時をかける少女(2006)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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時をかける少女(2006)

[トキヲカケルショウジョ]
The Girl Who Leapt Through Time
2006年上映時間:98分
平均点:7.24 / 10(Review 272人) (点数分布表示)
公開開始日(2006-07-15)
SFラブストーリーアニメ青春もの学園もの小説の映画化
新規登録(2006-07-27)【十人】さん
タイトル情報更新(2023-04-14)【イニシャルK】さん
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監督細田守
仲里依紗紺野真琴
石田卓也〔俳優〕間宮千昭
板倉光隆津田功介
垣内彩未早川友梨
谷村美月藤谷果穂
関戸優希紺野美雪
立木文彦福島先生
山本圭子坂のおばさん
反田孝幸加藤
松田洋治高瀬宋次郎
中村正[声優]老守衛
原沙知絵芳山和子
相沢恵子
原作筒井康隆「時をかける少女」(角川文庫刊)
脚本奥寺佐渡子
音楽吉田潔[音楽]
美野春樹(ピアノ演奏)
岡田こずえ(音楽プロデューサー)
ポニーキャニオン(オリジナルサウンドトラック)
作詞奥華子「ガーネット」 「変わらないもの」
作曲奥華子「ガーネット」 「変わらないもの」
編曲佐藤準「ガーネット」 「変わらないもの」
主題歌奥華子「ガーネット」
挿入曲奥華子「変わらないもの」
撮影旭プロダクション
製作川島晴男
川崎代治
角川書店(「時をかける少女」製作委員会)
ハピネット・ピクチャーズ(「時をかける少女」製作委員会)
角川映画(「時をかける少女」製作委員会)
製作総指揮角川歴彦
企画丸山正雄
制作マッドハウス(アニメーション制作)
配給角川映画
作画貞本義行(キャラクターデザイン)
石浜真史(作画監督)
名倉靖博(作画監督補佐)
高橋英樹[作画](原画)
長谷川眞也(原画)
荒木哲郎(マスコットデザイン)
久保田誓(作画監督)
今井一暁(原画)
山下高明(原画)
青山浩行(作画監督)
中鶴勝祥(原画)
亀井幹太(原画)
平田敏夫
美術山本二三(美術監督)
鎌田千賀子(色彩設計)
小倉宏昌(背景)
平田秀一(背景)
男鹿和雄(背景)
加藤浩[美術](背景)
編集西山茂
録音東京テレビセンター(整音スタジオ)
その他IMAGICA(デジタル&フィルムラボ)
あらすじ
性格はアクティブだけど、ごくふっつーの高校生、紺野真琴。いつも通りに二度寝して、いつも通りに学校まで自転車でダッシュ。普通の生活、普通の暮らし。だけどその日は気付いたら歯車が狂っていた。ある瞬間に時間が戻ってしまったのだ。自分のタイムリープ能力を発見した彼女は一日前の世界に戻って、妹に食われてしまったプリンを先制奪取し…古典的SF小説の別解釈版。気持ちいいほどにバカで無計画な、かつてないタイムトラベラーがここに誕生。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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272.《ネタバレ》 タイムリープの方法を理解した真琴が、初めて意識してそれを使ったシーン。前転ゴロゴロ。言い訳は「転んだ」。で、カラオケ10時間連続熱唱。このアホさ加減に思わず噴きました。そして同時に心を掴まれたのが分かりました。予想通り、それからはもう可笑しくて、切なくて。オッサンの自分が真琴に感情移入しまくりでした。