俺たちに明日はないのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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俺たちに明日はない

[オレタチニアスハナイ]
(ボニーとクライド 俺たちに明日はない)
BONNIE AND CLYDE
1967年上映時間:112分
平均点:7.21 / 10(Review 222人) (点数分布表示)
公開開始日(1968-02-24)
ドラマ犯罪もの青春もの実話ものロマンスロードムービー
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2022-05-08)【イニシャルK】さん
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監督アーサー・ペン
キャストウォーレン・ベイティ(男優)クライド・バロウ
フェイ・ダナウェイ(女優)ボニー・パーカー
ジーン・ハックマン(男優)バック・バロウ
エステル・パーソンズ(女優)ブランチ
マイケル・J・ポラード(男優)C・W・モス
ジーン・ワイルダー(男優)ユージン・グリザード
野沢那智クライド・バロウ(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
内田夕夜クライド・バロウ(日本語吹き替え版【WОWОW追加録音】)
平井道子ボニー・パーカー(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
小林優子ボニー・パーカー(日本語吹き替え版【WОWОW追加録音】)
大平透バック・バロウ(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
福田信昭バック・バロウ(日本語吹き替え版【WОWОW追加録音】)
渡辺美佐〔声優〕ブランチ(日本語吹き替え版【WОWОW追加録音】)
大木民夫フランク・ヘイマー(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
野田圭一ユージン・グリザード(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
清川元夢(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
渡辺典子【声優】(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
北村弘一(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
今西正男(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
矢田稔(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
たてかべ和也(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
緑川稔(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
神谷明(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
仲木隆司(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
槐柳二(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
石森達幸(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
加藤正之(日本語吹き替え版【テレビ朝日】)
脚本ロバート・ベントン
デヴィッド・ニューマン[脚本]
ロバート・タウン(ノンクレジット)
撮影バーネット・ガフィ
製作ウォーレン・ベイティ
配給ワーナー・ブラザース
美術ディーン・タヴォウラリス(美術監督)
ウェイン・フィッツジェラルド(タイトル・デザイン〔ノンクレジット〕)
衣装セアドラ・ヴァン・ランクル
編集デデ・アレン
スタントモーガン・フェアチャイルド(ノンクレジット)
その他ロバート・タウン(スペシャル・コンサルタント)
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【クチコミ・感想】

