Love Letter(1995)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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Love Letter(1995)

[ラブレター]
1995年上映時間:117分
平均点:7.41 / 10(Review 180人) (点数分布表示)
公開開始日(1995-03-25)
ドラマラブストーリーミステリー青春もの学園ものロマンス
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2018-11-07)【イニシャルK】さん
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監督岩井俊二
助監督行定勲
キャスト中山美穂(女優)渡辺博子/藤井樹
豊川悦司(男優)秋葉茂
酒井美紀(女優)少女・藤井樹
柏原崇(男優)少年・藤井樹
加賀まりこ(女優)藤井安代
范文雀(女優)藤井晶子
鈴木蘭々(女優)及川早苗
塩見三省(男優)梶親父
田口トモロヲ(男優)藤井慎吉
光石研(男優)阿部粕
鈴木慶一(男優)藤井精一
神戸浩(男優)治夫
中村久美(女優)浜口先生
酒井敏也(男優)運転手
後藤直樹(男優)大友
徳井優(男優)男A
山崎一(男優)学年主任
武藤寿美(女優)看護婦
脚本岩井俊二
音楽REMEDIOS
キングレコード(オリジナルサウンドトラック)
撮影篠田昇
北信康(撮影助手)
福本淳(撮影助手)
製作村上光一
フジテレビ
アスミック・エース
ROBOT(製作協力)
プロデューサー長澤雅彦
松下千秋(エグゼクティブ・プロデューサー)
阿部秀司〔製作〕(エグゼクティブ・プロデューサー)
河井真也(協力プロデューサー)
掛須秀一(ポストプロデューサー)
配給日本ヘラルド
アスミック・エース
美術須坂文昭(美術助手)
編集岩井俊二
今井剛(編集助手)
小島俊彦(AVIDエンジニア)
照明中村裕樹
中須岳士(照明助手)
その他IMAGICA(現像)
あらすじ
山で遭難死した恋人・藤井樹の3回忌の日に、渡辺博子(中井美穂)は藤井の実家で見せられた中学の卒業アルバムに藤井が小樽に住んでいた頃の住所を見つけて、いるはずのない相手に手紙を出す。「お元気ですか。私は元気です」。数日後博子は「藤井樹」から返事を受け取ることになる。
ネタバレは禁止していませんので
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【クチコミ・感想】

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180.《ネタバレ》 岩井俊二がマンガ家だったら、あだち充になっていたと思います。少女マンガ的なストーリーを破綻する直前で食い止め、情感に落すところなんてソックリです。死者への想いを縦軸に進む本作は「タッチ」に似ています。あちらはスポーツの動感で抹香臭さを払拭したが、こちらは雪景色の世界観で払拭しています。ストーリーやキャラの配置は違っても、同じ起源を持つ作品と感じます。タイトルの「Love Letter」は、時間を隔てて♂樹と知り合った二人の女性の文通であり、愛を告白するラブレターではありません。しかし、婚約者を亡くした女性は過去の彼を知ることで自分に向けられていた親愛を再確認し、同級生だった女性は過去の彼を綴ることで、彼の想いと自分の淡い恋心にも気付きます。ストレートな愛が文面には無くとも「愛情が伝わる」という意味で、それは確かに「Love Letter」でした。手紙という小道具を器用に使い、文面から始まる世界をここまで彩る手腕は岩井俊二の真骨頂でしょう。大したものだと思います。製作年度の1995年あたりを境に、手紙は急速にメールに取って代わられることになる。製作タイミングも絶妙でした。今となっては、手紙自体への郷愁を覚えます。
アンドレ・タカシさん [ビデオ(邦画)] 8点(2011-01-01 14:33:53)(良:5票)
179.数年ぶりに「Love Letter」を観て、映画の中の登場人物たちと同様に、記憶が揺り動かされながら、幾度目かの感動に包み込まれた。

中山美穂が一人二役を演じるこの映画は、彼女が演じる二人の女性、渡辺博子と藤井樹が主人公である。
数年ぶりの鑑賞で、この二人の主人公の存在感と、ストーリーにおけるバランスが奇跡的なまでに絶妙であることを改めて感じ入った。