さて物語の解釈について。いつものように勝手に想像(創造)させてもらいます。(当然の事実だったらゴメンナサイ。また誤読の場合もご容赦ください。)ハッキリしているのは、千昭が未来人だということ。そして未来は荒廃していること。彼が現代に来た理由は1枚の絵を観るためだと言う。そこで疑問。何故彼は絵の存在を知っていたのか。千昭は言っています。絵の存在が確認されているのは、「この時代、この場所、この季節だけ」だと。現時点で歴史的価値の無い絵が、これから有名になることは有り得ません。“しょうしつ”は消失ではなく焼失。彼が絵の存在を知るには、その絵を知る人(思い入れのある人)から伝え聞く以外に方法がありません。別れの場面、千昭は真琴に何故あんな注意をしたのでしょう。まるでこの先、彼女が飛び出して事故に遭うのを知っているかのような。それに何故キスをしなかったのか?ラブストーリーなら別れのキスは欠かせない。「未来で待ってる」とはどういうこと?この全ての疑問を満足させる答えは一つ。それは“千昭は真琴の血縁”。それも相当に近いはず。真琴あるいは芳山和子の子供か孫と推測します。母(祖母)の昔話で聞いた絵。それは“かつての世界の終わり”に描かれた希望の光。どうしても観たくて千昭はタイムリープしてきた。現代社会の終焉もそう遠い先の話ではないことになります。「未来で待ってる」は、「将来俺を誕生させて欲しい」ということ。そして今観られなかった絵を、未来で俺に見せてくれという意味。真琴は答えます。「すぐ行く。走って行く」と。彼女は知っている。誰よりも信じられる。未来は変えられることを。彼女はこれから起こる悲劇を、ただ待っている女の子ではありません。自分で行動するはずです。世界を変えるために。千昭との約束を守るために。“待ってられない未来がある。”そう、未来は誰もがすぐ手の届くところにある。(2008.7.19一部内容修正)
目隠シストさん [地上波(邦画)] 10点(2007-07-24 17:50:02)(良:8票)
271.この映画を見てない人に説明するときに、「女子高生がタイムリープしちゃう話」と
どうしても言ってしまうのだけど、よく考えると、タイムリープはどちらかというとどうでもいい要素だと思った。
この話におけるタイムリープは、高校三年生の夏の、入道雲や、中庭の木漏れ日や、教室の机の擦れる音や、むせ返るような運動場の匂いや、告白できなかった思い出や、野球のボールがグローブに入る感触なんかを思い出すための舞台装置に過ぎない。それらは、僕らが失ってしまって、もう二度と手に入ることのない、永遠に届かないところにある思い出で、だからこそ心の奥に大切にしまってある思い出である。この映画は、そんな夏の思い出を、ひと時だけ思い出させてくれる。それはとても懐かしく、心地よいことだけど、同時にどこかちくりと痛い。戻れない痛みと、淡い後悔の痛み。
主人公は劇中、気持ちいいほどずっと駆けている。確かにあの頃は今よりずっと駆けていたような気がする。
コダマさん [映画館(字幕)] 8点(2006-11-19 01:05:12)(良:7票)
270.《ネタバレ》 人は一生の内、一体どれくらいの出会いと別れを経験するのだろう。
その中には、好きだった人や大事な人とも否応無く別れがやってくる事だってある。
「又、連絡する」「手紙書くよ」。ひょっとしたら最後かもしれないと思いつつも、ほんの少しの“希望”を込めて最後の言葉を交わす。
「未来で待ってる」。この言葉には“(絵を)待ってる”と“(君を)待ってる”の2つの意味に取る事が出来るが、前者はいいとしても後者に関しては叶うことは最早難しく、永遠の別れとなるあの場面では似つかわしくない。
