、キューブリックの拘りが伝わってくるところです。そして“We'll Meet Again”をとんでもない映像にかぶせるあまりに有名なエンディング、そのセンスは今の眼で観ても鳥肌が立ちます。 こうして観ると、この映画は筒井康隆の初期の疑似イベントSFに通じるところがありますね(と言うより、筒井康隆の方が影響を受けたのかもしれません)。
S&Sさん [映画館(字幕)] 9点(2013-04-09 23:37:21)(良:1票)
285.《ネタバレ》 一寸先も見えない位真っ黒黒、強烈にブラックな喜劇。今日の核拡散の情勢を鑑みれば洒落にならないんだけど、次々繰り広げられる馬鹿者どもの狂気乱舞に笑わずにいられない。米国大統領に将軍、少佐に英国将校、元ナチ御用達博士とソ連大使。みんなのキャラ立ちが半端ない。うち三名を一人の役者が演っているなんて、神がかり的な人間離れした技に圧倒されるばかり。個人的に好きなのは、同士討ちになっちゃってる基地内部のやりとり。純血主義のリッパー将軍と、それをなだめすかすのに必死な英国将校。あろうことか公衆電話で小銭を調達しながら大統領に電話しなきゃならないシチュエーションの馬鹿らしさ。そこへ自販機会社に訴えられる、と主張する大佐。あーここにも馬鹿が~。さらにペンタゴンの地下では政府高官がずらりと顔を並べる中、いかにもソ連人な面構えの大使が盗撮(!)なんかして将軍と取っ組み合い。あと数分で核が落ちるんですよ?あっ、やっとつながったソ連首相、酔ってるってさ。極めつけの狂気はストレンジ・ラブ(なんて名前だ)博士、キワモノ中のキワモノ。この怪演に水を打ったように静まり返る作戦室。博士によって提示される地中の新世界構想。これがまた酒池肉林的な側面があってアヤシイことこの上ないんだけど、事ここに及んでも共産主義社会との格差を心配して声を張る馬鹿将軍。ここまでくると「もうお前ら死んでしまえっ」という気持ちになるわけで、果たしてソ連大使もそう思ったか人類滅亡スイッチをONする始末。キノコ雲にのせて「また逢いましょう」の調べが美しすぎる。なんという逆説。たらたらとあらすじ書きになってしまったけど、「こんな馬鹿みたいなことで絶滅なんてヤだろ?」とキューブリックの声を確かに聞いたような気がする私はこの映画を愛してやまないのです。
tottokoさん [DVD(字幕)] 10点(2013-02-14 01:15:25)(良:1票)
284.《ネタバレ》 これはキューブリックの最後の白黒映画で、その後カラーの世界でも美しさを極めていくが、光と影の洗練は本作が頂点だろう。とりわけ将軍がらみのシーンで、狂っていく男をとりまく環境の冷ややかさが素晴らしい。暗がりよりも光(おもに蛍光灯)が冷ややかなのが特徴。カラーの世界でも狂っていく男や狂っていくコンピューターを光のもとに描いていくが、白黒の本作が一番ひんやり感じる。外では基地での攻防が、実際の戦闘のドキュメントのような迫真で展開していて、ならばこっちは熱いのかと言うと、車両が燃え上がっているにもかかわらず、トップの狂気が原因の同士撃ちという理由をこちらが知っているせいか、冷笑とまでは言わないがどこか冷めた気持ちで見てしまっている。作戦会議室がひんやりする広さを持っているし、爆撃機の外にはロシアの寒冷地の光景が飛び過ぎていく。この冷たさが畳み込まれた結果、高熱の爆弾が炸裂し続けるのだが、このまぶしい光景すら蛍光灯の光のように冷えびえと迫ってくるのは、自分が地下シェルターに逃げ込める側の人間ではなく、間違いなく取り残される側の人間だからだ。ストレンジラヴ博士にナチの影を与えているのが、話を狭くしているようで昔は不満だったが、ナチの選民思想が当時の核保有国に受け継がれている、ということを言いたかったんだろう。それがこの長い題名の意味するところでもあった。この副題の構文は現在でも有効だな。ちょっと変えて「日本人は如何にして心配するのを止めて原子力を愛するようになったか」と綴れば、深く考えずただ流されていったこの国の戦後史になる。
なんのかんのさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-05-29 09:48:15)(良:1票)
283.東西冷戦の時代、その時代を象徴化するかのような映画がまったく同じ年1964年に製作された。「未知への飛行」とこの映画だ。1962年に起こったキューバ危機は、米ソ両国の核ミサイルが乱れ飛ぶ一触即発の危機だった。そうした緊迫の情勢から生まれた映画なのである。
まじめに正攻法にその緊迫感を表現したシドニー・ルメットといわゆるブラックコメディとして皮肉ったキューブリックの優劣を決める必要はないが、「未知への飛行」を知らないままで来た私は、ずっと好きな怖い映画だった。
一人三役をこなしたピーター・セラーズ、映画館で見たときは三役だとはまったく気がつかなかった。
ESPERANZAさん [映画館(字幕)] 8点(2012-05-10 06:28:17)(良:1票)
282.《ネタバレ》  キューブリック監督の映画に共通するのはホラーだと思います
この世に存在するあらゆる恐怖を背景に人間性との紙一重な部分を表現する天才だと思います
私がこの映画を初めて見たのは学生の頃でしたが、わざとあり得ないような人物設定をする事で、現実に潜む人間の狂気をより克明に映し出しているような気がします
最初に書かれている「軍はこのような(中略)保証する」の注釈が、その兵器を開発し世界中のあらゆる国に存在している事実を前に、言い換えるなら、航空会社が「我々の飛行機は決して事故を起こさない」とアナウンスしているのと同じような説得力があり、この映画の主題(ホラー)であると思います
 その他のセンスが光る滑稽とも言える劇中のユーモアは恐怖をより際立たせて煽り抜群の構成です
Dr.Strangeloveの「総統、私は歩けます Mein Führer! I can walk!」という台詞は、総統は死すとも新しい総統がいつの時代にも現れ、殺戮や暴力、支配と欲に満ちた世界が形成されようとして、新しい総統の元で前総統の理想としていた世界をお手伝いする事が出来、身体障害者のふりをやめて、再び歩き出せるという意味だと思います(私個人はナチを心の底から軽蔑しています)
 ところで最後の水爆が全て爆発し、Vera Lynnの歌声が響き始めると、あまりの清々しさにこのような美しい世界の終わりも悪くないなと思わされ、まさにキューブリック氏の魔法にやられてしまっている自分を発見し、映画至上屈指のホラー映画監督を賞賛せずにいられません
pswさん [ビデオ(字幕)] 10点(2010-12-24 12:54:56)(良:1票)
281.《ネタバレ》 この年代にこんな切り口で風刺。まさにキューブリックにしか作れない映画。
皆さんお書きのようにピーター・セラーズの3役には全く気づきませんでした。
声質まで変えて・・凄い。
かなりドギツイブラックジョーク映画だし、みんな言ってることがメチャクチャなんだけど、絶妙に現実感があるのが恐ろしい。