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222.《ネタバレ》 私の最も嫌いな映画のひとつ。最初に見た時は、本当に途中で気分が悪くなった。それでも評価の高い本作品を理解しようと、DVDを借りて何回か見たし、最後には購入しても見た。都合4・5回は見ているだろう、途中まで見たり途中から見た回数も入れるとゆうに10回は超えている。それでもなお私の評価は変わらない。
ボニーとクライドの二人、出会いからすでにいい加減である。銀行強盗であることを信じさせるために、銀行強盗をやって見せ、それについて行く軽薄な女。平気で他人の車を盗み、他人(銀行所有)の家をぶっこわす。銀行が差し押さえるのはひどすぎるというが、理由はあるはず、しかしそれにはふれようともしない。
押し入った食料品で危ない目に遭うと、「食い物をもらいに行っただけなのに、俺を殺そうとしやがった、ひどい奴だ」と悪態をつく。そしてついに殺人、それも新しく加わった仲間のせいにしてしまう、どこまでも自分勝手で、他人のことはお構いなしだ。
こういった悪列非道が延々と続く中、自分たちの新聞記事を見てあざ笑い、偶然出会した警備隊長は捕まえて写真を撮ってまたあざ笑う。
しかし粋がっていたのはここまでで、後半は追いつめられ、ただ逃げ回り、銃を乱射する狂乱ぶり。こうなると先は見えている。他人の命を粗末にする奴は、自分の命さえ粗末にするのだ。どこまでも悪いのは社会だ、不景気のせいだ、俺たちは悪くないという信念だけは消え去らず、哀れな運命をたどる。
これは実在した凶悪犯の話だが、それを映画化して何になるのだろう? 若者の無軌道ぶりを助長するばかり。
この映画が作られた頃、米国はベトナム戦争の最中にあり、日本の大学紛争へと飛び火した。方や静かに整然とデモする反戦グループ、方や暴徒化する過激グループと別れていったのだが、この映画の若者たちはまさに浅間山荘事件、暴徒化した過激グループと重なってくる。反体制と言えば格好いいが、自分勝手、無軌道、卑劣きわまる。どうして肯定できようか。
ESPERANZAさん [ビデオ(字幕)] 1点(2011-02-05 14:52:52)(良:2票)(笑:4票)
221.《ネタバレ》 実在した伝説的犯罪者カップル・ボニー&クライドを題材にしたものですが、警察側の方が悪役のように憎々しく演じていることからもかなり美化されているでしょうし、あくまで犯罪劇ではなく二人の奇妙で強い繋がりに焦点を当てた作品なので実話としての伝記的要素は薄いですが一本の虚構の映画としてはなかなか素晴らしいです。 特筆すべきは最初と最後のシーン。冒頭のフェイ・ダナウェイのあのエロティックさ!本作を観るまで私の中ではおばさんのフェイ・ダナウェイのイメージしかなく、こんなにも美しいとは驚きでした(逆に失礼?)。そして鳥篭から救い出しに来たようなクライドとボニーとの出会いが良い。窓から覗いていた裸のダナウェイが急ぎ服を着ながら階段を転げ落ちるようにビーティのもとへ向かう姿は運命を感じさせます。そしてラストの壮絶な絶命シーンの前に二人が見つめ合い一瞬だけ見せる微笑み。ダナウェイの表情は始めのアンニュイなものとは対照的に大事なものを手にしたように生き生きとして充足感に満ちています。全編に流れる当時アメリカの不況社会、ボニー視点で見ればクライドは白馬に乗った王子様であり、彼に不能という設定を加えることで二人の絆を純愛とし神聖なカップルとして描いたファンタジーでもあると思います。
ミスター・グレイさん [DVD(字幕)] 9点(2007-10-19 18:33:18)(良:3票)
220.《ネタバレ》 ボニーとクライドが撃たれる前に一瞬見つめあう、あの1秒にも満たないカットとあの表情が、この映画のすべてを物語っているようにも思えた。
この1秒にも満たない一瞬のシーンがあることによって、この映画に対する評価が個人的にずいぶん変わったと思う。
あの表情に二人の人生が凝縮されている気がした。
心身ともに休まることがない荒れた逃亡生活で、母親にも満足に会う事もできず、最愛の母親からも見放されてしまっている。
この世界に足を踏み入れなければ、退屈かもしれないが平凡でも幸せな一生を送れたかもしれない。