とすれば、恋心が芽生えていた2人にとってこれほど儚く、ある意味残酷な別れの言葉は無いだろう。
なのに真琴(と観客である僕)にとってあの一言があれほど前向きで、希望に満ちた言葉に聞こえたのは何故だろう。
“別れの言葉”とはある意味、2人だけが共有する「約束」である。2人がその「約束」を大事に想い、信じる事が出来ればそれが実現するかどうかはそれほど意味が無いのかもしれない。
おそらく真琴はこれからの人生の内、何度も「約束」を思い出し、優しさや勇気を貰いながら前を向いて走っていくのだろう。“恋をする”とは、相手だけではなくその時代や空気、そして恋をした自分をも好きになる事だと思うから。
 ― 良い映画を見せて貰えた。ビデオを含めれば数多くの映画を見続けてきたがこれだけ心が揺り動かされたのは何時以来だろう。公開すら知らない人が多いのが残念だけれども、今の邦画界においての最高級の作品が、たまたま手垢にまみれたタイトルでありアニメであったというだけだ。注目度がほとんど無い事はこの映画の責任ではないし、それがこの映画の評価と繋がることもない。それは見た人が一番よく分かっていると思う。
よねQさん [映画館(邦画)] 10点(2006-07-29 07:00:40)(良:6票)
269.《ネタバレ》 過去を変えたいなんて後悔するだけ無駄。今という時もずっと続くなんてあり得ない。現在や過去に捕らわれていないで、「未来で待ってる」まだ見ぬ何かに向かって走れ。そんなメッセージだと個人的には解釈。
もう戻らない過去へのやるせない寂しさを感じさせつつ、未来に向かって「時をかける少女」の話の始まりを告げるエンドタイトルはまさに白眉。こんな名作を、CMで切り刻まれた地上波で、しかも晩飯片手に初見してしまった自分に後悔。出来れば映画館で…おっと、後悔はしないんだった。今からDVDを借りに走ろう。
Mum,theSanChrysさん [地上波(邦画)] 9点(2007-07-22 21:15:00)(良:3票)(笑:2票)
268.《ネタバレ》 あの原田知世の、かなり個性的な映画をアニメにすると聞いたときは、どんなものになるのか恐ろしかった。でも、タイトルは同じですが、ストーリーもテーマも全く違う作品です。こちらの方が良い作品に仕上がってると思います。
まずなにより、ロボットが出なくても、爆発シーンがなくても、ここまで見応えのあるアニメが作られたことに感心します。絵的な見どころは真琴の表情の豊かさでしょう。アニメならではの誇張とデフォルメを存分に使って、飽きない主人公を作り出しています。アニメとしてはギネスブック級に特筆してあげたい感情表現です。
次に、原田知世版はタイムリープによって喪失する映画でしたが、こちらは獲得する映画になっています。あの軽薄で安直なタイムリープの繰り返し。誰もが勿体ないと思う。でも、その行動の結果として真琴は「私は馬鹿だ」と号泣の反省をします。そして「待ち合わせに遅刻してきた人を走って迎えに行く」という直情行動型の性格に、他者の想いを思案する精神的な成長が加わりました。若さの特権とは、失敗から学ぶのであれば、大目に見てもらえる余地があることです。この映画のストーリーはその理屈のまんまです。そのシンプルで潔い流れがあの格別の爽やかさを生んでいるのだと思います。
最後に「未来で待ってる」の解釈。未来へ戻った千昭は未来時間で歳を重ねます。その千昭が例えば10年後に、真琴時間の10年後を目指してタイムリープすれば、二人の時間は再び重なります。それも「未来で待ってる」と言えますよね…。
アンドレ・タカシさん [CS・衛星(邦画)] 9点(2009-04-01 00:06:28)(良:4票)
267.なんだよ”タイムリープって”!!!そんな言葉ねえよ!この造語にムカつく!!"
