怪人マブゼ博士(1933)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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怪人マブゼ博士(1933)

[カイジンマブゼハカセ]
The Testament of Dr. Mabuse
(Das Testament des Dr. Mabuse)
1933年上映時間:122分
平均点:9.00 / 10(Review 3人) (点数分布表示)
公開開始日(1935-02-28)
サスペンスモノクロ映画犯罪もの
新規登録(2010-08-30)【もっつぁれら】さん
タイトル情報更新(2015-07-20)【+】さん
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監督フリッツ・ラング
キャストルドルフ・クライン=ロッゲ(男優)マブゼ
ルドルフ・シュントラー(男優)ハーディ
レイモン・コルディ(男優)
脚本テア・フォン・ハルボウ
フリッツ・ラング
撮影フリッツ・アルノ・ワグナー
製作フリッツ・ラング
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3.《ネタバレ》 大作『ドクトル・マブゼ』の続編として製作されたモノの、政権を掌握した直後のナチス(のゲッベルス)に危険思想を孕む作品と見做されて上映禁止処分となった、てなコトですね。このコトもあってか後にラング自身は、今作にはナチス批判の意図をも込めたのだ…と言っているらしーのですがコレは多分後付けだろう…とゆーのも(また映画史家からは)言及されているトコロのよーです。私はとにかく第一作『ドクトル・マブゼ』を観れてないのでソコはナンとも言い難いかも知れない…とも思いつつ、今作はやはり、根本的にはごく娯楽映画的な方にハイ・クオリティな方のサスペンス・スリラーの傑作…だとは思うのですね(⇒オーラスのカーチェイスや、あと工場爆破シーンなんか最早オーパーツに近い出来ですよね!と)。しかし、ソレでも随所に垣間見える(時代的に不相応にも思える)ごく猟奇的でグロテスクな恐るべき要素とゆーのが、物語の内容を超える(=もっともっと本質的な)スリルやホラーを感じさせてくれる…とも同時に思ったりするのですよ。

その恐ろしさの根源てのは、やはりこの時代のドイツ社会自体が孕む歪み・捻れなのかな…とも(どーしたって)思ってしまうのです。ドイツ表現主義の作品として『吸血鬼ノスフェラトゥ』や『カリガリ博士』の印象を継承してるからなのかも知れませんが、所ドコロに登場する精神を錯乱させた登場人物達の有様とてまた社会病理としての種々の「狂気」の顕れである様にも思えますし、その中でマブゼ博士が唱える「テロルへの信奉」とゆーのもまた、「力」のみに頼らざるを得ない様な=そーしなければ生き抜けないという様な道理や倫理が用を成さない壊れた社会を映し出した結果…という様にも見えるのですね。で本作はまたまた、そーいうモノの象徴としてのマブゼ博士に対して善なる力=(本作においては)警察機構が完全なる勝利を収めて終わってゆく…という様にはどーにも見えないのも確かだと思うのですよね(⇒ソコは、同時代付近のアメリカ映画なんかと比べるとコレもやや異色だな…とも)。ナチスが検閲して改変してれば好かった…とゆーコトでは全くないのではありますケド、その辺も含めて個人的にはやっぱかなり「怖い・不気味な」映画だって印象がどーにも強く在り続けてます(映画自体の内容のスリルなんぞより余程…)。
Yuki2Invyさん [DVD(字幕)] 8点(2023-11-04 17:57:53)
2.《ネタバレ》 続・「ドクトル・マブゼ」。
ラングがドイツ時代に撮った最後の作品で、ラングのサスペンスフルな活劇とオカルティックな演出が凝縮された傑作だ。
ラングはアメリカ時代の方が完成された監督だと思うが、やはりドイツ時代のラングも超凄えぜ!

BGMを極力使わずとも保たれる緊張、無駄なセリフを使わずとも意図が手に取るように解るサイレントの呼吸、加えてラング特有のドロドロとした恐怖演出。
残留思念、亡霊、“魂”!
2時間の長さを感じさせない映像作り。

まずは何といっても、あのファースト・シーン。
工場の轟音が響く密室、拳銃を握り締めた怪しげな男、そして部屋に入ってくる男たち。
映像によって語られるこのサスペンスと緊張。
密室、脱出、襲撃と爆発。この完璧と言っていい7分。そして次のシーンにまで繋がる10分間!

一体男に何が起こったのかを探る警察たちの捜査、その裏で交錯する様々なドラマ、そして“ドクトル・マブゼ”の不気味な存在。
これはサイレント映画の傑作「ドクトル・マブゼ」を見た方がより楽しめるだろう。

刑事のオッチャンが時計まで使って情報を掴もうとするシーンはシュールだ。ラングがたまに見せてくれるこういうユーモアが大好きです。

そしてラングの十八番、終盤の畳み掛けもまた見事な事。
アパートでの攻防、密室からの脱出と取り調べの交差、煙突が1本ずつ倒れながら大炎上する工場、クライマックスの追走劇。
派手なチェイスではなく、猛スピードで通り過ぎる木によってその迫力を語る。良いねこういうの。

マブゼの残留思念に踊らされる幾多の登場人物たち。ラストはもう少しインパクトが欲しいという人もいると思うが、俺には“悪夢”から解放された男と亡霊同然になってしまった男の強烈な対比だけで充分すぎる。
扉が閉まると同時に幕を降ろすエンディングも素晴らしい。ラングが好きで良かった。こんな凄い映画にまた出会えたのだから!
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 10点(2014-03-27 00:59:38)
1.ドイツ公開バージョン。
怪しげな工場内を移動していくファーストショットと、そこに響く重い振動音からして尋常でない緊張感が画面を充たしている。

その序盤シーンをはじめ、窓やドアといった装置がその開閉だけでもサスペンス演出としてバラエティ豊かに機能しており、米独通じての空間・装置活用の傑出ぶりを見せ付ける。

多重露光によって浮かび上がるマブゼ博士(ルドルフ・クライン=ロッゲ)の禍々しい幻影と、その憑依表現の見事さ。

全篇にわたって画面に退廃的ムードを漂わせる煙草の紫煙。水流と火炎と投光機のライトによるスペクタクル。ヘッドライトに照らされる路面や木々の流れが素晴らしい、夜のカーチェイスのスピード感覚と、屋内・屋外含めて画面の装飾は凝りに凝っている。

「閉じたドア・カーテン」が仄めかす背後空間と、実体なき音声による煽動、そして暗く見通しの悪い夜の一本道を猛進する縦構図の疾走アクションに、時代の空気を読みたくもなる。
ユーカラさん [DVD(字幕)] 9点(2011-08-21 14:42:07)
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【点数情報】

Review人数 3人
平均点数 9.00点
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100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
600.00%
700.00%
8133.33%
9133.33%
10133.33%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 10.00点 Review1人
2 ストーリー評価 9.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 10.00点 Review1人
4 音楽評価 10.00点 Review1人
5 感泣評価 10.00点 Review1人
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