クライドが初めて殺人を犯したときに、今すぐ俺と別れろと言われたこともあり、なんどかクライドと離れる機会もあったかもしれない。
それでもこのような生き方を選んだことに対して、まったく後悔をしていない、むしろ、ボニーとクライドの二人はお互いに感謝の気持ちが溢れているよう表情に思えた。
あの一瞬のシーンによって、前のストーリーの全てが活きてくる。そんな素晴らしい演出は見事としかいいようがない。
六本木ソルジャーさん [DVD(字幕)] 8点(2004-02-23 23:36:14)(良:3票)
219.《ネタバレ》 ボニー&クライド物はフリッツ・ラングの「暗黒街の弾痕」の方が粋で好きなのだが、アーサー・ペンのこの作品も大好きだ。
街でバッタリ会ったボニーとクライドが次から次へと銀行を襲っては逃げ、そして滅んでいく様を描く。
実際に起きた連続強盗事件を元に描くが、前科のあるクライドはカタギでやっていくには辛い身の上であり、何よりも銃を片手に強盗に興じる日々に充実感を得ていた。
そんな時に出会ったボニー。
彼女は退屈な毎日から抜けるため、クライドの危険な日々に惹かれてしまう。
ボニーはホームシックになりながらもクライドを愛し、クライドもそんなボニーを元気づけながら硬い絆を結んでいく。
後半から登場する運転手のC・W・モス、クラウドの兄貴バック、兄貴のヒステリーな妻ブランチ。デコボコな3人が加わり益々騒がしくなる面々。
同時に滅びの足音も静かに聞こえて来る。
直接的な性描写をせずに、キスと事後の所作だけを描いた点が良い。
匂わせるだけで二人が互いを受け入れた事がよく解るのが凄い。
ボニー&クライド一味はワイルドバンチ強盗団の如き八面六臂の大暴れ。
何処に行ってもトラブル続きの毎日。
死を覚悟するような日も稀になってくる。
俺たちは何処で何を間違えたのか。
俺たちに明日はあるのか、ないのか。
ボニーの母親たちとの別れ。もう二度と会えないとも知らずに・・・。
ラストは強烈な光景だが、妙な静けさが画面を包んでいく。
因果応報な幕引きではあるが、世の中に縛られずに好き勝手に生き、好き勝手に死んでいった者たちの無言の哀しさが伝わって来る。
罪を犯してきた二人は、真っ赤なリンゴに祈りをささげる。
一つのリンゴを互いにかじり「あの世に行っても結ばれような」という願掛けか。
車に残ったボニー、外に降りてしまったクライド。
史実では二人っきりで車ごと、映画で離れた瞬間に二人の運命は決してしまう。
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-11-27 21:33:20)(良:2票)
218.《ネタバレ》 強盗を繰り返した末に銃弾を浴びて死ぬ二人組。ほぼ同時期に製作された某作と同じです。実話が元になっている点でも同じで途中までは興味深く観られたんだけど、最終的な見応えはかなり違いました。アチラにはペーソスを覚えたけど、コチラは特に何も感じません。どこが違うのか。アチラは絶体絶命の状況にありながらオーストラリア(だったかな?)に次の夢を抱く。コチラは初めて男女の関係になった二人が自分たちの「更生」に夢を抱く。つまり「志」の方向性の違いです。「明日に向かって」と「明日はない」の違いと言っても良い。悪党とはいえ、一貫した生き様を覚えるアチラに対し、コチラにはコンセプトなど無かったことが良く分かる。マイノリティーな性向と欲求不満のはけ口で強盗殺人をやってた訳ですな。例えば、妻夫木が演じた悪人には共感できても、このストレートな悪人に共感するのは無理です。
製作後、半世紀近くを経ての鑑賞でした。リアルタイムで観ていれば(って、当時は幼稚園児だけど)違った意見を持ったのかも知れませんが、今の自分には価値を見い出せない作品でした。「タワーリング・インフェルノのおばちゃん」というイメージだったフェイ・ダナウェイが可愛く映ったことだけが収穫かな。
アンドレ・タカシさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-06-29 01:48:11)(良:2票)