オエッ!!バカなガキじゃあるめーしよーー!!!この作品のすべてが不気味でならない。未熟な、残酷な、器量の狭さ、アタマのわるさ、を痛烈に感じる。なにが言いたいかというと、”踏み切りで電車に轢かれたふたりの絵”を強烈に想像させる。得体の知れない終末観。
しかし、なかなか面白いハナシでは、ある。 追記。今日、有名ジャーナリストのエッセイを読んでて、”ある言葉にこだわる。好き嫌いを持つ”ということが非常に恥ずかしいことだなあ、と思い知った。というのは、言葉なんて世界にゴマンとあり、また非常に流動的なものなのだ。自嘲する。
男ザンパノさん [映画館(字幕)] 7点(2007-07-14 23:09:51)(良:1票)(笑:3票)
266.《ネタバレ》 今の記憶を持ったまま昨日に戻れたらいいのに、なんて考えたことは誰しもあるはず。そういった湿っぽい後悔の念を何重にも塗り重ねて生きてきた自分のような人間にとっては、タイムリープは夢のような力に思える。そのためか、どっぷり感情移入して観てしまった。

序盤で主人公の真琴が力を利用して好き勝手する姿はとてもうらやましかった。だけどそう上手くは行かないだろう、と構えていると、案の定真琴もまたツケを払うはめになる。取り返しのつかない失敗、後々になっても自分を責め続ける、精神の負債を背負わされてしまう。ところが最後の最後に千載一遇のチャンスが巡ってきて、真琴は幸運にもそれを振り切ることに成功する。

どうにもならない別れだってあったし、けっして傷のない結末とはいえないはずなのに、この見終えたあとの爽快感ときたらどうだろう。真琴の向く方向が過去から未来へと切替ると同時に、タイトルの意味もまた反転し、胸の奥が透き通るような真っ白な気持ちだけが残る。「前向き」なんて言葉じゃ足りないほどの、未来への圧倒的な肯定感。ぽんぽん跳ね回る元気な主人公に背中を押されたような気がした。

また、あらゆるものが夏の色をしている映像もすごくいい。一枚一枚の画がしっかりと、しかもさりげなく構築されている。あと、これは説明してもあんまり伝わらないかもしれないけれど、真琴がベッドに寝転んで電灯を真下から見るショット、個人的には妙に感激した。とても何気ない画ではあるけれども、普通は映像に起こそうなんて思いつかない。ほんとうにやわらかな感受性で丁寧に日々を送っている人でなければ、ああいう画は描けないんじゃないだろうか。

タイムリープというSF的なアイディアを用いて、誰にでも覚えがあるような胸の痛みを鮮やかに浮かび上がらせる。タイムスリップものの小説で、ハインラインの『夏への扉』というこれまた爽やかな名作があるけれども、それに並べても遜色のない素晴らしい作品だったと思う(※原作は未読なのでわかりませんが)。
no oneさん [DVD(邦画)] 9点(2007-06-22 01:21:30)(良:4票)
265.《ネタバレ》 原作タイトル「時をかける少女」の「かける」は「翔ける」のか「駆ける」のかはたまた「架ける」のか?って解釈は色々できそうですが、今回は見事に「駆けて、翔ける」で勝負に出ました。巻き込まれるように受動的に時をかけていた芳山和子さんと違い、今度のヒロイン真琴は積極的に時を翔けてゆきます。最初はひたすらいたずらに浪費しますが(プリンのために何度も、なんて・・・)、やがて大切なものを守るため、貴重な時間を守るため・・・。若さ、青春、恋、そういう気恥ずかしさを覚えるキーワードが、もう真っ直ぐに突っ走ってスクリーンに叩きつけられ、一度だけの若い日々の時間を大切にしようね、ってメッセージがなんの抵抗もなくストレートに素直に爽やかに、こちらに入ってきます。作画、声、美術、音楽、そして演出の、なんて見事なハーモニー。アニメならではのスピード感と表現の豊かさに溢れ、コミカルで弾んでてパワフルで、そして別離のあとのラストシーンすらもキーワードになっている無限の空を見上げてあくまで前向き。大林監督版のしっとりとした切ない物語とは、同じ原作を起点にしながら全く違った世界になっているのですが(唯一、実験室に入る1カットだけが、大林監督版とそっくりだったりして、オマージュ?って思いました)、私の中で「安易に他を認めてたまるか」くらいに神格化された大林監督版を凌駕してしまうくらいに大好きな映画になりました。最近不幸な生い立ちのアニメ映画を何本か見たので、見事に幸福な成立の仕方をしているこの作品を見て、心が浄化されるようですらありました。
あにやん‍🌈さん [映画館(邦画)] 10点(2006-08-07 00:05:10)(良:4票)
264.『バタフライ・エフェクト』を先に観たせいか、オチとかに非常に物足りなさを感じてしまった。後半はいいけど前半の軽いノリが嫌だし、声優は素人らしく下手で最悪。あと『バタフライ~』と違い、主人公がくだらないことで過去に戻る事(カラオケや遅刻など)が多すぎて興ざめしたし、絵も雑で見てて疲れる。それと主人公も含め登場人物に全く魅力が無い!これは痛い・・・とにかく過剰評価されてる映画。何故、賞がこの程度で取れるのか?疑問である。
ピルグリムさん [ビデオ(吹替)] 2点(2007-08-07 23:28:22)(良:2票)(笑:1票)
263.《ネタバレ》 期待しすぎたのか、今一でした。青空が綺麗だったり、主人公もいい感じなんですが、どうも感情移入できなくて、ただ坦々と観てました。いくつか納得できなかった事もあります。とりあえず、3つ程。 1.千昭は真琴が好きなのに、友梨に告白されて付き合っちゃう事。真琴に避けられてたから?もしそんなんで気持ちが変わるような軽薄野郎に「未来で待ってる」なんて言われてもね。 2.「未来で待ってる」って台詞。何年先かも分からないのに、真琴を待たすなんて。時間は大切。特に若い頃はなおさらなのでは?それを束縛しちゃうなんて。 3.真琴が千昭の事が好きなんだって気付く表現が弱い。最後のタイムリープ中の回想で、千昭の事が好きなんだっていうのを表現したんだと思うけど、千昭の転校当初と3人の回想だけで、その描写が無い。千昭と真琴、2人だけの回想があったほうがいいのでは?