「拝啓、藤井樹様。お元気ですか? 私は元気です。」

という主人公(渡辺博子)が亡き婚約者に送った手紙の一節は、そのままクライマックス(トヨエツが言うところの“いっちゃんええとこ”)におけるエモーショナルな感情表現として使用される。
彼女は、届くはずのなかった手紙のやりとりを通じ、それをきっかけとして、ようやく塞ぎ込まれていた自らの感情を吐露し、解放することができたのだ。

そのクライマックスまでの大筋だけを表面的に捉えると、この映画の主人公は渡辺博子に見えるだろう。
だが、そこに藤井樹というもうひとりの女性の人生と記憶が重なってくることで、この映画はまさに奇跡的な物語を紡ぎ出す。

わけの分からぬ手紙を受け取ったことから、主人公(藤井樹)は、遠い記憶の中の或る男子の眼差しと、自らの人生における「死」にまつわる思い出に再会する。
徐々に蘇っていく記憶は、光となり、熱となり、痛みとなり、彼女を覆い尽くす。

失った大切な人物の記憶を辿る物語から、失ったことすら気付いていなかった記憶を取り戻す物語が、連なり、並走する妙。
普遍的な「死」と、奇跡的な「邂逅」が織りなすその物語は、25年という年月を越えて変わらず僕を包み込んだ。

今の時代に、このストーリーを紡ぎ直そうとも、成立しない要素は多い。
卒業アルバムの住所録も、図書室の貸出カードも、インスタントカメラも、あるいは「手紙」すらも、過ぎ去りし時代に取り残されたエッセンスだろう。
ただ、だからこそ、この映画が描き出しているものはもはや永遠なのだろうと思う。

時の流れの中で埋もれていた記憶は、ふいに顔を出し、感情を揺さぶり、光り輝く。
僕にとってこの映画は、そういう「記憶」そのものだ。
鉄腕麗人さん [ビデオ(邦画)] 10点(2003-11-18 14:23:45)(良:5票)
178.脚本、音楽ともに素晴らしい。90年代以降の邦画では最高水準。「お元気ですか~」のセリフは韓国でも有名らしいですね。ただ、間違っても、「お」を抜いてはいけない。「元気ですかっ~~!!」ではアントニオ猪木になるので・・(笑)。
STYX21さん 8点(2004-02-26 23:46:00)(笑:4票)
177.《ネタバレ》  「Love Letter」というひとつのテーマにそって、さりげない伏線をさりげなく回収し続ける手法は、美しすぎる映像とあいまってこの作品をひとつの芸術にまで高めているような気がします。
 この作品では、ラブレターはさまざまな様式をとっているんですね。それは文面であり、声であり、図書カードでした。
 どんな姿であっても、大切な気持ちを大切な人へ届けるとき、それはすべてラブレターであるというわかりやすいメッセージがとても心地よく胸に響きます。
 山で声に出して亡き恋人へ送る「お元気ですか。私は元気です。」の形なき手紙も、少年樹が少女樹へ宛てた図書カードも、それはそれは素晴らしいラブレターでした。
 不器用でシャイだった少年樹にとって、好きな人に想いを伝えるなんてことは並大抵の気持ちではできないでしょう。あの図書カードを渡すのがきっと精一杯だったんでしょうね。ですが、残念ながら、その裏の絵を少女樹に見てもらうことはできなかった。そこでいったんは途切れてしまったはずのラブレターが、なんと渡辺博子からの天国にいる樹へ宛てた手紙によって、ついに大人になった少女樹のもとへ届いてしまうというラストは最早奇跡。
 現実世界ではまず起こりえないような感動的なエピソードを創ってしまえちゃうってのは、映画の大きな魅力ですよね。
たきたてさん [DVD(字幕)] 8点(2013-06-23 15:02:15)(良:3票)
176.《ネタバレ》 大好きだった頃の酒井美紀が出ているだけで、もう嬉しいわけで、この頃がやっぱり一番透明感があって、瞳が綺麗で可愛かった。
松井秀喜と付き合ってから、瞳がくすみ、顔にブツブツができた。
だから、この頃の、白線流しより更に以前の酒井美紀が、何といっても魅力的!
ラストシーン近く、柏原崇が「ご愁傷様です」と言ったことに対し、微笑んでみせる酒井美紀の可愛らしさと透明感ときたら、たまらない。
彼女のファンだったあの頃の自分を想い出す。