217.《ネタバレ》 映画史的な観点からはアメリカン・ニューシネマの最重要作であるが、現在のレベルで観てしまうと色々と稚拙な印象は拭えない。とは言え、当時としては考えられないほど過激な暴力描写とセックスの隠喩に満ちており、カウンターカルチャー真っ只中の60年代の若者たちから熱狂的に支持されたというのも頷ける。特にラストの「死のバレエ」の衝撃は今観ても色褪せることなく、その着弾効果の凄まじさは、後の『ゴッドファーザー』や『タクシードライバー』にも多大な影響を与えている。実際のボニーとクライドはとんでもない殺人狂で、警官と見るや容赦なく撃ち殺し、クライドはゲイ、ボニーは色情狂だったと言われる。映画化に際し、その辺りは相当美化されて描かれており(クライドは性的不能者で、殺される直前にボニーとはじめて結ばれる)、観客が彼らに感情移入できるよう配慮されている。配役としてはジーン・ハックマンやジーン・ワイルダー(映画初出演)が脇を固めており、C.W.モス役のマイケル・J・ポラードはマイケル・J・フォックスの芸名の「元」になったことでも有名。
フライボーイさん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2010-09-06 06:59:59)(良:2票)
216.《ネタバレ》 アメリカンニューシネマの傑作をこの時代に見る不幸を呪う。過去の名作には時代をおうごとにその斬新さの風化によって標準的な作品に堕するものがある――これもそうだろう。衝撃的な結末とやらも今日的な観点から見れば凡百の作品と同列に並べられてしまいその輝きを失う。刹那的な人物像や非人間的な行動も凡庸である。ニューシネマたる特徴は現在では新鮮さを失う。これは悲しむべく事実である。それでもフェイ・ダナウェイの魅力を分からしめたことと、主人公がインポであるという特異さ、バカップルを追いかけるシーンに爆笑したこと、そして何よりエポックメイクな作品に敬意を表し7点。 (ビデオ)
komatiさん 7点(2004-02-20 23:37:53)(良:2票)
215.《ネタバレ》  これが実話だというんだから、当時はすごい時代だったんですねぇ。
 今の時代だったら絶対無理だろーなー。こんな行き当たりばったりの強盗が成功しちゃうんだもんなー。
 この映画のこと、というよりかはボニーとクライドのことは、ちらほらと目や耳に入ってはいました。ずっと気になっていて、今回意を決して初鑑賞。鑑賞前は、クールな2人きりの強盗劇を想像していたのですが、そーでもなかったですね。
 もちろん、クールな側面もあるんですが、思っていたより二人とも感情的になるタイプ。享楽的に見えて、家族の事、未来のこと、なかなかちゃんと考えている。
 それにずっと2人きりで銀行強盗やりつづける物語かと思ったのですが、それも不正解。
 仲間ができる。兄夫婦。C,W.モス。なるほど、犯罪者家系でしたか。親の顔が見てみたい。
 この5人が一枚岩ならよかったのですが、兄の妻ブランチがとにかくうざい。そしてうるさい。この人がいるだけで不快指数が上がります。できればブランチこそ悲惨な死を遂げてほしかった。
 それにしても、銀行強盗を成功させている割には、あんまり裕福にはなっていないようで。
 大恐慌中だし、クライドも『しけてんなぁ』って言ってたくらいだし。銀行襲ったところでそんなに大金を手に入れられたわけではないのかなぁ。だとしたらハイリスクローリターンすぎますねぇ・・。
 後半は逃げてばかりでしたし、どんどん追い詰められていく様子が何とも痛ましい。
 まあ映画全体の印象としては、暗くなりすぎないためのポップな音楽。なんだか楽しそうな雰囲気。なんだかんだ言って仲間思い。そーゆーところは全部好きです。
たきたてさん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-09-04 00:42:58)(良:1票)
214.《ネタバレ》 -BONNIE AND CLYDE- “ボニーとクライド” 普通に名前を並べただけだけど、これだけで通じる辺り、ロミオとジュリエット並みに神格化されてたんだと思う。ボニー(女)が先に来ているのは、語呂の良さだろうか?
邦題の“俺たちに明日はない”は、かなり魅力的なタイトル。明日など無い。今日、いま、この瞬間を刹那的に生きた2人の生き様を見事に表現していると思う。