なますてさん [DVD(邦画)] 5点(2007-07-12 18:11:44)(良:3票)
262.《ネタバレ》 ここのレビューとぴあでの高評価につられ、リアルタイムで見なければ悔いが残ると思い、家族総出で鑑賞。甘酸っぱくて、せつなくて、見た甲斐があった。みなさん、どうもありがとう。「どこが良かった?」と娘に聞くと、「真琴がタイムリープの時、うおぉーっていうところ」。教育的効果はあっただろうか?
ジャッカルの目さん [映画館(邦画)] 8点(2007-01-13 15:58:48)(笑:3票)
261.漠然と変わらないと思っていたものは脆く、些細な変化でさえ世界を変える。
自身の行動も世界を変える力を持つ。
可能性は目の前に数多広がり、全ては行動を契機とする。

世界を、自身を肯定し、行動する勇気をくれる作品です。
カラバ侯爵さん [映画館(邦画)] 10点(2006-12-26 15:45:15)(良:3票)
260.《ネタバレ》 オリジナルとは全く別物だけど、これはこれで単なるアニメの枠を遥かに超えた青春映画の秀作だと思います。・・・実は、自分はオリジナル大林宣彦=原田知世バージョンについて、過剰な程MAX最大級クラスの思い入れがある人間なので、ちょっとでもアラを見つけたら酷評するつもりで満員立ち見御礼、都内唯一の封切り館「新宿テアトル」にて鑑賞してきました。でもそんな自分の姑息な思いなど吹っ飛んでしまう位、原作のテーマを損なわず、しかもオリジナルのファンをも失望させない素晴らしい仕上がりになってましたね。最大の勝因は新ヒロインをいまどきの「ポシティブシンキング」な少女に設定し直した点だと思います。原作(←わりかし幼稚)ともオリジナル(←可憐だが受動的)とも異なる、全く新しいヒロイン像の創造、これに尽きます!思えばオリジナル公開当時でもすでにアナクロニズムに近かった、芳山和子という少女、あのヒロインは尾道という一種ユートピア的舞台設定と原田知世という稀有なる透明感の女優を得た事よって辛くも成り立っていた人物でした。それを20余年経た今、同じ性格の女の子を主役にするっていうのはやはり到底無理が有る。監督も脚本家も頭良いです!「未来で待ってる」や「前向いて走れ!」とかツボにはまる台詞も多数。シーンの合間に挿入される、学校の何気ない日常風景にも癒されます。唯一の減点は、真夏の日差しの様にキラキラ輝く彼等の聖三角関係が、オッサンに片足突っ込んでいる自分にはまぶしすぎ、軽い疎外感というかジェラシーを感じてしまったから。主人公と同年代の方で、今この映画に出会えた方が本当に羨ましいです。自分もそろそろ原田知世という女優さんを「時かけ」=「芳山君」という呪縛から解放してあげなければいけないよなあ・・・。
放浪紳士チャーリーさん [映画館(邦画)] 8点(2006-08-04 17:55:10)(良:3票)
259.《ネタバレ》  23年前の大林版を見たときはまだ中学生だった。郡内でたった一つの映画館(今はもう無くなってしまった)の夏休み作品だ。確か、薬師丸ひろ子の作品と併映だった気がするが、記憶に残っているのは時をかける少女の方だった。感動とときめきを覚えながら鑑賞した記憶がある。
 そして、大人と言うよりおじさんになりつつある今、アニメ化されると言うことで、期待しつつも冷めた目で見てしまうのかな、と心配しながら劇場に向かった。
 心配は杞憂だった。目の前に現れたフィルムは自分を23年前のような純粋な気持ちに「タイムリープ」させてくれたと思う。
 前半大笑いしつつ、フィルムの中の世界が動くにつれて切なさがあふれてくる。主人公である真琴の揺れる気持ちや劇中の世界から帰りたくなくなったという千昭の想いが大きく伝わるにつれ、観ている自分まで泣きそうになってきた。大林版は未来から来た「彼」(ケン・ソゴル、本作では千昭)が未来に去るとき、ヒロインたちの記憶を消し去っていくのだが、本作はそのまま。だからこそ、よけいに切なく感じるのかもしれない。