さて内容だが、似顔絵が裏に描いてある図書カードで中山美穂が涙するラストシーンが無かったら、多分、自分にとっては駄作の一言で終わらせてしまったであろう作品。

何がひどいって、まず豊川悦司。
彼の話す関西弁がとても気色が悪く、生理的に受け付けなかった。
豊川悦司が出ていなければ、もっと好きになれたかもしれない作品。

それと、中山美穂が一人二役をやっているのもダメ。
いくら映画とは言え、似ている設定だからといって、同じ役者が演じるのは、どうもなぁ。
おかげで、素敵な恋愛ドラマではなく、ファンタジーのような現実離れした話に感じてしまった。
異なる人間設定だとしても、同じ役者がお互いに文通をやりあうという流れが、自分のこの映画に対する感情移入を邪魔した。

それと、岩井俊二の書く脚本と台詞が、これまた肌に合わず。
狙いすぎの感が大有りの台詞、そしてあざとい演出の数々。
臭くて観てられない。
音楽も大げさ。

だけど~、やっぱり、あのラストシーンは良い。
悔しいけど、良いなぁ。
にじばぶさん [ビデオ(邦画)] 4点(2011-04-09 23:07:42)(良:2票)
175.《ネタバレ》 意外に(って言っちゃ失礼だけど)よかったわ。 中学時代のいろんなエピソードは、ほんとに懐かしいっていうか微笑ましいっていうか、なんだかこの監督さんって「そうそう、こんなことあったわよねー」みたいなネタがたくさんある人なのね。 大人になるとそういうのってたいてい忘れちゃうもんだけど…この監督さんって人一倍感受性が強い方なのかしら? でもアタシは見終わったあと、なんだかちょっと複雑だったわ。 だってあの図書カードの裏の似顔絵で、藤井樹(男)が渡辺博子に初対面で付き合ってくれって言ったのは藤井樹(女)に似てたから、って可能性が強くなったわけでしょ? 博子は樹(男)が死んでからもずっとふっきれないでいるってのに、彼は博子が初恋の人に似てたから付き合ってたなんて…もちろんそれだけの理由とは限らないんだけど、穿った見方をすればそうとれなくもないから…なんだかやるせないわね。 今を生きつつ過去を振り返って懐かしんでるだけの樹(女)にしてみれば、そりゃ甘酸っぱい初恋の思い出でいいかもしれないけど、いまだに過去から抜け出せない博子にとっては…。 ってことで「懐かしくって温かい映画だったわー」では終われなかったわ、アタシは。 …博子が早く樹(男)のことをふっきれるよう祈りましょ。 ホホ。
梅桃さん [地上波(邦画)] 7点(2004-03-17 20:10:40)(良:2票)
174.序盤の藤井樹は誰だ?のくだりはどうでもいい。恥ずかしくなるような稚拙な純文学を読んでいるようだ。中山美穂とおかしな関西弁を駆使する豊川悦司の演技は当時ならよかったんだろうけど、今見ると寒いね。その後の過去を遡る回想シーンからは少し良くなるのだけど、それでもなんだろう全編通しての良い子のおとぎ話的な雰囲気がどうも馴染めなかった。中山美穂は映画に向いてないね。昔見たときはおもしろいと思ったんだけどなぁ。感性が老けたのか、物事の分別がつくようになったのか。岩井俊二って表現が陳腐だね。あとキャスティングがひどいね。あと風邪治るの遅過ぎ。
まことさん 3点(2004-02-15 11:24:12)(良:2票)
173.良い雰囲気の話ですが、同姓同名であるべき必然性と、一人二役であるべき必然性が分かりません。むしろそうでない方が、深みのある話になったはず。