2人きりの犯罪者カップルだと思ったら、バロウ・ギャングというある意味身内で固めた犯罪者集団だったのは意外。
貧乏人からは金は取らないと、義賊的な活躍が神格化された原因かと思ったら、案外あっさり銀行員を撃ち殺したモンだから、これにもビックリ。ネットの時代なら盛大に手のひら返しをされてた可能性大。
新聞がメディアの中心だった時代、社会も彼らを過剰に持ち上げていたんだろう。実際の犯罪もあれば、疑わしい犯罪を彼らのせいにしたものもあったろう。

OPから斬新。無音にシャッター音(?)だけが響き、サブリミナル並みの速さで映されるモノクロ写真。フェイ・ダナウェイのセクシーな唇。見えそうで見えない裸。退屈な毎日から抜け出させてくれそうな運命的な出会い。銃を撫でる手のエロさ。突然始まる非日常。強盗してから名乗り合う2人。場違いにも思える陽気な音楽…この新しさは、当時相当ショッキングだったんじゃないかな。
ユージンを乗せてからの変な空気も面白い。本当にその日その場を楽しんでるというか、後先考えてないというか…

あの有名な射殺シーンから、無音の THE END の流れ。あそこでブツリと終わるのも“俺たちに明日はない”感がとても良く出ている。
ボニーとクライドが出会ってから、死ぬまでを描いた映画、それ以上でも以下でもないと言う意味で、-BONNIE AND CLYDE-も魅力的なタイトルだと思う。
撃たれる瞬間の、お互いの表情を交互に映すカメラも良い。
K&Kさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-07-07 22:58:07)(良:1票)
213. 凶悪犯罪を繰り返し、破滅に向かう男女の逃避行を描いたバイオレンス劇。アンチヒーローや反体制的、暴力的な表現等、この分野の先駆けとして後の映画に多大な影響を与えた。
 出演者も各々アクの強いキャラを演じており、特にF・ダナウエイの芝居は「いかにも」な感じの女性像を確立したと思う。ボニー&クライドの性格を基に人物設定した映画のなんと多いことよ。
 後にA・ペン監督は本作に対する自省を語っているが、いつか誰かがこのような表現をやるだろうと思えば、先駆者として評価したい。
 ボニーとクライドが蜂の巣にされるシーンは、それまでが二人のやりたい放題だっただけに因果応報で、観ている側は爽快感さえ覚える。悪党に対して寛大な雰囲気があるのは1930年代の大恐慌を背景にしているためだろう。凶悪犯を描きながらどこか滑稽味がある(音楽含め)。
風小僧さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-06-12 16:29:51)(良:1票)
212.《ネタバレ》 正直言って何の共感もわかないし、訴えようとしていることとか理念云々とか興味ありません。
ただ、作品として面白かったです。
陽気な泥棒から狂気じみた殺人者へと堕ちていく描写はスリリングでしたし、何といっても有名なラストシーンはゾクゾクしました。
甘っちょろい作品だと、撃たれた2人が最期に手を取り合って息絶える・・・なんてシーンになり勝ちですが、2人の亡骸すら映さない終わり方は意外や意外。
この割り切った終わり方に座布団一枚! 所詮は凶悪犯罪者なんだからこれくらい邪険に扱っていいと思いました。
午の若丸さん [DVD(字幕)] 7点(2013-05-05 23:02:21)(良:1票)
211.人間としての“何か”が明らかに欠損している情緒不安定な男と女が、出会い、滅茶苦茶に共に生き、そして共に死んでいく物語。 二人の主人公に対して、微塵も共感できない映画だった。「面白い」と感じられたかどうかも微妙だ。 でも、何だろうこの観終えた途端に生じた「興味」が尽きない感覚は……。

“ボニー&クライド”という強盗カップルの名称自体は知っていたが、この有名な映画が彼らが主人公の映画であるということを観る直前になって初めて知った。
原題(「BONNIE AND CLYDE」)知っていれば、そんなことは明らかだったろうが、「俺たちに明日はない」という邦題からは、西部劇の印象に近い古風なアクション映画のイメージを勝手に持ってしまっていて、そのことが長らく今作を敬遠してきた大きな理由だった。

だが、ある評論を読んでその認識があまりに大きな間違いだということを知った。
そして初鑑賞に至り、この作品が、現在の映画という娯楽を構築する紛れもない主軸である「暴力」というエンターテイメント性の“礎”となった映画であるということを思い知った。

もちろん、現代人である自分にとっては、この作品で映し出される“暴力性”に斬新さや革新的なものを直接感じることはなかった。
しかし、この映画が持つ“意気込み”みたいなものの異様さは、ひしひしと感じた。
フェイ・ダナウェイの淫靡な唇の大写しから始まり、踊り狂っているかのように無数の銃弾を受け続ける主人公らのラストシーンまで、映画の全編に渡り、公開当時に今作を目の当たりにした人々のあらゆる「動揺」が時空を超えて間接的に伝わってくるようだった。