 見終わった後に、生きている今の時間を愛おしむ感情を抱かせてくれた、希有な作品だ。40年前に書かれた原作の良さを活かしつつ、今の時代にうまくアレンジしたスタッフの力量はすばらしいの一言に尽きる。

 残念なのは、大作の陰に隠れて観賞できる場所が極端に少ないこと。時間がかかっても良いから、日本中で見て欲しい作品だ。映画館からの帰り、最近増刷された原作を手に入れた。田舎の本棚には残っているはずだが、そのころを思い出しながら、読み返してみよう。
追記・・・レイトショーでかかっているところを偶然見かけて衝動見をしてしまいました。そこで意外な発見。背景に使われている品物や企業名って、普通「偽名」を使うケースが多い中、この作品では大部分が実名。きっと1件1件許可とって回ったんだろーなー。そんな中、俺の会社も実名で・・・。美術スタッフのこだわりと仕事ぶりに敬意を表して加点させてください。
ばびぃさん [映画館(邦画)] 10点(2006-07-30 22:24:17)(良:3票)
258.《ネタバレ》 [2012.10.27改訂]
アニメヒロインっぽい元気な女の子の青春物語。終盤には“時かけ”の通例どおり切ない別れが待っている。
別れの場面では、千昭が「未来で待ってる」と告げ、真琴が「走って行く」と応えていたが、実際は千昭のいる未来と現在との間には絶望的な懸隔があり(原作の27世紀という設定を採用)、これが永遠の別れになるのだろう。しかしどれほど遠くても、現在とはいわば地続きの未来であり、時の向こうに間違いなく千昭はいる。真琴はもう自分自身で時間を超えていくことはできないが、はるか未来で待つ千昭のために、あの絵を残すことならできるはずである。そのためにいま何をすべきなのか、終盤で夏雲を見上げた真琴は心に決めていたに違いない。
この映画での「時をかける」とは、原作や他の時かけ映画のような、単なるタイムトラベルの言い換えではない。何の特殊能力もない女の子が、ただ時間に流されるのでなく、自分の意志と力で能動的に未来へ向かって行動しようとする姿を示している。そう思えばこそ、終幕であらためて表示されるタイトルに深い感動を覚えるのである。
なお劇中で真琴が魔女おばさんに持って行った手土産のケーキは、都内の実在の洋菓子店(エンドロールに出る)で調達したものだったが、その店名の”à tes souhaits!”という言葉を真琴に贈りたい(同店公式サイトに意味が書いてある)。

ところでこの映画では、時間というものの性質についてかなり柔軟な見方をしているらしい。他の時間モノでは、定められた時間の流れを寸分たりとも変えてはならないなどという厳しい制約がかけられている場合もあるが、この映画では同じ時間を何度も経験すれば全く違う展開が生じており、そのことで一人の人間がもつ無限の可能性が示されていた。また途中で“シュレディンガーの猫”が登場していたが(静止画)、別の場面でも一時点で複数の可能性が並存していて、フタを開けてみなければ確定しないという状況が描かれていた(功介の態度)。
“未来は変えられる”とか“やってみなければわからない”というのは、言葉にすれば当たり前のことだが、年を取るとどうしても未来の自由度が狭まるので、そもそも自分はこういう運命だったと考えて納得してしまうことが多くなる。自分にはもう無理であっても、せめて若い世代には、その当たり前のことをもっともっと言っていきたい気がしている。
かっぱ堰さん [DVD(邦画)] 10点(2012-01-21 21:22:05)(良:2票)