Oliasさん [CS・衛星(邦画)] 5点(2004-02-14 23:05:12)(良:2票)
172.《ネタバレ》 「拝啓藤井樹様。お元気ですか?私は元気です」――。かつて恋人を山で失くし、失意の中に生きてきた神戸在住の女性、渡辺博子。彼の三回忌の法要に参列した彼女は、偶然目にした卒業アルバムで彼の当時の住所を知る。懐かしさから、博子は何げなくペンを手に取ると、彼に届くはずのない手紙を書くのだった。ポストに投函されたそれは、誰にも読まれることなく送り返されるはずだった。だが、手紙は何故か、北海道の小樽に住む彼と同姓同名の女性、藤井樹の元へと届けられる。「拝啓渡辺博子様。私は元気です。でもちょっと風邪気味です」――。ちょっとした悪戯心から樹はそう彼女に返信を書く。そうして何気なく始まった、見知らぬ者同士の文通。何度もやり取りされる中で、次第にそれは今はなき天国の彼の思い出を鮮やかに蘇らせるのだった。時を超えた二人の思い出はやがて、都会の片隅に小さな奇跡をもたらすことに……。映像作家、岩井俊二監督の長編映画デビュー作となる本作、今更ながら今回鑑賞してみました。結論を言います。素晴らしい作品でした。今まで観ていなかったことを激しく後悔。もう全編に渡って横溢する、このキラキラと光り輝くような豊かな詩情性に完全にやられました。白を基調とした美しい映像に一部の隙も無い完璧な構図、そして気品あふれるクラシカルな音楽ともはや魔法のような美しさにいつまでもずっと浸っていたいと思わずにはいられません。最初はあり得ないストーリー展開に戸惑わせつつも、真相が明らかになれば誰しも納得できるというこの考え抜かれた脚本も見事としか言いようがない。神戸と小樽で暮らすそっくりな風貌を持つ二人の女性、同姓同名のクラスメイト、肺炎で亡くなった父、本当は嫌いだった松田聖子の歌、暗い夜の駐輪場で自転車の淡い光に照らされた二人、誰も借りたことのないマイナーな本の貸出票に書かれた幾つもの彼女の名前、そして最後に彼が借りた『失われた時を求めて』に隠されていた秘密……。散りばめられた細かなエピソードの一つ一つに至るまで監督の才気が漲っていて、その完成度の高さには言葉を失ってしまいます。ただ一つ惜しいのは、豊川悦司の関西弁がいまいち嵌まっていなかったことぐらい。それ以外は、この洗練された美しさに今さらながら脱帽。若き岩井俊二の豊かな才能が完全に開花した、聞きしに勝る傑作でありました。
かたゆきさん [DVD(字幕)] 9点(2020-02-19 20:41:23)(良:1票)
171.《ネタバレ》 以前から一度観たかった作品。中学時代の酒井美紀、柏原崇が初々しくて良いですね。互いが気になる存在になのに、(自分自身にも)気づかないフリをしている二人。
光あふれる白いカーテンの舞う図書室、賑やか&静寂な木造校舎、自転車置き場など学生時代を思い出して懐かしい気持ちに。

この時代の中山美穂はショートヘアも似合っていて魅力的。こういうさらっとした、いい女風でない役の方(モテ役だとしても)が中山美穂は向いている気がします。

山に向かって叫ぶ「お元気ですかー」に冷めた引いたという感想も少なくないようですが、亡くなった人へ気持ちをぶつけるのってハタから見たら、きっと滑稽なものなんでしょう。でもその滑稽さが逆にリアルだと私は思いました。