貧困、抑圧、戦争、格差……あらゆる鬱積を抱えた1967年という時代において、この映画が与えた影響力はいかなるものだったのか。その本質は、その時代に生き、本当の意味で“観たことがない映画”としてこの映画を観た人々にしか分かるまい。
そういうことを味わうことが出来ないのは、非常に悔しい。

ただし、現在もまた幾重にも折り重なった鬱積を世界中が抱えている時代である。
現在における「俺たちに明日がない」が新たに生まれ出ることを渇望せずにはいられない。
鉄腕麗人さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2012-06-10 17:38:18)(良:1票)
210.アメリカン・ニューシネマの先駆けとして、本作が当時の映画ファンに与えた影響は凄まじいものだったであろう。 
タブーへのチャレンジがこれでもかと繰り返される。セックスの隠喩、過激なバイオレンス描写、犯罪者(アウトロー)をカッコ良く描き、警官(権力)を悪役のように描くなど。あらゆるものへの反抗精神が随所に見られる。

ただ、当時はかなり刺激的な作品だったのだろうけれど、さすがに今見ると「普通に面白い映画」という感じ。「ニューシネマの代表作」ということを念頭に置いて、その歴史的価値を噛み締めて見るべき映画だと思う。

ボニー役のフェイ・ダナウェイが凄くハマっていた。それに対し、ウォーレン・ビーティがどうも全く悪人に見えない、というかクライドという役を美化し過ぎているように感じてしまった。まあ、あまりにもリアルな悪人を描くと観客が全く感情移入できなくなるから仕方なかったのかもしれないが。
やたら喚きまくるブランチに終始イライラ・・でもイライラさせられるって事は、それだけ役になり切った素晴らしい演技をしていたという事なのだろう。 