257.《ネタバレ》 【タイムリープ(TL)】設定は女子高生が後ろ向きに倒れて過去に戻る映画「タイムリープ」に酷似。胡桃でチャージ、腕に度数表示、記憶は保持。他人がTLした場合、度数はそれに応じて戻り、記憶は失う。真琴が事故で偶然にTLしたのが最初。跳躍で実行。どの過去に戻るかは跳躍距離による。胡桃は未来から千昭が持ってきた。千昭は度数ゼロでも時を止める能力も持つ。未来へも行ける。TLすると「自分の得」が「他人の損」となり反映。真琴の事故が、功介と後輩の事故へ転換するなど。【千昭】この時代でしか存在しない絵を見るためにきた。「川が地面に流れているのを初めて見た」「こんなに人が沢山いる所を初めて見た」「この時代好きだよ、野球もあるし」荒廃した未来を暗示。過去の住人にTLの存在を知らせた罪で姿を消す。【おば】TLを容認。経験あるという。絵を修復。彼女の写真の隣にラベンダー。原作の主人公芳山和子であることを暗示。【恋愛】千昭が真琴に告白。真琴は戸惑ってTL。千昭を避けるが、千昭が友梨と付き合うと、千昭のことを好きだったことを知る。最後のTL後、再告白を期待するが期待外れ。未来での再会を約束。【感想】先ず背景画が美しいのに感心。二度と戻ることの出来ない青春の一頁。過去に戻る力を手に入れても、結局過去は取り戻せない。恋愛に無垢な女子高生真琴のオバカぶりはとても面白い。走りっぷり、泣きっぷりが弾けていた。人の心を踏みにじることはもうしないと決意するも「お前TLしてるだろ」と言われ思わずTL、結果度数ゼロ。プラスされたTLを千昭のために使ったのは偉い。絵は何百年も昔の大戦争と飢饉の時代、世界が終ろうとしていた時代の菩薩像。絵を見るためだけに危険を冒してやってきたロマンティストとガラの悪い茶髪少年の間にギャップがある。彼が去ると、級友からぼろくそに噂されていた。千昭は未来に戻れなくなる犠牲を払って功介達の命を救ったが、代わりに誰かが事故に遭う筈。千昭は「未来で待ってる」というが、違う時代の人とは会えない。真琴は「やりたいことが見つかった、それは秘密」と話すが、何か?再会を早めることだとして、何をする?それとも絵を未来に伝えるとか、荒廃しない未来を作ることか。尚遮断機に自転車が突っ込んでもスルーして飛びません。ブレークが効かないのだから。いじめられっ子の最終形を見たかった。
よしのぶさん [DVD(邦画)] 7点(2010-06-20 19:05:32)(良:1票)(笑:1票)
256.《ネタバレ》 レビュー全て読ませていただきました。非常に評価が高く、好意的な意見が多い中
申し上げにくいのですが、正直自分はこの作品、登場人物に感情移入できず、あまり楽しめませんでした。
まず一番に主人公の元気さ、純粋ではあるが、かなり自己中心的な所が生理的にうけいれられず、
どうしても駄目でした。もう少し普通で控えめな主人公でこの作品を観たかった。チアキのセリフにしても、自分で自分の顔を悪くないとかいう所が相当ひきました。正直気持ち悪い、自分で言うなよと・・。あとこの映画の一つの大きなテーマである恋愛に関して、好きという気持ちが
全く伝わってきません。超純粋であるはずの10代の恋にしては、好きな人がいても他の異性から
言い寄れれたら付き合ったり、告白を無かったことにしたり、純粋な「好き」を感じられませんでした
もう少し、好きになる過程やエピソード、理由などを織り交ぜたほうが、良かったと思います。
まあ批判ばかり書きましたが、自分は「時をかける少女」の事を全く無知の状態で、ただタイトルに惹かれ鑑賞しました。もっと過去・現在・未来を行き来するスケール感のある作品を勝手に想像した為、身近な内容に落胆があったのかも知れません。
N.Y.L.Lさん [地上波(邦画)] 4点(2009-10-02 15:51:24)(良:2票)