(最初のとっかかりは彼に手紙を出してみようという博子の思いつきでしたが)彼の好きだった二人の女性が、いたずらっ気のある彼に導かれ、徐々に穏やかに幸せな方向に進んでいくように感じました。
nina09さん [インターネット(字幕)] 8点(2016-05-17 20:20:37)(良:1票)
170.なにをどう勘違いしたのか失楽園みたいなもんをイメージしてしまってたんですが、とんでもなかった コミカルで楽しいものだった。
テレビドラマで慣れ親しんできたアイドル中山美穂。
月9の女王と言われてきた中山美穂。
その中山美穂を映画の世界で見るという不思議感。
中山美穂出演の映画を観るのは初めてでした。
(ビーバップハイスクールは除く)
でもそこに毎度おさわがせしますの頃のヤンチャな娘の面影はすでになく、素敵で聡明な女性になってゆかれたんだなということを感じました。彼女の二役、良かったと思います。その表情と静かさとそれでいて明るさを失わない素敵な笑顔とお澄まし顔がとても話を素敵なものにしていました。すごく楽しめた良いお話であったと思います。ツッコミ部分は他の方にお任せして 素直に良いお話でしたと言ってしまいたいと思います。
3737さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2013-12-29 23:53:46)(良:1票)
169.《ネタバレ》 もともと中山美穂という人に関心がなかったので、これほど魅力的に見える女優だったことにこの映画で初めて気づいた。とにかくきれいだし可愛い(若い!)が、同じ顔で二人の女性を演じ分けているのも素直に評価したい。ストーリーに関しても、手紙のやり取りを通じて男の思いが明らかになっていく(しかし書いている本人は気づかない)構成は巧みと思える。個人的には、学校を訪ねて写真を撮って、それから後輩と出会って…という一連の部分に特に愛着を覚える。

しかし一方、終始出る関西人の男はどうにもイラつくので、神戸のヒロインを素直に祝福してやっていいのかどうかが怪しく思える。ほか無駄にコミカルな場面が多いが笑えるわけでもなく単に不快であり、またロケ地と劇中の設定との関係がでたらめで(彼氏が死んだ山へ行くには余市駅で降りて歩くのか?)、最初から最後まで関係者全員が小樽にいたようにしか見えないのも変だ。周囲の風景がどうでも観客の方が頭を切り替えろというのでは無理がある。
それからストーリーも終わってみればいかにも作り物で、劇中の設定や出来事を全て製作上の思惑通り都合よく作り込んだようで鼻白むものがあり、その上に世間の常識や周辺社会や自然現象までをもねじ曲げるような強引さが感じられる。特に救急車の件については、そもそもが積雪寒冷地なのに窓にチラチラと雪がかかる程度の天候で、それも都市部で1時間かかるなどということは想像もできず、仮にそうだとすれば流しのタクシーなどいるはずもないだろう。その上、いつの間にか時間が40分以内とかいう問題にすり替えられてしまい、外気温が何度なのかといった考慮もなされないまま、吹雪の中で傘をさして走ったりする支離滅裂さはさすがに受忍の限度を超えている。一体どこまで観客に寛容さを求めようというのか。

そのようなことで、愛憎相半ばする映画、というのが正直な印象である。評判がいいのでベタ褒めしたかったのだがそうもいかない。難点を美点でカバーして不問に付すという状態にならなかったことからすれば、結果的にこの映画は性に合わなかったということになると思われる。
ただそれでも、ラストシーンに問答無用で泣かされてしまうのは悔しいが認めざるを得ない。これに免じて、評点は少しいい方にしておく。
かっぱ堰さん [DVD(邦画)] 7点(2013-07-15 18:48:54)(良:1票)
168.《ネタバレ》 ストーリーはご都合主義が気にかかる。
藤井樹ってありふれた名前でもないのに、同じクラスに同姓同名の男女という偶然。
そういうのは同じクラスにしないような配慮がされるものなのに、3年間も同じクラスに。
亡くなった藤井樹と恋人だった渡辺博子が、もう一人の藤井樹とうり二つ。
初恋の相手とそっくりな博子と出会ってまた好きになったとしても、ありえない設定。
乙女チックなメルヘンの奇跡を見せられているようで、なんだか気恥ずかしくてお尻がムズムズする。
でも、中山美穂が一番かわいかった頃。
映像美に加えて、中山美穂と酒井美紀の魅力ですべてが許されそう。