暴力的でありながらも、美しく儚い有名なラストシーンは、この映画に相応しい最高のラスト。この映画が当時、生まれるべくして生まれたものであるということを物語っている。作品の内容においても、製作者の心情においても、本作は紛れも無い「青春映画」と言えるのではないだろうか。
おーるさん [DVD(字幕)] 7点(2010-09-11 14:39:07)(良:1票)
209.《ネタバレ》 昔洋画劇場で見ていますが、最後以外は覚えていません。というわけで初見と変わらないと思いますが、案外よかった。どの程度事実に即しているのかわかりませんが、とりあえずこの映画での主人公二人は、けっこう「普通の若者」として描かれています。有名な強盗にしては、最初はドジだったり、予想外に人を殺すことになって動揺したりと、悪い面は薄められているようです。その一方で、冗談を言ったり互いを気遣ったりと、恋人同士であることを印象づける描写が多かったと思います。また、二人が強盗を成功させて「有名」になっていく過程は、台詞で説明されているだけ。強盗する場面自体、それほど多くはありません。要するに、二人の青春物語であるという面が強調されているようですし、そのような映画であると思って見ると、若者らしい言動に共感を覚えたりします。最後ばかりが有名ですが、実はそこに至るまでの関係を丁寧に描いていることがよくわかりました。そちらの方に引き込まれます。
そう思ってしまうのも、主演の二人が素晴らしいからでしょう。ウォーレン・ベイティがこんなに二枚目で格好いいとは思わなかったし、フェイ・ダナウェイの美しさはいまさら言うまでもなく。ハックマン以下の共演者も、曲者ぞろいで魅力的。
アングロファイルさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-11-09 21:45:59)(良:1票)
208.《ネタバレ》 初鑑賞の時はまだ子供で、「不能」がよく解らなかったこと、ラストで正に息を呑み、心臓がバクバクして眠れなかった記憶がある。さて、もう少し大きくなってから実話ものであること、そして衝撃のラストも事実に基づくこと、クライドが不能なのはフィクション(実際はバイセクシャル)とを知った。そこでまず感じたのが反感「実在の犯罪者、しかも強盗殺人という重い罪を繰り返した犯罪者をこんなにスタイリッシュに描いていいのか?!」、そして恐怖「あの蜂の巣にされるのが実話なんて・・・」。が、反感の方は大恐慌と禁酒法の暗い世相から、うっぷんを晴らすようなボニー&クライドが、凶悪犯罪者にも関わらず、義賊的に扱う支持者が多かったのもまた事実と知り、色々考えさせられてしまった。そういう事実があったなら、あの描き方でいいのかもしれないけど、やっぱり美化してるような…ここんとこの結論は出ない。なんかもやもやしたままだ。「クライドが不能」ってフィクションは中々に上手いんじゃないだろうか。犯罪そのものが2人を繋いでいたことがより強調される。それから衝撃のラスト…蜂の巣にされたってのは事実なんだから何を言っても仕方ないが、あれが今でも怖くて怖くて仕方ないのは私だけ?何が怖いって生け捕りにせず、公開処刑(見せしめ?)よろしくあれを実行したアメリカって国が怖いというのもあるが、そんな理屈を抜きにしても単に怖いのよ。銃弾飛び交うアクションなんか、腐るほど観てるのに…。万人に強い印象を残す、という意味で衝撃の実話をそのまま持ってきたのは映画としてコレクトなんだろうけど、あのラストがかっこいいように言われてるのが(そしてそれを意図して作ってるように思えるのが)、なんかどうもね。エステル・パーソンズのアカデミー賞受賞演技は流石。生存していた本人が怒ったらしいけど。私としては評価の難しい映画なのだが、点はとりあえず「印象度」で高めにしておく。
あっかっかさん [地上波(吹替)] 7点(2009-03-06 13:09:53)(良:1票)
207.軽い感じの音楽と、徐々に破滅に向かっていくシリアスな内容とのアンバランスさが面白おかしかったです。
ちゃじじさん [DVD(字幕)] 5点(2007-12-29 18:46:25)(良:1票)
206.《ネタバレ》 銀行強盗を始めた頃は世界を征服したような気分になったり,「仕事は銀行強盗」と自慢げに名乗ったりしていたものの,母に拒絶(というのはちょっと言い過ぎかもしれませんが)されたり警察に追われたりする日々の果てに,自分たちが世界を征服したわけでも何でもなく,徐々に居場所がこの世界からなくなっていっていることに気づくボニーが素晴らしかったです。二人がどんなに悪事を犯そうと結局は無力な存在であることが,終盤の映画全体から伝わる虚無感,そして呆気ないラストが哀しいほど象徴しているような気がしました。ラストが少々読めてしまったこと,ウォレン・ビーティのルックスが個人的には受け付けなかったのが残念でしたが。
Thankyouさん [ビデオ(字幕)] 10点(2007-07-01 23:09:05)(良:1票)
205.《ネタバレ》 前半はユーモアを織りまぜたりボニーのファッションが素敵だったりで、このまま犯罪をかっこよくファッショナブルに描いていくのかなーと思っていたんですが…、後半の悲惨さがすごかった。ボニーとクライドが愛し合ってるのがとてもよく伝わったので、その分余計に切なくて痛かった。ふたりがほかの形で出会ってたらなあなどとちょっと単純に感情移入してしまいました。