255.木洩れ日や室内の陰りなど、光と影の“照明”が丁寧になされていて、平板な人物たちがそれで救われた。リセット願望というか、やり直し願望というか、なかったことにしたい願望、そういうものは若者よりも中年以上の世代のほうが強くあるんだけど、年とると深刻になっちゃうから、さわやかな話にならない。こういうテーマでさわやかにキュンとなれる主人公も、若者の特権なのか。タイムリープするにも、かなり体力が要りそうで、若くなければできそうもない。悔しい。停められない時間・魔の時の始まりを告げる商店街の自動人形時計の凶々しさなんかよかった。アニメとは動く画のはずだが、停止した時間も描けたのだ。停止した世界をゆっくり移動で捉えるシーンが美しい。それがあって走り続けるヒロインの場も生きてくる。映画ならではの反復の楽しみもいっぱい。それにしても、「遅刻しちゃ~う」と階段を駆け降り、朝食もそこそこに飛び出していく女の子で始まるドラマを、人はいったい一生のうちに何十本目にするのだろうか。
なんのかんのさん [DVD(邦画)] 6点(2009-03-06 12:15:07)(良:1票)(笑:1票)
254.《ネタバレ》 良い映画ですが。
平均的高校生軽率度の真琴ゆえの映画なのですが。
もう、ほんの少し賢い主人公が、もう、ほんの少し「ウン」と納得させてくれるストーリー展開してくれる映画だったら、と思うとこの採点です。
ボロミさん [地上波(邦画)] 5点(2008-07-28 17:24:10)(良:2票)
253.映画館で公開すぐに観たんですけど今さらレビュー。そしてアニメ初レビュー。この映画の「タイムリープ」は、それを行う者がある過去の一時点の自分と入れ替わるというもので、タイムマシンで移動した場合とちがって自らを他者?として見かけることがありません。そして意識はタイムリープ前と継続性があります。それまで居た世界は意識以外はリセットされ、新しい世界が進行するわけです(やり直しがきくこの世界で倫理は存在しないのでは?。たいしたことしない真琴はバカというより超人。)。とはいえ、脳内現象というわけではないので世界は物質的に存在し、その偶然性は支配できません。この世は思うようには行きません。まあ、こういう設定かな?・・・・と思って観ていたのですが、鑑賞後思いました。そんなSF設定なんてどうでもいい。これはいいかげんで青臭い、まさに青春映画だと。悠久の時を刻む世界の中でちっぽけな個人が行う人生の選択、個人の意思や想い。そのかけがえのなさ、大いなる可能性を本作は描いています。月並みでこっぱずかしい表現ですが、一度きりの人生における青春の一瞬の輝きの眩しさが身に染みて感じられました。それで私はOKです。
しったか偽善者さん [映画館(邦画)] 8点(2008-06-17 01:53:34)(良:2票)
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【点数情報】

Review人数 272人
平均点数 7.24点
000.00%
110.37%
220.74%
331.10%
4145.15%
52810.29%
63111.40%
76724.63%
85620.59%
94315.81%
10279.93%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.38点 Review39人
2 ストーリー評価 7.86点 Review59人
3 鑑賞後の後味 8.18点 Review60人
4 音楽評価 7.70点 Review50人
5 感泣評価 6.98点 Review52人
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