中山美穂が演じる二役だが、最初は渡辺博子がメインだと思っていたが、実は初恋物語の藤井樹のほうがメインだった。
ラブレターも博子が樹に宛てた手紙のことかと思っていたら、ラストの図書カードにもかかっていた。
図書カード遊びはいったい何が面白いのかと不自然に感じていたが、そのアイデアを使いたいがための前フリだったわけだ。
そうしたことをあざといと気になると、感動できなくなるのだろう。
飛鳥さん [ビデオ(邦画)] 5点(2013-06-09 02:17:59)(良:1票)
167.この映画を初めて観たのが今から10数年前の事でした。
映画を観終わった後、1シーン1シーン、台詞、音楽、そして映画の世界観が自分の心の中に入りこんでしまい、映画の事が頭から離れず、日常生活にも影響を与えてしまいました。今までの人生でそういう経験はこの映画が初めてです。この映画は全てが美しい。誰の心の中にでもある、甘酸っぱく切ない中学時代の恋愛感情。酒井美紀と柏原崇の演技に引き込まれ心の奥底の切なさとノスタルジーが混ざり合い、言葉では表せないほどの感情が込み上げてくる。今日、10数年ぶりにこの映画を観ました。自然と涙がこぼれました。ここ数年間涙を流した記憶はありまん。自分の中にまだこういった純粋な感情があったんだとこの映画は再確認させてくれました。この映画は、自分の人生の中で一番の映画です。
N.Y.L.Lさん [CS・衛星(邦画)] 10点(2011-03-08 09:57:41)(良:1票)
166.《ネタバレ》 彼が自分に一目惚れした理由が、「昔好きだった子に似てたから」ってことがわかってしまう・・・これ、私だったらかなりへこみます。だから、彼のお母さんに泣きながら似てるか聞いてたシーンが、一番切なかった。博子は、彼に自分の絵を描いてもらったことはあったのでしょうか。描いてもらえてなかったとしたら、博子は樹に完敗のような気がします。もし、樹と博子を別人が演じていたら、もっとドロドロした感情が湧き上がってきたかも。見ている側の「嫉妬心の感情移入」が、一人二役っていうマジックによって、あやふやなものにされてしまうのも、監督の計算なのでしょうか。
おおるいこるいさん [DVD(字幕)] 7点(2011-02-09 17:19:54)(良:1票)
165.《ネタバレ》 思い出をどうしても忘れられず、過去まで追いかける博子。忘れていたつもりでも次々と思い出が蘇ってくる樹♀。思い出というものはやっかいなもの。そんな心のゆれ動きを描いた作品。冒頭樹♀が雪に寝て息を止めていますが、その意味が分かった時じんと来ました。そういう伏線が多数。樹♂の部屋の絵と答案用紙の裏の落書きは、最後の図書カードの裏の絵への伏線。松田聖子の挿話は、本当は好きなのに嫌いと言ってしまう樹♂のシャイな性格を表し、秋葉たちが樹♂を思い出すときに歌います。樹♀は樹♂を好きでした。答案用紙交換の場面でわざと答え合わせをしたのは、二人でいられる時間を稼ぐため。樹♀も樹♂のことを気にしてます。陸上の場面でしっかりと樹♂を見てシャッターまで切ったのに、友達には見てないふり。花瓶を割った挿話からも明らか。樹♂が博子に一目ぼれしたのは初恋の人に似ていたから。樹♂の初恋のラブレター(図書カードの絵)は、その死後婚約者が天国に手紙を出したことが縁で届けられます。青春と恋はほろ苦く時に残酷です。風邪薬を送るのは非常識と思いましたが、天国に送っていたのですね。博子が山に叫ぶ「お元気ですか?私は元気です」これは最初の手紙の文面と同じ。思いが大きすぎて、それ以外の言葉が出ません。悲しさ、苦しさ、感謝、謝罪、怒り、別れなど様々な感情が渾然一体となってほとばしり出ました。繰り返すことでその思いがずしりと伝わります。秀逸な演出。樹♀の家の挿話も見事。朽ちる寸前の古い家は、古い思い出と重なります。じいは息子を亡くしたトラウマを抱え引越したくありません。樹♀の母はそのわだかまりがあるため引越したい。樹♀を病院に無事に届けたことで両者が和解し、トラウマが解消されます。博子のトラウマも天国へ声が届いたことにより(時間がかかるが)解消されることを暗示しています。樹♂が最後の手紙を出さないのは優しさからですね。樹♀と博子がすれ違う、樹♂がカーテンに隠れる、樹♀が焚火の煙と戯れる、自転車の明かりに映る二人など印象的な場面多数。露光オーバーのカメラワークがグッド。二人が似ていないと成立しない物語なので一人二役は納得。突っ込み:卒業していないのに卒業名簿?名簿に二人の名前があるのに気付かない?ワープロなのに手書きで届く?風邪長引きすぎ?あと、蘭々をふる場面で持ってた本がエクソシストには大笑い。