会議中に愛人の秘書と電話で話しちゃう将軍や、ミサイルに乗って落ちて行っちゃうコング、兵士たちと上層部の疎通が全く取れてないところなど、とにかく戦争を痛快に、そして悪趣味にバカにしまくってる。

でも実際戦争なんて、本当に数人のキ○ガイが発端になっているんじゃないかと思う。
ラストは・・・立っちゃったね(笑)
おーるさん [DVD(字幕)] 9点(2009-07-19 02:39:16)(良:1票)
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《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 300人
平均点数 7.69点
000.00%
120.67%
241.33%
341.33%
493.00%
5217.00%
6237.67%
74715.67%
88327.67%
95618.67%
105117.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.82点 Review34人
2 ストーリー評価 8.46点 Review30人
3 鑑賞後の後味 8.18点 Review33人
4 音楽評価 8.26点 Review26人
5 感泣評価 4.80点 Review10人
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【アカデミー賞 情報】

1964年 37回
作品賞 候補(ノミネート) 
主演男優賞ピーター・セラーズ候補(ノミネート) 
監督賞スタンリー・キューブリック候補(ノミネート) 
脚色賞ピーター・ジョージ候補(ノミネート) 
脚色賞テリー・サザーン候補(ノミネート) 
脚色賞スタンリー・キューブリック候補(ノミネート) 

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