クリロさん 8点(2004-06-15 02:38:59)(良:1票)
204.実在のギャングを、まるで民話のように、哀惜さえ込めて描いているところにアメリカという国の不思議さ、不可解さを感じる。ラストの壮絶さは言うまでもないが、その直前ボニーが車の中でリンゴを齧る場面で、ああ聖書だな、アダムとイブを下敷きにしてるんだなとわかった。禁断の木の実を齧ったために楽園を追われた男女にダブらせてるところに、やはりキリスト教の匂いがある。青春映画として秀逸。ラストの銃弾の雨は、好き勝手にマシンガンをオモチャ代わりに、「自由」に生きてきた2人への教会の祝福の鐘の音だという、どなたかの指摘は鋭い!考えても見なかったよ。あの凄まじいラストで2人は真に結ばれたということなんだな。そんな2人への祝福であり、同時に罰でもある。「おめでとう!」と笑いながら「でもやったことは、やったことだ」という刑の宣告でもある。日本の御伽噺にも残酷な話が多いけど、それと共通する質感があるなと思った。優しく諭すように語りながら、その奥に怖く厳しい戒めを含んでいる。本当の自由なんてものがあるとしたら、それはこういう最後と引き換えにするべきものなんだという厳しくニヒルな教訓だ。
ひろみつさん 8点(2004-01-02 23:54:08)(良:1票)
203.世に「アメリカン・ニューシネマ」という言葉を登場させたという意味では文字通り歴史に残る作品。ケチな小悪党のクライドに飛び着いて行かざるを得ないほど、退屈し切ったボニーのけだるい眼差しが良い。独立小資本による低予算、スター不在、アンチ・ハッピーエンドの作品がハリウッドの大作志向に一石を投じたという点は評価できるが、残念ながらこの映画により突破口を開かれたニューシネマの後続作品からこれを上回る傑作が続出したために作品そのものの価値は埋もれてしまった。この作品がアメリカン・ニューシネマという一つのムーヴメントに果たした役割はあまりにも大きいが、アンチ・ハッピーエンドがそれほど衝撃的な珍しさを誇らなくなった現代においては、いささかストーリーの陳腐さは否定できない。実際には大女優シャーリー・マクレーンを姉に持つウォーレン・ビーティが道楽で撮ったままアメリカ国内ではほとんど葬り去られようとしていたところが、ヌーベル・バーグの下地を持つヨーロッパの観客の目にたまたま止まったにすぎないのがこの作品。初めの一歩、という意味では確かにエライが、実は不運にも埋もれてしまっただけでこの作品の代わりになる物はいくらでもあったんじゃないだろうか、と思う時がよくある。たとえばロジャー・コーマン&フレンズの当時の作品など。そうやって考えると、「普通に面白い」という以上の価値をこの作品に見出すことは案外難しく思えて来たりする。かの有名な「死のダンス」は、女優フェイ・ダナウェイの底力を見せつけられるという意味で一見の価値があるとは言えるのだが。
anemoneさん 7点(2003-12-05 01:50:03)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 222人
平均点数 7.21点
000.00%
110.45%
231.35%
300.00%
494.05%
5156.76%
63917.57%
76428.83%
83515.77%
94018.02%
10167.21%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.41点 Review17人
2 ストーリー評価 7.94点 Review18人
3 鑑賞後の後味 7.66点 Review18人
4 音楽評価 7.66点 Review12人
5 感泣評価 8.85点 Review7人
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【アカデミー賞 情報】

1967年 40回
作品賞 候補(ノミネート) 
主演男優賞ウォーレン・ベイティ候補(ノミネート) 
主演女優賞フェイ・ダナウェイ候補(ノミネート) 
助演男優賞ジーン・ハックマン候補(ノミネート) 
助演男優賞マイケル・J・ポラード候補(ノミネート) 
助演女優賞エステル・パーソンズ受賞 
監督賞アーサー・ペン候補(ノミネート) 
脚本賞ロバート・ベントン候補(ノミネート) 
脚本賞デヴィッド・ニューマン[脚本]候補(ノミネート) 
撮影賞バーネット・ガフィ受賞 
衣装デザイン賞セアドラ・ヴァン・ランクル候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

1967年 25回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
主演女優賞(ドラマ部門)フェイ・ダナウェイ候補(ノミネート) 
主演男優賞(ドラマ部門)ウォーレン・ベイティ候補(ノミネート) 
助演男優賞マイケル・J・ポラード候補(ノミネート) 
監督賞アーサー・ペン候補(ノミネート) 
脚本賞ロバート・ベントン候補(ノミネート) 
脚本賞デヴィッド・ニューマン[脚本]候補(ノミネート) 

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