よしのぶさん [DVD(邦画)] 9点(2009-05-11 11:35:24)(良:1票)
164.懐古に浸るのって、後ずさりであるんだけど、過去を吹っ切って前に進むためにも必要なことなんだなと思いました。淡々と、しかしテンポ良く話が進んで、というか淡い映像で藤井樹の2人の思い出を綴っていくのは、監督の手法にただただ脱帽です。現在が雪の設定なのは、やがて溶けて春が来るということ、でベタだと思うんだけど、だがそれがいい。渡辺博子は樹の過去を知り、藤井樹もまた否定してきた樹への思いに気づいていく。未知と既知のやりとりを、届くはずがなかった手紙で、というのが上手いとしかいいようがない。ところどころ、クスッとか、ウフフとか微笑んでしまう場面も随所にあり、つい自分の学生時代のころも懐かしんでしまう不思議な映画でした。酒井美紀さんの演技が自然かつ繊細でとても良かったと思います。
どんぶり侍・剣道5級さん [DVD(邦画)] 9点(2006-05-11 22:03:42)(良:1票)
163.始まることもなく終わってしまった藤井樹と藤井樹のラブストーリーが樹と同じ顔を持つ博子の手紙をきっかけに蘇る。死者に送った届くはずのないLove Letterが、甘くせつない図書カードというLove Letterを発見させる。時間を遡り蘇るその甘酸っぱさと死者を交えた毒のない三角関係が見事に岩井俊二の映像とマッチしている。そして岩井ワールドに染め上げられた女たちの透明感にやられる。残念なのは小樽の素晴らしいロケーションに対して神戸のそれは美しいんだけど神戸を感じさせないところ。さらに方言の持つ生々しさというよりも関西弁の持つ独特の生活臭が岩井ワールドとどうも相性が悪いような気がした。「お元気ですかー!」で一気に冷めてしまうスレた自分にも減点。
R&Aさん [ビデオ(字幕)] 6点(2005-11-16 13:00:54)(良:1票)
162.岩井監督って男性なのに、なんで少女の恋心がわかるんですか~!?
なんで女性の女ごころがわかるんですか~!?
と叫びたくなってしまいました。もちろん、転びながら(笑)
杏と蛍さん 8点(2004-11-02 03:32:31)(笑:1票)
161.私個人として、この映画は女性向けだと思っていたけれど、意外と男性にもウケるんですね。だって女性特有の甘く切ない感情じゃないですか、亡くなっても尚想いは募り、手紙を書いて送ってしまうところなんか特に。そう思っているのは私だけかな? そんなことはいいとして、とてもロマンティックな物語。中山美穂の二役(ひろ子・樹)は微妙だったけど、違いはちゃんとわかるように演じてたと思うし、何といっても柏原くんの演技が良かった。中学生の淡い淡い恋心、そしてとてもシャイな行動と言動を、彼のうつむき加減と瞳が表している。この中学時代のエピソードがとても好きです。終わり方も良かったです。トヨエツはねぇ・・・大阪出身なんですよ!みなさん知ってましたか?なのにあれほど関西弁の似合わない人って他にはいないでしょう(笑)。
smiLey'70さん 8点(2004-07-14 21:23:13)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 180人
平均点数 7.41点
010.56%
100.00%
221.11%
331.67%
484.44%
5126.67%
62715.00%
72715.00%
84223.33%
93921.67%
101910.56%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.00点 Review12人
2 ストーリー評価 7.70点 Review20人
3 鑑賞後の後味 7.90点 Review20人
4 音楽評価 7.60点 Review15人
5 感泣評価 7.00点 Review12人
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